中々手が進まず、ダラダラここまで伸ばしてしまいやした………。
はい、今回の話は村長のツンデレが発覚する回です。
意外と可愛いとこであるんだよ村長は。
蒼穹の丘を越え、家から5K歩いたとこにヤエタヒス村はある。ベル達の家が村から離れたところにあるのは、言わずもがな村長が冒険者嫌いだからだ。
さて、そんな村長がいるヤエタヒス村は世界の中心地オラリオから300K離れていて、大きくはなくこじんまりとしている。当然人口も少なく、100人程度しかいない。村の特徴はこれと言ってなく、村の中央広場に大きな
最初は、アリアとへヴェルにも風当たりは強かったが、村に通ううちに仲良くなれた。今ではもう、家族みたいなものだ。モンスターが出た時なんかは元冒険者のアリアに討伐を依頼したりして、その報酬は野菜とか果物、手編みの洋服だったり、田舎ならではの物々交換だ。皆はアリア達と仲が良いが、村長だけはまだギスギスしている。
村長のハルクッド・ヤエタヒス───本名はハルクッド・スローフラット───も悪い人ではない。村の人達からも慕われている。ただ少し、冒険者が嫌いなだけなのだ。
冒険者を見ていると昔を思い出すようで、嫌なのだ。──────最愛の家族を殺してしまった、最悪の思い出を………。
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「あら、アイズちゃん、ベルちゃん。久しぶりねぇ」
村に入るなり、お婆さんから声をかけられた。この人は、牛乳など乳製品を一族で作っている人だ。村で最初に声をかけてくれた人で、今でも仲がいい。
「こんにちは!」
「こんにちは!」
ベルとアイズは元気よく挨拶する。さっきまでは眠そうだったベルも仲のいいおばちゃんの声で目が覚めたみたいだ。
「あら、へヴェルさん帰ってきたのね!おかえりなさい」
「ただいまです、ミラルさん。久しぶりの帰省なので、これから村長さんに会いに行ってきます」
「あらあら、お邪魔しちゃったわね。いってらっしゃい」
「行ってきます!」
今から村長宅へ行くことを伝えると、牛乳3瓶──約3リットル──を残して帰って行った。
結構量があったので、今日の夜ご飯はシチューかなと、思うアリアであった。
それから程なくして、豪勢なとは言えないが、ほかの家より些か大きい門構えの村長宅が見えてきた。
「こんにちは、ヴァレンシュタインです。」
トントントンと3回戸をノックすると、中から「はーい」という声が家の中から聞こえてきた。
多分村長の奥さんの声だろう。
しばらくすると、門が開き、エプロン姿の奥さんが見えた。
「はい、お待たせしました。ヴァレンシュタインさん、お久しぶりです」
「ご無沙汰しております。今日は挨拶をと思いまして」
物腰柔らかい言葉遣いの、優しそうな女性である。目尻が少し下がっていて、なおかつ口元も常に微笑んでいる
から、老若男女に人気の奥さんだ。
「あらまあ、ご家族揃って。アリアさんも、ベル君も、アイズちゃんも久しぶりねぇ、こんにちは」
「こんにちは」
「こんにちは!」
「こんにちは!」
ベルとアイズは村長が嫌いだけど、その奥さんは好き。アリアに内緒でお菓子をくれるからという実に子供らしい理由でだ。
「それじゃぁ、どうぞお入りください」
お邪魔します。と一言行ってへヴェル達は奥さんについて行く。ついでに奥さんの名前は、リューズ・スローフラットとういう。
門をくぐったら、直ぐに玄関が見えてくる。へヴェル達は玄関横の応接間らしきところに通された。応接間には単調な木目のテーブルと、対面式のソファが置かれている。
へヴェル、アイズ、ベル、アリアの順番でソファに座る。リューズはお茶を取ってくると言い、キッチンへ行ってしまった。
しばらくすると、眉間に皺を寄せた中年の男性が入ってくる。元冒険者というだけあって、背は高く、体も程よく引き締まっている。
へヴェル達は立ち上がり、手を胸に当てお辞儀をする。
「お久しぶりです、ハルクッドさん」
「ふん。今日戻って来たそうだな」
「はい、遠征前の休暇で一時帰宅しました」
「遠征か…」
少々…いやかなり機嫌が悪そうに、ぶっきらぼうに答える。と、そこまで話したところでリューズがお茶を持って戻ってきた。
「まあまあ、立ち話もなんですから。座ってくださいな」
「すみません、ありがとうございます」
リューズはへヴェル達を座らせるとお茶を並べて、お菓子をアイズとベルにあげた。出されたお菓子は2人が大好きなもので、緊張していた顔が一気に明るくなった。
「おばちゃんありがとう!」
「ありがとう!」
「いえいえ〜、どうぞお食べ」
いただきます!と言って2人はお菓子を食べ始めた。そんな様子に機嫌が悪かったハルクッドも、少しは落ち着いたようだった。
「前の遠征で、ヘビーモスとリヴァイアサンを討伐したようだな。ヘラ・ファミリアと合同だったのか?」
「いえ、リヴァイアサンはうちだけで倒しました。ヘビーモス討伐の際に、ヘラ・ファミリアの殆どが重症だったので」
「そうか、死者は出てないんだな?」
「はい、両ファミリア共に死者0名です」
「そうか……」
1ヶ月前に行った遠征について死者は出て無いのを知ると、ハルクッドはほっとした顔をした。現役時代の知り合いがその遠征の一員に含まれていたからだ。
家族を無くした経験があるハルクッドは遠征中気が気ではなかったの。ついでと言ってはなんだが、これでもへヴェルのことも心配していた。いくら冒険者が嫌いとはいえ、知り合いが死ぬのは縁起が悪いと理由をつけて。それを知っているリューズは安心しているハルクッドを見てニヤニヤしていた。
「次の遠征はいつ行くんだ?」
「2週間後に両ファミリアの団員達が蒼穹の丘に来る予定です。遠征はそれからになります」
「1日休んでいくのか」
「はい、荷物などの再確認をしたのち、翌日の明朝出発するつもりです」
「分かった、村の皆に食事を届けるよう頼んでおこう」
「ありがとうございます、助かります」
「お前の為ではない。わしの知り合いのためだ、礼を言われる筋合いなどない」
「では、団長として、ということで」
「ふん、それならば仕方ない」
ツンデレ村長は遠征に協力してくれるようだった。次の遠征はオラリオ悲願の3大クエストのうち最も危険な『黒龍』討伐。生きて帰れる確率がほかの2つよりも格段に下がるのだ。村長もそれをわかっているから、遠征に協力している。
「次は『黒龍』だろう……?」
「……はい」
「……皆を悲しませるようなことは、絶対にするなよ」
「……はい!」
つまり、生きて帰ってこいという事だ。回りくどい言い方しかしないが、自分では到底かなわない
「分かったなら今日はもう帰れ。家族を大事にするんだぞ」
「御気遣いありがとうございます、ではこれで失礼します」
「お邪魔しました!」
「おじゃましました!」
「お邪魔しました、村長さん、リューズさん、ありがとうございました」
「礼などいらん」
「またあなたはそんなこと言って……、アイズちゃん達、また来てねえ」
へヴェルは、家族を大事にするんだぞ、という言葉を重く受け止め挨拶をした。
アイズとベル、アリアがお礼を言うと、ハルクッドは顔をそむけ、リューズはそんな
へヴェル達が外に出ると、辺りはもう日が暮れ始めていた。これでは家に着くまでに日が完全に落ちてしまうだろう。家に着くまでには必ず蒼穹の丘を横切らなければならないが、日が落ちてしまうと
「まずいわね、もうすぐ暗くなるわ」
「そうだね」
「おとうさんどうする?」
「暗くなっちゃうよ?」
まずいと言いながらも、何故か顔がにやけているアリア。へヴェルもそこまで深刻な顔をしてないので、おおかた2人にはなにか考えがあるのだろう。アイズとベルが心配そうな顔でへヴェルとアリアの足にくっつく。そんなアイズたちを見てへヴェルは微笑んだ。
「大丈夫だよ、私がベルを」
「そして私がアイズを連れていくわ」
そう、へヴェル達は2人を抱き抱えて走るつもりなのだ。もちろん本気で走ったらまだ子供のふたりは風圧に負けてしまうだろうから、日没までに間に合うように調整しながらだが。
「よーし、では行くぞベル。お母さん達に負けないようにね」
「あら、私に勝てるとでも?」
「お父さんもお母さんも頑張って!」
「私も応援する!」
大人気なく張り合う両親を応援する息子と娘。とても微笑ましい光景だ。
「「「「せーのっ」」」」
先程の言葉が嘘のように仲良く走る4人の背中は、綺麗な夕焼けの中、帰路につくのであった。
なんか終わり方雑でしたね。語彙力無さすぎて笑うしかない
次回はほっこり少なめシリアス多めですね。
ちゃんと定期的に投稿できるように頑張りマッスル (`・ω・´ )