とある風紀委員といいんちょー   作:御堂 明久

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記念すべき第一話。
⋯⋯なのですが、まずはノリで書いていたため、非常に短いです。次回からは長くなるので許してください⋯⋯。

では、どうぞー!


本編
とある風紀委員といいんちょー


夏目(なつめ)ー。この書類、今日中にちゃちゃっとまとめといてくだせー」

 

「またかよ!?」

 

 とある日の平日。

 俺こと夏目(あきら)は、今日も今日とて水無月(みなづき)風子(ふうこ)に書類仕事を任され⋯⋯もとい、押し付けられていた。

 

 

「今月の校則違反者のリストです。いつも通り名前や違反内容に誤りが無いか等のチェック、後はクラス毎に振り分ける程度でいーので」

 

「完全に雑用の仕事だな」

 

「人には向き不向きがあるんです。こーゆー雑事、アンタさん得意でしょ? “副”委員長?」

 

「嫌味ったらしい強調やめろやぁ⋯⋯!」

 

 

 ふふん、と勝ち誇ったような笑みを浮かべてくる水無月にガンを飛ばしてみるも、それをヒラヒラと手を振りながら軽く受け流し、彼女は風紀委員室を出て行ってしまった。ちくしょう、俺も校内の見回りとかが良いなあ⋯⋯。楽そうだしぃ⋯⋯。

 

 ⋯⋯俺こと夏目彰はこの学校、私立グリモワール魔法学園の風紀委員である。

 私立グリモワール魔法学園、略してグリモアは普通の学校とは少し違う。ただの一般人ではなく、いわゆる魔法使いたちが通い―――それらを教育、育成していくという特殊な学校である。

 長々と説明するのも面倒臭いので、詳細は公式サイトやソシャゲの方で調べてね! まあ、要は俺はその学校の風紀委員、さらに言うと副委員長、組織内の立場的にはNo.2なのだ。

 委員長の水無月風子とは同級生⋯⋯という言い方がここでは正しいのかどうなのか。とりあえず、学校の在籍期間がまったく同じの、友人関係にある。俺が風紀委員に加入した要因もその縁によるものが強い。

 

 

「⋯⋯なあ、服部(はっとり)ぃ」

 

「はいはい、なんすか?」

 

 

 俺は自らの設定を思い返しつつ、近くにいた赤マフラーの生徒⋯⋯服部(あずさ)に声をかけた。風紀委員の一人でもある彼女はいつもの軽いノリで応えてくる。

 

 

「なーんで俺、風紀委員副委員長っつー偉い立場にいるのに、こんな雑用ばかりやらされてんのか、お前分かる?」

 

「ええ⋯⋯。自分に振る話題としてはちょっとミスマッチじゃないッスか? それー」

 

「この風紀委員室にお前しかいないんだから仕方ないだろ! 他の皆はまだ来てないか見回り! 馬鹿っ! 服部の馬鹿っ!」

 

「何で自分いきなり罵られてるんスか!? ⋯⋯質問の答えッスけど、ふくいいんちょは見回りに向いてないから、じゃないッスか?」

 

「えぇ、俺そんなに向いてない?」

 

 

 というか、見回りに向き不向きもない気がするんだけど。適当にキョロキョロしながら校内歩き回って、不純異性交遊とかしてる奴がいたらめっ! って注意すればいいんじゃないの?

 そんなことを言ってみると。

 

 

「でもふくいいんちょ、以前一度見回りした時、サボって歓談部の部室でお昼寝してましたよね? その前にも複数回サボりの経験アリ」

 

「何故知っている!?」

 

「忍者の諜報技術を舐めちゃいけないッスよー。いいんちょも当然知ってる事実ッス」

 

「お前がチクったのか!」

 

 

 道理で見回りサボった日は水無月からのいびりが酷いと思った! というかその時点で犯行バレを疑え、俺!

 

 

「まー、放っておいたらサボるって分かってたら、わざわざ風紀委員室から出そうとはしないッスよねー」

 

「ぐっ⋯⋯」

 

「ま、氷川(ひかわ)センパイにバラさなかっただけ、自分といいんちょーに感謝して下さいッス」

 

「あぁうん、それは本当にありがとうございました」

 

 

 風紀委員の中でもトップクラスの堅物である氷川にこのことがバレていたら、俺は風紀委員を辞めさせられていたかもしれない。恐ろしや恐ろしや⋯⋯。

 

 

「いや、そうなると何で水無月はバレてるってことを俺に言わなかったんだろうな。風紀委員舐めんなボケ! ってぶん殴られてもおかしくねーのに」

 

「何でそこまで想像が出来てあんなサボってたんスか⋯⋯。と、言いたいところですけど。ふくいいんちょが度々寝てた理由を知ってたから、でしょーね」

 

「⋯⋯⋯⋯えっ。マジ?」

 

「んっふふー♪ 共生派の調査とかのせいで山積みになってた書類仕事が、一週間ほどで完璧に整理されていたっていう、以前起きた不思議現象。アレ、ふくいいんちょがやってたんでしょ?」

 

「⋯⋯さ、サァ? ナンノコトヤラ」

 

 

 愉しむような目付きでこちらを見てくる服部と目を合わせられない。まさかコイツが気付いていたとは⋯⋯!

 

 ⋯⋯少し前、風紀委員は共生派と言われる派閥の調査に追われていた時期があった。

 風紀委員としてだけではなく、戦闘に秀でていると評価でもされているのか、俺は度々クエストに呼ばれ、服部も何やら別の調査で追われている様子だった。他のメンバーも色々慌ただしく、大体の業務は委員長である水無月が一人でこなしていた。

 彼女は仕事の疲れはあまり周囲に見せるタイプではない。

 でも、じわじわと積み重なっていく書類や、付き合いの長い俺だからこそ分かった、隠し切れない彼女の疲弊した表情を見た俺は、ある日―――。

 

 

「いいんちょに余計なお節介を焼くなー、と言われるのを避けるために徹夜に次ぐ徹夜で書類作業を敢行。一週間かけて一人でそれら全てを消化した⋯⋯って訳ッスよね?」

 

「ななな何言ってんのか分かんねーっての! アレはその、どこかの親切な生徒が風紀委員室に夜な夜な忍び込んでやってたんだよ!」

 

「なんスかその怪談」

 

「うるせー。⋯⋯いやちょっと待て、じゃあ水無月が最近言ってきてた書類作業得意でしょ? っつー言動はまさか⋯⋯」

 

「んふふ。本当に、ふくいいんちょはいいんちょのことが大好きなんスねー。妬けちゃうッス」

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

 コイツ本当にどこまで知ってんだ。

 単なるカマかけかもしれないので表情には出さないが、俺のこの気持ちまでバレていて、彼女が水無月にそれをバラしていたともなると羞恥心がヤバい。何なら自分から風紀委員辞めて逃走しちゃうレベル。

 

 

「ま、見回り中にふくいいんちょが下手に校内でお昼寝して、氷川センパイとかにバレたら一大事ッスから。書類仕事任せてるのは、風紀委員室でこっそり休みなさいって意味もあるかもしれないッスね? 氷川センパイ、大抵時間ギリギリまで見回りしてますし」

 

「あ、そ⋯⋯」

 

 

 もう応対するのもしんどくなってきた。

 俺はそこで服部との会話を切り上げ、大人しく書類をまとめる作業に没頭し始めるのだった⋯⋯。

 

 

 

 

 

 

「ただ今帰りましたー」

 

「氷川紗妃(さき)、見回り終了しました」

 

 

 水無月は緩めの、氷川は堅苦しいにも程がある言葉と共に二人揃って見回りを終えて風紀委員室へと戻ってきた。外はもう薄暗くなってきている。もう寮に戻る生徒がほとんどだろう。

 ⋯⋯と、俺も寮に戻る前にも言っかねぇとな。

 氷川が他の委員と会話を始めた時を見計らい、俺は水無月に話しかけた。

 

 

「水無月」

 

「はい? っと、あー、書類ですか? あれならまた生徒会室の方へ⋯⋯」

 

「一応言っとくけど、“あの時”頑張ってたのは、書類仕事が得意だったからとかじゃねーからな」

 

「おっ。ついに気付かれていたことに気付きましたか。おせーですよ」

 

「うっせ。⋯⋯あの時頑張ってたのは⋯⋯その、お前のためだ。そこ、勘違いすんじゃねーぞ。⋯⋯あと、明日からは俺も見回り参加な! 退屈なんだよ、書類仕事ぉ!」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯へ?」

 

 

 呆けたように声を漏らす水無月。

 しかし俺はもうやることは全て終えたので、もう今日はここにいる理由は無い。とっとと寮の自室に戻ろう! で、風呂入って寝る! あと何か顔暑いから熱も計ろうかなー! 体調管理、大切!

 

 

 ―――俺の、俺たちの風紀委員としての生活はまだまだ続くんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「⋯⋯まったく。相変わらずときめかせてくれるじゃねーですか、彰さん。⋯⋯⋯⋯ばか」

 

 




いかがでしたか?
いや、自分で好き勝手に物語を構築していいオリジナルと比べて、二次創作って神経使いますね。
これからも頑張っていきますので、感想などをくれると励みになります。
では、今回はこの辺で。
ありがとうございました! 感想待ってます!
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