水底のカタルシス―艦隊これくしょん異聞録   作:憲兵隊長J

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第弐話:????年・目覚メ

「…………ヲ……ツカ……ルカ」

「マダ……ラナ……イ」

(………ン、ナンダ、ダレカ……ハナシテル?………ソレニ、ナンカカラダガヘンダ…………)

恐る恐る、瞼を開ける。けれども、何も見えてこない。

(マックラ、ダ………ソウカ、コレガ、ミナソコ、ナノカ……................ケド、ツメタクナイ。……アッタカイ。)

背中に触れる、ふかふかな感触。底に砂でも、溜まってるのかも知れない。でも、浅海で船底を擦った時の感覚とは何かが違う。

(ナンダロウ………)

そっと手を動かして、辺りを探る。………手!?

「ウァァァァァッ!?」

思わず跳ね起きる。…........…よく見えないけど、確かに自分には手が、足が、頭が、そして、胴体があった。

(ナンダヨコレ………コレジャマルデ………)

「何ダヤカマシイ………オヤ、オキタノカ。」

「!!!?」

よく見えない目のついた頭を振って、声のした方向を探る。

「ヲイ、コッチダコッチ。」

いきなり頭を掴まれて、向き直らされる。................よく見えないし、聞こえてくる声?も、なんとか意味は通じるものの........................無理やり、頭の中に意味を流し込まれているようで。

「................ヲーイ、大丈夫ヵ?」

「ナ、ナンダココハ。ドウシテオレ、コンナカッコニ….…マルデ、ニンゲンミタイジャナイカ。」

「マア待テ、順ニ説明シテヤルヨ。………トリアエズハ、服キロ。」

「ヘ?」

私に掛けられていた布ーどうやら布団らしいーがバサリと落ちて、ようやく自分の姿が露わになる。………それは俗に言う、素っ裸ってやつで。

「ウワッ、ナンデオレコンナカッコデ!?」

「................スマン、寝カセルノニ装備ヲ外シタガ、ドコマデガ装備ナノカ判断デキナカッタモンデ。全部脱ガスノガ確実ダカラナ。」

「ナンダヨソレ………」

色々と聞きたいことがあるけど、まずは服を着ないことには始まりそうにない。とりあえず、横に畳んで置いてあった服を取って、着ようとはするものの。

「……………」

「ン、ドウシタ?」

「................アタマ、オオキスギテ、フク、キレナイ………」

「………取レナイノカ、ソレ?」

「ムシロアタマッテトレルモノナノカッ!?」

「ン、取レル奴モイルゾ。タトエバ、ソコニイル奴。................オイ、ヲ級。カブリモノ外シテミセロヨ。」

指さされた方向を見ると、また違った格好の娘がいた。ただ人間と違うのは、頭部から触手が生えていること。……目が覚めた時、話してたのはこの娘だろうか。その娘はため息をついて、

「カブリモノ言ウナヨ。ヲ気ニ入リダシ、装備ナンダカラ。」

と、おもむろに頭に手を掛けて……スポッと、触手の生えた頭を外した。いや、脱いだと言うべきだろうか。露わになったその顔は、やけに白いことを除けば人間のそれと何ら変わりない。

「………ソレ、ボウシダッタノカ。」

「ン、マア、ソンナ感ジ。」

................そ、そんな感じっておい................

「………ッテワケデ、多分オ前ノモ外セルト思ウゾ。」

「………ヤッテミル。」

恐る恐る頭の横に手をかけて、そのまま真上に持ち上げ……ようとした。その途端、側頭部に物凄い痛みが走る。

「ギェェェェェェッ!?」

「ア、外レネーノカソレ。」

「装備ニモ色々アルンダナ。」

「ナ、ナンカ、アタマニボルトデ固定サレテルミタイ………」

「ドウイウ装備ダヨ……」

さっきヲ級と呼ばれた娘は成り行きを見守っていたが、急にこちらに歩み寄ってくる。

「チョット貸シテミロ。」

と、いきなり目の前に手を広げて……側頭部をがっしり掴まれる。

「ナ、ナニヲ」

「私ノ予想ガ正シケレバ」

そしてそのまま、スッと上にスライドさせると………一気に視界がクリアになる。

「ウオッ、マブシッ!」

「アーナルホド、ヘルメットミタイナ感ジナノカ。」

「ナ、ナルホドネ................」

私も見よう見まねで、頭に手を当ててスライドさせてみる。今度は視界が暗くなったが、さっきまでよりはいくらかクリアに見えるようになった。 ................へぇ、バイザー、ってやつか?

その時、ヲ級とか言うのが顔を青ざめて駆け寄ってくる。

「................ヲイ、モウ一度顔見セテミロ。」

「オ、オウ。」

頭に手をかけて、バイザー ー空軍の奴らが確か「風防」とか言ってたのに似てるーをスライドさせると、ヲ級ともう一人が顔をのぞき込んでくる。その様子に後ずさりしながら、

「ナ、ナニカ私ノ顔ニツイテルノカ?」

「……目ガ、水色………」

「………flagship、カ……」

「???」

いまいち、わけがわからない................




天龍ちゃんの生まれ変わった、その姿とは。
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