ひょっとすると、この後少ししたら、キングクリムゾンをするかもです。
一目惚れした女の子、八神はやてに会った翌日、僕は普段通り学校に行った。
普段通りのつもりだったのだが、いつもの美少女3人に、
「「「八雲(君)、どうしたの?」」」
と教室について早々に聞かれた。そんなにおかしかったかな、今日の僕。
「どったの?突然」
「どったの?じゃ、ないわよ!バスの中では完全に上の空だったし、返事も適当だし、何よりため息吐きまくりよ」
「マジで?」
「マジもマジ、大マジよ」
アリサがそう言った。
「なのは、すずか、そうだったの?」
「「うん」」
なのはとすずかにも肯定された。
…僕って割とポーカーフェイスだと思ってたんだけどなー。前世でもババ抜きとか強かったし。
「何か考え事でもあるの?」
考え事、ねぇ…。今日、朝から何考えていたっけ?
整理してみよう。えーっと、まず、朝起きて朝食作りながら、昨日会った女の子の事考えて、食べながら、気になるあの子の事を考えて、片付けながら、車いすの少女の事を考えて、歩きながら関西弁の女の子の事を考えて、バスに乗って、はやての事を…って、朝からはやての事しか考えてなかった!
そんな状態でも普通に生活できるとは、マルチタスク万歳だね。
って、そうじゃなくて!どんだけ、はやての事が気になるんだよ。前世も合わせたら約18年生きてるのに。
でも、実はこれが初恋だったりする。
よく、「初恋は幼稚園の頃」とか言う奴もいるけど、前世の僕はそんな事も全くなく、しかも小学生の頃に両親を失い、一人暮らしだったから、恋する余裕も無かった。
実際の所、今もその余裕があるのか?と聞かれたら、微妙な所だけど、一目惚れしたのだから、仕方ない。
少なくとも、前世の一人暮らしの経験をそのまま引き継いでいるおかげで、ちょっと前のジュエルシード探しや、今の週2で剣道の稽古や魔法の自主練をし続ける位の余裕はあるから、好きな人を好きと想う位は大丈夫だと思う。
「うーん、一応あるけど…、恥ずかしいし言いたくない」
さて、一応答えを出して返したみたものの、なのはやすずかは渋々引き下がってくれそうだけど、アリサは…、
「そう言われると、気になるわね~。言っちゃいなさい。楽になるわよ」
やっぱりね、この、好奇心旺盛娘が。
…しかし、聞いてもらう方が良いのかな?恋愛経験値ゼロの僕にとって、女の子が喜ぶ事なんて、さっぱり見当が付かない訳で。なら、やはり聞いてみるべきか…。でも、なのははともかく、アリサとすずかは良いとこのお嬢様なんだよな~。参考になるのかな?
まあ、意見は聞いとこうかな。それを採用するかどうかは僕の勝手だし。
「OK、じゃあ、話すよ。でも、ここだけの話だよ」
僕の前置きに三人が首を縦に振る。
「えーっと、どこから話したものかな…。昨日さ、ちょっと図書館まで行ってきたんだよ」
「アンタ、割といつも行ってるじゃない」
「大学の方にはね。昨日は市立図書館の方に行ったんだ。それで、まあ、ちょっとした出会いがあって…」
やっぱり恥ずかしい。こっから先は言いたくない。恥ずかしさで死ねるレベル。
「出会いって、何?八雲もあのバカみたいにナンパでもしたの?」
「失礼な!僕とあの銀髪のアホと一緒にすんな!ただ、困ってる所を手助けしただけだよ」
「二人とも、銀髪とかアホとかバカとか酷いと…思わないかな」
「なのはちゃん…。でも、仕方ないね」
あんだけ、積極的に行っているのに…なんかどんまい、銀髪君。同情はしないけど。
「話を続けるよ。それで、僕はその子に一目惚れしたんだけど、どうすれば良いか分からなくて…」
「よし、それなら私達に任せなさい!」
力強くそういうのはアリサ。
ここから、僕は根掘り葉掘り聞かれ、ありがたくアドバイスをいただいた。
…実に楽しそうだった。女子はいくつになってもコイバナが好きってのは本当らしい。
さてさて、なのは達にアドバイスをもらってから数日後、今日は6月5日。場所は僕の想い人はやての家の前。
本当は昨日、6月4日のはやての誕生日に来たかったんだけど、色々有って、来れなかった。
もちろんおめでとうのメールは入れた。ついでに今日行くとも。
手にはプレゼント、手作りのケーキを用意してある。
前世の時にあまりにも一人が暇で色々料理をしていた結果、ケーキなどのスイーツ類も作れるようになっていた。前世の友達の誕生日にも振る舞って、結構好評だったりする。
「しかし、ホールはやりすぎかなあ…」
そう思いながら、僕はインターホンを押す。
しかし、出てきたのははやてではなく、見知らぬ金髪の女性だった。
「あの、ここは八神はやてさんの家ですよね?」
思わず出てきた女性に聞く。
「そうですけど…、あっ、もしかして霧島君?はやてちゃんから聞いてるわよ。さっ、上がって」
「分かりました」
僕ははやての家に入った。すると突然、
『あなた、魔導師よね?』
と前に居る女性に念話で聞かれた。
『はい、そうですけど…って、よく考えたら何で普通の子供の家に念話を使える人がいるんですか!』
『ふふふ、それは後で他の皆と一緒に説明するわ』
『他の皆?』
僕が疑問を言うと共に、八神家の居間に着いた。
そこには、はやての他にピンクの長い髪をポニーテールにした女性と赤い三つ編みの女の子とデカい犬がいた。
「八雲君、いらっしゃい」
「よっす。あ、そうそうこれ誕生日プレゼント。多いと思ったけど、こんだけ人が居るんなら無駄にならなそうだな」
「ありがとう。それじゃ、ウチの子らを紹介するわ。八雲君の近くに居る方からシャマル、シグナム、ヴィータでこの犬がザフィーラや」
「ご丁寧にどうも。それじゃ、僕も挨拶しよかな。霧島八雲です。はやてとは…友達でいいのかな?」
「それでええと思うよ」
僕としてはもうチョイ親密になりたいと思うけど、まあ、焦らず行きましょう。
僕の挨拶に八神家の皆は会釈で返した。
「そやそや、八雲君の誕生日プレゼント開けていい?」
「どうぞどうぞ。気に入ってくれるといいけど」
「何かな~、ってケーキや!美味しそうやなあ。どこのお店の?」
「僕の手作り」
「ホンマに?」
「ホントに。母さんがさ、娘と料理するのが夢だったんだって。残念ながら僕しか子供が居なかったから僕と色々作っていたから、気付いたら作れるようになってたんだ」
まあ、これは半分嘘なんだけど。本当の部分は最初の部分だけ。僕は母さんの遺したレシピを有り余った時間で作っていただけだ。
「何か…女子として負けた気がするわ」
「いやいや、お菓子作り含めた料理は趣味みたいなものだし、僕、凝り性だからさ。それより食べよ」
すこしネガティブになったはやてにケーキを勧める。
女子として負けたって、あれですか?女子力って事ですか?僕個人としては可愛い女の子が精一杯作ってくれたらそれでオールOKなんだけどな…。
あ、そうそう、ケーキは八神家の皆に好評だった。すげー睨んでたヴィータも笑顔になったし。良かった良かった。
さて、時間も経ち僕ははやての家を後にした。
「ちょっと、待ってくれ」
はやての家を少し出た後、呼び止められた。後ろを向くとそこにはシグナムさんが居た。
「何ですか、シグナムさん」
「私達の事を説明しようと思ってな」
「ああ、そういえば聞いてませんでした」
「忘れていたのか」
「ええ、すっかり」
僕とシグナム(さんは付けなくていいと言われたので外した。他の皆も同様で良いらしい)は近くの公園で話す事になった。
シグナムが言うには彼女達4人はロストロギア・闇の書の守護騎士『ヴォルケンリッター』なのだそうだ。
闇の書は僕達魔導師や魔法生物がもつリンカーコアを集め、ページを収集していき、最後まで集めると、大いなる力が手に入るらしい。
しかし、はやてはそれを望まず、守護騎士たちを家族として接しているという事だ。
まあ、普通の9歳の女の子が大いなる力とやらを望むような世界じゃないしね。
「それを踏まえて、霧島八雲、お前はどうする?」
「どうもしないですよ。する必要ありますか?」
「しかし、私達は…」
「人でしょ。主であるはやてがそう決めたんだから。それに何もしないんなら管理局に言う必要もないですし。…でも、闇の書はロストロギアです。何かあったら…」
「ああ、好きにしてくれ」
「分かりました。…でも、出来る限りそんな事が無いと良いですね。はやての悲しむ顔は見たくありません。それはシグナム、あなた達も同じでしょう?」
「ああ、もちろんだ。私達が過ごした時間で最も穏やかな時間をくれた主はやてを悲しませるわけにはいかない」
「…それじゃ、僕は帰ります」
「ああ、また来てくれ。主も私達も楽しみに待っている」
「お菓子をですか?」
「それも、あるが君自身をだ」
「ありがとうございます。それじゃあ、今度もお土産持ってきます」
そう言って、僕達は分かれた。
闇の書か…。ユーノに調べてもらうべきかな?でも、突然そんな事を言ったら事情の説明も出来ないし、何かがあるまで、僕の胸の内に閉まっておく事にしよう。
守護騎士達との出会いの回でした。
守護騎士が収集を始めた時期ってアニメ、映画どちらでも良いのですが、言われていましたっけ?知っている方は教えてください