魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~   作:ピーナ

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参考にしているのが映画版なので、二戦目突入です。


第十三話 雨空の下で

なのは達の襲撃から、数日間は地球から離れた無人世界での魔法生物狩りをしていた。

…正直、なのはやフェイトを直接傷付けた訳じゃないけど、傷付けられた姿を見て僕のしている事について少し迷いが出た。

でも、もう前に進むしかない。吹っ切れなくても。

 

「迷っているのか?」

 

今日のペアであるシグナムがそう聞いてきた。

 

「迷っていないと言えば嘘になるかな。でも、前に進むしかないじゃん」

「そうだな」

 

僕達は再び飛び立つ。はやての命の灯が消える前に…。

 

 

 

そこからさらに数日後、僕が外れている日に、海鳴の街でまた魔力反応が。

 

「叢雲、誰か分かる?」

「誰か不明です」

「とりあえず、現場に行きますか」

 

そう呟いてはやての家を出た。

 

 

結界の中では三対三が繰り広げられていた。

この前と同じ、シグナムとフェイト、ヴィータとなのは、ザフィーラとアルフ。で、最初に三人が攻撃していたっぽいのは…リンディさんだった。

そんでもって、僕の相手は…

 

「てめえの相手は俺だ仮面野郎!」

 

また銀髪君だった。正直、あんまり強くないから僕は楽できるから良いんだけど。

 

「いくぜ!」

 

凄いスピードでこっちに突っ込んでくる。

相変わらず、基本性能は凄いんだけど基本が出来ていないっていうか。てか、なんで攻撃魔法使わないんだろう?

後…

 

「あの二人のデバイスにはカードリッジシステムが追加されているっぽいけど、君のには付いてないよね?」

「そんなこと知るか!」

「デバイス君、その辺どうなの?」

「…マスターには必要ないかと」

「俺の強さには必要ないって事だ!」

 

多分違うね。使いこなせないと思われたんじゃないかな? …できたデバイスだなー。

なのは達はデバイスも戦闘技術もレベルアップしているっぽいんだけど、銀髪君は変わってない。たかが一週間位なんだけど、年齢的に僕達はゴールデンエイジ、成長の伸びしろが一番大きいと言われてる年齢だ。一週間で驚く位伸びる。もちろん体に気を付けないといけないけど。

 

「…君ってさ、弱いよね」

「何言ってやがる!」

「実際、一発も僕に当てれてないし。もうちょっと努力しようよ」

「うるせえ、俺は天才なんだ! 主人公なんだ!そんなもん必要ねえ!」

「…もういいよ。少し寝てようか。獅子戦吼!」

 

ライオン型のショートバスターを発射し、銀髪君を吹き飛ばす。

 

『シャマル、状況は?』

『管理局の部隊が来てるわ。閃光炸裂弾の後、転移魔法で逃げるわ。そっちはどう?』

『さっき、吹き飛ばして気絶させた』

『早いわね…』

『シグナム達の相手みたいに成長してなかったから楽だったよ』

『そう。閃光炸裂弾の用意が終わったわ。下がって』

『了解』

 

その後すぐ、結界内は閃光に包まれた。

 

 

そこから数日は地球から遠く離れた所で蒐集を進めた。

時間もあまりないので、攻撃力のある僕、シグナム、ヴィータは分かれて蒐集に向かった。

 

「…ゴメンな。大地よ! 我に仇なす敵を討て! グランドダッシャ―!」

 

詠唱と共に敵の群れが大地の隆起に飲み込まれる。

 

蒐集と魔法生物の治療を終えて、僕は一休み中。

毎日毎日、魔法生物を斬って、撃って、傷付けて、傷付いて、僕の心は少しずつすり減ってるような気がする。

でも、もう少しなんだ。

時間は残ってないけれど蒐集しきれてないページ数も後少しなんだ。

 

「はやては、助ける! 絶対に!」

 

僕は改めて決意し、飛び立った。

 

 

「そろそろ、帰りますか。えーっと、ヴィータと合流してシャマルのお迎えを待つんだよね…」

 

僕はヴィータを探しながら飛ぶ。

 

「叢雲、ヴィータの魔力探索よろしく。僕もそんなに余力がある訳じゃないし」

「了解です。マスター」

 

しばらくすると、

 

「見つけました。十一時方向、10キロ先です」

 

と叢雲からの報告が。

 

「OK、さっさと合流するよ」

 

全速で叢雲の報告のあった所に向かう。

そこには、血まみれで倒れているヴィータが。しかも、顔には涙の跡がある。

 

「ちょ、ヴィータ!? アイゼン、ヴィータの容体は?」

「失血で気を失っています。血は既に止まっているので命に危険は無いです」

「でも、雨で体温下がってるからな…」

 

周りを見渡して、雨宿りできそうな所を探して、まずはヴィータを休める。

 

「薪になりそうなものは無いし…どうしようか」

 

適当に枝と葉を拾ってきてから、

 

「魔王炎撃破」

 

叢雲に炎を纏わせ、そのまま維持してそれらを乾かす。

ある程度乾かしてからそれに火を点けてたき火を作る。これが術技の平和利用ってか?

 

「さて、回復魔法も使っておくか。キュア!」

 

詠唱と共にヴィータを光が包み、傷を癒していく。

結構ぎりぎりの状態で高レベルの回復魔法を使ったので結構な疲労感が僕を襲う。

 

「叢雲、シャマルが来たら教えてくれ」

「了解」

「ん…」

「おっ、気付いたかな?」

「八雲…? ここは?」

「今日来た世界の洞窟。びっくりしたよ。そろそろ引き上げの時間だったから探しに来たら倒れてたし。おっと、シャマルが来るまで寝てな」

「八雲は大丈夫なのか?」

「今のところはね。魔法をかなり使ったから疲れているけど、体調は問題ないよ」

「そっか…。なあ、一つ聞きたいんだけどさ」

「良いけど、何?」

「いくらはやてを助けるためとはいえ、たくさんの物を傷付けて、たくさんの人に迷惑かけたから、はやてに嫌われるのかな…」

 

その言葉を言っている内にヴィータは泣き出していた。多分、さっきの涙の跡もこのことなんだろうな。

 

「泣くなって、ヴィータ。はやては突然現れたヴィータ達を受け入れてくれただろ?」

「うん…」

「そんな優しいはやての事だ、絶対嫌ったりしないよ。『何でこんな事したん?』とか『何で私に行ってくれんだん?』とか言って怒りそうではあるけどな。まあ、その時は僕を含めて守護騎士皆で怒られようよ」

「うん」

「さあ、調子の悪い子は寝てな。もう少しで蒐集も終わるんだし、それではやても元気になるんだ。その時ヴィータが元気じゃなかったら、今度ははやてが悲しんじゃうから、休める時に休んどきな」

「うん…。お休み」

 

そう言ってヴィータは再び眠りについた。

いざとなったら、守護騎士の事件も全部僕がやった事にしてはやてと守護騎士達が静かに暮らせるようにしよう。

神様にもらった二回目の命だ。それでも良いだろう。

…そうなったら、はやてへの想いは伝えられないけれど、きっとはやても幸せに暮らせるさ。後悔はしない。

少ししたら、シャマルが迎えに来て僕達は海鳴の街に戻った。

ヴィータは夕飯までぐっすり眠って、翌日には元気になっていた。

そして、時は流れ運命の日を迎える…。




二戦目というより、ヴィータメインのお話になりました。
雨の中、泥だらけで戦うヴィータのシーンで何度も泣いてしまいます。
映画版のヴィータは美味しいとこ持って行ってます。

術技説明

獅子戦吼

獅子の形の闘気で相手を吹き飛ばすではなく、ショートバスター(短距離砲撃)を発射する。
若干タメが存在するが、カードリッジで軽減可能。
「まあ、銀髪君は隙だらけだし余裕だったけど」

次回はクリスマスイブのお話。A`sの最終戦です。
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