時が流れ、もう12月24日、世間ではクリスマスイブでお祭りムードだ。
でも、僕の気持ちは憂鬱だ。タイムリミットが迫っているっていうのもある。
しかし、それよりも、
「なんで、こんな時に風邪ひくかなあ…」
という事が大きかった。
事の始まりは三日前、その日の朝起きたら、僕は頭が割れるほどの頭痛と体のだるさに襲われた。
熱を測ってみると、39度越え。どうやら、連日の蒐集の疲れが体に出たらしかった。
僕は無理にでも行こうとしたのだが、守護騎士の皆に止められた。
それから三日間、僕はほとんどを寝て過ごしている。
もう大分回復してきたので、明日には復帰するつもりだけど。
とりあえず今日ははやての為に僕特製のクリスマスケーキを作って、お見舞いに行くシグナム達に渡した後、ベットの中で寝ている。
でもね、何か嫌な予感がするんだ。だって、ここ最近僕が家に居る時に限って何か事件が起こるんだもん。
「マスター、結界反応です。これは、シャマルのです」
ほらねー。予想通りだよ。多分もうザフィーラも現場に向かっているだろうな。
しかし、何だろ?
「場所は?」
「ここから、北西に五キロです」
「北西に五キロって事は…海鳴大学病院か!」
しかし、病院で戦闘になるか?
戦闘の理由はなのはやフェイトに会ったからだろう。なぜ、病院で会ったか。
「そうか、はやてのお見舞いか」
多分、すずかがはやての事を話し、皆で行くことになったんだろう。それで、同じくお見舞いに行ったシグナム達に鉢合わせしたと。
皆がお見舞いに行ってそれなりの時間が経っているから、その場で即、バトルって事にはならなかったみたいだけど。
「っと、今は状況の予測をしている場合じゃなかった。現場に向かわないと」
そう一人言って、僕ははやての家を後にした。
戦いが行われている現場は地獄だった。
まあ、地球上だから比喩表現なんだけどね。でも、地面から火が噴きあがっているし、イメージする地獄っぽいんだよね。
それはそれとして、現場は何故か守護騎士が居なく、なのはとフェイトは謎の人物と戦っている。銀髪君は…落とされている。
しかし、あの謎の人物の持っている本、『闇の書』にそっくりなんだけど…。
とりあえず、なのはとフェイトから状況を聞くか。なんとなくだけど、あの二人の方が答えを教えてくれそうだし。
そんな事を考えていると、謎の人物は二人に向けて砲撃を放つ。
「ちっ!」
舌打ちした後、僕は最大速度で砲撃に突っ込んだ。
「カードリッジ、全弾使用! 魔王炎撃波!」
リボルバーに装填されているカードリッジをすべて一度に使い、今までとは比べ物にならない大きさ、威力の炎の斬撃を砲撃に向けて叩き込む。
「ジュ、ジューダスさん…?」
「おお、覚えてくれてた? 高町なのはちゃんにフェイト・テスタロッサちゃん。ゴメンだけど、いまいち状況が分かってないんだ。教えてくれる?」
なのはとフェイトは僕に闇の書の真実と僕が来るまでの事を。
「そ…んな。僕の、僕達のしていた事が無駄だったなんて…」
「それで、闇の書さんと話がしたくて」
「そっか…。じゃあ、僕も協力するよ。それで皆を助ける。僕の剣と魔法に懸けて!」
「仮面の騎士よ。主や我らを裏切るか」
話を聞いていた、闇の書の意思はそう言った。見ると涙の跡が見える。
「僕の名前は裏切り者の名前なんでね。それに、僕は僕の信念に従って戦うだけさ。それに、シグナムにも一番最初に言ったよ。何かあったら、僕は好きにするって。だから、僕は好きにするのさ。はやてを、君を、守護騎士の皆を全員助ける!」
「戯言を…」
「戯言で結構。でも、それを何とかするのが人間ってもんさ」
「もういい…、お前も安らかに眠れ」
その言葉と共に、彼女は大量の魔力弾を発射する。
「人の話を聞けよ! この駄々っ子が!」
僕はその攻撃を躱しながら、切り込んでいく。
しかし、その攻撃は闇の書に防がれる。
「なっ!?」
「お前の心にも闇があるだろう…」
「何、言ってやがる!」
僕は言いかえしたものの動けない。しかも、体が光の粒となって消えていく。
「「ジューダスさん!」」
叫ぶなのはとフェイト。
僕の姿はやがてすべて消えた。
「吸収」
闇の書の無機質な声が響く。
「仮面の騎士よ。せめて我が主と共に安らかに眠れ。それが、お前と主の望みだ」
闇の書の意思がそう呟いた。
短いですか、きりが良いので。
次回は夢の世界の所になるでしょう。