がんばります…。
喫茶「翠屋」。もしも僕が前世で「なのは」を見ていたら、何か反応しただろう。
しかし、僕は「なのは」の世界観については何も知らない。
だから「翠屋」も普通の喫茶店だと思っていた。いや、実際普通の喫茶店だけども。
まあ、前置きはこのくらいにして、僕は「翠屋」に入った。
「いらっしゃい…って君ひとり?」
長い黒髪を三つ編みにしているメガネをかけた女性がそう聞いてきた。
「はい。ちょっと、両親が帰ってこないので適当に外で夕飯食べようかなって」
「そっか。じゃあ、空いてる席に座って」
そう言われたので僕は適当に空いていた席に座る。
周りのお客さんは子供一人がこんな時間に居るのが珍しいのかこっちの方を結構見ている。
ちなみに僕は前世から、食事は自分のペースでゆっくり食べたいので一人は平気なタイプだ。
まあ、一人焼肉に行けるくらいのレベルである。
気楽でいいんですよ一人焼肉。ただ、店員さんの目に耐えられるかどうかですね。
「注文決まった?」
「えーっと、ナポリタンとオレンジジュースを。後、デザートにシュークリームで」
「はーい。じゃあ、待っててね」
そう言って店員の人は下がっていった。
しばらくすると、頼んだ物が出てきた。…今の僕と同じ歳位の女の子が持って。
日本ってこんなに小さい頃からバイトって出来たっけ?
僕がそんな事を考えていると、その女の子が、
「えーっと、お姉ちゃんが『同い年位の子が一人で来てるからお話してきな』って。私は高町なのはよろしくね」
「僕は霧島八雲。よろしくね高町さん。…さて、冷めないうちに食べますか」
食べながら、目の前の女の子、高町なのはの話を聞く。
家族の事、学校の事、友達の事。それ以外にも時間の限り話してくれた。
僕の彼女の印象は明るくて可愛い女の子だった。
一応、前世では何人かの女友達と言える人はいたけど、趣味の延長で話すようになった人達だから、おとなしい人がほとんどだった。彼女?そんなのいませんよ。
「えっ、学校って明日から?」
「そうだよ。…ってなんで知らないの!」
「いやー、今回の春休みは寝春休みにするぞー、って決めてたから、曜日の感覚が狂ってた」
なんて適当な言い訳。苦し紛れ過ぎるだろ。ていうか神様、2,5年生って表してたけど、2,99年生ぐらいじゃねーか。
「にゃはは…」
ほら、目の前の高町さんも呆れた笑いしかしていないじゃん。
「それじゃ、デザートに食べるつもりだったシュークリームは持って帰ろうかな。明日の準備もしたいし」
「そっか、ならお母さんに言ってくるよ」
そう言って高町さんは戻っていった。
僕は氷が解けて少し薄くなったオレンジジュースを一気に飲んだ。
「あなたが霧島君ね」
「はい。高町さんのお姉さんですか?」
「うふふ、嬉しい事言ってくれるわね。でも、私はなのはの母親よ。姉はさっき、あなたがこの店に来た時迎えた店員よ」
「へっ!?」
思考がフリーズ。
えーっと目の前の女性はなのはの母と言った。まあ、若作りでなのはだけが子供ならまだあり得るだろう。
しかし、姉(おそらく高校生くらい)もいるという事は確実に30代…見えない。親子より三姉妹って言った方がまだ分かるぞ。
ちなみにこの後、さらに上に一人いる事を知るのだが、その時の驚きはこの時の比ではなかったと言っておこう。
「驚いた?」
「ええ、まあ。…ここって何時から開いてます?」
「朝は7時からやってるけど、どうして?」
「いや、美味しかったんで、朝もここで済ませようかなと。7時なら学校も余裕で間に合いますし」
「学校ってどこ」
「聖祥大付属小学校ですけど」
「あら、なのはと同じね。学年は?」
「明日で3年生になります」
「なのはもそうなの。同じクラスになったらよろしくね、霧島君」
「はあ…分かりました」
まだ、新学期も始まっていないのに気が早い事だと思うが…。まあ、良いか。子どもを育てたことの無い僕には親の心情は分からないし。
「はい、テイクアウトのシュークリーム」
「ありがとうございます。また明日も来ます」
「じゃあねー」
僕は翠屋を後にした。
…そう言えばこの世界の元になった作品って「魔法少女リリカルなのは」なんだよな。あの、高町なのはって子は関係あるのかな?
少女だし、なのはだし。後、魔法とリリカルがあれば確定だな。
魔法はともかくリリカルってなんだ?
家に戻った僕は、テイクアウトしたシュークリームを冷蔵庫に入れて、地下室に行った。
魔法の説明は受けていないが、叢雲が言うには地下室に神様の手紙があるらしい。
「これだな、えーっとなになに
『簡単にデバイスの説明をするよ。
まず、起動にはパスワードがいるんだけど、文章中に書くとグダグダになりそうだから別紙に書いてあるよ。
で、その後、バリアジャケットのデザインを設定なんだけど、もし想像し辛いなら、何かモチーフを想像すると良いよ。制服とか。
後は君の魔法資質について。魔力量はSSランク。これは凄く多いよ。でも、君自身の経験がまったくない状態だから、魔導師としてのランクはAAランクと言った所だよ。
それで、テイルズシリーズの魔法をって言ったけど、どう解決するか考えた結果、レアスキル、オクタゴン・エレメントを付けました。
これはテイルズシリーズに登場する、火、水、地、風、氷、雷、闇、光の魔法を使えるようにするスキル。言っちゃえば魔力をテイルズシリーズの魔法に変換するスキル。ただ、弱点があって、発動の時の魔法陣が属性によって色が変わるの。それぞれ、赤、青、茶色、緑、水色、紫、黒、白ってね。だから使える魔法の少ない最初は魔法陣の色で何か分かるんだよね。まあ、その辺は頑張ってね。後、ゲームと同じで上級呪文になればなるほど、詠唱時間も長くなるから。無詠唱でいけるのは各属性の簡単なものくらいだよ。経験を積めば分からないけど。
その世界の魔法は二つ、ミッドチルダ式とベルカ式に分かれるんだけど、君のはミッド式。といってもミッド式の魔法は全然使えないから、そう言うのがあるって覚えておけばいいよ。
そうそう、この世界の飛行魔法は結構難しくて適正もいるんだけど、八雲君は持っているから安心してね。じゃあねー』
って、長い!読むの疲れるわ!」
思った以上に長い手紙に僕はキレる。怒りにまかせて破らなかったのは、大事な事が書かれていると理解はしていたからだろう。
「まあ、いいや起動のパスワードは、
その身に宿るは想いを繋ぎ守る強さ、その心に宿るは正義を貫く揺るぎない信念、生まれた意味は未来を紡ぐ力、永遠に変わらない八つの光が響き解き放たれる、運命を切り開く伝説の剣、叢雲、セット、アップ!」
パスワードを言い終わると、僕自身が光に包まれた。えーっと次はバリアジャケットを考えるんだっけ。
ふむ、魔法、剣、飛行…イイの思いついた!
すると、光は収まっていく。
「うん、この三つだとこれだよね」
僕の姿は銀色の鎧を纏った姿になっていた。まあ、言ってしまえばTOHのカルセドニーの姿のまんまだった。この条件で思いついただけだ。
しかし見た目鎧だけど、鎧の重さは感じないから違和感があるな。まあ、その内慣れるだろう。
「じゃあ、魔法使ってみますか。…ファイアーボール!」
すると、赤い魔法陣が一瞬出現した後、火の玉が一つ飛んで行った。おお、本当に魔法が使えた!
しかし、あのファイアーボールどのシリーズのだろうか?
たしかシンフォニアのは3発飛んで行ったはずだから違う。もし、ヴェスペリアのだったら最終的に10発撃てるようになるのかな?
「…そう言えば、テイルズシリーズの中級や上級の呪文習得のために使用回数が必要な場合が結構あったはずだけど…。その辺は要、検証って所か」
その後、とりあえずテイルズシリーズの初級に分類される呪文を適当に撃ちまくった。
そんな感じで僕の転生初日が過ぎていった。
とりあえず1話終わりました。
オクタゴン・エレメントについて
テイルズシリーズの魔法の特徴って何かなと思った時に、属性ごとの色のイメージがしっかりあるという所でした。
なのはの魔法は魔力光が個人によって違い、一色だけだったので、なら属性ごとに魔法陣の色変えれば良いんじゃない?と思い、考えました。
長々書きましたが、『魔力変換資質テイルズ』とでも思えば間違いないです。
最近のテイルズは雷と氷のない6属性が多いですが、僕がテイルズを始めたのがシンフォニアでそれが8属性だったので、この作品では8属性にしています。
起動のパスワードについて
長いですね。自分の才能の無さにがっかりします。
テイルズの特徴である「○○のRPG」の○○に入る部分をマザーシップタイトルの大半を言葉を少し変えつつ使って作ってあります。
具体的に、
ファンタジア 伝説
デスティニー 運命
エターニア 永遠
デスティニー2運命、解き放たれる
シンフォニア 響き
リバース 無し
レジェンディア伝説(2回目)
ジアビス 生まれた意味
イノセンス 想いを繋ぎ
ヴェスペリア 正義を貫く
ハーツ 心
グレイセス 守る強さ
エクシリア 揺るぎない信念
エクシリア2 未来を紡ぐ
となっています。
何故リバースが無いか。
それは、デバイスを使う八雲自身が「生まれ変わった」存在だからです。
…ていうのは後付けで入れれなかっただけです。
次回は学校編になるかな。アリサ&すずかが登場!
それを終えて原作無印に突入です。