魔法少女リリカルなのは~転生者は魔法剣士~   作:ピーナ

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あんまりうまく書けたとは思いませんが、精一杯甘くしました。
ブラックコーヒーとまでは行きませんが、渋めの緑茶があると良いかもです。


第十八話 僕の想い、君の想い

はやてサイド

 

八雲君がリインフォースを凄い魔法で治してくれて、そのまままた意識を失った八雲君を人型に戻ったザフィーラが運んで私達は私の家に向かった。

私は八雲君に凄くたくさんの物をこの八雲君に出会っての約半年間で貰った気がする。

色々な料理、なのはちゃんやフェイトちゃん、すずかちゃんにアリサちゃんといった新しい友達。なによりも私の家族、守護騎士の皆の為に関係ないのに戦って守ってくれた。それにリインフォースの事も…。

あかんなあ…。私、八雲君に貰ってばっかや。その中で一番大きいのは、八雲君への想い。

ここ数か月闇の書の機能が原因で私は入院をしていた。

時間だけが有り余っていたけど、そのおかげで私は私の気持ちを再確認して、確信する事が出来た。

私は…八雲君の事が好き。

一目惚れだと思うけど、それからそれなりの時間を一緒に過ごして、八雲君の良い所、悪い所色々知れた。

良い所は優しくて気がきく所。世話好きなのか、私が守護騎士達の事を頼んだら、二つ返事でOKしてくれた。

共通の友達であるすずかちゃんからも「八雲君は凄く細かいところまで気がきくよ。同い年とは思えない位。それに、優しいしね」という評価を受けている。

悪い所は…あんまりないと思うけど、今日知ったのは自分の体を顧みない事。今日の戦いや、リインフォースの事で自分の意識が無くなるほどの限界までの魔法行使をしたり、守護騎士のみんなから聞いた、私の為に体も心もボロボロになっても戦ってくれたという事もだ。

私の為って所で嬉しさもあるんだけど、それよりも自分の体の事を気を付けて欲しい。

 

「はやてちゃん、どうしたの?」

「なんや、なのはちゃん?」

「いや、さっきから私やフェイトちゃんが話しかけても反応がなかったから」

「あー…、ちょっとした考え事や」

「考え事って八雲の事?」

 

フェイトちゃんにズバリ言い当てられてしまう。

 

「ズバリって顔してるの」

「…どうして分かったん?」

「「すずか(ちゃん)に聞いた(の)」」

 

二人はそう言った。すずかちゃん…。

まあ、女の子は恋の話が大好物だから仕方がないだろう。私だってそうだし。

 

「で、はやてちゃんは八雲君の事をどう思っているの?」

「言わなあかん?」

「「もちろん」」

「…大好きや。ずっと一緒に居たいくらいには大好き」

「はー、こんなにはやてに想われているなんて、八雲も幸せ者だね」

「でも、私みたいなのを八雲君が好きになってくれるか…」

「そこで、ネガティブはダメなの! 言わないと気持ちは伝わらないの」

「そうだよ、はやて。…そうだ! ミッドで、あっちの世界で子供に人気のお話の中のセリフで今のはやてにぴったりの言葉があるよ」

 

フェイトちゃんは少しの間を開けて、言葉を続けた。

 

「それはね、『勇気は夢を叶える魔法』。ちょっと勇気を出せば、きっとはやての世界も変わるよ」

「勇気は夢を叶える魔法…。ありがとうなのはちゃん、フェイトちゃん。言ってみるよ」

 

私はそう言った。

少ししてやっと私の家に着いて、なのはちゃん達はそれぞれの家に戻った。

守護騎士達はお疲れだと思ったのですぐに休んでもらった。

私は少しの間眠っていたからあまり眠くなく、八雲君の様子も気になったから少しだけ彼の近くにいる事にした。

 

 

「う…ん、ここは…、はやての家か」

 

目を覚ました僕はそう呟いた。

ここは数か月前から僕が間借りしているはやての家の一室。

あの後、誰かが僕をここまで連れてきたんだろう。

僕は起き上がって周りの状況を確認する。

…なぜか、はやてが車いすに座ったまま寝ていた。看病でもしていてくれてたのかね?

 

「こんな所で寝たら風邪ひくぞ…っと」

 

僕は近くにあった薄手の毛布をはやてに掛ける。

いくら、病気の原因が取り除かれたといっても無茶はしてはいけないと思う。

にしても、やっぱりはやては可愛いなー。いつ見ても、そう思う。

でも、そんなはやてに僕はいくら彼女を助けるためとはいえ、罪を背負わせてしまった。そんな僕がここに居ても良いのだろうか?

 

「う、ううん…。あれ? 何時の間に寝てしもたんやろ?」

「おはようはやて。こんな時期にこんな所で寝てたら風邪引くぞ」

「おはよう八雲君。そうか、私寝てしもとったんやね。…そういえば、この毛布は?」

「何も掛けずに寝てるよりはマシかなと思って僕が掛けた。ついさっきだけどね」

 

だから、効果があったかは分かんないけど。

 

「そうか…。そうや、話は変わるんやけど、私、八雲君にお礼が言いたかったんや。家の子達を守ってくれてありがとう」

「でもさ、僕のせいではやての未来を決めてしまったし、お礼を言われるような事は…」

「たしかにそうかもしれん。でも、私から見れば、家の子達と同じ仕事が出来る、皆で一緒に居られるって事や。私はそれで満足なんよ」

「そっか…。分かった、その気持ち受け取っておくよ」

 

そこで会話はいったん途切れる。もう夜もそれなりに遅いので外からの物音もしない。

部屋に電気も点いていないので暗い…という訳でなく、積もった雪に月の光に照らされて結構明るい。

 

「なあ、八雲君?」

「何、はやて?」

「今日、クリスマスで私は八雲君からいろんな物を貰ったよね。だから、私からも受け取って欲しい物があるんや。受け取って…くれる?」

 

はやてからのプレゼント? っていうか、入院してたはやてに用意する時間なんてあったのか? 守護騎士の誰かに頼んだのかな?

 

「いいよ」

 

僕は何の考えも無くそう言った。

 

「それじゃあ、目、瞑って?」

 

はやてに言われるまま僕は目を瞑った。

聞こえるのは車いすで近付いてくる音だけ。

少ししてから、僕の唇に柔らかい何かが当たる。ん、唇?

僕が気になって目を開けるとそこには、

 

 

僕にキスをしているはやての姿があった。

 

 

…うん、これは夢か? また、夢の世界に戻ったのか?

僕がそんな事を考えていると、

 

「これは、私のファーストキスや。それで、それから…私は八雲君の事が大好きや!」

 

と言われた。所謂告白って奴だ。前世から合わせて初めての告白をされて僕は慌てる。

しかも、超直球。

 

「な、なんで僕なんかを…」

「そこで、なんかなんて使わんといて欲しいよ。少なくとも私が会った中で八雲君は一番私が好きだと思える人やったし、多分これからこれ以上の出会いは無いと思ってる」

「でも、僕はいろんな生き物を傷つけて…」

「うん、シグナム達から聞いた。でも、八雲君も心を傷つけてきたんやろ? 優しいもん。私にそれを、これまでの事を癒す事は出来んかもしれん。でも、これからの事は一緒に歩いて行く事で支えていけると思う。もちろんそれは私一人だけじゃなくて、時には家の子達の力も借りるけどな」

 

強い子だなと思う。病気の時でも、僕や守護騎士の皆が行けば確実に笑顔で出迎えてくれた。

それに、罪を背負った僕達と一緒に歩いてくれると言った。

普通じゃそんな事出来ないと思う。少なくとも僕には出来ない。

そんな彼女の想いを中途半端な言い訳で誤魔化したくない。

 

「そっか、そこまで…。分かった、ちゃんと答えるよ。八神はやてさん」

「はい」

「僕はあなたが思っているほど出来た奴でも無い、ちっぽけで弱い普通の人間です。そんな僕でもあなたの笑顔は護りたい。あなたと一緒に歩いて行きたい。…ああ、なんか言葉が上手く纏まらないけど、僕もあなたの事が大好きです。だから、付き合ってください」

「もちろん、喜んでや!」

 

はやての言葉を聞いて僕は彼女を抱きしめた。

彼女から伝わってくる温もりは、これが現実に起こった事だと教えてくれて、僕が護りたかった人が生きている証だった。

 

「ど、どうしたん、いきなり?」

「ゴメン。もう少しこのままで居させて」

 

僕の声は嬉しさで涙声になっていた。

 

「好きなだけええよ。八雲君暖かやし」

 

位置関係的に耳元で囁かれて、なんかよく分からない気分になって、やられっぱなしは性に合わないので、

 

「そんじゃ、今晩はずっとこのままかな。はやても暖かいし、柔らかいし、いい匂いするし、離したくない」

 

と言った。本心ではある。本心なのだが恥ずかしい事この上ない。僕の顔は熱い。多分はやても同じだと思う。

 

「あかん、好きなだけとか言ったけど恥ずかしくなってきた。もう夜も遅いし寝るわ」

「そ、そうだな。はやてもいくら病気の原因が無くなったとはいえ、病み上がりなんだから気を付けないとな。お休み」

 

僕はそう言ってはやてを離す。するとはやては最後に啄むように僕の唇にキスをしてから、

 

「お、お休み、八雲君」

 

と言って部屋を後にした。いくら月明りで外が明るいといってもたかが知れているはずだが、間違いなくはやての顔は赤かった。まあ、それは僕も同じだが。

こうして『闇の書事件』は終わりを告げた。

でも、僕とはやてのこれからはずっと続いていく。

…まずは明日のパーティーからだな。




いかがでしたでしょうか?

一応、今回でA`s編は終わりになります。ここからは不定期更新、ネタが思いついたら逐一書いていく感じです。
とりあえず、これ以降は未定なので首を長くしてお待ちください。
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