あの後、僕達は空を飛んで翠屋近く(必然的に僕の家の近く)の公園まで飛んできた。
飛んだら見つかるかもしれないとは思ったけど、僕もなのはも初めての実戦で体力が結構消耗していたから楽な方を選んだ。
「やっと着いた~」
そう言って僕はベンチに腰掛ける。
「そうだねー。じゃあ、早速お話聞かせて貰うの」
僕の横に座ってなのはがそう言った。
「ん、良いよ。で、何から?」
「八雲君は一体何者なの?」
「そうだね…ユーノ、次元世界ってなんて説明すればいい?」
僕はユーノに話を振った。
僕は『なのは』の原作の知識は無いが、生まれた時の設定上、次元世界について知ってはいる。
ただ、『知っている』のと、『それを説明する』というのは別問題で、実際の住人であるユーノの方が分かりやすく説明してくれるだろうと思い、任せたのだった。
「えーっと、簡単に言うと、僕と八雲は異世界人なんだ。そこでは、魔法が技術として、文化として発達した世界で、たくさん…、とまでは言わないけど結構な数の魔導師が居るんだ」
かなり的を絞った説明だな。でも、分かりやすいし、良いか。
ちなみに、僕の捉え方は、本だったりする。
世界を1ページに例えると、その重なりで出来る本が次元世界。
1冊の本の内容に基本的に同じものが無いように、交わらない世界では違う文化、技術が存在する。
でも、本が綴じられている様に、次元世界も行き来できる。
うーん、めんどくさいたとえかもしれないけど、個人的にはこれがしっくりきた。
「へえー、魔法ってあったんだ」
「まあ、魔法の無い世界のなのはさんはそう思うよね」
「なのはで良いよ、ユーノ君。それじゃ、次ね。今日戦った異相体だっけ?あれはなんなの?」
「それは、僕も聞きたいな。ユーノ?」
「…分かった話すよ」
そこからユーノのロストロギアとジュエルシードの説明を僕たちは聞いた。
簡単に言うと、
ロストロギアは超古代文明の遺産。
ジュエルシードはそのロストロギアの一つで、一つ一つが強大な「魔力」の結晶体で、周囲の生物が抱いた願望(自覚の有る無しにかかわらず)を叶える特性を持っていて、全部で21個あるらしい。
「それで、僕はジュエルシードを発掘しちゃって、輸送してたんだけど、運んでた次元船―次元世界を行き来する船が事故にあって、この地球、海鳴の街に落ちたんだ。僕は見つけたものとして見つけて封印しようと思ってここに来たんだ」
真面目だね~。にしても、事故か。ユーノもついてないね。
「でもさユーノ、それ事故なんだろ?別にユーノが探す事は無いんじゃないの?」
「…たしかに、時空管理局って所に捜索の依頼もだしたけど、地球は管理外世界だから、初動はかなり遅いんだ。それまでに暴走して大変な事になる前に何とかしたかったんだ」
「…そっか。うん、なら、僕も手伝うよジュエルシード探し。人手は多い方がいいだろ?」
「私も手伝うの!」
「二人とも危ないよ!」
「でも、困っているユーノ君を助けてあげたいの!」
「そうそう、ここで、見ない事にして、ユーノが大怪我とかしたら、気分悪いよ」
乗りかかった船ってやつだね。日本のことわざがユーノに分かるかは分からなかったからつかわなかったけど。
「…ゴメンね。こんな事に巻き込んで」
「謝る必要ないの。私達のしたい事をしているだけだから」
「そうだよ、ユーノ。こういう時は謝るよりも言う事があるでしょうよ」
「…そうだね。ありがとう、二人とも。これからよろしく」
こういう時、謝られるよりも、お礼を言われる方が気分が良い。多分、皆そうだと思う。
「それじゃ、改めて自己紹介からいきますか。僕は霧島八雲、八雲で良いよ。よろしくね、ユーノ」
「私は高町なのは、なのはって呼んでね、ユーノ君」
「ユーノ・スクライアです。ユーノってもう呼んでるからそのままで。よろしくね八雲、なのは」
「さてと、帰りますか。家まで送ってくよ。あ、後ユーノどうする?家で預かろうか?」
なのはの家は飲食店だ。いくら店の部分と住居部分が分かれているといっても、何があるか分からないし、ユーノを連れて帰るのはまずいだろう。
その点、僕の家は一件家でしかも一人暮らしなんだからなんの問題も無い。
「大丈夫なの?」
「問題ないよ。一人暮らしだし」
「「ええっ!!」」
はは、そりゃ驚くか。だって見た目小学生(中身高校生)が一人暮らししているって言ったんだし。
「もう慣れたし、気にする事無いよ。あっ、なのは、この事は桃子さんには内緒な。心配させたくないし」
桃子さんはどことなく、前世の両親ににた雰囲気を感じる。多分一人暮らしを知ったら無視はできないだろう。大体の事は出来るから迷惑はかけない自信はあるけど、それでもだ。
「うん…分かったの。ユーノ君の事お願いね」
「はいよ。…そんじゃ、帰りますか。なのは、送ってくよ」
僕はユーノを肩に乗せて、なのはにそう言った。
「良いの?」
「良いの良いの。家近所だし」
二軒隣だし、ぶっちゃけ、この公園からなら、通り道だから何も問題ない。
僕たちは公園を後にした。
「ねえ、八雲」
なのはを家に送り、僕の家に着いた時、ユーノが話しかけてきた。
「ん、何?」
「八雲の魔法、あれは何?僕やなのはと同じミッド式みたいだけど、僕達のはあんなにコロコロ魔法陣の色は変わらないよ?」
「あー…、あれは僕のレアスキルの影響なんだ」
「えっ?」
「僕のレアスキル、一応、オクタゴン・エレメントって僕は呼んでるんだけど…そうだね実際見てもらう方が分かりやすいかな」
そう言って僕はユーノを連れて、地下の練習エリアに行った。
「えーっと僕の魔法は魔力を別の物に変換する事しか出来ません。今日使ったみたいに水の円盤とか氷の針とか。オクタゴンの名前通り8つのパターン、属性があるんだ。たとえば、ファイアーボール!」
そういって、赤い魔法陣の後、僕は火の玉を5発飛ばした。
「こんな感じにね。ちなみに8つの属性はそれぞれ、火、水、土、風、氷、雷、光、闇で色は赤、青、茶色、緑、水色、紫、白、黒だよ。でね、不思議な事に使えば使うほど成長する物もあるんだよね」
「成長?」
「うん、たとえばさっき使ったファイアーボールなんだけど、最初の頃は1発だけだったんだ。でも繰り返し使ってたら何発も連続で出るようになって、今は5発になったんだ。他にも色々ありそうだけど、その辺はまだ分からない。もう少ししっかり調べないと」
「そうなんだ…。ならさ、僕も協力するよ。ジュエルシードの見つかる間だけだけど」
少なくとも僕よりは魔法の詳しい、ユーノが協力してくれたら、何か新たな発見があるかもしれないし。
「そうだね、よろしく頼むよユーノ。それに、なのはにある程度魔法を教えてあげて欲しいな。自分の身を守れるくらいは出来る位に」
「分かってるよ。それに彼女の才能はかなり凄い物だから、それ以上の事もできるよ」
マジでか!流石主人公。
「でも、八雲も凄いよ。ひょっとしたら、なのは以上かも」
「本当に?」
「本当。正直、信じられない位だよ」
僕やなのはって魔法的にそんなにすごかったのね。見た目は普通の小学3年生なのに…。あっ僕は普通じゃなかった。
こんな感じでユーノとの共同生活の初日は過ぎていった。
「そういや、ユーノって分類的に何?食べ物とか調べないといけないし」
「僕は人間だよ!」
「はあ!?ホントに?」
次回からガンガン物語を進めていきたいなと思います。