無印中だと出しにくいんですよね。
なのはやユーノと一緒にジュエルシード探索を始めてから少し時がたった。
その間にいくつかのジュエルシードを見つける事が出来た。
でも、見つからない日の方が多いので骨折り損の事が多い。
一番印象に残っているのはこの前の日曜日の事だった。
その日、僕はなのは達に誘われて、河川敷のグラウンドに来ていた。
そこでなのはの父親、士郎さんがオーナ兼監督を務める翠屋JFCの試合が行われる。僕は見に来ただけのはずだったのだが、
「士郎さん。どうして、僕がユニフォームを着ているんでしょうか?」
「いやー、皆用事とかで、メンバーが集まらなくてね。なのはに聞いたよ、サッカー観戦が趣味なんだって?」
「そうですけど、見るのと、やるのは別物ですよ」
「構わないよ、流石に一人少ないのは問題だからね」
士郎さんの答えに僕はため息を吐いた。
やるしかないかな…。
僕のポジションは守備的ミッドフィールダー、俗に言うボランチって奴だ。
まあ、守備に集中してればいいだろう。素人だし、上がるタイミングなんて分からないし。
そう考えていたら、前半開始の笛が吹かれる。
さて、楽したかったんだけど、ドリブルでこっちに来ている。
ま、この身体能力を駆使すれば、止めれるけど。
早速ボールをとり、周りを見渡す。こっちのフォワードがオフサイドぎりぎりにいるし、相手のディフェンスラインも高い。なら、ここはロングパス一択だ。
僕の蹴ったボールはうまい具合にディフェンスラインの裏に落ちた。フォワードの動き出しも見事で、翠屋JFCは先制した。
「お疲れ様、皆。今日の試合、すごく良かったぞ。買った祝いに飯でも行くか!」
士郎さんはそう言って、翠屋JFCの皆を連れて行った。試合の最終スコアは3対0で翠屋JFCの勝利で終わった。
「八雲君、お疲れ様」
「アンタ、凄いじゃない」
「先制点のパスもその後の守備も凄かったの!」
クラスメイトの三人は僕を口々に褒めた。
「一点目のラストパスはいいスタートを切ったフォワードのおかげだよ。守備も他のディフェンス陣との協力だし。それより、皆はこれからどうするの?」
「私達はこのまま、翠屋に行くけど、八雲君は?」
「僕は士郎さんに誘われたけど、今日スーパーで安売りしているから、そっち行く」
神様が結構な額振り込んでくれているけど、節約出来るところで節約はしたい。
「何というか、主婦じみてるわねぇ」
「それは、自分でも思うけどね。それじゃあ、また明日学校で。行くよユーノ」
そう言って別れた。
「いやー、いい買い物出来た」
『それは良いけど、僕を押し込むのは止めて欲しかったよ』
「ゴメンゴメンユーノ。お詫びに美味しいご飯作るからさ」
『それならいいけど…。魔力反応が来た!』
「マジで!で、どっち」
「あっち!」
ユーノが指を指した方には、何か馬鹿でかい木があった。
「何あれ?」
『多分、ジュエルシードを人間が発動させたんだ』
「面倒な事になりそうだな…」
僕は駆け出した。
現場はとんでもない事になっていた。
「こいつは、強そうだな…」
「気を引き締めて!」
ユーノは結界を張りながら、そう言った。
僕は魔法の詠唱を始める。今回の魔法陣は紫色だ。
「派手に行くよ!サンダーブレード!」
詠唱完了と共に、僕の頭上に雷の剣が出現し、敵の密集している部分に突き刺さり、爆ぜる。
すると、
「八雲君、ユーノ君!」
少しして、なのはがやって来た。
「ユーノ、封印は出来そう?」
「もうちょっと!」
「OK、そんじゃ、もう一発いきますか!スプレッド!」
「レイジングハート、こっちもいくよ!」
『Divine Buster』
次の瞬間、異相体は頭上からの大量の水と、桃色の閃光に飲み込まれた。
…ていうか、なのはさんのあれ、何?魔法?法の字間違ってるんじゃね?
…よし、怒らせないようにしよう。
「…よし、怒らせないようにしよう」
『どうしたの、八雲。突然』
「いや、この前の日曜の時のなのはの攻撃を思い出して。あれ、食らいたくないから、怒らせないようにしようと、その日から心に決めたんだ」
『あー…』
ユーノは事情を察してくれたみたいだ。
あの魔法は、砲撃魔法。魔力を放出して目標に叩きつけるだけらしいのだが、あの威力はなのはのポテンシャルの高さそのものらしい。
ユーノ曰く、「本当に砲撃の基本的な事だけだから、もっと成長するかも」
…いやいや、そんな成長いりませんよ!
『でも、今日八雲はなのは達に誘われていたんじゃないの?』
「今日中に読みたい本があるから断った」
今月、欲しい本いっぱい出るんだもん。休みの日に読んでいかないと、積まれていくだけだ。
何かをためるのは好きじゃない。本でも、洗い物でも、掃除でも。あっ、でもポイントカードだけは別かな。
それに…
『八雲、インターホン鳴ったよ』
「来たか…」
僕はユーノを連れて、玄関に行く。
そこに居たのはなのはとなのはのお兄さん、恭也さんだった。
「おはよう、八雲君」
「おはよう、なのは。おはようございます、恭也さん」
「おはよう、八雲」
「はい、なのは。頼まれていた物」
僕はそう言ってユーノをなのはに渡す。
『えっ?』
『いやー、断った代わりに、ユーノを渡す事を約束したんだよ』
『僕を身代りにしたんだね!?』
『ソ、ソンナコトナイヨー』
『絶対そうだ!』
僕達がそんなやり取りを念話でしていると、
「それじゃあ、夕方に返しにくるの」
「OK、それじゃあ、アリサとすずかによろしく」
そう言ってなのは達二人と一匹(ユーノは人間だから三人か)は僕の家を後にした。
…お詫びに夕飯は美味しい物を作ってあげよう。
「ようやく、読み終わったー」
背筋を伸ばしながら、僕はそう言った。
何時間も座っていると意外に疲れる物なんですよ。
そんな時、
『八雲!』
ユーノから念話が来た。しかも、結構慌てている。
『ジュエルシードの異相体が現れた!急いで来て』
『了解、すぐ行く』
僕はセットアップし飛び立った。
「あの…ユーノさん。一体どうなっているのでしょうか?」
僕の目の前にはなぜか対決している、二人の魔導師が。一人はなのはでもう一人は金髪の女の子だった。しかもかなりの美少女。
「えーっと、なのはがジュエルシードを封印したまでは良かったんだけど、そこにあの子が入ってきて、バトルになっちゃった」
「ジュエルシード放置で?」
「うん」
「あれ、放置で大丈夫?」
「結構、危ないと思うよ」
「よし。なら、止めて説教だな。ユーノ、僕が動きを止めるから、バインドよろしく」
「分かった」
丁度タイミング良く、二人が近い場所に居る。
「さて、おとなしくしてもらおうか…。エアプレッシャー」
上から押しつぶし、動きを止めた所でユーノにバインドをかけてもらう。
「はい君達、どうしてこうなったか分かってるよね」
僕の言葉に二人は頭の上に?を浮かべる。いや、その表情は可愛いけども。今の怒り状態の僕には意味がない。思わず、アイアンクローをかましてしまう。
「「痛い、痛い!」」
「な・ん・で、目的のジュエルシードそっちのけでバトルしてるんだよ!」
「「ごめんなさい~、だから、手、放して~」」
分かってくれたみたいなので、僕はアイアンクローを止めた。
「さて、そっちの金髪ガールの事情を聞こうか」
「わ、私は…」
事情を話そうとした、金髪ガールのお腹がくぅ~と鳴った。顔を真っ赤にする金髪ガール。
「何、お腹空いてんの?」
僕の言葉に無言で頷く金髪ガール。
「仕方ないか。僕の家で何か簡単な物を用意するよ。話もそこで聞く。なのは、ユーノを連れて後で来てくれ」
「分かったの」
そう言って、なのはとユーノはすずかの家に戻っていった。
「さて、帰りますか。ちゃんとついて来てね」
「うん」
僕と金髪ガールは僕の家に向かった。
そういえば、僕もお昼食べてなかったな。
「はい、オムライス」
僕は手早く二人分のオムライスを作って、金髪ガールの前に出す。
もちろん、かけてあるのはケチャップだ。デミも悪くはないと思うけど、やはりオムライスにはケチャップだろう。異論は認めん。
金髪ガールは黙々と食べている。よほど、お腹を空かせていたんだろう。美味しそうに食べてくれて何よりです。
二人とも食べ終えたタイミングでインターホンが鳴った。
『鍵開いてるから、入ってきて』
念話で答えた。魔法って便利だね。
なのはとユーノが入ってきて、さっきの話の続きとなった。
金髪ガール、もといフェイト・テスタロッサが言うには、ジュエルシードを集めるのは、今回の事故の原因は母親プレシア・テスタロッサの魔法実験の事故の影響らしい。
プレシアさんは今、色々な所に謝罪に行ったりと忙しく、そんな母を見たフェイトは手伝おうと、子供なりに考えた結果、置手紙を置いてジュエルシードの落ちた海鳴の街に来たらしい。
…多分、プレシアさん凄く心配しているんじゃないかな?
「よし、なのは、ユーノ、フェイト、今からプレシアさんの所へ行こう。事情説明だ」
「そうだね。話を聞く限りきっとプレシアさんも心配しているだろうし」
「で、でも…」
「乗りかかった船だ気にするな」
「ありがとう、皆」
そう言った時のフェイトの笑顔はとっても綺麗で印象に残った。
展開がかなりのご都合主義です。そういう物だと思って気にしないでください。
魔法説明
サンダーブレード
雷の中級クラスの術。
自分の頭上に雷の剣を作り目標にぶつける。地面に刺さると、周囲に攻撃も出来る。
「これがあるって事は…。期待大だね」
スプレッド
水の中級クラスの術。
相手の頭上に大量の水を降らし、押しつぶす、シンプルな攻撃。
「そういや、テイルズにはスプラッシュもあるけど…」
エアプレッシャー
地の中級クラスの術。
相手を押しつぶす。重力に関係するので、動きを止める事にも使える。
「怒りにまかせて使った。後悔はしていない」
次回はプレシアさんとのお話回です。この作品のプレシアさんはマンガ版イノセントのキャラになっています。(つまり、重度の親バカ)