英雄育成の為に周回で狩られる腕の裏話   作:夢見 双月

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ねぇ、一日一話だと思った!?
残念!!


今日だけ二話でしたー!

いやぁ、筆が乗るとモチベも上がるねぇ!!
でも、今回は幕間の物語みたいな色が強め。
所謂、腕の中の人?に、興味を持ってもらえたらなぁ、と。


今までのこと。これからのこと。

 二人は草原の中にある、地面に何も生えていない場所に来た。

 

 以前、赤のランサーが目から放った光線で辺り一帯を焼け野原にした場所である。

 

 炭や灰は風が持って行ったのか。

 今では開けたちょうどいい空間となっていた。

 

 

『さっ、何を聞きたい?』

 

 そこであぐらを組み、足首に手を置いて彼は言った。

 

 

『あなたは……何者なんですか?』

 

 

『言ったでしょ、さっき。君と同じ、人類最後のマスターって奴だ』

 

『そうじゃなくて。……先輩なら、俺がこれから辿る道も知ってるんですよね』

 

『まぁ……そうだね』

 

『駆け出しマスター、って俺を呼んだあなたなら、これからどんな結末を迎えるのか、分かってるんですよね?』

 

 

『……君は何処まで行ったんだ?』

 

『……最初の場所。特異点Fと呼ばれた、冬木ってところです』

 

『そうか。所長は元気か?ロマンは?えっと……カルデアの召喚サーヴァント第三号は確かカルデアに戻ってから合流だったから除外かな』

 

『……二人とも元気です。そのカルデアの……なんたらサーヴァントは知りませんが』

 

 

 

『そうか……よかった。別の世界とはいえ、友の無事を聞けるというのは素晴らしい事だ。最も、裏切った形になって悲しませたのは他でもない俺なんだが』

 

『……えっ?』

 

 

『俺が人間じゃなくなっていた時点で気付け。どう考えても、自ら進んであの姿になる訳がないだろう』

 

『それは……確かに……』

 

 

『仕方ねぇ。ほんの少しだけ、昔話をしよう』

 

 

 

 

 

 危機が起きた。

 

 人類滅亡カウントダウン。なんてちゃちなモンじゃない。

 むしろ、滅びた後の話さ。

 

『滅びた……?』

『話は黙って聞け』

 

 だが、そのためのレイシフトなんていうタイムマシンさ。まぁ、原理は色々違うが、馬鹿にはこれで説明がつく。

 

 マシュも巻き込まれたあの爆発により、使えるマスターは藤丸立香と呼ばれる存在ただ一人となった。

 

 だが、そこで想定外の事態が起きた。

 

 

 

 

 本来、そこで死ぬはずだった人間を彼は命を賭して守った。

 

 

 

『死ぬはずだった人間?』

 

『気の迷いさ。ゲームでもよくあるだろ。ムービー中にアッサリ死んでしまうキャラクターとか。あの人はそんな感じに死ぬはずだったはずなのに、たまたま死ぬと知ってた馬鹿が助けちまったのさ』

 

 

 

 昔、聞いた事があった。

 誰かが死ぬ運命を変えた時、代わりに他の誰かが死ぬ事になる。

 

 そうしないと釣り合いが取れない。とか、なんとか。

 

 

 そんな事が実際に起きる事も知らず、俺たちは能天気に次々と冒険の旅に出てはハッピーエンドを迎えた。

 正に順風満帆だったろうよ。

 

 

 それで最後の決戦。

 

 黒幕と戦う時。

 俺は知っていたんだ。黒幕の倒し方すらも。

 

 それは仲間の犠牲を払う事で起こる、最後の切り札である事も。

 

 だから、思ったんだろうな。

 

 

 代わりに犠牲になれば、そいつも救われるんじゃないかって。

 

 

『どういう事ですか?』

 

『俺には元々、封印指定も真っ青なチート魔術があってな。魔術ですらないのかも知れないが、とにかく、そいつの代わりになる事が出来たんだ。すげぇだろ』

 

 

 今思えば、俺の命は軽いものだと達観していた。

 今までがそういう生き方だったから、間違いとも思ってなかった。

 

 

 消える直前。

 それを見たよ。

 

 

 泣かれた。……それはもう、思いっきり。なぜ貴方なの、って叫んでくれた。

 

 怒られた。……それはもう、思いっきり。なぜ君なんだ、って大声を出された。

 

 

 ごめん、としか返せなかった。

 

 

 

 

 だから、生きたいと願った。

 いくら死んでも、生き返ってみせると。

 

 

 

 

『それが今や?ヘンテコな腕だけになって?こんな所に居るわけですが?……我ながらひでぇ人間だねぇ!はっはっは!』

 

『聖杯を使って、会いに行きたいとは考えないんですか?』

 

『……それはない。裏切った時点で俺はあそこにいられねぇ。それに、もう目的がない。俺の物語は既に終わってるのさ』

 

『マスターさん』

 

『……俺がサーヴァントにでもなれば話は別だがな!残念だが、奇跡でも起こらないと無理だね!所詮、俺はただのマスターさ!』

 

 

『俺も、あなたのようになるんでしょうか』

 

『いや、それは知らん。俺はむしろ、本来の道を踏み外した側だ。だが、俺の話を聞いて、どう思った?』

 

 

『貴方の進んだ道は嫌だ、と思いました』

 

 

『……そうか。それでいい。……答えなんてない。自分が納得すりゃ、それが答えだ』

 

 

 

 

 

 

『フゥ……俺の答えで満足してくれたかねぇ。ま、アイツ自身の事はアイツがやるべきだし、途中で諦めない事を後は祈るだけだな』

 

 

 

 

 

『……ん?そういやぁ、泣いてくれたヤツって……。アイツだけか。他のみんなは歯を食いしばって耐えてたのに……。今更ながら、相変わらずカッコ悪かったよなぁ』

 

 

 

 

 

 

 

 

『止まるんじゃねぇぞ、なんてな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あー、寒っ!!とにかく着るもの欲しいよなぁ……』

 

 

 

 

 へっきしっ。




次回、進攻。

聖杯はどうなるのか。
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