個人的には細かい所を詰めるのがパズルみたいで結構好きです。
逆に、全体のプロットなんかはほぼアイデアなので、上手く行かない時は本当に進まなくて苦手です。
そんな作者です。
『ランサー、えっと……いつから屋根の上に?』
『夜の間、見張っていたが』
『セイバー……なぜ今入り口から入って来た?』
『……偵察をしていた。情報は多くしておくべきだ』
『おいガキ……なんで目にクマが付いてんだ』
『不安で……魔術のコードがちゃんと起動できるか確認してたら朝日が……』
『まともなのは俺だけか!?』
『俺、間違ってないよな!?ちゃんと昨日みんな休もうぜって提案したよねぇ!?なんで誰も寝てないん!?俺ちゃんと寝たぜ!?』
「「『不安だった……」」』
『なんか俺だけサボったみたいになってんじゃぁん!それが一番気に食わねぇわ!……ちくしょう!さっさと出るぞ!』
「「『おー。」」』
『元気を出せよぉ、せめてぇー!!』
予め、話しあって決めた作戦はこうだ。
まず、別働隊のサルと正面突破隊のその他三人に分かれる。これは、敵のルーラーから決死の覚悟で腕の時に残したアドバンテージを利用するためだ。
ルーラーには、彼が聖杯で転生した事は把握出来ていない。そこを突く作戦。
『聖杯に履歴があるわけないし、魔力の残量を確認しなければそもそも使われたかどうかも分からない。だが、それ以前に俺は世界を変えるほどの魔力を消費している。同じタイミングに規模の小さいものが紛れ込めば、それは自然と目が行かなくなるものだ』
それに、とサルは続ける。
『別に俺がいる事自体はバレてもいい。俺はルーラーにとっては十分未知の存在であるし、ランサーが話した通りならルーラーの特性はサーヴァントじゃない俺には当てはまらない。俺に気をかけてくれるなら正面突破隊も動きやすくなる。実際に対峙するのは俺の可能性もあるし、お前達の可能性もある。覚悟しておいてくれ』
そして、最大の懸念事項を最後に述べた。
『俺たちの最大の問題。それは、ルーラーの願いが叶えられるほどの魔力が聖杯にあとどれほどで溜まるのか。前も言った通り、ここの聖杯はどういうわけか魔力が溜まり続けるという謎仕様だ。サーヴァントの召喚とはわけが違うレベルの願いは叶えて時間稼ぎはしたが、それでも一日かかるかどうかだ』
全員で駆ける。藤丸立香も必死に付いていく。
サルは城周辺から裏手に回り込むため、一丸となって進んでいく。
『来たぞ!』
『……っ!』
目の前に現れたのは無数の腕。
曰く、黎明の神腕と呼ばれるもの。
各々の手のひらが空に向けられて開き、手のすぐ上に結晶を発現させた。
刹那、あらゆる方向から火炎弾が放出される。
『ランサー!』
「分かっている……!」
槍や自分の身を挺してランサーが火の玉を弾く。
ランサーには、生まれつきの黄金の鎧を持っている。不死身に近い性質を持つそれは、黎明の神腕とは言えたかが矮小な火の玉では傷一つつかない。
この程度でやられてしまうなら、日輪の英霊としての名が廃る。
「生憎、それ以上の太陽の輝きを俺は知っている。悪く思え」
「セイバー!」
「了解した……!」
セイバーの剣は、赤、青、緑と三条の輝きを持つ剣でありながら変幻自在であり、剣としてはもちろんの事ながら鞭としても使用することが出来る。
この程度を切り裂けずして、何がセイバーのサーヴァントか。
前衛にセイバー、後衛にランサーを置いた行軍は瞬く間に腕を蹂躙していく。
『油断するな、セイバー!耐久こそ低いが、攻撃に当たればサーヴァントでも中々キツいぞ!』
『回避優先で!この程度で支障が出るほどの怪我をしたら多分、城に入った時に対応出来なくなるよ!』
「分かっている……!……リツカ、お前もマスターらしくなって来たな。面白い。成長が楽しみだと言う人間の言うことが分かるな」
『ありがとう!』
「下がれ、セイバー。真の英雄は眼で殺す!」
ランサーの目からビーム。
今回は一掃のために薙ぎ払う様に放たれ、辺りが植物だらけなのもあって火の海と化した。
『ランサー!加減ッ!!』
『この後、みんな通るんですからね!?』
「すまない。……以前とは勝手が違う様だ」
『俺とのパスがない上に、聖杯の魔力を供給してたからな……。魔力の節約は第一に考えてくれ。こちらでは調整は出来ないからな』
「承知した」
「リツカ。私達のパスの調子はどうだ」
『疲労感はないか?無理はするなよ』
『無理するなって言うなら一人はサルさんが背負って下さいよ!』
『それは無理。俺の魔力はそこまで多くねぇの。ゴメンね』
「マスター。新手の腕だ」
『突っ込むぞぉ!』
『応ッ!』
「……動きましたか。それでは皆さん。迎撃をお願いしますね」
「……」
「ふん。下らんが、たまには我自ら出てやるのも一興よ」
「よかろう。……たまには勇士を見つけねばな。退屈も過ぎる」
「……」
「おや?アーチャー。何処へ?」
「あなたには関係ない事です」
「……」
「カルナ……!」
このサーヴァントはだーれだ?
なんて言ったら即答されると思うので、クイズにはしません。
ですが予想は皆様のお好きにどうぞ。
三人ともすぐに作品に分かりやすく出て来るので。
後、今更ですが、これは正式な聖杯戦争ではないためにクラスが重複していたり、サーヴァントの数も七人が絶対ではありません。そこは特異点なので、ゆるっと考えてくれると。
p.s 団栗504号さんの誤字報告により、誤字を修正しました。報告して下さり、本当にありがとうございます!