念のため、こういう一日投稿などの場合は休む時は活動報告にて連絡するようにしてます。
昨日、更新を待っていてくれた方々には申し訳ない。
それではどうぞ。
両手を前に出し、一小節の詠唱を唱える。
それはかつての友、正義の味方から譲り受けた言葉を組み込んだもの。
『
「はんっ、マスター風情が正面に立つなど本来ならあり得ぬ事よ。殊更に目の前のサーヴァントの霊基を使って戦うなぞ……なぁ?」
黄金ののサーヴァントは腕を組みながら静観している。
俺というマスターの在り方に思うところがあるらしいが、そんな事はどうでもいい。
コレが俺のやり方だ。お前が誰であろうと口出しされる謂れはない。
イメージするは、世界そのもの。
その中の一部を掬い取り。
自分の身体に刻みつける。
『–––––《ギルガメッシュ》』
唱えると同時に、身体が歪曲する。
身体の基本骨子から新たなものに変換され。
異物が混ざり込み。
『融合』していく。
側から見れば、ただ光に包まれた様にしか思えない行為に過ぎない。
しかし、内側から感じる変容は黄金のサーヴァントも感じる程に強烈に響く。
「投影魔術というものは必ずしも性能が同じ贋作を作れる訳ではない。解析や想定によって再現率が大幅に変わり、完璧と言われるものですら劣化品であるらしいが……この我自らを真似るならば、どこまで模倣出来たか採点してやろう!」
『……あー。そういう事ね』
向こうが先程と同じ黄金の波紋を表したのすら無視して、俺は納得をしていた。
先程からの違和感。
それがやっと理解出来た。
こいつは……いや、ギルガメッシュは俺の事を知っている。
サーヴァントの解析、および想定の範囲は広く、あらゆる場所で召喚された過去をも観測さえ出来るのなら投影には欠かせない要素となる。
向こうが魔術による解析を許してる今、あらゆる時空のギルガメッシュを観測出来るのだが。
偶然にも、見つけた。
俺の名前を呼び、まだ見ぬ彼の友に会いたいと嘆く俺を大きく口を開けて笑う奴が。
『そうか……俺達、もう会ってたのか……』
「ふん、不敬者が……。今更自身の愚かさに気付いたか」
『悪いなぁ。これでも記憶力はいい方なんだが、昔に無茶をしてから曖昧でよ』
「……知っているとも。……はっ、貴様はそもそも頭蓋の中が腐りきっていたろう。現実を見よ」
『んだとテメェ!!』
「フハハハハッハッハ!! 良い。良いぞ! 貴様の様な脳無しな輩を相手にするのは気が進まんが、我の力と同等であれば是非もない。––––––宝物庫の鍵を開けてやろう」
投影完了。
頭から徐々に全身の光が解けていき、今しがた足先まで完了した。
というか、こいつどんだけ聖杯戦争出てんだ。情報処理だけでこんなに時間食ったのは初めてだわ。
融合のためか体格こそ以前と変わらないものの、髪は同じ金髪となり、身体には赤いギルガメッシュと同じ模様が浮き出ている。しかし、鎧は下半身しか身につけていない。
鎧に関しては先程奴が言った、投影品によるの劣化が関係しているが鎧ならばさしたる問題ではない。
これは、サーヴァントを投影するなんて無茶をしている自分に対する、当然の事象だ。
『全身全霊痛み入るぜ、ギルガメッシュ。戦士なら最上の誉れ、だのなんだの言って砕け散るんだろうが、俺はそんなのはお断りでね。……通せよ、金ピカ』
お互いに最高峰の剣、槍などの武具が交差する。
そしてほとんどの武器が互いに弾かれ、時には砕けていく。
宝具《
ギルガメッシュの宝物庫にアクセスし、中の財宝であるものを取り出す、または発射する宝具だ。
今現在においてのお互いの主力ではあるが、性能だけで言えばギルガメッシュに軍配は上がる。
こちらは投影による劣化の所為で、限りなく近い性能を引き出せてはいても、性能頼りの戦術では勝てない。
具体的な性能としては、一斉に展開出来るゲートの数が俺の方が少なく、一部の財宝は取り出す事が出来ない。
取り出す事の出来ないもの。それは分かっているだけでも《乖離剣エア》と《
というか、エアもう出してるの?
さっきの宝物庫がどうたら〜、って言ってたのってそういう事!? 嘘やん、勝てるわけないって!
うわ、右手に持って、スタンバってるし。何がそこまでお前を本気にさせるんや。
それはもう隙を突くしかないとして。
《
挨拶がわりに飛んできた剣を弾かせた、あの鎖だ。
アレは《
……あれ? ルーラーとやり合ってた時、この鎖使えばよかったのでは?
もしかすると、腕の時でも出せたかも知んない。
とにかく、《
それさえ出来れば、後はゲートの数の差を埋めるための技量勝負だ!
ギルガメッシュが射出する武器の着弾点を見極め、危険なものを優先的に相殺させながら距離を近づける。
恐らく俺が唯一勝てるのは、今までの模倣してきた英雄達による俺の体に残った経験。
ギルガメッシュは戦士ではない。
近距離の命の取り合いならこちらに分がある。
逆に、ギルガメッシュが近距離が苦手でなければ詰む。
しかも奴はエア持ってるし、倒すには必殺の一撃である必要がある。
倒し損ねてしまえば最後、すぐさまエアを使用されてその風圧でボロ雑巾みたいになって、べちゃっ、っといってしまうのが目に見えている。
それでもギルガメッシュの弾幕は容赦がない。宝具の一つ一つが爆撃のように着弾と同時に爆発する。
そんな状況に対して、宝具を射出したり手に持った剣で死なないように立ち回って行くしかない。
ちなみに、手に持っているのはゲオルギウスが持っているアスカロンと呼ばれる剣の原典。
あの、『アスカロンの真実! お前竜な!』と冤罪吹っかけてくるあの剣。実はその本質は冤罪ではなく、守護に特化した聖剣だ。
身を守る事においては絶大な力を発揮するため、この状況にはもってこいな宝具。
ただ、射出する武器のほとんどは相手の武器に合わせて適当な武器をぶん投げている。
しかし、それだけではギルガメッシュに勝てない。
そこで考えたのは、如何にもギルガメッシュの言う雑種らしい作戦。
簡単に言うと、妨害。
《
さらにこれらは《
『喰らえやァァア!!』
「ぬぅ!?」
そう叫び、手当たり次第に取り出した物をぶん投げる。
火炎瓶や手榴弾の投擲武器から、異臭を放つシュールストレミングやコンビニなどに配置されているペイントボールなど。
これらも人類の知恵の一つである。流石に庶民じみているからかギルガメッシュが使う事は滅多にないだろうが、遠慮なく使わせてもらう……!
「ぐっ、貴様ァ!!」
『隙を見せたなぁ!その首、貰い受けるぜぇ!!』
「うっ……うぐっ……おえ」
『こ”め”ん”……!シュールストレミングはやり過ぎた……!』
「おのれぇ……!この我に臭いが残ってしまったら、斬首だけでは済まさんぞ……!」
『そういやお前の蔵って、全ての臭いを消し去るレベルの消臭剤はあるか……?』
「……ある」
『あるのかよ』
……ギャグには勝てなかったよ。
次は真面目に戦わせるから!
ホントだから!