何処までも回る。
……。
結局、休みが終わるまでに終わらなかったなぁ……。
マジか……。
完結させるまではガンバる。その後はしばらく燃え尽きそうだけど。
頑張る。
時は、ギルガメッシュと黎明の腕改め、サルバドールが殴り合いに発展した頃から遡る。
マスターとセイバーが中に入った城が、薄く見える程の僻地。
そこでは、ギルガメッシュの爆撃に劣らぬ程の戦いの激化が起きていた。
赤のランサー。
そして、赤のランサーと闘う宿命を背負った異母兄弟。
名をカルナ。
名をアルジュナ。
アルジュナはルーラーに召喚こそされたものの、ルーラーとの契約を拒否した為に野良のサーヴァントとして現界し、ルーラーもそれを受け入れていた。
対してカルナは、黎明の腕とのパスは切れているものの藤丸立香と契約を結んでいる。しかし、藤丸立香に魔力を供給してもらった分は微々たるもので、それ以上の魔力はカルナ自身も受け取る事を拒否している。マスターの身を案じての行動だったが、多少の魔力ならば支障はないとカルナは切り捨てた。
今思えば、これ程条件が一致した上でここまで公平に行える決着はこれまでなかった気もする。
互いにそう思い、その数瞬に言葉を交わすこともなく激突した。
今思えば、彼が「夢」のようだ、といった意味が分かる。
「サーヴァントランサー、召喚に応じ参上した」
(マジで来た!? なぁ、今念話わかる!? ネンワ!! ちょっと助けてくれねぇかなぁ!!)
「パスは……お前か。承知した」
「……何ッ!? このタイミングで……!?」
「退いてくれないか。そこに埋まっているのは俺のマスターのようだ。危害を加えるなら討たせてもらうぞ。セイバー」
「貴様は……ランサーか……!」
「如何にも。だがその様子なら、俺の真名も知っていると見える」
(あっぶな、死ぬかと思ったわ……)
「……マスター。後で話がしたい。少し頭を冷やしてくる」
(ヘィヘィ。門限なんざねぇが……早めに帰って来いよ)
「ん? セイバーもマスターのサーヴァント? どういう事だ?」
(些細な喧嘩さ。死にたくねぇからたすけてー、なんて願ったらお前が来てビックリだわ。……なぁ、えっとランサー?)
「どうした」
(……少し話さねぇか? 俺には戦士の在り方ってのがイマイチ分からんらしい。お前がもし戦士なら、足りない俺に教えて欲しい)
「命令なら従おう」
(……サンキュー。ランサー)
「––––やはり、宿敵と言えるアルジュナと再び出会ったならば、あの時のように戦いたいと思うだろう。それが俺にとっての
(ふむ……ランサーにも色々あんだね。……どうする? なんか俺、何故か聖杯に接続してるみたいだし、アルジュナ喚んでみる?)
「……いや、いい」
(え、いいの?)
「願うものではない。所詮は殺し合いだ。他に有益な願いを優先させるべきだろう」
(……なぁランサー。願いってなんだろうな)
「願い、か。死を賭しても叶えたいもの、だろうか」
(多分そうだと思う。けど、人間ってのは誰しも強い願いを持ってる訳じゃない。死にたくないから諦める人もいるし、中にはそもそもそんな大きなものを背負わない人もいる。でもさ、小さな願いならみんなきっと持ってるんだ)
「……」
(俺はさ、それを「夢」って呼んだ。将来の夢みたいな重い意味じゃあなくてな? ここに来てから結構叶ったぜ? そろそろ死にたく……いや、こっちは別にいいか、あなた方のようなあまり知らない英雄と一度会って喋ってみたいなー、とかはセイバーとかランサーに会えて叶ったし。セイバーは戦士としての道を歩んでみたいって思ってたから、俺と一緒に戦うことのない世界で過ごしてる)
「そうか」
(ランサーの「夢」もさ、アルジュナと戦える事がきっと出来るさ。そう思ってんだもん、きっと出来る……多分。ここは「夢」のような世界なんだから)
「そうだな……『夢』……か」
「ところで、いつまで埋まっているんだ? マスター?」
(埋まってねぇの!? 腕しかねぇの!! ほっとけ!!)
「アルジュナよ」
英霊カルナとして、自分は宿敵に語りかける。
「一度、考えた事がある。小競り合いもなく、本気の全力を互いにぶつけたならどちらが勝利するかを」
「カルナ……」
「折角の好機だ。この世界に呵責なし、むしろこのぐらいの無謀さはあって然るべきだろう。どうだ、アルジュナ」
「いいだろう。今度こそ、全身全霊を以って貴様を打ち砕くッ!!」
「神々の業の慈悲を知れ。インドラよ、刮目しろ」
「神性領域拡大。空間固定」
カルナの鎧が消え去り、その手に神槍が顕現する。
「絶滅とは是、この一刺し」
「神罰執行期限設定――全承認」
アルジュナの右手に光球が顕れ、凝縮されていく。
「灼き尽くせ–––––––」
「シヴァの怒りを以て、汝らの命をここで絶つ–––––––」
「《
「《
その時、この世界は二つに割れたかのようだったと、サルバドールは言った。
カルナが自身で引き起こした不運により、勝敗は決した。
しかし、アルジュナはそれを良しとしなかった。
それだけの話。
互いに思うは、勝つために。
ただ、それだけの事。