英雄育成の為に周回で狩られる腕の裏話   作:夢見 双月

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書きたい事が上手く書けずに、それでも四苦八苦したところ、ちょっとしたお茶濁し回になってしまったかも。

追記

はぁっ!? (10月6日深夜時点)日間ランキング載ったぁ!? しかも13位!? ヤッタァ!!

という事で、なんか載ってました。

今までも載ってたのかな? 分からないですが、気づいたのはこれが初めてです。道理でUAが急に増えたと思ったよ……。びっくりした。

ありがとうございます! 感謝しかありません!
やったぜ、ピース!!


夜が更ける。悪夢は呪う。

 目が覚めた。

 

 初めて、知らない天井だ……なんて思った気がする。

 

 カルデアの医務室だという事は分かっている。

 だが、こうしてこの景色を見られるとは思わなかった。

 

 右手を動かす。しっかり動く。

 本来の自分の肌と同じ色が、桃色の健康そうな爪も、全て元通りとなっていた。

 

 敢えて言うなら、声が掠れているぐらいだろうか。喋ろうとしても少し汚い声で響いてしまい、他の人にはなんて言ったのかよく聞かないと分かりづらいと思う。

 さらには、身体が怠い。

 あんな事があったからか、又はそれ自体が原因か。

 消化器官はまるで中身が全て空っぽの様に感じる。空腹過ぎて、反対に食欲が湧かない。

 

「やぁ、お目覚めかい?」

 

 見知った……とは言わずとも、知っている顔が覗いていた。

 カルデア召喚成功例第2号のサーヴァント。万能の天才その人。

 

 いよいよ、先程までの悪夢が……いや、本当に夢の様に思える。

 あんな事、()の身に起きるはずがない、と。

 

 だが、それはあり得ない。悪夢から逃避するだけでは、()は助からなかったのだから。

 

 遅れて、万能の人に目を合わせる。

 すると、彼女……もとい、彼が話し出した。

 

 

 

 

「一応、彼のやっていた事は荒唐無稽としか言えないが、それでも事実である限りはそう捉えなければならない。少なくとも君はカルデアスに融合していた」

 

「……」

 

 無言。声を荒げて意見する事はない。

 既に、()がした事は認識している。今更驚く事はない。

 

 

 

「確認をさせてもらいたい。オルガマリー・アニムスフィア。今、貴女は本当に貴女なのかい?」

 

「……ごほっ、……っ。……えぇ」

 

 咳をして喉を整え、辛うじていつもの自分らしい声を捻り出す。

 

 

「……分かった。取り敢えず、報告だ。君はレフにカルデアスに入れられ、本来ならカルデアスに分解されていたところを彼が何らかの力で君を救い、それどころか受肉するという万々歳な状況になっている。しかし、それはどういう事か……?」

 

「……」

 

「今、彼の身体を調べている最中だ。彼の方は精神的疲労が強く、まだ目覚めていない。調べるのには都合がいいが、その分、彼が意図して隠していた部分が曝け出されているに等しい。謝罪は目覚めた後にするつもりさ。……だけど、君を救い出せた手掛かりは見つかった。彼の起源が関係していたよ」

 

 

 むしろ、私が声を張り上げるとしたらこの後だ。

 

 

「彼の起源は《融合》。……つまり、なんだその。……結果はどうあれ、過程では……君と彼……藤丸立香君で仲良く合体(意味深)していた事になる」

 

「いやぁぁああ!!!」

 

 私は今度こそ絶叫した。

 

 やはりそうなの……!

 なんか、感覚でそれっぽい事は起きてたけども……!

 なんか、助かったのに助かった気がしない! どういうつもりか聞き出してやるわ!

 

 ちなみにこの後、純潔はどうなっているのか、と聞いてきた変態に蹴りを食らわせた。

 

 彼がまだ、藤丸立香(サルバドール)だった頃の話。

 誰かの心の中に映った、走馬灯であった。

 

 

「そういえば、君たちがカルデアスから戻った時、二人とも全裸だったけど何をしてたのかな?」

 

「何もしてないから! 本当にしてないからぁ!!」

 

 微笑ましい景色は、薄く滲んで消えていった。

 

 

 

 

 

「なんだありゃ……」

 

 険しい顔をして、青いランサーは巨大な腕を見てそう呟いた。

 

 真っ先にスカサハとランサーが率先して、狩りにも等しい露払いをしていた頃。突然地響きの様な揺れが起きたと錯覚して周りを見回してみれば、何やら強大な力を持った腕か地面から生えて来ている。

 

 状況の変化を悟った青いランサーは戦場の中心に駆け抜け、先を阻む僅かな木々も関係なしに速度を上げていった。

 ふと、後ろを見るとスカサハが付いてきている。師である彼女も察している様らしい、ランサーは思った。

 

 そして、目的地に着くや否や状況の説明を求めてセイバーな近づいた途端。

 

 

 青いランサーと同じぐらいの大きさの何かが青いランサーのすぐ横掠めた。

 

 後ろには一本道が出来ており、先程通った木々が衝撃でほとんど形を成していない。かなり遠くまで飛ばされていった様だ。

 

 

 

「マスター!!」

 

 

 

 そう叫んだセイバーによって、流石のランサーも眼の色を変えた。

 

(坊主の事か……!? いや、あそこに坊主はいる。なら、アイツがやられたのか……!?)

 

 顔には出さないが、青いランサーは驚愕していた。

 

 ルーラーと対峙する前に、2対1ではあるがスカサハと拳や槍を交えたのには感嘆の声をあげていたばかりである。

 最も、その後にエアで城ごと吹き飛んだのだが。

 

 今はそんな事どうでもいい、とランサーは目の前の腕を睨みつけた。

 

 

 黎明の巨腕。

 

 彼らは元々、普通の腕だった。

 変わらず特異点とも分からない場所で人知れず現れ、その身の結晶の為にあらゆるサーヴァントに狩り尽くされる存在であったのは否定出来ない。

 しかし、その頃には腕に自我は存在しなかった。

 

 だが、例外が現れた。サルバドールの精神が宿った腕という存在である。

 彼が発する言葉という信号。それがやがて、個々の感性を自覚させ、自我をめばえさせるとキッカケになった。

 

 

 そして、感情を持った彼らが含んだものは、怨念の類いであった。

 

 その狂気はやがて膨大なものとなり、この世界でサルバドールの聖杯によって覚醒した。

 

 

 

 巨腕は既にこの小さな世界を文字通り手中に収めている。

 

 所有者が腕なのに、ルーラーの願いが叶えられる道理はない。

 しかし、巨腕はその願いを否定しない。むしろ新たな閃きを与えた悪手であった。

 

 

 巨腕はルーラーのその願いを曲解した。

 よって、人類の救済を望んだ声は、巨腕は絶対の不死を手に入れるに至る道しるべになった。

 

 

 それが目の前の邪悪な存在である。

 

 既にサーヴァントは敵に非ず。

 

 

 サーヴァントに倒され続けた雑魚は進化し、サーヴァントに対して最上の耐性を手に入れた上で、彼らの前に立ちはだかった。

 

 

 しかし、例外は存在する。

 

 

 藤丸立香は無意識に、セイバーから借りた軍神の剣を握りしめていた。

 

 

 

 

 




腕の最大の危険性は、サーヴァントの攻撃でやられ続けている事。

だから、進化を手に入れた時、こうして牙を向かれる。

方法は、サーヴァントでない者が貫くか。


それとも……。


というか、毎回ステラ食らってたら、流石に耐性つくと思うんだけど。何故に跡形もなく死ぬのか。コレガワカラナイ
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