英雄育成の為に周回で狩られる腕の裏話   作:夢見 双月

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今までのあらすじ!
今朝、日間ランキングに一瞬だけ8位になった事を確認し、作者こと夢見は目を見開いた!
夢かと思い、夜に執筆前にまた確認したら、なくなってた。チクショウ!!
もう一回載りたいなぁ。そう思いながら誤字報告を確認すると、ある人が多数の誤字を発見してくれた為、地面に埋まるレベルで頭が上がらなくなる夢見だった!!

ありがとうございます!
本当に助かります!


光の勇者、来光のしるべ その1

 藤丸立香は、呆然と立ち尽くしていた。

 

 淡い期待が何処かにあったのだ。サルバドールなら、もしくは。と。

 

 巨大な敵が目の前に現れたとしても、サーヴァントとまともに打ち合い、勝利する彼なら勝てると思っていた。

 

 

 そんなモノは、彼の呆気なく散ったという衝撃により崩れ去った。

 

 

「しっかりしろ、マスター!」

 

 

 そんなセイバーの声は届かない。

 

 その間にも、邪悪な巨腕は世界を覆う手を進めていく。

 

 ルーラーを一時的に取り込んだ時、聖杯は巨腕に取り込まれた。

 世界を救うにせよ、元の世界に戻るにせよ。藤丸立香は戦わなければならない。

 

 

 巨腕から、光が空に走った。

 その光は青空を侵食し、一面が闇となった。

 

 巨腕が呼び寄せたのか、本来ならいるはずのない骸骨兵を始めとした敵が地面から姿を見せていく。

 

 その内の一体が飛び出し、藤丸立香に向け剣を向ける。

 

 

 未だ放心状態だった藤丸立香を助ける為に、サーヴァント達が駆けたのは当然の動きであったが。

 

 しかし、それよりも先に。

 

 

 

 

 

 藤丸立香が、覚悟を決めた。

 

 

 

 身体の向きを変える最小限の動きで凶刃を避け、手に持っていた軍神の剣をスケルトンに突き立てる。

 

『おおお!!』

 

 その雄叫びは、確実に自身を奮い立たせ。

 目の前の敵の胴体を断ち切った。

 

 力なく倒れる下半身に見向きもせず、藤丸立香は号令を放つ。

 それは必然的な才能である。

 

 サルバドールと名乗る藤丸立香(先駆者)という人類最後のマスターがいて。

 藤丸立香(後に続く者)という自分がいる。

 

 

 過程がどうあれ、その道筋に違いはなく。

 その才能は因果逆転を現すように。

 

 彼の眼には、今は小さき希望の残火を抱いていた。

 

 

『ごめん、もう大丈夫』

 

 その言葉は藤丸立香が発したものか。

 先程までの彼とは何かが変わっていた。

 

 

『みんなで、倒そう』

 

 その言葉に応えるように、全てのサーヴァントが巨腕を見据える。

 

「あの腕は我の宝剣すら貫く事を許さん。この屈辱は万死に値するな?」

「お前がそう願うなら、俺は応えるまでだ」

「いいでしょう。我が力を貴方に」

「さて、暴れるとするかねぇ……!!」

「奴ら有象無象に遅れは取らんが……さて、儂を殺せるか?」

「行こう、マスター。あの文明を破壊する」

 

 

「私も、加わってもよろしいですか?」

 

『……ルーラー。……力を貸してくれ』

 

「よろしい。我が悲願を足蹴にした報いは、身をもって知ってもらいましょうか」

 

 

「雑種。奴にはサーヴァントの攻撃は通じん。そこな犬の槍もアレには刺さりはしても実質当たってはおらん。……いや、何時もの事であったか?」

 

「聞こえてんぞテメェ。……なんならテメェからやってやろうか?」

 

「五月蝿いぞ犬。そこの女、師というなら躾ぐらいしておけ。なったくなっておらんではないか」

 

「確かに、少々大人しいな。全く、あれほど牙を研いでおけと言っていたのだがな……」

 

「この空の呪いの所為か、魔力が体外に放出されて霧散していく。消耗戦となると厳しいかと」

 

「なるほどな。これでは俺たちに打つ手はない。マスター次第といったところか」

 

「それならば、私たちは援護が妥当ですね」

 

「……英雄王。奴からの攻撃はお前の盾で防げるか?」

 

「我の宝物庫をなんだと思っている。あの程度の焔を防ぐものも持ち合わせているに決まっているだろう」

 

「ならば、その他の者は各自で露払いですね。我が弓に懸けて、敵を近づけさせません」

 

「承知した」

 

「いいだろう」

 

「行くぜ」

 

 

「マスター。……私が護ろう」

 

 セイバーはそう言って足元にあった木の棒を拾い、もう一つの軍神の剣に変化させた。

 

『なら、二人で固まって背中を守りあう形の消耗戦を。頑張って倒すから、それまで耐えて!』

 

 

 藤丸立香が走り出したと同時に、全サーヴァントがそれに追従する。

 

 無数の敵軍勢対、藤丸立香率いるサーヴァント軍団の戦いの火蓋が切られた。

 

 

 

「おい、まずは坊主を送り届けるぞ! 話はそこからだ!」

 

そう言ったのは青いランサー。

言い終わるのと同時に突如、正面から砲撃が届く。

 

『魔力弾……!?』

 

「城にいた扉の攻撃か……!」

 

「扉だと……? ふん、貴様らに格を見せてやろう」

「……面白い、ならこれはどうだ?」

 

「《王の(ゲート・オブ)––––––》」

「《死溢るる(ゲート・オブ)–––––––》」

 

 

「《––––財宝(バビロン)》ッ!!」

「《––––魔境への門(スカイ)》ッ!!」

 

 

その扉は後方から、数多の宝具が山なりになぞって飛来し。

その扉は上空にて門が開き、尽くを吸い込んでいく。

 

 

 

 

 

 

『両端から襲ってくる腕の集団を何とかするんだ!!』

 

藤丸立香の声に、二人が応える。

 

右腕・空間遮断(ライトハンド・セーフティシャットダウン)–––––!」

「シヴァの怒りを以って、汝らの命をここで断つ–––––!」

 

 

「《右腕・零次収束(ライトハンド・ビッグクランチ)》ッ!!」

「《破壊神の手翳(パーシュパタ)》ッ!!」

 

その腕は、右腕を犠牲に全てを飲み込むルーラーの奥の手。

その腕は、問答無用の強制解脱の光。

 

 

 

 

 

藤丸立香より先に先陣を切るは、二人の槍兵。

 

 

「何だろうが関係ねぇ。まとめて喰らいなぁ!!」

「頭上注意だ。悪く思え」

 

二人は異なる集団に自身の槍を放った。

 

 

「《突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)》ッ!!」

「《梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)》ッ!!」

 

 

その投擲は、世界をも揺るがす一撃となって異形の軍勢を容易く蹴散らした。

 

 

 

 

「命は壊さない。その文明を破壊する–––––!」

 

『頼むぞ、セイバー!』

 

 

「《軍神の剣(フォトン・レイ)》ッ!!」

 

セイバーが宝具を展開して先行。そのすぐ後ろを藤丸立香は走り抜ける。

 

あらゆるものを破壊する事が出来る軍神の剣の宝具は、降り注ぐような敵の猛攻をも遮る。

 

後は、後ろのサーヴァントに任せるしかない。

自分は自分のやるべきことをやる。

 

『俺が……倒す!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな世界の果て。

仰向けに倒れている青年は、未だ動かない。

青年は目を閉じており、まるで眠るように意識を沈ませていた。

 

 

 

僅かに、右手が動いた。




藤丸立香、覚醒。(二つの意味で)

敵サーヴァントだった彼らの共通点。それは腕、又は扉の宝具を有していること。
序盤からこの四人は決まっていて、この展開をしたかった為にこの続編を書きたかった、とまで言えます!

次回は明後日の投稿になります。お楽しみに!
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