英雄育成の為に周回で狩られる腕の裏話   作:夢見 双月

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終わらん!?
何故だ!?(執筆が遅いから)

という事で、泣く泣く分けました……。ごめんなさい。

ネタバレ注意です。
この話には第2部 序章のネタバレが含まれています。
あなたのところのカルデアがそこまで進行している方々、又はネタバレを気にしない方は読んでいただき。
ネタバレ嫌だ、という方は読まない事をオススメします。
それでも読むのなら自己責任でどうぞ!


終わりは突然に。前編

 ふと、昔の事を思い出した。

 あの頃は良かった。

 

 オルガマリー所長を愛称のオルガと呼び、俺もまたサルバドールと呼ばれたあの日々。

 

 密かにデートとしてレイシフトし、砂浜で追いかけっこしたり。

 オルガの仕事を手伝ったり。

 疲れたオルガを無理やり寝かせようとしたら、同じ部屋でウッカリ寝てしまったり。

 バレンタインにオルガからクッキーを貰ったり。

 

 あの時は、とても楽しかった。

 

 

 …………あー……。

 

 

 

 

 

 ん?

 

 

 

 

 

 ……おいまて、これ本当に俺の走馬灯か?

 

 名前の呼び方以外が全て捏造されてんぞ、どういう事だ。

 黙ってれば、訳の分からん思い出の有る事無い事吹き込まれてんぞ。

 

 

 レイシフトなんざ職権乱用で行ける訳ないし。

 

 大体は、オルガの邪魔をして怒られてたし。

 

 寝かしつける時は大体当て身して気絶させてたし。

 

 クッキーは、怨念と呪いを込めて俺にプレゼント(投げつけて)くれたぞ。

 

 

 大体……!

 

「そんな天使のようなオルガがいる訳ネェダロォがぁぁああ!!」

 

 そう言いながらかけてあった毛布をぶん投げ、飛び起きた。

 

「……ん?……これはアレか? 見慣れた天井だな、とか言う奴?」

 

 その割には、何処だったかイマイチ覚えてない。

 そもそもの違和感に気づく。

 

「天井がある……? 森の中じゃなくて?」

 

 

 何があったのか。

 俺はかつていた、人理保障『機関』カルデアに『帰還』してしまったぁ……なんつって。

 ……やばい、気まずい。

 

 

 

 取り敢えず考えた末の結論を先に話すなら、ひとつだけ心当たりがある。

 

 聖杯への願い事。

 

 確か、内容が間違っていなければ「マスターを元の場所に帰す」とかなんとか言って願ったはずだ、俺は。

 もしかすると俺も聖杯にマスターとして認識され、その上で俺を巻き込む形で願いが叶えられた……という事だろうか。

 

 いやいや、そんな事……。

 …………普通にありえそうだな。

 

 ガバガバ過ぎやしないだろうか? こちらとしては既にセイバーやランサーとは魔力のパスとかが切れてた様な気がしたのだが。

 ……うーん、誰かが俺をマスターだと思っていたとか? どういう経緯で俺にも適用されたのかが分からないのが少し怖い。

 

 しかしそれでも、生きて帰って来れたというのは嬉しい。

 この嬉しさを噛み締め、みんなの元に行こう。

 

 

 ……その前に、ちょっと流石にこの服装はマズイ。

 

 腰に草やらなんやらを巻いているだけでほとんど全裸だ。

 この状態で会おうものなら、オルガからガンドで眉間を撃ち抜かれるだろう。

 

 この腰に巻いた草の塊をまとめ、ゴミ箱に叩き込んだ後にクローゼットの中にあるはずのカルデア制服が…………ない。

 

 

 ……あれ? 新種のイジメ?

 

 

 ……おかしいな、確かに此処に置いてあるはずなんだが。

 

 

「ヤベェって!流石に全裸でカルデア徘徊は色々とマズイ。マスターとしてとかじゃなく、それ以前に人として……! 何かないか……!?」

 

 

 くそっ、草の塊をまた腰にぶら下げてたまるか。こちとらまともに服を着れると期待してのコレだ。少々悪質過ぎちゃいねぇか!?

 

「というか、物自体が全くない……!? 整理されてるのはまだいいが、物品全てなくなってるなんて完全に度が超えてるぞ! まるで、何処かに引っ越しちまうみてぇに……っ!?」

 

 まさか、人理修復の任務が終わった事でカルデアが役割を全うしたのか!?

 それなら考えられる。ゲーティアのヤツのは決着は済んで、細かい書類の後始末さえ終わってしまえば後はカルデアの存在意義は以前と比べて薄くなってしまう。もしそうなったら、魔術なんたらとか聖堂なんちゃらが唾付けてくるってのを以前聞いた覚えがあるぞ!

 

「下手すりゃ、此処には誰もいねぇって事じゃねぇか!! それはマズイぞ、服探してる場合じゃねぇ!!」

 

 すぐにでも、移動して情報を集めねぇと……!

 帰ってきて、即死亡とか笑えねえ!!

 

 電気は通じるのか、自室と思われる部屋の扉に近づけばすぐに開いた。そのままダッシュで管制室方面に向かう。

 

 

 むしろ、誰もいないよりかは、見つかって裸で居るところを笑われた方がまだマシだ!

 

 誰かいてくれ……!

 

 

 

 

 

 

 

「……っ!? こちらスペード2! 前方から未確認変態を発見! 排除する!!」

 

 黒い服に身を包んだ、明らかにテロリストっぽい奴と遭遇。

 

 ……取り敢えず。

 

「誰が変態じゃァァアア!!!!」

 

 色々と言いたい事があったが、真っ先に思い浮かんだのは自身の保身に走る言葉でした。

 俺は変態じゃない。全裸で走ってるだけなんだ!

 

 

 

 

 

 カルデア襲撃により、虚数潜航艇シャドウ・ボーダーにてカルデアメンバーが脱出するまで。

 

 あと二時間。




まさかの1.5部をすっ飛ばして、2部序章のタイミングでカルデアリスポーン。

幸運値はべらぼうに低いわこの主人公。
サルバドールがいない間に1.5部はみんなで切り抜けたとかなんとか。


次回又は次々回、完結。


二部の触りはやるけど、続きません。
残念ながら、構成が全然思いつかないです。

まだアナスタシアもクリア出来てないんだもん!!
(イベントが出来ない……! イベントがぁ……!!)

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