英雄育成の為に周回で狩られる腕の裏話   作:夢見 双月

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気づいたら朝だった。(寝てた)

何を言ってるか分からねーと思うが(ry

という訳で、今回で終わらなかったです!ごめん!

次こそ!次こそ最終回の完結だから!ホントに!
詐欺じゃないから!多分!

変わらず二部のネタバレ注意ですよ!気をつけて下さい!


終わりは突然に。 後編

 なんか、明らかにおかしい。

 倒した兵士の無線を奪い取ると、明らかにカルデアスタッフではない人間が、次々にやられていく会話が聞こえてきた。

 

 多分、やられている方は兵士のお仲間かな?

 だとすると、第三勢力がこちらに来ている事になる。

 

 中々に面倒な事態が起きているが、カルデアのみんなはどうなっているのか。殺されていないだろうか

 

 とにかく情報が足りない。引き続き管制室方面に走る。

 

 

 今戦闘を行ってわかった事だが、霊装投影が出来なくなっている。カルデアスに異常が起きた可能性が高い。何が起きているかを知るには、カルデアスに行くのが得策だろう。

 

「……ったく、面倒な事になってんなぁ」

 

 どちゃっ、と音を立てて崩れる者に尻目に、俺は依然変わらず颯爽と後にする。

 

 もう何回目だよ……!

 ガスマスクに嘴をくっ付けた様な集団がわらわらと目の前に現れ、邪魔するついでに殺しにかかって来た。先程のテロリスト擬きとは違う、明確な殺意を持って。

 10体ぐらいは既に倒した。魔術なんぞ無くても、この体はかの英雄達から受け継いだ技術や戦い方を記憶している。武器など不要、真の英雄はなんとやらってな。

 

 最悪、授かったという名目で使用可能な『友の名を賜りし鎖(エンキドゥ)』を使えば切り抜けられるが、コイツら程度の敵に鎖を使うほどの価値はない。100体ぐらい数を揃えて出直すんだな。

 

 

 しかし、気掛かりなのはやはりオルガやマシュ、ダヴィンチちゃんや生きているはずのロマンだ。

 特にロマン。ゲーティア戦でわざわざ俺が霊装投影からの自爆宝具を使ったんだ。代わりに居なくなった俺からしてみれば、「死んじゃった、ごめんね」では済まさん。その時は2度目の死をプレゼントしてくれる。

 

 ……出来るなら、早く会いたい。

 

 歯軋りする自分を抑え、全速力で突っ切っていった。

 

 

 

 

 ダヴィンチちゃんが貫手で貫かれた。

 所長が私に向かって叫び、私をコンテナの中に入らせました。

 

 あの神父の様な人は何者なのだろうか。そんな疑問もはっきりとせずに気味が悪くなったのを感じました。

 

 残っていたホームズさんがコンテナを操ったのか、私と所長、Dr.ロマン、ゴルドさん、そして少なくなってしまったカルデアスタッフとともに南極を滑って行きます。

 

 その後、ダヴィンチちゃんか小さくなって現れたのには驚きましたけど。

 

「レオナルド、いつの間にそんなものを造ってたんだい……」

 

 Dr.ロマンがダヴィンチちゃんに向かって呆れるように言いました。

 Dr.ロマンは先輩が命と引き換えに引き起こした宝具のイレギュラー使用によって、受肉した後のサーヴァントとしての力を完全に無くしてしまいました。ですが、今でも肝心な時にはとても頼りになる人です。

 

「その辺りの話をしたいとは思っていたのだがね。今は生憎時間がない。ダヴィンチ氏は操縦に専念してもらわなければ」

 

 ホームズさんは何かを思案するように腰掛けながら、ダヴィンチちゃんに促します。

 ダヴィンチちゃんは操縦のためか、スリープモードの様になって動かなくなりました。

 

「大丈夫なのかね、このコンテナは!? まだ死にたくないぞ!」

 

「大丈夫です、ゴルドルフさん。少なくとも万能の天才と言われたダヴィンチが一枚噛んでいる機械です。襲撃を見越しての策なら、ホームズと共謀する事であらゆる苦難において容易く乗り越えられる程の智慧となります。今は不安になるでしょうが、辛抱です」

 

 未だ不信感が残っているらしいゴルドルフ・ムジーク・ユクドミレニアこと、ゴルドさん。

 

 そして、それに対応したのがオルガマリー所長でした。

 

「マシュ、今のうちに休息を。ダヴィンチやホームズが操縦を担っているのなら、他のサーヴァントを呼べない現状で戦うことが出来るのは貴女だけよ。警戒は私達の方でするから、有事の際までは大人しくしていなさい。いいわね」

 

「は、はい!!」

 

 そう言って、所長は私に気にかけてくれました。なので、備えるために休む事にしました。

 

 昔と比べて一番変わったのは彼女です。

 

 ヒステリックと呼ばれるものは鳴りを潜め、代わりにしっかりとした性格に変わっていきました。周りの視野が広く、何かと気にかけてくれるいい上司と言えるようになったのではないでしょうか。

 

 変わった理由も、なんとなくですが分かります。

 大切な人の為なら頑張れる。所長は、そういう人ですから。

 

 

 

「少しいいかね」

 

 ホームズさんが、口を開きました。

 それに全員が注目します。

 

 

「いや、大きな事ではないが……少々気になる事があってね。……ゴルドルフ氏。貴方に伺いたい」

 

「な、なんだね……!?」

 

「ゴルドルフ氏がカルデアス周辺で危機に直面していた時、近くのマイクに電源がついていたために我々は救助に乗り出した。しかし、実際に動いたのは所長である彼女とマシュ、ロマン、そしてダヴィンチ氏の四人であり、私はここで待機していた」

 

「それがどうかしたのかね!?」

 

「問題はこの後だ。貴方はその後、我々ではなく()()()()()()()()()()()()。その人物について聞きたい」

 

「それは僕も聞きたいことです。敵の障害があったのは確かだが、何故か貴方の周りにいた敵の一部が既に倒れていたのかが分からない。しかも、倒れた一人は追い剥ぎにでもあったかの様に身ぐるみを剥がされていた。どんな人物に会ったかを教えて頂きたい」

 

「……儂にも分からん! あの小僧、儂とカルデアの装置を見ただけですぐに移動しようとするし、さらには拳一つで敵を蹴散らすような小僧だぞ!? 知り合いにそんな奴はおらん!……それに……」

 

「それに?」

 

 

「あの男は味方ではない。ただの変態だ」

「は?」

 

 所長の方から聞こえた声でした。

 

 

「なんで、あんなヤツのイチモツを見なければならないんだ!」

 

 思い出したのか、怒りが再燃したと思えばすぐに疲れた顔をし始めてしまったゴルドさん。ホントによく分からない人に会ったらしい。

 私にもよく分かりません。

 

 

「アイツだったら、やりかねないわ」

 

 俯きがちに言った所長の言葉を否定する人はいなかったです。

 

 

 

 

 しかし、その時は気付きませんでした。

 

 このシャドウボーダーに向かって、走って追従して来ている仮面をつけた敵がいる事を。




終わりは必ず、やってくる。

それは必ずしも、楽しい事が終わるではない。

悲しい事も、時々終わる時が来る。

結局のところどう転がるか、なんて。

誰にも分からない。

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