ポケットモンスター 夢のカケラを追いかけて 作:からんBit
ポケモンセンター
ポケモンリーグ公認のポケモン専用の医療施設であり、ポケモン関連の事務手続きを行う役所でもある。
そして、ポケモンセンターの大きな特徴としてポケモンをモンスターボールごと他の場所に転送するシステム網が構築されているという点があった。医療施設の宿命として、重症なポケモンが大量に搬送されてくる可能性は常にある。それを転送システムを用いて他のポケモンセンターに分散できるという点は人間の病院では真似できないシステムだ。
だが、こと野生ポケモンの保護という観点となると話が変わってくる。
ポケモンを『野生』のまま保護できるプロテクトボールが地球界で開発されたが、そのボールのシステムは通常のモンスターボールとは大きく異なる為、転送システムに乗せられない。その結果、傷ついた野生ポケモンの治療に関しては現場でしか対応ができない。
だが、その『対応』と言うのが口で言うほど簡単ではない。トレーナーに管理されているポケモンは多少の誤差はあれど、均一化された食事や生活環境の中にいるため、一般的な治療法で事足りることが多い。
だが、野生ポケモンは違う。
まず、ポケモンは地域ごとに食生活がまるで違う。とある地域では特定のきのみしか口にしないポケモンがいたり、ある地域ではポケモン達が普段食べている植物のせいで一部の薬の効果が薄いことがある。
その地域にいる野生ポケモンの生態を事細かに把握するのはポケモンセンタースタッフの必要条件であり、その地域特有の民間療法を学ぶことは必須条件なのだ
ポケモンセンターのスタッフに親族が多いのはそれが理由であった。
そんなこともあり、『野生』であるクチートは他のポケモンセンターに転送されることもなく、コウジンタウンのポケモンセンターで眠っていた。
24時間体調をモニターしている集中治療室ではプクリンやラッキーが入れ替わりで休憩をとりながら目を離すことなく治療にあたっている。
そんな集中治療室の隣の廊下。そこに置いてあるソファに寝転がり、毛布にくるまっているのはタクミであった。
泣き疲れたせいかその瞼は赤く晴れ、全身は今も力が入っているかのように固い。吐息の深さから見るに眠りは浅く、熟睡には程遠いようであった。
硬いソファの上で寝ていることもあるが、それ以上に感情の置き場を失ってしまったのが響いていた。
目を閉じても気分の悪い夢ばかりが頭を過ぎて度々目が覚めるし、小さな物音にも過敏に反応してしまう。
今のタクミはクチートのことが気になって落ち着いて眠ることもできなかった。
窓の外は昨夜の嵐が嘘のように晴れ上がり、雲一つない空に太陽が登ろうとしていた。
朝日が赤く輝く頃にはポツポツとトレーナーが起きだし、ポケモンセンターが賑わいを増していく。
タクミは明け方から寝たり起きたりを繰り返していたのだが、『地方旅』で身に付いた生活習慣はそう簡単に抜けなかったようで、いつも通りの時刻に身体を起こした。
ガラス窓の向こうにいるクチートに目を向けるが、クチートはうつ伏せになってベッドに眠ったまま。クチートが起きだす気配はない。集中治療室にも日の光が差し込むが、右目を覆うように巻かれた真新しい包帯が猶更痛々しさを増すだけであった。
タクミは力尽きたように再びソファに倒れ込む。
「人間の悪意ってのは、どこの世界でも変わらないんだな……」
地球界でもニュースには人間の所業とは思えないような事件が時々報道される。
ポケモン界で旅をして、そんな世界から解き放たれたような気がしていたが、そんなことはなかった。
どんな場所であろうと人間がいる以上はその誰しもが悪意に染まる可能性を持っている。
心底善性に満ちた『良い人』なんてこの世に存在せず、利己的な欲望を隠して人は生きている。
そんな人間の醜い一面に触れたせいか、タクミは思った以上に消耗していたようだった。
今日は坑道に置いてきた自分の荷物を回収に行かなければならないのだが、そんな気力はほとんど湧いてこない。それに、無理して今日明日に取りに行く必要性もない。
タクミはクチートがある程度元気になるまではこの町を動く気はなかった。ポケモンリーグの制限時間など知ったことではなかった。タクミはこんな状態になったクチートに背を向けて次の目標に向かっていける程に切り替えの上手い人間ではない。
タクミは久しぶりの二度寝でもしてみようかとソファの上で再び目を閉じた。
意識が沈んでいくタクミ。
それからどれぐらいの時間が流れたかはわからない。
少しの間眠ったような気もするし、瞬間的に叩き起こされたような気もする。
わかったことはタクミの眠りが警報のようなけたたましい警告音によって一気に覚醒させられたことだけだ。
「なに!?なになに!?」
顔を上げた瞬間、タクミの目の前の強化ガラスにプクリンの丸い身体が叩きつけらた。
『バァン!』という激しい音がして、窓ガラスは強く震える。それでもヒビ一つ入らないのは流石だったが、そこに身体を強く打ち付けたプクリンはただではすまない。強化ガラスの向こう側で目を回したプクリンがズルズルと力無く滑り降りていった。
その窓の向こうはクチートが寝かされていた集中治療室。
その中には数匹のプクリンが集まって、戦闘態勢を取っていた。
彼等の中心にあるのは一つのベッド。そのベッドの上にクチートが立っていた。
「クチ……クチ……クチィイイイイ!!」
クチートは全身についていたコードを引きちぎり、満身創痍であるはずの身体を引きずり、片目しか開いていない瞳を血走らせ、全身全霊をもってプクリン達を威嚇していた。
プクリンが近寄ろうとするたびにクチートは頭部から伸びる巨大な顎を振り回して攻撃を加えてくる。
その牙が宙を舞うたびに火の粉が舞い、熱を放つ。
「クチート!落ち着いて!ここにあなたを攻撃するものは何も無いわ!」
ジョーイさんも駆けつけてきたが、興奮したクチートは聞く耳を持たない。
「仕方ないわ、眠らせる。プクリン、“うたう”よ!」
「プク!プ~ププリプ~~ププ、プププ~♪」
歌でクチートを眠らせようとするプクリン。だが、タイミングが悪かった。
プクリンが唄い出した直後、クチートはベッドから飛び降りつつそのベッドを殴りつけたのだ。
衝撃で吹き飛ばされたベッドが唄い出したプクリンを直撃した。
「プクゥ!!」
騒然とする集中治療室。興奮したクチートは何かを探すように周囲に目を走らせていた。
出口を探しているのかとも思った、どうも様子がおかしい。
クチートは周囲を見渡し、何度も何度もジョーイさんのところで視点を止めているのだ。
クチートは『人』を探していた。
その様子を見たタクミの背に鳥肌が走り抜けた。
「……クチート……お前……まさか……」
タクミの手に力がこもった。握り込んだ爪が手に食い込む。
「……まさか……まだトレーナーを探しているのか……」
食いしばった歯の奥から声にならない音が漏れた。
こんな目にあわせられ、こんなに酷いことをされたのに、まだそのトレーナーに縋ろうというのか。
タクミはいてもたってもいられず、その場から駆け出した。
集中治療室ではクチートが最早手が付けられなくなっていた。
クチートは顎を振り回しながら、“アイアンヘッド” や “ほのおのキバ” でひたすらに暴れ続けていた。
だが、本来であればクチートにはそんなことができる体力など残されていないはずだった。
おそらく、目が見えているせいだった。
長らく視覚を閉ざされた状況にいたのに、突然目が見えるようになった。しかも、目覚めたのは見知らぬ場所。
クチートはあまりの衝撃でパニックになっているのだ。
最早自分の体力が落ちていることも理解できていない。無茶なことをすれば本当に命が危ないかもしれないということもわかっていない。あるのはただ、暗闇の中でもずっと探し続け、縋り続けた一本の心の糸だけだった。
クチートは何度も何度も何度も部屋の中を見渡し、人影を探し続けていた。
差し込む日の光に眼が焼かれようと、潰された右目が疼こうと、クチートは愚直なまでに自分を捨てた相手を探し続ける。
『ここはどこ?マスターは……マスターはどこにいるの?探さないと……置いていかれちゃう。追いかけないと……追いかけないと……』
目の見えない坑道での日々の中、クチートにとってはその思考だけが支えだった。
その気持ちがある限り動き続けて、生きることができた。
クチートは今もその行動原理に突き動かされていた。
自分のトレーナーの姿を追い求めるクチート。視線を不気味な程に素早く動かし、人影を探す。
だが、この場所に自分の望む姿はない。だったら、この場所にいる意味はなかった。
集中治療室の出口を見つけたクチートはそこに突進した。
「プクリン!!クチートを外に出しちゃダメ!!」
「プクゥ!!」
「プクリン!!」
プクリンが立ち塞がり、壁となる。
「クチィィイイイイイイ!!」
クチートが命の灯火を燃やすかのように叫ぶ。
クチートの頭部から伸びる顎が銀色に輝き、硬直した。
クチート渾身の “アイアンヘッド”。クチートは2体のプクリンの間に滑り込んだ。
右側のプクリンに“アイアンヘッド”を叩きつけたクチートは素早く足を踏みかえて、左側のプクリンにも一撃を見舞う。
吹き飛ばされて集中治療室の壁に叩きつけられたプクリンはそのまま動かなくなった。
扉に突進するクチート。
だが、クチートがドアの自動ドアの反応範囲に入る直前。
扉が外側から開いた。
「クチート!」
タクミが集中治療室へと飛び込んできた。
「危ないわ!!下がって!!」
すぐさまジョーイさんの叱責が飛んだが、タクミはその忠告を無視した。
タクミはすぐさまクチートに向けて突っ込んだ。
だが、今のクチートの目にはそのタクミはただの障害物にしか映らない。
「クチィィイ!!」
“アイアンヘッド” を振りかぶるクチート。
クチートの顎が振り抜かれ、バッドがフルスイングされたような風切り音がタクミの側頭部に迫る。
「キバァ!!」
その “アイアンヘッド” が “ダブルチョップ” に遮られた。
タクミの背中に巧妙に隠れていたキバゴが飛び出したのだ。
攻撃を止められ、動きも止まるクチート。
タクミはそのクチートに向けて手を伸ばした。
「クチート!!」
タクミはクチートの腕を取り、一気に胸元に抱き寄せた。
「クチッ!?」
「フシギダネ!!“ツルのムチ”!」
「ダネダ!!」
廊下にいたフシギダネの “ツルのムチ” がタクミとクチートを雁字搦めに絡めとる。
タクミの腕にも “ツル” が食い込む。暴れるクチートの蹴りも腹に突き刺さる。だが、そんな痛みなどものともせず、タクミはすぐさま次の指示を飛ばした。
「フシギダネ!“ねむりごな”!!」
「ダネ!!」
そして、タクミはすぐさま大きく息を吸い込み、止めた。
その直後に、フシギダネの眠気を誘う“ねむりごな”が頭上から降り注ぐ。
相手の脳に働きかけて動きを鎮静する “ねむりごな”。その粉を一定量吸いこめば、人もポケモンも溶けるように眠ってしまう。
タクミも寝てしまっては本末転倒であるが、息を止めたタクミと興奮状態で呼吸の荒いクチートではどちらが先に眠りにつくかは明白だった。それに、例えタクミが先に寝落ちたとしてもフシギダネの“ツルのムチ”が絶対にクチートを逃がさない。
タクミはクチートを抱きしめながら、痩せ細って軽くなってしまったクチートの輪郭を確かに感じていた。
こんな身体になるまで、どれだけの間まともな食事をしていないのだろう?
どれだけの野生ポケモン達と戦って、ボロボロになってきたのだろう?
タクミはそのクチートをより強く抱きしめた。逃がさないように締め上げているわけではない。タクミはただ、自分の気持ちが腕を通してクチートに伝わることだけを願っていた。
もう暴れなくていい。もう探さなくていい。もう戦わなくていい。
今は傷を癒して、穏やかに生きてくれればそれでいいんだと伝わって欲しかった。
「……クチ……」
“ねむりごな” を大量に吸いこみ、甘い眠気に誘われるクチート。
なんとかその眠気に抗おうとするが、ただでさえ体調が回復していないクチートには至難の技だった。
クチートの唯一開いている左目が徐々に閉じられていく。
意識が途切れ途切れになり、暴れる力も徐々に弱まっていく。
そして、クチートは力尽きたかのようにタクミの胸板に頭を乗せた。
『ダメだ……寝たら……ダメだ……ダメ……なのに……』
クチートの思考は緩慢になり、自分が何をしていたのかもわからなくなっていく。
『……あれ?……なんで……ダメなんだっけ?』
心の支えにしていた強い気持ちは睡魔に抑え込まれて消えていき、感情だけで持たせていた身体が泥のように重くなっていく。
『……でも……ここ……あったかい……』
坑道の岩肌とは全然違う。モンスターボールの中とも違う。
熱いぐらいの温もりと、ドクン、ドクンと響く心臓のリズム。
『……なんだろ……これ……とっても……とっても……気持ち……いい……な……』
クチートの小さな手がタクミの服を掴み、頬がタクミの胸板にすり寄る。
そして、クチートの意識は深く深く落ちていく。
「すぅ……すぅ……すぅ……」
静かに寝息を立てるクチート。眠りについたクチートを見届けたタクミは止めていた息を大きく吐き出した。
その時、タクミの周囲を舞っていた“ねむりごな”が吹き飛ばされた。
「パオン!!」
ゴマゾウがタクミの周囲で高速で転がったことで粉を吹き飛ばしたのだ。
「ありがと、ゴマゾウ。フシギダネもね」
「パオン!」
「ダネダ!」
「それとキバゴは……寝てるか」
タクミの背中にくっついていたキバゴはモロに“ねむりごな”を吸いこんで既に床に落ちて大の字で眠りこけていた。
「相変わらず間抜けな顔だ」
そう言いつつ、タクミは鼻提灯を膨らませるキバゴの頭を撫でた。
タクミは“ツルのムチ”を解除してもらい、腕の中のクチートを覗き込む。
穏やかな顔で眠るクチート。その小さな手は意識が落ちた後もタクミの服を離していなかった。
たったそれだけのことが、タクミは泣きたくなるぐらいに嬉しかった。
その時、ジョーイさんが凄まじい剣幕でタクミに迫ってきた。
「タクミ君!大丈夫!?怪我はない!!」
「はい、クチートは大丈夫ですよジョーイさん」
「違います!!あなたのことを言っているのです!!」
タクミはジョーイさんに肩を掴まれ、ギョッとした。
「えっ?僕ですか!!」
「当たり前です!!暴れているポケモンの前に出るなんて!!大怪我するところでしたよ!!」
「で、でも、ああしないとクチートが外に出て……」
「集中治療室の扉はロックをかけることができるんです。プクリンは既にロックを作動させてました。あなたが外から扉を開けるまではね!!」
「えっ………」
タクミの背中から冷や汗が噴き出す。
「じゃ、じゃあ、僕は……」
「まるっきり無駄なことで怪我しかけたんです!!嵐の中を駆け下りたこともそうだけど、タクミ君は無茶しすぎです!!」
「ご、ごめんなさい」
今回ばかりはタクミに弁明の余地はなかった。
タクミは項垂れるように頭を下げる。
本気で反省している様子のタクミにジョーイさんは溜息を吐きだした。
「まぁ、クチートを素早く鎮められれたから、今回は良しとしましょう」
「あ、ありがとうございます」
「タクミ君。クチートを渡してくれる?」
「はい………あっ……でも」
タクミの服をがっちりと掴んだままのクチート。タクミとしてはこの状態のクチートを引き離すのは少々憚られた。
その気持ちはジョーイさんも同じようだった。
「そうね。そのコが落ち着いているなら今はその方がいいかもしれないわね」
今のクチートに必要なのは身体よりも心が安らげる時間だ。
人肌に触れあっている方が良いのであればそれをわざわざ引き剥がす必要はないだろう。
「タクミ君が良ければ、クチートはそのまま眠らせてあげていい?」
「はい。自分は大丈夫です。むしろ、役得なぐらいですよ」
タクミはそう言ってクチートを抱えなおした。
「タクミ君、あなたはこの町にはどれぐらいの滞在予定なの?」
「ホントは1日で抜ける予定だったんですけど、こうなったらしょうがないです。クチートが落ち着くまでは滞在するつもりです。『地方旅』も大事ですけど、ここでこのクチートを捨て置けないですからね」
このままこのクチートを見捨てたら、自分が一生後悔するであろうことをタクミは容易に想像がついた。
『人間がポケモンを不幸にしてしまうこともある。だから、父さん達は同じ人間として、ポケモンに幸せを返してあげなきゃならないんだ。』
タクミは自分の父親が言っていた言葉を思い出す。
社会見学の時に第三者として父の仕事を眺めていた時とは違う。
実際に当事者としてそんなポケモンに関わり、タクミはその言葉が血肉になって自分の中を巡っていくのを感じていた。
「あっ、でも、荷物坑道に置いたままなんですよね。どうしよう……」
「それならさっきポケモンレンジャーから連絡がありましたよ。持ってきてくれるそうです」
「えっ、あの坑道に誰か行ったんですか?」
「昨日、君との受け答えを担当してくれた人がね。気になって坑道に向かってくれたらしいわよ。荷物とテントを適当にまとめて持ってきてくれるんですって」
「良かった……それじゃあ、改めて部屋をお借りしていいですか?」
「ええ、ちょっと待っててね」
ジョーイさんに部屋を取ってもらったタクミ。
タクミは集中治療室の外の廊下でポケモン達の御飯や諸々のことを済ませ、少し広めの4人部屋へと通された。
元々ジムもない町のポケモンセンターなので、泊まるトレーナーも少ないのであろう。
ベッドはどれも空であり、ジョーイさんもできるだけ相部屋にならないように取り計らってくれるそうだった。
タクミはクチートを抱えたまま器用に服を着替える。
シャツだけはクチートが握り込んでいるのでそのままにしながら、タクミは2段ベッドの下の段にボスンと倒れ込んだ。
すぐさま眠りに落ちそうになるタクミであったが、なんとかモンスターボールを開け、自分のポケモン達を呼び出した。
「みんな、またちょっと寝る。というか、一緒に寝よ」
「モシ」
「パオン」
タクミがそう言うと、ヒトモシとゴマゾウはすぐさまタクミのベッドに飛び乗ってきた。
ちなみにキバゴは呼び出した時点でタクミの枕元で寝ていた。
「フシギダネは?一緒に寝ない?」
「ダネ……」
こういう時に照れてしまうフシギダネである。
だが、タクミが手を差し出すと「しょうがねぇなぁ」とでも言いたげな顔でタクミのベッドに上がってきた。
タクミは枕元のキバゴをそっと横にどけ、自分の頭を枕に乗せる。
クチートを抱えるように横向きになると、タクミの肩口にヒトモシが身体を滑りこませた。
腰のあたりではゴマゾウが既に丸くなっており、フシギダネはタクミの身体に寄り掛かるように横になった。
「みんな……おやすみ……」
タクミ達は嵐の夜を抜けた疲れを癒すように眠りに落ちていった。
ポケモン達に囲まれての二度寝は最高に温かく、最高に気持ちが良かった。