「ラララララーペペロンチーノ!」
「うぇいうぇいうぇいおおおおおーう!」
「あ、始まりましたよ」
「今日も賑やかだね」
突然食堂のスピーカーから降ってきた変わった声に、西住みほは困惑した。
みほが住んでいた黒森峰女学院では、昼休みに放送はかかる事はなく、あっても事務的な連絡ばかり。厳格な環境に育ってきたみほにとっては新鮮なことだった。
「どーもー、大泉ヨーコでーす!」
「ヤスケンでぇぇぇええす!」
「か、変わった人たちだね」
「この学校の知名度を上げるために頑張ってるみたいですね。この前生徒会が派手に宣伝されていましたよ」
「この人達テレビにも出てるんだよ!凄いよねぇ!」
「さて、今日もたーくさんお便りが届いてますよヤスケン」
「ガンガンさばいていきましょうねえ」
ゲラゲラと笑いもながら少し変わったイントネーションを交えつつ会話をする2人。
決して褒められるような事ばかりではないが、そのフレンドリーな語り口と雰囲気にみほはどんどん引き込まれていく。
《大泉洋子拉致計画》
その時、事件は起こった。
「お、みすたあじゃないの。なに、これ読めって?」
「みすたあ、どったの?」
「なによこれ、首傾げられても困っちゃうじゃないの」
「いいから読みなさいよ、話進まないんだから」
「全くもう」
みすたあから届いた手紙。
それを渋々読み上げた時、企画は動き出す。
「”戦車道には気をつけろ。試合開始が迫ってる”」
「......!」
「みほさん、どうしました?」
「みほー、早く食べないと冷めちゃうよ?」
戦車道。
それは古来から続く乙女の嗜みにして、華道、茶道に並ぶ道の一つである。
主に中、高校で盛んであり、毎年夏には全国大会が行われ、各校で火花を散らし合っている。
甲子園と並ぶ夏の風物詩とも言われている。
今驚愕のあまり目を向いいぇ箸が止まる西住みほは、戦車道から身を引くためにこの大洗女学園にやってきた。
そこで背を向けたはずの戦車道と聞いた時の彼女の気分は如何程のものか。
だが、彼女は有名西住流の血を引くもの。
当然、企画には参加してもらう。
「次は、HNえるゔぃんさんからのなになに、なんだよ貴方たち!」
「え、ちょっと待って、何これ!」
「ちょちょちょ、担ぐな危な」
「えええええぇぇぇぇぇ」
拉致されるヨーコとヤスケン。
「メール?生徒会から?みほ、後ろ後ろ?」
「一体なんなのでしょう?」
「確保ぉぉぉぉぉお!」
「おっす!」
「担ぎます!」
「ごめんね西住ちゃん、これも仕事だから」
「ええええええええ!?」
食堂に現れる元バレー部。
「あっはっはっはっはっはっは!」
「かっかっかっかっか!」
「騙したなぁ藤村あああああああああああ!」
「なんだよなんだよこれぇ」
学園に響く藤村Pの高笑いと、大泉の叫び。
「なあ逸見ちゃん、西住ちゃん。
......戦車道やろうや」
「 う る さ い よ !」
「返してください......」
「あ、ヤスケンも連れてきちゃったの?」
「まwきwぞwえwwww」
「返してよぉ......」
「旅は道連れとも言いますし」
「あの、この学校って戦車道なかったはずじゃあ」
「いやー、奇遇だね。今年から復活しちゃったのよ、西住ちゃん」
暗躍するP陣と生徒会。
「大泉ちゃんには、全国優勝してもらいます」
「あんた無茶言うねえ」
「ごめん、この企画考えたの俺だから」
「みすたああああああああああ!」
突然押し付けられた企画。
「あ、これテレビで流すから」
「あんたねえ、こんなもの企画じゃないじゃない!ただの私生活垂れ流しじゃん!」
「まあまあまあまあ、局の方で企画通しちゃったし、ね?」
「ね?じゃないんだよ!なんだよ私の相方まで引っ張ってきてさあ!」
「そうだよう......返してよう......」
「そこはこう......成り行きだ」
「だいじょーぶだいじょーぶ、そこは色々と考えてあるから」
そして始まる戦車道。
「あの、これは」
「黄色い憎い奴、◯nちゃんです!」
「安田ちゃんじゃないよ?O◯ちゃんだから」
「は、はぁ」
「みすたあコレ何?」
「戦車」
「あんたそんなもん見りゃあわかるんだよ!バカみたいな口調で言いやがってこの!」
「◯nちゃんに八つ当たりすんなよww」
「盾にするとかwwwwww」
「こら、みすた、逃げるなぁ!」
「あはははははははは!!」
使える戦車は旧式ばかり。
「こいつは赤く塗らねえのかい?」
「大泉ちゃん作品が違う」
近日放送、お楽しみに!