世界と、あなたと。   作:乃依

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4話まで来ちゃいましたどうも乃依です。
(厨二描写が格段に増えるので苦手な方、古傷が疼く方はご注意を。)
ではではまた後書きで。


4話 意志と愛、そして宣告

バタン、とドアが開く音が部屋に鳴り響き、ニースはまたかとため息を吐きながら振り向く。

そこには血相を変えたラシオスが既に机の向こう側に立っていた。

「ニ、ニース、た、い長」

「どうした。まずは落ち着け。」

ラシオスを椅子に座らせ、水を渡す。

一口飲んで呼吸を整えたラシオスは早口でまくしたてた。

「『龍無き世界』の連中と茨の龍喚士が遭遇、そして戦闘を始めました。」

「何だと?」

どういう事だ。一緒に行動していたということなら分かるが。

「その後、4人の龍契士、及び謎の龍喚士が集っていました。放置して良い状況では無いと考え報告しに戻りました。」

「ふむ…」

戦闘、が始まったということはヴェルド1人では…

「あともう1つ」

「ん?」

「…『龍無き世界』の連中の1人が茨の龍喚士の背後に立っていたのです。背後から襲いかかろうとしていたのかと思ったのですが…そのような様子はなく、寧ろヴェルド殿が守っていたような様子でした。」

…は?

龍契士をヴェルドが守っている?

どういう事だ。

「…この目で確かめねばならんな。ラシオス。お前は今からイデアルの館に向かい、イデアルを呼んでこい。あとエンラ殿にも御一緒して貰え。」

「はっ。」

「私は先に向かう。では頼んだ。」

ラシオスにそう言い残し灰色の龍に跨ると同時に飛び立った。

「…無事、ではないだろうな…」

 

「ヴェルド…」

不安そうな目で自分を見上げてくる6号。

「大丈夫だよ。安心しな。」

頭を撫でてやると少し安心したように笑顔を見せてくれた。

戦場に居ると言うのにこの充実感は何なのだろう。

あぁ、こんなにも

「幸せだ。」

重い足を前に大きく踏み出し、感覚が薄れてきた腕を振る。

が、青髪の女に自分の武器はいとも簡単に掴まれる。

「…」

無言でこちらを見つめ、右手に付いている龍で鞭を噛み切られる。

何度目なのだろうか。

だが敗北の未来は見えなかった。

負けていいとも思っていなかった。

だから自分は、貰った当時よりも存外短くなった武器を

未だ振り続けるのだ。

 

「イデアル殿。エンラ殿。隊長よりご命令を預かっております。」

「あらぁ?」

「今いいところなんじゃが…」

くすくすと笑うイデアルと、顔をしかめているエンラ。

2人は今チェスの途中のようだ。だが、それよりも重要な任務だと考え、不躾だと分かりつつも口を開く。

「『ヴェルドが龍契士に襲われている。至急撃退の為、イデアルとエンラを呼んでこい』との事です。」

「あら。見つかったのね。」

特に驚きもせずイデアルはティーカップに注がれた紅茶を飲み、エンラはうんうんと唸っている。

「はい。…なので…」

「あぁ。分かっとるよ。行かねばならないのだろう?お預けじゃな、イデアル。」

誠に遺憾という雰囲気を醸し出しながらも、勝負から逃げることが出来る嬉しさで口元はにやけていた。

「その代わり、今度実験に付き合ってくださいね。」

ティーカップを置き、エンラに注文を付けたイデアルは部屋からそそくさと出ていってしまった。

「ちっ。」

舌打ちしたエンラもすぐにイデアルのあとを追った。

…全く危機感というものが感じられないが、それは自分の気のせいであろうか。

 

…しつこいな。

キリは段々と苛立ちが加速していることを自覚した。

目の前の龍喚士はずっと同じ行動を繰り返している。

自らがその場を動けば背後の存在が消されることを理解しているからだろう。

だがあまりにも退屈で、あまりにも…しつこい。

自身の後ろには、ターディス、リィ、クーリア。

そしてラジョア。

面倒事を長引かせるのには都合の悪い連中ばかり。

さっさと終わらせたいのだが、先程のラジョアの伝達は

『絶対に殺すな』とのことだった。

だが、殺さないのなら何故喧嘩を売ったのだろうか。

…何かを待っている?

『時間ですね。』

どこからか男性とも女性とも取れる中性的な声が聞こえた。

『時間稼ぎご苦労様です。キリ殿。』

「…誰だ?」

『自己紹介が遅れてしまいましたね。私はダンタリオンと申します。』

聞いたことの無い名だ。

『貴方の同僚であるそちらの方が裏切ったと風の噂で聞きつけましてね。貴方方にとっても面倒だと思い、私が手筈をしておきました。じきに片付きますよ。』

どういうことだろうか。毒でも盛ったのだろうか?

『…さぁ。最後の時を始めましょう!』

突如空中から白と黒2つの人形が現れ、その中央から強力な殺気を感じた。

『では私はこれで。』

「待て!!」

自らの手から契約龍であるマジェのブレスを人形に発射するが、只の人形だったようだ。

「おぉ。強ぇ奴が来たんじゃねぇの?」

血気盛んな師匠━━ターディスが肩をまわしながら横に立った。

「面倒な予感しかしないわね…」

呆れたような声でクーリアがまたも横に立った。

「…龍じゃ…ない…もっと…ちがウ…」

小さな声でリィが呟いた瞬間殺気が更に強まり、

神が姿を現した。

 

「…なんだあれ。」

額に流れる冷たい汗を拭いながらヴェルドは呟いた。

この世の存在ではない。上にこちらに敵意を向けている。

狙いは、

「お前もかよ…」

彼だろう。

 

「跪け。人間。」

声を聞いた途端、自らの体躯が地に伏している事に気づいた。

辛うじて首を曲げ、見えたのは

ラジョア 6号 龍喚士以外の存在が頭を垂れている光景だった。

正に神の御言葉。

そして、宣告。

「我が宣言する。荒龍契士・6号。その者をこの世から抹消する、と」




…長くなってしまい申し訳ありません…
書きたいことが多すぎるんですよね!
じゃあ分けろって?無理です!
はい。というわけで恐らく次で全登場キャラが集結です。
結末はどうなるのでしょうかね。
ではではまた次回。
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