砕蜂
護廷十三隊の二番隊隊長にして、隠密機動総司令官及び同第一分隊【刑軍】総括軍団長。
彼女を含め隊員及び率いる軍は善悪ではなく、護廷十三隊の矜持のみに従う。
障害となるモノ在らば敵だけでなく、味方であろうとも全力で排除する事を厭わない。
そんな彼女の家は【蜂家】という代々暗殺を担う下級貴族で、砕蜂だけでなく生まれた者は幼い頃から既に実戦に身を投じ、彼女には五人の兄と妹が一人居たが、五人の兄は全員帰らぬ人となっている。
その妹が産まれた時、砕蜂は当時四大貴族の一つ、天賜兵装番四楓院家の22代目にして初めての女性当主となった四楓院夜一にその実力を買われ、部下として隠密機動に入隊したため妹の顔を知らなかった。
この時の大出世は蜂家内を大いに騒がせ、産まれたばかりの娘に異常な程の期待を寄せた。
砕蜂は四歳から鍛練を始めていた。
なら今から始めれば更なる才が目覚めるかもしれない。
そんな獲らぬ狸の皮算用も驚く程の勝手な算段で一族は産まれたばかりの少女に鍛練と言う名の地獄を課した。
様々な毒物の投与に始まり、拷問訓練、体術と鬼道の鍛練、体ばかりを磨いても意味がないと三才になった頃には貴族の歴史、作法、言葉使いが追加され、五歳を越えた頃には房中術まで仕込まれた。
そんな地獄が優しく思えるようになったのは少女が八歳を越えた頃だ。
何をやっても姉に及ばぬ妹を家の者はなにかと砕蜂(当時は家族や使用人は本名である梢綾と呼んでいた)比べるようになったのだ。
「梢綾の用に立派になれ」
「梢綾に出来て何故お前は出来ない」
「梢綾は歴代随一の果報者だが、お前は歴代随一の役立たずだ」
しかも、少女には名前がなかった。
叱る時、悪態を吐かれる時、房中術を学ぶ為の性交の際ですら自分を指すのは「お前」、「役立たず」という単語。
一族は「梢綾を越えた時、名を授ける」と言い、少女「はい」と返したが心で、その日はきっと来ないと感じていた。
少女が十三になった日に大事件が起きた。
当時、隠密機動総司令にして【刑軍】総括軍団長さらには護廷十三隊二番隊隊長の地位にいた四楓院夜一が浦原喜助の逃走幇助の罪に課せられ地位を剥奪されたのだ。
そして彼女の地位に着いたのが砕蜂だった。
そこからは更に鍛練も風当たりも強くなり、彼女が十五を越えた頃には誰も期待しなくなった。
それでも長年の地獄の日々で鍛えられた力は上位の席官または副隊長クラス程になっていたため、少女は死神になるように言われた。
そして少女は蜂家の伝説となった砕蜂が窮地に追い込まれた際の影武者として死ねと命じられた。
この時少女は初めて家から名前をもらったのだ。
少女の名は【雄】と書いてピンイン
蜂は女王が死んでも雄は卵を産めるが生まれるは全て【雄】で巣はいずれ廃退し、滅ぶ。
故に女王が新たな次代を産み、巣が存続するために雄は戦い死んでいく。
蜂家で例えるなら女王は【砕蜂】、産み出す次代とは【功績】【名誉】【栄光】の事であり、それがあるかぎり蜂家は衰退せず続くと一族は信じている。
少女は女王と巣を守る為に死を厭わない無数の雄
護廷の矜持を守り戦う砕蜂を守る隊員
繁栄へと繋がる蜂家の果報者を守る一族
そんな犇めき動く、数多の雄の一匹
それが【
久しぶりに見たらハマっちゃった・・・