あれからの半年間、私は隊長さんとの約束を胸に、持てる時間全てを修練に費やした。
家で強制されていた時より、楽しく感じる修練で私は色々と学び直させられた。
最初の1週間は院での勉強時間以外の全てを修練に費やして体を壊した。
どうやら無茶をすれば、修練のみを続ければ強くなる訳では無いらしい。
回復後は1日のリズムを作って励むことにした。
もちろん食事、睡眠、勉学と全てを自分なりにバランス良く盛り込んだ。
結果、修練への集中力や心構え的なモノは上がり、成果も出やすくなった。
他人との同調や関わりを積極的に行った。
視力を封じた私が感じる世界は霊子の造形に近い。
他人に関わることで【ソレ】は鮮明になり、よりリアルに近いモノへとなった。
さらに、霊圧の微妙な変化で人の感情を読めるようになったばかりか前より感知力は上がった。
まぁ、まだ出会った時の隊長さんを認識出来るほどではないのだけれど・・・
そんなこんなで四年生に上がり、現世研修へと加わることになった私ですが壁どころか山にぶち当たりました…
しかも、現在鬼ごっこ中です…はい…
「フフ…グワァハッハッハッ!!やりおる!やりおる!」
自身を虚圈の王と称し、称号が霞んで見える程に巨大な霊圧をこれまた巨大な戦斧に乗せて斬擊を放ち、力を奮う髑髏の虚放ち
【バラガン】と名乗っていました。
「ま、満足したなら帰ってくださいよぉぉぉぉ!!」
そんな攻撃を私は全力で交わしている真っ最中。
院の模擬戦とは訳が違う…向こうが遊びに乗って【くれている】からこそ私は生きている…
だってあの巨大な霊圧で押し潰せばあっさりと勝敗決まるのに、私が判断誤らなければ紙一重で避けられる攻撃ばかりだ…
「最初は小賢しいムシケラと思ったが、わしを此処まで楽しませた貴様に褒美をくれてやろう!」
その台詞に全てが込もっている気がした…
圧倒的な力、まだ見せてない能力、数多の兵…そのどれか、または全てを投じれば今までは瞬く間に終わった一時…
その一時は私が初擊をかわした事で延びた…
あの髑髏の王には私が酷く面白いナニカに映ったのだろう…
私と【王】では全てが違う。
しかし、重ねてしまう…
誰かに会うまで苦痛でしょうがなかった人生を…
誰かに会って輝いた人生を…
次の瞬間に聞こえた地を這うような声ともたらされた現象に私は否応なく現実に引き戻された。
【
私が感知したのは吐息程度の圧縮された膨大な力
追い付かれたら死ぬ
直感に従って、逃げ込んだ廃墟は【力】触れた瞬間、触れた場所から膨大な力に押し潰されていく。
さながら急に時の流れに晒され、朽ちていくかのように……
「な、なんのこれしきぃぃぃぃぃ!!」
全力で走る!
とにかく逃げる!
触れたら二の舞!
「ほれほれ!」
それでも逃げ切れず踵が触れ、新調したばかりの靴が力に蝕まれる…私は…私は!!
「私の靴ぅぅぅ!!」
脱ぎ捨てた…
しかし、力は暴力…力は無情…力は鞘に当たった……やっと手に入れ、対話もソコソコな私の相棒を私は、私はぁぁぁ!!
「私の鞘ぁぁぁ!!」
刀を抜き取り、鞘を捨てた……
これ以上捨ててたまるかぁぁぁ!!
通行許可書が当たった……
「私の通行許可書がぁぁぁぁ!!」
失くしたらいけない大事な書類…
こんな事態とはいえ、帰ったら怒られちゃうのかなぁ……