BanG Dream!〜夢を打ち抜く彼女達の日常〜 作:凛句りんく
とある日の練習後、
あこの提案によりNeo Fantasy Online(通釈 NFO)を再びプレイする事になったRoselia。
燐子を中心にして順調にダンジョンを攻略していたが……
(全四話)
Roseliaの日常①ー1
「きゃああああああああ!!!!」
「り、リサさーーーーん!!!!」
体中を覆うローブを着た少女が、紅蓮の業火により焼かれていく。
「グオォォアアアーーーーーーーー!!!!」
その炎を生み出しているのは巨大な黒竜だ。
皮膚は漆黒の竜鱗、人なんぞ容易く裂断する禍々しい竜爪、この世の全てを砕く鋭牙、視た者の魂を射抜く青緑の瞳、そして頭部には神々しい双角が付いている。
「どうしよう……このままじゃ全滅しちゃう……っ!!」
黒魔術師である白金燐子の周りには横たわっている死体が3体あった
「どうしよう……。もう残るは私だけだ(/ _ ; )」
凍てつく眼光を灯した黒竜が四足のうちの後ろ二脚を軸に立ち、前足を浮かし、鉄鋼のような腹部に大きな溜めを始める。
「あれはさっきと同じ
その場から動けない燐子に向け、慈悲も容赦も持ち合わせていない黒竜は先ほどと同じ業火を口から勢いよく放出する。
それは万物を焼き尽くす代物で、目の前の少女などいとも簡単に滅ぼす攻撃だった。
「いま死んじゃったらクリア報酬が手に入らないよ……。だ、だれか、だれか助けて!!」
しかし、その声は黒竜の咆哮でかき消され――
――少女は灼熱の炎に包まれた。
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事の発端はRoseliaの練習が終わった後に発した、宇田川あこの一言から始まった。
「はぁ~~やっと終わった~~~!!!今日も疲れたよぉぉぉ。りんりん!!早く帰ってゲームしよ!!今日は新イベントが始まる日だったよね?」
「そうだね、あこちゃん。たしか、今回手に入る限定のレアアイテムがとても強いらしいから、難易度が高いってうわさだよ」
「そうなの!? 楽しみ~~!!!」
その
「宇田川さん、そんな元気がまだ残っているなら、練習にもっと力を入れたらどうですか」
「ヴっ!! そ、それとこれは別腹というか……」
あこは正論を言われ、言葉に詰まるが、
「まあまあ、いじめるのはそこまでにしときなよ、紗夜」
「い、今井さん、別に私はいじめてなどいません!! 私はRoseliaのためを思って――」
「はいはい、分かったって。Roseliaのために息抜きとして必要な遊びもあるの」
少し
そしてリサが味方に付いたことで調子に乗った
「そうです!!なんなら、また皆んなで一緒にゲームしませんか?? あこ、あれ結構楽しかったんです!」
「はあ……息抜きだとしても、そんな時間ありません。まったく、湊さんもそう思うでしょう??」
「そうね。また息抜きとしてゲームも悪くないわ」
「ほら、湊さんもこう言っているでしょう?? だからゲームをしましょう……え??」
味方だと思っていた友希那のまさかの返答に、紗夜は驚きを隠せなかった。
「わーーい!!やったーーー!!! りんりん、また皆んなでゲームして遊べるよ!!」
「よかったね、あこちゃん。ずっと皆んなでまたゲームがしたいって言ってたもんね」
「うん!!すっごい嬉しい!!よーし、あこ頑張っちゃうよ!!」
今の
「湊さん!!いいんですか!?!?」
「ゆ、友希那、本当にいいの??」
「なによ、リサまで。私がゲームするのそんなに珍しいかしら。別に初めてじゃないでしょう」
「そういう意味で驚いたわけじゃないんだけどな……」
「不本意ですけど、湊さんが許可するなら仕方ないわね……」
紗夜はしぶしぶといった様子だ。
「湊さん、変わりましたね」
「そうかしら? あなたに言われたくないわ」
「そこの二人ともお互い様ってことでしょ~。(でも友希那の言うとおり、紗夜も本当に変わったなぁ……いい意味だけどね。以前なら怒ったはずなのに。)」
Roseliaの皆んなが納得したのを確認した燐子は話を進め始めた。
「では……以前ゲームした場所に集合……ということにしませんか?」
「そうだね~、皆んな分かりやすいだろうし」
「そうね、それなら私も大丈夫よ」
「ええ、私も賛成です」
「なら明日の13時に集合にしましょう! うぅ~、楽しみ~!!」
こうして、Roselia一同はオンラインゲームを
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「はい、皆さん無事にログインできましたね(^○^)」
燐子がRoseliaパーティ全員がログインしているのか確認を取った。彼女は普段こそ物静かな性格なのだが、ゲームの中では実に頼りがいのあるプレイヤーへと変貌するのだ。
このゲームの名前は「Neo Fantasy Online」
通称「NFO」と呼ばれている。オンラインゲームであり、いわゆるMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)だ。
MMORPGを簡単に説明すると「常に存在している仮想のゲーム世界に、大人数が同時に参加してプレイする。つまり、もう一つの世界に行って皆んなと一緒に遊べる。」という感じだ。
この「NFO」は敵(モンスター等)を倒してレベルを上げるだけでなく、農業や料理も楽しめるため自由度の高いゲームとなっている。
Roseliaがいるのはゲームを始めると最初に訪れる「旅立ちの村」だ。
「うんうん、この姿を見るの久しぶりだな~」
自分のアバターをまじまじと見ながらリサはつぶやいた。
ちなみに、それぞれの職業(クラス)は前回と変わらず。リサは回復担当のヒーラーだ。
「え、ええ……久しぶりね」
紗夜は敵の攻撃から味方を守るタンク。
「?? 紗夜どうしたの」
目的もなくフラフラっと歩きながら友希那は顔をかしげた。友希那は歌うことで様々な効果を付与する吟遊詩人である。
「ああ!!友希那さんどこ行くんですか!そっちは逆方向ですよー!!」
あこは死霊術を使うネクロマンサー。
「友希那さんは相変わらずゲームが苦手みたいですね(>_<;)」
燐子は魔法を扱うのに特化したウィザードである。
Roseliaパーティは攻守バランスが良い感じのクラスの集まりとなっている。もちろん偶然ではなく、燐子が陰ながら調整した結果だ。
「そういえば、今日はどこに行くの?」
「今日は前回と同じような洞窟ではなく、とある神殿に行きます(*´-`)」
「へぇ~。なにかお祈りでもするかんじ?」
「違いますよー!中は洞窟の時みたいにダンジョンになっているので、モンスターを倒しながら奥まで進みます。そしたら、えーと……」
「最奥に今回のイベント限定アイテムが手に入る仕組みになってます。ですが今から行おうとしたクエストは、条件としてゲームを初めてまもない新規プレイヤーがパーティにいることが条件になってまして……。なので皆さんに協力してもらったというわけです٩( 'ω' )و」
あこが言葉に詰まったので燐子がスラスラっと完璧に答える。
「ちなみに、さっきあこちゃんが言ってた難しいクエスト、とは別のクエストに行くので安心した下さい(^ ^)」
『りんりんの言う通りです!!』と、まるで自分が言ったかのようにあこはリサに返答した。
「燐子って、本当にここではよく話すわね。驚くばかりだわ」
その友希那の言葉に紗夜も同意している。
「ええ。普段からこうだったら、色んな意見を聞けて良い成長が出来ると思うのですが……」
必要なことは隠さずに言っているので、今の燐子に不満があるわけではない。しかし話してくれることに越したことはないと紗夜は思っていた。
「まあまあ、いずれ燐子も話すようになるよ!それまで待ってあげなよ」
「確かにそうですね。無理を言っても仕方ないです。とりあえずオペラ神殿に向かいましょう」
自分も日菜と今日から仲良くなれっと突然言われても困る。それと同じようなものかと紗夜は納得した。
燐子とゲームについて興奮しながら語っていたあこも紗夜の意見が聞こえたらしく、神殿に向かう準備を始めた。
「はい、びゅーんと行きましょーう!!」
「ここからそんな遠くないので、皆さんで歩いて行けます。準備完了したら出発進行です」
あれ、私、紗夜さんに神殿の名前を教えたかなっと燐子は思ったが……
たぶん、あこが教えたのだろう、と自己解決する。
アイテムショップや装備屋に向かい、主に燐子が回復アイテムなどの準備を揃え、Roselia一同はオペラ神殿へ向かった。
このエリア移動間は安全圏内となっており、モンスターに襲われることはない。そのため、進行中も楽しい会話が弾む。
特にリサは楽しそうだ。彼女が話題を振り、それに誰かが答える。この流れがRoseliaの中では定番だった。
「ねえねえ紗夜、気になる男子とかいないのー?」
普通なら盛り上がるであろう、実に女子高校生らしい質問なのだが、
「いません。そんなことに時間を割いている暇はないですから」
紗夜は迷いなく首を横に振る。
「あはは、紗夜らしいねー」
それでもリサは楽しいのか、笑顔が絶えない。しかし次のあこの一言でこの笑顔が凍りつくことになる。
紗夜の冷たい返答で会話は終わったかと思われたが、あこと燐子が以前に見かけた光景を思い出したことによる一言がきっかけだった。
「そういえば、友希那さん。この前、一緒に歩いていた男性って誰ですかー? 結構なイケメンだったと思うんですけど」
「あこちゃんと出かけた時に偶然見かけて……。彼氏さんなのかなってo(≧▽≦)o」
あこの衝撃の一言によりリサは心臓が凍る。
「ゆ、友希那~。それって本当かな~?? 何かの冗談だよね~。あはは~」
「今井さん、動揺が隠しきれてませんよ」
しかし友希那は冷静だった。
「あぁ。たぶんあのことね、あの人は知らない人よ」
友希那は何の面白味もないと言うが……。
「なんだ、彼氏じゃないんだ、良かった……とはならないよ!?」
「な、なによ」
「知らない人にはついていったらダメでしょ!!」
リサは子をしつけるように怒った。友希那に近づく男はリサの敵なのだ。
『リサ姉、友希那さんのお母さんみたい』と、あこはやれやれと笑う。燐子と紗夜も同じ感情だ。
「違うわ、リサ。いきなり食事に誘われたけど断ったのよ。そしたら勝手に付いてきただけ。しばらくしたら消えていったわ」
「友希那さん、それってナンパですよ(゚∀゚) 凄いな……」
「友希那さん綺麗だもんね〜」
友希那は誰が見ても美人と言う美貌の持ち主である。ナンパの一つや二つはあっても可笑しくないのだが、態度が氷より冷たいのでナンパ男は直ぐに諦める、というより諦めるしかない。今回もその例の一つだ。
「ふーん、そっか。 あ、燐子、あとでその男の特徴を教えてね」
「リサさん……め、目が怖いです……∑(゚Д゚)」
そんなことを話していると、一同は今回の目的地であるオペラ神殿に到着した。