BanG Dream!〜夢を打ち抜く彼女達の日常〜   作:凛句りんく

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Pastel*Palettesの日常①-3

 

 

 

 

 

 

 

 そのとき、一人の女の子がミスをしてしまった。

 

 そのミスが隣の子に影響しズレが生じる。こうして全体に綻びが出来てしまった。

 

 

 「ちょっとストップー! うーん、もう一回やろっか。せーのっ」

 

 

 日菜ちゃんがもう一度やり直しをするも、やはり上手くできなかった。まずいわね……。

 

しばらくして女の子が日菜ちゃんに謝る。

 

 

 「ご、ごめんなさい、お姉ちゃん……。ここがどうしても出来なくて」

 

 「そっかー。どうしてだろう……。ここは…こうして…こう…そしてこう…やってごらん?」

 

 「こうして……こう……あっ……」

 

 「違う違う、こうだよ」

 

 「ぐすん、できないよー!! うぇ~ん!!」

 

 「え? え? なんで泣いちゃうの!? もう一回がんばろ!!」

 

 

 ま、まずいわ!!恐れていたことが起きてしまった!!早く慰めないと!

 

 そう思っていると、私よりも先に彩ちゃんが日菜ちゃんとその子の元へと駆け寄った。

 

 

 「大丈夫だよ、もう一度がんばろう」

 

 「無理だよ~、何回もやったもん、ぐすん」

 

 「何回失敗しても、何回も挑戦するの。努力しないとずっと出来ないよ?? いいの?」

 

 「……嫌だ。悔しいもん」

 

 「ならまた頑張ろう? 私も失敗してばっかだけど、たくさん努力してアイドルになれたの。だから大丈夫!!」

 

 「……わかった、もう一回頑張ってみる」

 

 「うん!! えらいね!」

 

 「おー! さすが彩ちゃん、ありがとう! ならさっそく始めるよー!!」

 

 その合図と共に、途中で止まっていた音楽が流れだした。

 

 

 「大丈夫だよ!! 頑張って!!」

 

 

 彩ちゃんが応援していると、それにつられて他の子も一緒に応援を始めた。

 

 

 「だいじょうぶー!」「その調子だよ!!」「がんばれー!」「できるよー!」

 

 

 そして問題のパートに入り……。

 

 

 「こうして、こうして、こう!!!」

 

 

 その子は見事に難所を成功した。

 

 

 「で、できた!! できたよ!!!」

 

 「やるじゃん!! るんってしたよ!!」

 

 「うぅ、おめでどう!!」

 

 「あはは、なんで彩ちゃんが泣くのー」

 

 「だ、だって、嬉しくって……ぐすん」

 

 「お姉ちゃんたち、ありがとう!」

 

 「どういたしましてー!」

 

 「あたしは何もしてないよー、彩ちゃんのおかげだね」

 

 「ううん、お姉ちゃんもたくさん教えてくれてありがとう!」

 

 「そっか、私もありがとうか……嬉しいな」

 

 

 なんとか上手く纏まったようね……。よかったわ、さすが彩ちゃんね。この調子で麻弥ちゃんとイブちゃんにも頑張ってもらいましょうか。

 

 

 「さあ次のコーナーは麻弥ちゃんの――――」

 

 

 

 

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 それから麻弥ちゃんとイヴちゃんのコーナーも――いろいろあったけど――無事に終わり、番組終盤に進んだ。

 

 

 「そろそろお別れの時間となりました。最後にパスパレのメンバーから一言ずつお願いします!」

 

 「みなさん最後まで見てくださりありがとうございました!! 初めてが多くて緊張しましたが、それ以上に自分がここにいれることに嬉しかったです。また目標の人へと一歩近づいたと思います。次回もよろしくお願いします!! 丸山彩でしたー!」

 

 「氷川日菜でーす! 今日は楽しかったな! たくさんるんってしました! またよろしくねー!! ばいばーい!」

 

 「はい、大和麻弥です。本日はご視聴ありがとうございました。ジブンはまだまだ不甲斐ないところが多いですが、頑張っていこうと思います!また次回もよろしくお願いします!」

 

 「若宮イヴです! 今日はとても楽しかったです! これからも、もっと皆さんを楽しませれるように精進します!!」

 

 

 最後に私の番が回ってきた。いろいろ言いたいことはあるけれど、綺麗に締めないとね。

 

 

 「白鳥千聖です。本日は最後まで私たちに付き合ってくださり、本当にありがとうございました。初めての試みが多かったので、多少の見苦しさはあったかもしれませんが、私たちなりに頑張れたと思います。次回も楽しい企画がたくさんありますので、またご視聴していただけると幸いです」

 

 「それではまた次回でお会いしましょう!!」

 

 

 こうして、私たちPastel*Palettesの初となる冠番組が幕を閉じた。

 

 

 

 

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 「ふぅ~、やっと終わったぁ~!! 緊張したよー!」

 

 

 私たちはスタジオから去って楽屋へ行き休憩をしていた。

 

 

 「彩ちゃんの旅のやつ食べてばっかでグルメ番組みたいだったねー!」

 

 「うっ。だ、だって美味しそうだったんだもん。日菜ちゃんこそ子供たちを困らせて大変だったじゃん!!」

 

 「あれは分からなかったなー。なんで泣いちゃったんだろう」

 

 「まあまあ、みなさん結果的には無事に終えたんですから良かったじゃないですか。結果オーライです!」

 

 「そうです、終わりよければ全てよしです!!」

 

 

 確かに、番組は無事に終えれた。ネットの反応も悪くなかったけれど……。

 

 

 「そうね、確かに無事に終えれて良かったわ。どっちかというと成功なんでしょうね。みんなお疲れ様」

 

 「だよね!!千聖ちゃんもそうおも――」

 

 「けど」

 

 「え?」

 

「彩ちゃん、あのコーナーはなんだったの?? グルメレポートだって誰か一言でも言ったかしら。ましては食べてばっかりで、私はいつも食事には気を付けなさいと言ってるわよね?? 少しなら許せたのに、あれはダメだわ。これからもっと厳しくされたいようね。しかもあんな遠い地まで言っておいてPastel*Palettesの宣伝ひとつもなしってどういうこと。少しはアイドルらしく歌うなり躍るなりするべきでしょう、まったく」

 

 「ひぃ、ご、ごめんなさい!!」

 

 「ち、千聖ちゃん、彩ちゃんも自分なりに頑張ったと――」

 

 「あなたもよ、日菜ちゃん。最初こそ順調でいいと思ったのに――」

 

 

 こうして、メンバー全員に千聖様のありがた~い説教が始まった。

 

 

 

 しかし、正座をさせられたメンバーの足が痺れてきた頃に、千聖はみんなへ強い想いを言い放つ。

 

 

 「私はPastel*Palettesに入るときは自分の利益になると思ったからで、別に上を目指すつもりじゃなかったわ。けど今は違う。私はPastel*Palettesが好き。こんなとこで止まっていいなんて思わない。アイドルの頂点を目指すつもりよ。妥協なんてしないし、本気で努力するわ。だからみんなもついてきて。道筋は私が作るから、貴方たちはそれをただ全力で走ればいいの。わかった??」

 

 「千聖ちゃん……そんなに私たちのことを思ってくれたんだね。うぅ、嬉しいよぉ」

 

 「ジブンも、もっと頑張るっす!!」

 

 「私もみなさんと上を目指していきたいです!」

 

 「千聖ちゃん、変わったねー。いつからそんな正直になったっけ??」

 

 「貴方に言われたくないわ、日菜ちゃん」

 

 

 さて、そろそろ次の撮影が始まるはずね。どんなことが起きても対処してみせるわ。彩ちゃんの夢のために。Pastel*Palettesのために。

 

 

 「みんな、次の撮影場所に向かうわよ。準備はいいかしら?」

 

 

 

 

 これは、いずれトップアイドルになる彼女らの、栄光の道へと駆け出したばかりの話――――

 

 

 

 

 

 






パスパレ第一章完結


次はRoseliaです
NFOの話を予定中

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