BanG Dream!〜夢を打ち抜く彼女達の日常〜 作:凛句りんく
気楽に読んでいただければ幸いです。
紗夜日菜〜誕生日編〜
〜紗夜〜
私達の名前が嫌いだった。
紗夜と日菜…まるで「夜」と「太陽」
「太陽」に追われて逃げ惑いながら迎える「夜」の様で、それは私達そのものだ。
私が何をやっても、必ず日菜は追って来る。
いつだって、どこだって、私は眩しい太陽と比較され続けてきた。
やっと見つけた、負けないと思えた、このギターですら結局、日菜は追ってきた。
たぶん、そこに悪意は無い。
いつだって私を想っていた…だからこそ眩しくて…目を背けてしまっていた。
「夜」は必ず「太陽」に追われて迎える。
そこに例外は無い。
でも……本当に日菜は追ってくる。
私が「何をしてしまっても」追ってくるのだ。
やはり、そこに例外は無かった。
私がどんなに冷たくても…それは眩しくも心地よい太陽で…私を照らしてくれた。冷たい私を暖めようとしていた。
そう気づいたのは…いつからだろうか。
「おねーちゃん!一緒に帰ろ!!」
今日もまた、私を追いかけてくる。
でも、もうその太陽から目を背けるのは辞めた。逃げるのを辞めた。
初めから、冷たい「夜」で迎えるのではなく…昼と夜の間の…少しだけど、暖かい夕方のように迎えたい。
今はまだ、ちょっと難しいけれど。
「誕生日おめでとう…日菜」
一緒に並ぶのは難しいかも知れない。
けれどいつの日か、太陽と並べる日を。
あなたを全て受け入れる日を。
「夜」は必ず「太陽」に追われて迎える。
だけど…
「夜」もまた「太陽」をずっと追いかけているのだ。
今はそう思えるから。
〜日菜〜
私達の名前が好きじゃなかった。
「ひる」と「よる」は絶対に一緒に居られない。そういうことだよね?
私がどんなに追いかけても、必ず「よる」には追いつけない。
そんなのは認めたくない。
おねーちゃんが何をしても、私は置いてかれないように追いかけた。
けれど、やはり「よる」とは一緒に居られなくて。
いつも私は置いていかれる。
最近、始めたギター。
おねーちゃんが毎日弾いていて…それは楽しそうで…一緒に弾けたらどんなに楽しいか。
そう思い、始めたギター。
でもやっぱり、私は一緒に居られない。
もう何をしても無理なのかな。
「ひる」は「よる」を追いかけるだけ。
それは変わらない。
そう…思っていたけれど。
「おねーちゃん!一緒に帰ろ!!」
やっぱり私は諦めきれない。
それに「ひる」が追いかけるのを辞めたら「よる」も来ないでしょ?
そして…
「お誕生日おめでとう…日菜」
少しずつだけど、追いついているのを感じてるんだ。
昼と夜の間の…夕方のように…少しだけ一緒に居れてる気がする。
だったら、いつの日か、必ず。
おねーちゃんの隣に並べる日を。
だから私は絶対に諦めたりしない。
「ひる」と「よる」は一緒に居られないかも知れない。
でも、それでも…
「ひる」と「よる」は、必ず繋がっているんだって。
今はそう感じるんだ!
また気が向いたら続編、というより別の女の子の話、を書きます。