BanG Dream!〜夢を打ち抜く彼女達の日常〜   作:凛句りんく

16 / 17
BanG Dream!の「もっとガルパライフ」第74、75話を元に作った話です。自分なりに解釈して書きました。
気楽に読んでいただければ幸いです。








誕生日シリーズ
紗夜日菜〜誕生日編〜


 

 

 

 

〜紗夜〜

 

 

 

 

私達の名前が嫌いだった。

 

 

紗夜と日菜…まるで「夜」と「太陽」

 

 

「太陽」に追われて逃げ惑いながら迎える「夜」の様で、それは私達そのものだ。

 

 

私が何をやっても、必ず日菜は追って来る。

 

 

いつだって、どこだって、私は眩しい太陽と比較され続けてきた。

 

やっと見つけた、負けないと思えた、このギターですら結局、日菜は追ってきた。

 

 

たぶん、そこに悪意は無い。

 

 

いつだって私を想っていた…だからこそ眩しくて…目を背けてしまっていた。

 

 

「夜」は必ず「太陽」に追われて迎える。

 

 

そこに例外は無い。

 

 

でも……本当に日菜は追ってくる。

 

 

私が「何をしてしまっても」追ってくるのだ。

 

 

やはり、そこに例外は無かった。

 

 

私がどんなに冷たくても…それは眩しくも心地よい太陽で…私を照らしてくれた。冷たい私を暖めようとしていた。

 

 

そう気づいたのは…いつからだろうか。

 

 

 

「おねーちゃん!一緒に帰ろ!!」

 

 

 

今日もまた、私を追いかけてくる。

 

 

でも、もうその太陽から目を背けるのは辞めた。逃げるのを辞めた。

 

 

初めから、冷たい「夜」で迎えるのではなく…昼と夜の間の…少しだけど、暖かい夕方のように迎えたい。

 

 

今はまだ、ちょっと難しいけれど。

 

 

 

「誕生日おめでとう…日菜」

 

 

 

一緒に並ぶのは難しいかも知れない。

 

 

けれどいつの日か、太陽と並べる日を。

 

 

あなたを全て受け入れる日を。

 

 

「夜」は必ず「太陽」に追われて迎える。

 

だけど…

 

 

「夜」もまた「太陽」をずっと追いかけているのだ。

 

 

 

今はそう思えるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜日菜〜

 

 

 

私達の名前が好きじゃなかった。

 

 

「ひる」と「よる」は絶対に一緒に居られない。そういうことだよね?

 

 

私がどんなに追いかけても、必ず「よる」には追いつけない。

 

 

そんなのは認めたくない。

 

 

おねーちゃんが何をしても、私は置いてかれないように追いかけた。

 

 

けれど、やはり「よる」とは一緒に居られなくて。

 

 

いつも私は置いていかれる。

 

 

最近、始めたギター。

 

 

おねーちゃんが毎日弾いていて…それは楽しそうで…一緒に弾けたらどんなに楽しいか。

 

 

そう思い、始めたギター。

 

 

でもやっぱり、私は一緒に居られない。

 

 

もう何をしても無理なのかな。

 

 

「ひる」は「よる」を追いかけるだけ。

 

 

それは変わらない。

 

 

そう…思っていたけれど。

 

 

「おねーちゃん!一緒に帰ろ!!」

 

 

やっぱり私は諦めきれない。

 

 

それに「ひる」が追いかけるのを辞めたら「よる」も来ないでしょ?

 

 

そして…

 

 

「お誕生日おめでとう…日菜」

 

 

 

少しずつだけど、追いついているのを感じてるんだ。

 

 

昼と夜の間の…夕方のように…少しだけ一緒に居れてる気がする。

 

 

だったら、いつの日か、必ず。

 

 

おねーちゃんの隣に並べる日を。

 

 

だから私は絶対に諦めたりしない。

 

 

「ひる」と「よる」は一緒に居られないかも知れない。

 

 

でも、それでも…

 

 「ひる」と「よる」は、必ず繋がっているんだって。

 

 今はそう感じるんだ!

 

 

 

 






また気が向いたら続編、というより別の女の子の話、を書きます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。