BanG Dream!〜夢を打ち抜く彼女達の日常〜 作:凛句りんく
てなわけで記念に短編を書きました。
バンドリ!ガールズバンドパーティにて有咲の誕生日限定会話がありまして、それを自分なりに解釈と付け加えをしたものです。
気楽に読んで貰えればm(_ _)m
「「有咲、誕生日おめでと~!」」
「うわっ!! びっくりした~、なんだよ急に!」
私はCiRCLEに皆んなとバンドの練習をする予定で訪れた。
しかし入店すると、いきなり私はお祝いの言葉を浴びた……デカい声で。
「えへへ~、サプライズでお祝い大成功~!!はー、やっと言えたよ~」
「ふふ、香澄ちゃん、早く有咲ちゃんにおめでとうって言いたくてずっとそわそわしてたもんね」
香澄が嬉しさとホッとした表情が混じった顔をして、溜まった息を吐き出した。
りみはそんな香澄を見て微笑んでいる。事実、りみも同じようにサプライズが成功して嬉しいのだろう。
きっと沙彩と
「よかった、成功して。何回もオッちゃんに練習した甲斐があったよ」
「いやいや、ウサギ相手に練習って意味あんのかよ!!」
おたえもサプライズが大成功したのでドヤ顔で私を見ている。ウサギ相手とはいえ私のため
「有咲、かなり驚いてたね~。サプライズして良かった~!」
「そりゃ、いきなりあんな大きい声で祝われたらビックリするだろ……。」
驚いた私がよほどお気に召したらしく、ニヤニヤして私に話しかけてきた。
あれでびっくりしない人間いるのか??
「さっそくですが、この後は蔵に移動してもらいます!」
「ええ!? いまから!?」
香澄がキラキラした目で私に命令を下した。
わざわざ移動するなら最初かっら蔵に呼べば良かったのでは、と思うが言わないでおこう。
「有咲の誕生日パーティのために、みんなで蔵を飾り付けしたんだ。おばあちゃんにも協力してもらって!」
「だから最近、蔵に行こうとするとばーちゃんに止められたのか……。」
昔よりか訪れる頻度が減ったが、なにかと蔵に用があることが多いので一人でも蔵に行くとこはある。
しかし最近は蔵に行こうとするとおばあちゃんが止めるのだ。内装工事をするとか理由を言われてたのだが……そういうことだったのか。
「ごちそうもいっぱい用意してあるよ。早く行こ、有咲」
「おお、わかったって。てか絶対おたえが早く食べたいだけだろ!」
「あ、有咲ちゃん、あのね、おたえちゃんは食事担当で、この日のためにいろいろ用意してたんだ。だからずっと楽しみにしてたんだって。それで早く有咲ちゃんに見せたいんだと思うな」
何か私の勘違いを正そうとして、焦った
「そ、そっか。それは悪かった。前もって準備って……もしかして手作りとかしたのか?」
「いや、主に注文とおばあちゃんだよ」
「してねえのかよ!!!」
「まあまあ、とりあえず蔵に行こうよ」
「うんうん、楽しみ~!!」
「なんで私より楽しそうなんだよ!」
とにかくみんな私のためにいろいろ準備してくれたらしい。正直、この日を私も楽しみにしてた。
だけどその反面、祝えてもらえるのか不安だったから何も知らない態度をして今日まで過ごしてきた。
でもみんな私の誕生日を覚えてくれてて、実際に祝ってもらって結構……嬉しかった。だから今日は感謝の言葉を言うと決めていた。決めていたのだ。そうだろう、私。
今から言うのだ!!
「あ、あのな、みんな、ちょっと待ってくれ」
俯いていた私の急な呼びかけに、みんなが立ち止まる。おそらく顔は真っ赤だろう。声は少しだけ震えていたが、同時に重みも含んでいた。
「ん?どうしたの有咲??」
「そうだよ、はやくご飯食べ……蔵に行こう」
「なにか忘れ物でもしたのかな?」
「……有咲」
ちょ、ちょまま、やばい。めっちゃ緊張するんだが。そんなこっち見るなよ~。どうしよう、まだ今日は終わらないし後ででいいかな。そうだよ、別に今から言わなくても蔵についてからでもいいじゃん。きっとその時なら心の準備も出来ていて言えるはず。
……よし、そうしよう! それがいい!!
「あ、ごめん、やっぱ何も――――」
私がみんなの目線に耐え切れず、話を切ろうとしたその時……何かを察した沙彩がニヤニヤしながら香澄達に話した。
「みんな、有咲が何か言いたいんだって。ちゃんと聞いてあげよ。きっと
その沙彩の一言で香澄達も有咲が何を言おうとしたのか察したらしい。その証拠に、みんなニヤニヤしだした。
「ん~? 有咲なに~??」
「有咲が言うまで待ってるね」
「有咲ちゃん、頑張って!」
あ~、もう! みんなしてニヤニヤしやがって~!!
沙彩のやつ私のほうを見てウインクまでしてくるし。あの顔は「有咲、逃がさないよ、うふふ」って意味だな。
もうこうなったら言うしかねぇじゃんかよ……ったく、しかたねぇな。
「あ、あのな。みんな私のために……なんつーか…………その……いつもありがとな……」
い、言えた!!よし!! もう終わり早く蔵に行こう……って言いたいけど。
「有咲、照れてる~!!」
「可愛い、有咲」
「有咲ちゃん、嬉しいよ」
「うんうん、よく言えました」
「う、うるせえー!! 照れてないっつうの!!!」
みんな顔のニヤけが最高潮に達している。
そんなに私がお礼いうことが嬉しいのか……。これでもずいぶんマシになってると思うんだけど、少しずつ素直になっていけるよう頑張ろ。
そんなことを考えていると、香澄が何か面白いことを思いついた顔をした。目もキラキラしている。そして、とてつもない笑顔。
ああ……これは何度も経験をした変なことを言い出す前兆だ。
「あ、でもよく聞こえなかったから後でもう一回言ってね、有咲!」
予想通り香澄が変なことを言い始めた。絶対聞こえてたはずなのに。
そして、香澄の提案にみんなが賛成をする。
「そうだね、私も聞こえなかったー」
「え?え?……わ、わたしも!!」
「だってよ、有咲。お願い!」
みんなして私をからかいだした。そんな簡単に言ってあげるかっつうの……まあ蔵の中で嬉しいことが起きたら少し考えてあげるけど。
実際、私はみんなに何回お礼を言っても感謝しきれない。でも私はそんな素直に返事をしない。まだ難易度が高いから待ってほしい。いつか、必ず言えるようになるから。
だからとりあえず、私はみんなにいつも通り言葉を返す。
「ふ、ふざけんなーー!!!」
有咲、可愛いですよね。