BanG Dream!〜夢を打ち抜く彼女達の日常〜   作:凛句りんく

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Roseliaの日常①-2

 

 

 

「では、先ほど言った隊列でダンジョン攻略するので、しっかり付いてきて下さい(*´-`)」

 

「「はーい」」

 

 

オペラ神殿に入る前に、燐子は大方の攻略作戦を全員に伝えた。彼女は前日から作戦を練って準備をしていたのである。

 

燐子が伝え、理解したら返事をする。真面目な作戦会議なはずなのに、しかし傍からみたら、この光景はどこか小学校の生徒と先生という図にしか見えない。

 

 

作戦内容は簡単だ。

 

基本的に1列隊形で進んでいく。

 

あこが列の先頭で、現れた敵の先制攻撃を担当する。

 

2番目には燐子を配置し、倒しきれない敵や逃した敵のトドメを刺す。

 

その後ろ、3番目のリサは回復担当。

 

後方残りの2人は基本的に待機だ。後方からの敵に対処する役割を担っている。それと、友希那が逸れないように紗夜が見守ることだ。

 

「よーし、ドーンと進んでバーンとやっつけちゃうよー!!」

 

「頼んだよー、あこ!」

 

「あこちゃん、いつも通りサポートは任せて(^_^)v」

 

 

前3人は意気揚々として楽しそうだ。

 

 

「私は何をしたらいいのかしら?」

友希那は何もしないという自分の役割を完全に理解していなかったので、紗夜が説明をした。

 

 

「私たちはどうやら後方で待機するらしいです。白金さん達に何かあった時にはサポートしてあげましょう」

 

「そう、わかったわ。普段と違って皆んなに任せっきりで申し訳ないけれど」

 

 

不満はあるが何とか友希那が納得したので、一同は神殿の奥へと進むことを始めた。

 

 

 

 

 

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「白金さん、そういえば質問があるのですが、このダンジョンに出てくるモンスターは強くないのですか? 初心者の湊さんや今井さん、私はすぐにやられてしまうのでは……」

 

 

現在Roseliaは、入り口から少し進んだ地点で歩いている。

 

序盤は一本道の洞窟で、横幅は約10メートルと割と広い。床には灰色の大理石で出来た通路があり、それをただ真っ直ぐ進む。

 

そして等間隔で壁に松明が設置されており、洞窟内は明るくなっているため、初心者でも迷うことなく進める仕組みだ。

 

よって、紗夜たち後衛組はモンスターに狙われることが少ないので多少安全なのだが……念のためにと紗夜が燐子に問いかけたのだ。

 

 

「いえ、今回は初心者がパーティにいる前提で行うクエストですので。私とあこちゃんで対処できるはずです\(^o^)/」

 

「なるほど……わかりました。そういうことでしたらお二人にお任せします」

 

 

心なしか、紗夜は少し残念そうな顔をしていた。

 

 

「ねえりんりん、紗夜さん、何かしたいのかな? ちょっと弱い敵がきたら私たちがサポートに回ってみようよ」

 

「そうだね、あこちゃん。 みんなで協力して倒すほうが楽しいもんね(^ ^)」

 

 

でも、と燐子が何かを思いだす。

 

 

「ダンジョン内にはいくつかトラップがあって、やっかいのもあります。 そのトラップから強いモンスターがポップ……出現する場合もあるので気をつけましょう(*´ω`*)」

 

「おーけー、燐子! 友希那、絶対に勝手なことはしないでよ!」

 

「この壁の赤いスイッチ何かしら――」

 

……ポチッ

 

「――え? リサ、何か言った??」

 

「「さっそくトラップ発動させちゃったーー!?」」

 

 

友希那が壁に付いていた明らかに怪しい赤い凸……スイッチを押した瞬間に、燐子の5メートルほど前方の床から2体の人型トカゲが出現した。右手は鉄の片手剣を持ち構えている。

 

 

「体が緑色ってことは……リザードマン!?」

 

「あわわ、ちょっと強めのモンスターだね。紗夜さん達では危ないかも……。りんりん、頑張ろう!」

 

「うん、あこちゃん!」

 

 

予想外の事態となったが、ベテラン組は予定していた戦闘態勢へと準備し始め、燐子が事前に考えていた戦闘隊形の一つを指示する。

 

 

「リサさんは私とあこちゃんがダメージを受けた時に回復魔法(ヒール)をお願いします。友希那さんは歌唱スキルを。紗夜さんは後列に飛んできた攻撃を盾でリサさんと友希那さんを守ってください( ̄^ ̄)ゞ」

 

「はーい、任せといて!」

 

「この前、教えてもらったボタンを押せばいいのよね、分かったわ」

 

「必ず守ってみせますので、後ろを気にせず攻撃に徹してください」

 

 

すると、友希那の歌唱スキルによりRoselia全体に攻防上昇のバフが付与され、それを起にあこが魔術の詠唱を始めた。

 

 

「いくよー!! 闇の炎がドーン!!!」

 

 

あこの周辺に複数の青白い炎球がゆらゆらっと現れ、それをリザードマンに容赦なく放つ。

 

正確には炎ではなく人魂なのだが、あこにはどちらでも良かった。

 

 

「キシャァァァァァァァァ!!!」

 

 

勢いよく放たれた炎球はリザードマンに直撃して、深刻なダメージを負わせた。

 

しかし、もう一体のリザードマンがあこの詠唱のタイミングを狙って前方に飛び出し、彼女に剣を突き刺そうとする。

 

 

「させない!! 氷の岩塊(アイス・ストーン)!!!」

 

 

即座に燐子が人と同じくらいの大きさの氷塊を生成し、あこに攻撃をしようとしていたリザードマンに解き放つ。

 

不意を突かれたリザードマンは成す術なく攻撃を喰らい弾き飛ばされ、その勢いのまま壁に衝突した。

 

 

「ありがとう、りんりん!」

 

「うん、とりあえずトドメをさしちゃおっか(`ω´ )」

 

 

見事な連携でモンスターを撃退したあこたちは、先ほどと同じ攻撃で残りのHPを削る。すると二体のリザードマンは白く発光し、その後ガラスのように砕けて虹色の粒子へと変換された。

 

 

「ふう、なんとか乗り切れたね!」

 

「そうだね、誰もダメージを負うことなく倒せたのは良かったかな♪

(´ε` )」

 

「さすがだね~、私は何もしなくて良かったよ!」

 

「いえいえ、リサさんがいるから安心して戦闘が出来ます!」

 

 

そして燐子は後ろを確認しようと振り返り、紗夜達に声をかける。

 

 

「友希那さん、紗夜さん、後ろは大丈夫でし――危ないっ!!」

 

 

後方にはタンクの紗夜がいるが、初心者であるため完全には気を抜かないようにしよう、と燐子は考えていた。しかし、さっそく調子良くモンスターを倒せたので気を抜いてしまっていた。

 

そのせいか、友希那の背後に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に気が付けなかった。

 

 

「え? なにかしら??」

 

 

友希那は背後のモンスターに気が付いていない。絶好のチャンスを得たリザードマンはこれを逃すわけがなく、剣を友希那に振り下ろす。

 

 

 

――だが

 

 

「友希那さんは私が守ります!!!」

 

 

パリーン!!という衝撃音とともにリザードマンは剣を弾かれる。何事かと疑った目線の先には、毅然と盾を構えた少女がいた。

 

「紗夜さんナイスです!!

今のうちに…氷柱の雨(アイス・レイン)(`・ω・´)」

 

燐子が遠距離魔法を発動。この魔法は敵の上空に氷柱を生成して攻撃するものだ。

 

今の燐子は列の先頭に位置している、対してリザードマンは最後尾。先ほどの氷の岩塊(アイス・ストーン)だと味方が壁になり攻撃が難しいため、遠距離魔法を発動したのだ。

 

しかし、この魔法は威力が弱いために一撃で仕留めることはできない。

 

 

「紗夜さん、トドメをお願いします!」

 

「宇田川さん、言われずともそうします、よっ!!」

 

 

凜子の魔法でひるんで無防備になった目の前の敵に、紗夜は手持ちの剣で鋭い一太刀を浴びせる。

 

 

「ガァァァァァァア!!!!」

 

先ほど消えたリザードマンと同様、雄叫び声の後に光の粒子へと変わる。

 

 

「な、なんかさ、叫びがやけにリアルじゃない? そういうもんなの、ゲームって」

 

「そう? 私は気にならないけれど。それよりも」

 

 

友希那は自分を守ってくれた紗夜のほうを向く。

 

 

「ありがとう、紗夜。 助かったわ」

 

「いえ、みなさんを守るのが私の役目ですので」

 

 

当たり前の行動だと紗夜は言う。しかしあこと燐子は共に驚いていた。

 

 

「いやいや、凄いですよ、紗夜さん! あの防御時のパリーンって音はジャストガードっていう技で、本当にピッタシ攻撃に合わせてガードしないと出来ないんです! それをした後すぐに剣でトドメさして……完璧に上級者の動きでした!」

 

「あこちゃんのいうとおりです。とっても驚きました……。どこかで練習したんですか(゚∀゚)??」

 

 

ベテラン二人に称賛された紗夜は、気まずそうな顔をした後に答える。

 

 

「まあ、多少は慣れておかないと、いつかするときに、みなさんに迷惑になると思ったので、す、少しだけ練習しました」

 

「そうなんだ、さすが紗夜!」

 

「すっごくゲームの才能ありますよ!」

 

「そこまでRoseliaのことを考えてくれたのね」

 

 

あこと燐子だけでなく、リサと友希那も紗夜に感心していた。

 

しかし燐子は少し疑問が浮かぶ。

 

 

「(うーん、それにしても、さっきからなんか紗夜さんが怪しいような。 最近よく聞くあの噂と関係が……?)」

 

「りんりん、早く奥に進もうよ!」

 

「あ、うん、そうだね。いま考えても仕方ないか( ´Д`)」

 

 

燐子は何かが頭の中で引っかかっていたが、考えるのを後にして今の攻略に集中することにした。

 

 

 

 

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その後、Roseliaパーティは危なげなくモンスターを倒し、トラップを避け、洞窟奥地へと進んだ。

 

既に一本道は終わっており、今は幾つもの分かれ道がある広々とした空間になっている。

 

 

「だいぶ奥まで進みましたね……そろそろ『宝箱』があってもいいはずだけどな(ー ー;)」

 

 

燐子が辺りを見渡しながら言った。彼女が聞いた情報によればゴールはもうすぐなはずだ。

 

そこでリサが目を見開いて驚いた顔をする。

 

 

「へー、その宝箱に限定アイテムってのが入ってるんだ。てっきり何か強いモンスターとか倒すかと思ったよー」

 

「いえ、前回と同様、今回も強いボスとかを倒すことはないので安心してください!」

 

 

あこはかなり楽しそうにスキップしている。たくさんモンスターに攻撃して活躍しているので上機嫌なのだ。

 

すると、後列で特にすることがないので、探索に夢中になっていた友希那が何かを見つける。

 

 

「ねえ、あれは何かしら?」

 

 

友希那の目線の先には揺ら揺らと赤く怪しげに光る金色の箱が。しっかり施錠されてあるその箱は、直径約100メートルはあるかなり大きめなドーム型大部屋の真ん中に存在していた。

 

 

「あれは……今回探している宝箱なのでは」

 

「ちょ、紗夜さん、待ってくださいよー!」

 

 

さっそく紗夜が先陣を切り、大部屋へズカズカ進んでいく。それにあこが続き、残りのメンバーも大部屋へと入ってゆく。

 

 

 

中はとても静かで、壁に等間隔で設置されてある松明だけが部屋内の明かりを灯していた。

 

 

 

コツ、コツ、と足音だけが聞こえる世界。しかしそれはリサの緊張した声で壊れる。

 

 

 

「あのさ〜、それにしてもやけに大きな部屋だよね~。たった一つしか宝箱はないのに」

 

「そうですね……すこし嫌な感じがします。宝箱一つに大きな部屋、トラップにしては大きすぎるしボス部屋だとしても肝心のボスがいない……というか今回はボスは倒さなくていいとアナウンスがありましたし(-.-;)」

 

 

燐子があれこれ考えているうちに、先頭の紗夜が宝箱の位置へと到着する。

 

 

「勿体ぶっても仕方ないので、さっそく開けますね」

 

 

紗夜が宝箱を開けようと手を触れた。

 

 

 

 

しかし、それは何も反応を示さなかった。不思議に思ったあこが首をかしげる。

 

「紗夜さん、どうしたんです?」

 

「いえ、私は開けようとしているのですが、なにやらリストが表示されていて……とりあえず私を選択しま――!?」

 

すると突然、宝箱に触れていた紗夜が青い光に包まれる。そしてその光が収まった時、

 

 

 

紗夜は姿()()()()()()()

 

 

 

 








戦闘描写が難しい…っ!

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