第十二作 リアクッション
開発責任者:河城にとり
にとり「ついにできたぞ!」
霊夢「また来たの?今度は何よ」
魔理沙「最近大抵のことでは驚かなくなってきた自信があるぞ私は。どんと来い!」
にとり「今回作ってきたのはこいつ。リアクッションさ!」
魔理沙「クッション…。要するに、座布団を作ってきたのか?」
にとり「そうだね座布団のようなものを作ってきたのさ。主な用途はそれでいいよ」
霊夢「主な用途ぉ?つまり、他にも余計な機能が付いてるってこと?」
にとり「確かに付いてるけど、余計な機能ではないよ。立派な機能が付いてるんだよ」
魔理沙「どんな」
にとり「このクッションはね、反発性最強のクッションなのさ。具体的に言うとこのクッションには、砲弾を跳ね返せる程度の防弾性がある」
霊夢「よくわからないわね。その砲弾ってのは、具体的にどのくらいの威力があるのよ」
にとり「え?…えーと、そうだなあ…。全速力でつっこんできたブン屋くらい?」
魔理沙「そりゃすげえ!」
にとり「だろう?つまりこのクッションは調度品としてだけでなく、弾幕ごっこにおけるカウンターアイテムとしても使える優れものということなのさ!」
霊夢「ふーん。なんだか便利そうね。ちょっとだけ欲しくなったわ。今のとこ座布団として以外の使い道はないけれど、いざってときにすぐ盾にできそうだもんね」
魔理沙「そうだな。そういう便利そうな発明品だったら、私が貰ってやるのも吝かじゃあないんだぜ」
にとり「おお、魔理沙はともかく、霊夢が私の発明品を誉めてくれるとは…。なんか感動してきた」
霊夢「大袈裟ね。別に私は便利そうなもん作ってきたんだったら普通に誉めるわよ。前に紹介されたなんとか烏賊だって普通に誉めたじゃない」
にとり「そういえばそうだった。ここ最近成功に比べて失敗の数が多すぎて全然覚えてなかった…」
魔理沙「なあ、にとり。そんなことより私はさっきの私はともかくって台詞に一言もの申したいんだが」
にとり「異論は認めない。泥棒と嘘つきにはもれなく人権も認めていない」
魔理沙「おいおい…。お前まだヒッチハッカーを没収されたことを根にもってんのか?いいじゃんか。私はあれをただ鍵を開けるというあの機械本来の用途で使用しただけだぜ?それだけで没収されるんだったら、それはもうあれがそもそもそういう品だったってだけのことだ」
にとり「犯罪に使用してる時点であれの本来の用途からはかけ離れてるよ!逆に言えば犯罪にさえ使用しなければあれはまだ私の手元にあったってことだ!」
魔理沙「あー、分かった。分かったからそんなに怒るな。確かにあれは私が悪かった。全責任が私にあるかはともかくとして、私も悪かったと思ったからせっかく盗ん………借りたものを全部返したわけだ。まあ、お前のヒッチハッカーはお前の手元には戻ってこなかったようだが。それはまあ、私からは残念だったとしか言いようがない」
にとり「悪かったと思ってるって、どうせ間が悪かったとかそんな感じのこと思ってるんだろ?心にもない謝罪なんて私に通用すると思うなよ?」
魔理沙「おお、よく分かったなにとり。お前覚妖怪になれるんじゃないか?」
にとり「さーん、にー、いーち」
魔理沙「まてまて待て待て!いきなり懐に手を突っ込んでカウントダウン始めるとか何するつもりだよ危ない奴だな!分かったよ!お詫びに今度香霖からかっぱらってきた外の式とかいうのをやるからそれで許してくれ!」
にとり「今更パソコンなんて貰っても………。まあ、物によっては許してやるのも吝かではない」
魔理沙「ようし!契約成立だな!今度お前んちまで持ってくから、それまで怒りはひとまず押さえてくれよ」
にとり「わかった。この話はとりあえず保留にしてあげる」
霊夢「どうでもいいけど、あんたらここで暴れるようなら二人とも即刻退治してやるからね」
魔理沙「おいおい霊夢。退治はないだろ私は人間だぜ?」
霊夢「問答無用。私に迷惑掛ける奴に人も妖怪もないわ」
にとり「流石は幻想郷で怒らせてはいけない人妖ランキング堂々の一位は迫力が違うね。私みたいにわざわざ小道具で小細工しなくても背筋が震えてくるよ…」
魔理沙「怒らせてはいけない人妖ランキング?そんなもんいつの間にできたんだ?」
にとり「昨日届いた文々。新聞に書いてあった」
魔理沙「なるほどな。あの天狗もいよいよネタが無くなってきたと見える」
霊夢「
魔理沙「おっと、早速自分で決めたランキングの一位を怒らせるとは。御愁傷様としか言いようがないぜ」
にとり「ちなみに魔理沙は下から数えた方が早かったよ。なめられ切ってると見ていい」
魔理沙「よし、霊夢。ここは私に行かせろ。あいつに真の恐怖とは何かってものをこの私が教えてやる」
にとり「ランキング上位でも下位でも怒られるって、割と珍しいランキングだよね」
霊夢「知ったこっちゃないわ。人によるでしょそんなもん。…あー、でもまあいいか。どうせあいつの新聞なんて誰も読まないし。こんなんで一々怒るのも面倒くさいし」
魔理沙「おいおいそりゃないぜ霊夢。霊夢がそんなんじゃ今一人だけ怒ってる私の器が小さいみたいじゃないか」
にとり「実際そこまででかくもないじゃないか」
魔理沙「なんだ、お前まで私に喧嘩売ってんのか?いつでも買ってやる……と、言いたいところだがお前には借りがあるし、広い心で許してやるとしよう」
にとり「取って付けたような心だね。大器にはほど遠いよ」
魔理沙「大器晩成というからな。まあまだ成長の余地はあると捉えておくことにするか」
にとり「前向きだねー。ま。その前向きさだけは、結構器が大きいと言えるかもね」
魔理沙「だろう?前向きだからこそ、物を盗んだときの言い訳も浮かぶ浮かぶ」
にとり「前言撤回。お前はただの小悪党だ」
魔理沙「器の大きな小悪党。いい響きだな。採用」
にとり「採用されちゃったよ。前向きが過ぎる。ろくに揚げ足も取れないとはね」
魔理沙「私の偉大さが証明された瞬間だな」
にとり「鋼メンタルなら証明されたかもね。まあノリが氷精とほとんど一緒だっていう残念な事実は、さすがに可哀想だから言わないでおいてあげるよ。うわ、私ってなんて優しいんだろう!」
魔理沙「おい、言葉に出てるぞ」
霊夢「ちょっと、そういう下らない漫才は宴会の席でもない限りは他所でやってくれない?素面ではとても聞くに耐えないんだけど」
にとり「あ、そう。じゃあ私はそろそろ帰るね。あと、このクッションは誉められて嬉しかったから霊夢にあげるよ」
霊夢「あらそう?ありがとう」
魔理沙「おいにとり。私の分は?」
にとり「あるわきゃない」
魔理沙「おい。にとりお前いくらなんでも私への当たりがきつすぎるだろう」
にとり「いや、単純に数の問題だよ。まだ一つしか作ってないもん」
魔理沙「そうなのか?紛らわしい。まだ怒ってるんじゃないかと思ったぜ」
にとり「別に。実のところ怒りそのものは最初からそんなにないよ。悔しさならまだあるけどね」
魔理沙「お前…。器でかくね?」
にとり「そんなの気にしたこともないよ」
魔理沙「でかいでかい。なあ、お前もそう思うだろ霊夢―――?」
霊夢「きゃああっ!!?」
魔理沙「…………………………………………」
にとり「…………………………………………」
魔理沙「おいにとり。リアクッションに寄り掛かろうとした霊夢が吹っ飛ばされて天井に突き刺さったぞ」
にとり「あー…。リアクッションは反発性最強だからね。勢いよく寄り掛かったらそりゃあ吹っ飛ばされるよ」
魔理沙「じゃあダメじゃん。この発明は失敗だよ」
にとり「ええー。でもカウンターアイテムとしてはこれくらいじゃないと…」
魔理沙「クッションとして機能しなけりゃこの発明は意味がないだろうが!!弾幕跳ね返すだけならそんな方法いくらでもあるわ!!」
霊夢「にぃーとぉーりぃーーー?」
にとり「やばっ!幻想郷一怒らせてはいけない人妖が怒った!!」
霊夢「悪・即・斬!覚悟しなさいにとり!…と、ついでに魔理沙!」
魔理沙「はあ!?私別に関係ねーだろうが!」
にとり「死なばもろとも」
霊夢「問答無用!!」
魔理沙「不幸だああああああああああっ!!」
第十二作 リアクッション 不採用。
にとり印