発明少女にとりちゃん   作:N-SUGAR

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第三作 ナーシザーズ

第三作 ナーシザーズ

開発責任者:河城にとり

 

にとり「ついにできたぞ!」

 

魔理沙「お、なんだ?またなんか面白いもんでも作ったのか?」

 

にとり「うん。この前人間に化けて里の金物屋に買い物に行ったんだけどさー」

 

魔理沙「おう…。いきなりだな。…ていうかお前この前も鈴奈庵に印刷依頼出してたけど結構人里で好き勝手やってるよな…」

 

にとり「まあまあ、そんなの今更だよ!別に悪さしているわけじゃないんだし気にしない気にしない!」

 

魔理沙「いや、私は別にいいんだけどな?でも霊夢が知ったら何て言うか…」

 

にとり「それこそ今更だよ!河童は人間の盟友!これでファイナルアンサーさ!霊夢だって見逃してくれる!」

 

魔理沙「いや、さすがにそこまでの実績はないだろうがよ…。まあバレてないんならそれでいいさ。私の気にするこっちゃねー。…で?その金物屋で何かあったのか?」

 

にとり「うん。金物屋のおっちゃんがね。最近売り上げが良くないって嘆いてたんだよね。こんなに頻繁に買いに来てくれるのは私くらいだって。まあその原因はおっちゃんの腕が良いから物持ちして客がそこまで頻繁に商品を買い換える必要を感じてないからなんだけどさ」

 

魔理沙「ああ、確かにあの金物屋の商品は物持ちがすこぶる良い。私の持ってるナイフや包丁もあそこのものだし、アリスの奴も裁縫用の針はあそこか唐傘お化けかどちらかにひとつだとまで言ってたからな。…それはともかく私はなんでお前がそんな頻繁に金物屋へ足繁く通っているのかが気になって仕方ないんだが…」

 

にとり「気にしない気にしない。…でさー、私はお得意様だからね。金物屋が潰れても困るし、何か手伝えることはないかなって思ってさ」

 

魔理沙「…そりゃ殊勝な心掛けだな。それで?何を思い付いたんだ?」

 

にとり「新商品を考えてみた。それがこれ、ナーシザーズさ!」

 

魔理沙「ハサミか。…綺麗な装飾だな。水仙模様(ナーシサス)か。…まぁハサミは日常的に使うし需要はあるんじゃないか?それをなんで私の所に持ってきたのかは謎だが…」

 

にとり「魔理沙は一応魔道具店やってるし、客商売という視点で参考にできるからさ。まあとりあえず手に取って見てくれよ」

 

魔理沙「一応は甚だ余計だが、そういうことなら確かに納得だぜ。むしろこーりんを頼らず私の所に来たことを誉めてやっても良いくらいだ」

 

にとり「そこは適材適所だね。今回の場合は魔理沙の方が適任なのさ。なにしろこのハサミを最終的に使うことになるのは人間なんだから」

 

魔理沙「あー…。そりゃそうか。…だけどそこまで精確なデータを欲するってことは、やっぱりそのハサミにゃなんかあるってことでいいのか?」

 

にとり「まあねー。ささ!手に取ってみてよ!」

 

魔理沙「甚だ怪しいことこの上無いが…。まあ良い。で?私はこれで何をすればいいんだ?とりあえず何か切ってみるか?」

 

にとり「そこだよ!」

 

魔理沙「は?え…どこ?」

 

にとり「ハサミに限らずだけど、刃物を持った時って、何はなくとも何かを切ってみたくならない?」

 

魔理沙「うーん…まあ、刃物の用途なんてそれしかないんだし、そりゃそうかもな」

 

にとり「そのハサミの模様には、『何かを切ってみたくなる衝動』を最大限に高める効果があるんだよ!つまりそのハサミを見てると、別段何はなくとも何かを切りたくて切りたくてたまらなくなってくるのさ!」

 

魔理沙「なんだその危ないハサミは!?」

 

にとり「危ない?刃物なんだから危ないのは当たり前じゃん。でもこれを店頭に並べておけば売り上げは確実に伸びると思うんだよ」

 

魔理沙「いやだから危ないって!その衝動とやらに溺れて刃物で人を傷付ける奴が出たらどうすんだよ!」

 

にとり「は?…そんな怖い奴がいるのか?」

 

魔理沙「いや…お前にそんな「ピュアな奴」みたいなことを言われても困るんだが…。人間の中にはそういう奴もいるんだよ」

 

にとり「そうなの?怖っ!…でも人間には理性があるだろ?いくら衝動を高めるとは言っても『人が人を切らないようにする理性』は『人がものを切らないようにする理性』よりもずっと高いと思うんだけど」

 

魔理沙「それがそうとは限らないのが人間なんだよ。ただのナイフでだって理性が衝動に負ける奴もいるんだ。人はそれぞれ、十人十色なんだよ。良い意味でも、悪い意味でも」

 

にとり「ひえー。だったらめっちゃ危ないじゃんこのハサミ」

 

魔理沙「だからそう言ってるだろうが。ほら、さっさとそれは持って帰れ。人間にそれの使用は向いてない」

 

にとり「なぁ、一つ聞きたいんだけど」

 

魔理沙「なんだ?」

 

にとり「魔理沙はこれを見て持ったとき、その…そういう衝動を持ったりしたのか?目の前のヒトを切ってみたくなる衝動…」

 

魔理沙「………はっ!有り得ねーよ!(さとり)妖怪に確認されたって堂々と断言できるぜ。私はそんな衝動なんてこれっぽちも持ってないってな!」

 

にとり「そ、そうだよね!ゆーて魔理沙なんてそんなに危ない性格してないもんね!」

 

魔理沙「そーそー。私は超常識人だからな!」

 

にとり「なんかごめんね!変なこと訊いちゃって!」

 

魔理沙「気にすんな。データ収集は大事だからな」

 

にとり「うん。でもまあ金物屋のおっちゃんへの手助けはなんか別に考えるとするよ。じゃね!」

 

魔理沙「…おいおい、用が済んだら直帰かよ」

 

魔理沙「まあ良いか。……全くおっちょこちょいな奴だよあいつは…」

 

魔理沙「…大体あの状況で感じるわけないだろうがよ」

 

魔理沙「目の前の()()を切ってみたくなる衝動なんてさ…」

 

 

第三作 ナーシザーズ 企画倒れ。

にとり印

 

 

 

 

 

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