発明少女にとりちゃん   作:N-SUGAR

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第六作 快眠マフラー

第六作 快眠マフラー

開発責任者:河城にとり

 

にとり「ついにできたぞ!」

 

美鈴「おや、どうなされたんですか?」

 

にとり「さっきはせっかく作ったものが急になくなって悔しい思いをしたから帰りがけにまた一つ発明品を考えてみた」

 

美鈴「はあ、何かをなくされたんですか?」

 

にとり「ああ、新発明をちょっとねー」

 

美鈴「まあ、紅魔館ではわりとよくあることです。気にしたら負けですよ」

 

にとり「それさっきここの主にも似たようなこと言われたよ…」

 

美鈴「でもまた新しく作られたのでしょう?」

 

にとり「さっきとは別のものをね!」

 

美鈴「まあまあ、そう声を荒らげず…。紹介してくださいよ。何をお作りになられたんです?」

 

にとり「ふむ。…まあ良いか。確かに過ぎたことを一々気にしてても始まらないし。…うん!いいよ!教えてあげる!今回作ったのはこれ!安眠グッズ、快眠マフラーだ!」

 

美鈴「ほほう。詳しくお願いします」

 

にとり「やけっぱちになって寝たいとき、…もとい夜に寝苦しくって変に寝付けないことってあるじゃん」

 

美鈴「にとりさん、やけっぱちになって寝たかったんですか…」

 

にとり「そっちはいいよ。拾わなくて。寝苦しいとき!これ、あるでしょ?」

 

美鈴「ありますね。私なんか夜になかなか寝付けなくって、ついつい昼寝ばかりしてしまいます。」

 

にとり「…昼寝が先か夜寝付けないのが先かは深く考えると泥沼に嵌まりそうだからスルーさせてもらうけど、そんなときにおすすめなのが、この快眠マフラーさ」

 

美鈴「マフラーなのですからそれは恐らく首に巻き付けて使う道具なのでしょうが、…具体的にはどんな効果があるのでしょうか」

 

にとり「このマフラーを首に巻き付けると、全身から睡眠に必要の無い余計な力を抜いて、極限までリラックスした状態にしてくれるんだよ。自然とまぶたが重くなってすぐに寝付けること間違いなし!」

 

美鈴「余計な力を抜く…。確かに、寝ようと思えば思うほど変に力んでしまいますものね」

 

にとり「その上こいつはマフラーだからね。勿論消音機能もつけてある。周りがどんなに煩くたって静かに眠れるさ」

 

美鈴「それは素晴らしいことですが、…マフラーに消音機能なんてありましたっけ?」

 

にとり「私もよくわかんないんだけどさ、外の世界の本にマフラーは消音装置だって書いてあったんだ。外の人間は首に巻くものに消音機能までつけるのかと、読んだときは驚くと共にその発想の豊かさに感心したもんだよ」

 

美鈴「なるほど、最初はよくわかりませんでしたがそこまで聞いてしまうと、確かに一周回って凄いように感じてきますね」

 

にとり「なんなら今からこれ、試してみるかい?たった今試作品が出来たばかりだから全然対人テストが出来てないんだけど」

 

美鈴「いえ、今は仕事中…。ですけど…、まあ、ちょっとくらいなら」

 

にとり「いいね!ノリの良い奴は大好きだよ!」

 

美鈴「ここに…こうやって着ければいいんですか?」

 

にとり「そうそう。………あ!でも立ったままそれやると…」

 

美鈴「うひゃあ!?」

 

にとり「あーあー。このマフラーは全身の力を抜くから立ったまま着けると足の力が抜けてすっ転んじゃうんだよ。…ちょっと忠告が遅かったかな?ごめんね?」

 

美鈴「…………………」

 

にとり「あれ?美鈴?どうしたのさ黙りこんで…。って、私の声聞こえないんだっけ…。…ははーん、分かったぞ?もしかしてもう寝ちゃったんだな?仕方ないなー。テストは初めてだったけどまさかこんなに効き目がバツグンだなんてね。…まあいいや。どうせ聞いてないだろうけど、それはもう美鈴にあげるよ。じゃ、私は帰るからね!ばいびー」

 

美鈴 「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………っ!!」

 

 

第六作 快眠マフラー 経過観察。

にとり印




後日談
報告者:犬走椛

●月●日。玄武の沢在住の河童、河城にとり(以下この人物を甲とする)が快眠マフラー(以下この装置を乙とする)なる衣服を発明する。

甲が乙を実験と称して当該報告者の首に被せたところ、全身の随意筋の弛緩が確認され呼吸以外の一切の行動が不能となる事態が発生した。

更に聴力の一時的な消失も見受けられ、また眼瞼周辺の筋肉弛緩により千里眼持ちである当該報告者以外の者は視力の機能不全に陥る可能性も指摘される。

これ等の現象は甲によって乙が首から取り外されるまで続き、逆に言えば乙が行動可能な他人の手によって取り外されない限り、乙の使用者は自力での取り外しが不可能であるという結論に達した。

また甲は前日に別の発明品を博麗の巫女に破壊されたことからそれ以降の発明品をやけに頑丈に作っており、当該報告者による太刀での破壊は不可能であった。従って当該報告者は乙を山の危険物取り締まり法令第四条の一に該当するとして、破壊困難オブジェクト管理マニュアルに基づく適切な管理が望まれると天魔様に上奏する次第である。

追補
また、甲は同日、乙の試作品を紅魔館の門番にも使用している旨を供述している。当該報告者はこれを山の危険物取り締まり法令第四条の三。危険物の収容に関する項目に違反しているとして甲と共に乙の回収に向かった。


妖怪の山哨戒報告書第一〇〇〇三九号より抜粋。採用。
犬走印
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