表裏ダンガンロンパ ~共通とすれ違いの物語~   作:炎天水海

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第一章 非日常編 揺さぶる7部屋目

 注意 

 

 これはダンガンロンパシリーズの二次創作となっています。 

 本編とは異なる設定が多々あります。 

 あと主の文才は期待しないでください。 

 また裁判については非常にガバガバです。ごり押しな推理が入っていると思われます。

 

 それでも平気な方は次のページへどうぞお進みください。 

 

 補足 

 渡良部はモノヤギ以外の相手を麻雀の牌や役で呼びます。本編では度々麻雀について話すことがあるので彼女が他人を呼ぶときにはその人の名前にルビをふります。 

 例:直樹→ 直樹(トン)

 他の人が相手を呼ぶときはそのまま読んでください。 

 なおプロフィールに渡良部が相手を呼ぶときの呼び方を載せてありますのでそちらもぜひご覧下さい。 

 裁判は特に会話文が多く読みづらいかもしれません。ご了承ください。

 

 

 *****

 

 

 

 

 学級裁判 再開

 

 

 

 

 *****

 

 今回の事件現場はエレベーター。誰もがそう思っていた。しかしそうではなかった。

 阪本「え、エレベーターで見つかったのに?」

 阪本の疑問ももっともだ。だが今まで忘れていた証拠によって現場が違うことも証明できる。そもそも『現場がおかしい』のだから。私はあのときさらっと流したけれど、よくよく考えたら重要な証拠じゃないか。

 直樹「いいや現場はエレベーターじゃないよ。今回の発見現場、とても不自然な箇所があるんだ。なんだと思う?」

 阪本「えっいやそんなこと言われても……」

 巡間「……鷹山くんの血か」

 阪本「血?」

 直樹「よく見てみて。鷹山さんのまわりの血、背中に全然血がついていないんだ」

 阪本「あ、ホントだ。…………でもそれっておかしくない?」

 直樹「そうそれが正しい反応だよ」

 玉柏「今回鷹山は背中まで貫かれている、なら……槍が真っ正面から刺さったら血は確実に背中に飛び散る。だがもしエレベーターが現場なら奥の壁に血がついていないことの説明がつかない」

 そして何よりも不自然なのが……

 橘「横壁にたくさん着いた血もおかしくねぇか。返り血で多少着いてんならわかるが、ベッタリ着いてんのは不自然にも程がある」

 そう横壁に本来鷹山から出たとは想像もつかないくらいの量の血液が両方ともにベッタリと着いているのだ。そしてそこから生まれる疑問点。私は先ほど「彼」から情報をもらった。しかしそれはこの裁判に混乱を招く可能性があるということも知っている。

 金室「ですがそんなたくさんの血液は一体どこから?」

 巡間「鷹山くんの血液から取り出したなんてことはないだろう」

 国門「医務室は開いてないから輸血パックなんざ取り出せねぇぜ。ならどうなんだぜ?」

 私は彼を見てみる。彼は僅かに首を横に(・・)振った。まかせろということか。

 玉柏「……はぁ、悪いな。それは違うぞ、国門」

 ため息一つ。彼は国門の発言に反論した。

 

 *****

 

 国門「なに? 何が違うっていうんだぜ?」

 玉柏「お前たち、これ……なんだと思う?」

 そういって彼が取り出したのは……輸血パック。一番最初に彼が私にエレベーターで見せてくれたブツだ。袋の上から全開にされたやつ。

 国門「…………は?」

 巡間「なっ!?」

 江上「えっ!?」

 ダグラス「What!?」

 湊川「ちょ、ちょちょちょ、ちょっっっと待って!?!?」

 みんな口々に焦り、驚き、絶句している。それもそのはず。だって普通出されるはずのないものが今まさに証拠として提示されているのだから。

 国門「おい!! これは一体どういうことだぜ!? 九分九厘医務室から持ってきたんだろ!? だが医務室は閉まっている!! そんなことできるわけねぇぜ!! なぜお前はそんなものを持っている!?」

 玉柏「医務室はッ!! ……夜時間の間だけ開いていたんだよ」

 国門「はぁ!? 玉柏お前ッ、その事実いつ知った!? ここにいるやつら全員知らねぇぜ!?」

 玉柏「一昨日だ」

 ……私にはわかる。今彼は

 灰垣「一昨日じゃと? 動機が渡された日の夜か?」

 近衛「そういうことになりますね。では玉柏殿、なぜその日医務室が開いている事実を存じたのでございますか?」

 私を守ろうとしている。医務室が開いているという事実を知っているのは恐らく私と玉柏だけ。私は玉柏が犯人でないことを『ある人』の証言で知っている。

 しかし私はどうだ? 疑われるに決まっている。アリバイがあるのかどうかと言われたらその証拠を私は提示できない。

 玉柏「俺は動機をもらって一つ違和感を覚えた。そのヒントが医務室にあるんじゃないかと踏んだんだ。もちろん医務室が開いていないのはわかっていた。だが俺たちは夜時間には試していなかったんだよ。開いているかどうか。だから夜時間に行ってみたらその通り」

 矢崎「開いていたんだね」

 玉柏はそれをわかっている。だから今こうして証言しているのだということも。

 阪本「……でも、もし医務室が開いているっていう事実を玉柏しか知らなかったらアナタが犯人になるんじゃない? それにエレベーターが五階に止まっていたし」

 ……ここだ

 直樹「それは違うよ!!」

 

 *****

 

 玉柏の無実は証明できる。

 直樹「玉柏くんは犯人じゃない。灰垣くん、あなたは知っているよね」

 灰垣「……そうじゃな。玉柏は昨日の夜23:25にわしとトイレの入り口で会っておる。向こうがすでに入っていた状態じゃぞ」

 金室「なるほど。死亡推定時刻が23:30頃ですから、これでは玉柏くんは犯行に及ぶことができませんね」

 中途半端といえば中途半端だが、この時間が玉柏の無実を証明できるのである。

 国門「いや、玉柏が犯人じゃないことはだいぶ前からわかってたぜ」

 宮原「え?」

 え、マジ?

 国門「犯人は鷹山の持つ『釘』の存在を知っていた人物。そうなると釘の存在を知らなかった直樹、近衛、ダグラス、渡良部、玉柏は犯人から除外される。そして阪本のさっきの証言から宮原、阪本、湊川も犯人ではないという無実が証明できる。この時点で犯人は半分以下にまで絞られていたんだぜ。そして今の証言から灰垣も玉柏のアリバイから考えれば犯人じゃない」

 ……その考えはなかった。そうだ。確かに釘の存在を知らなければエレベーターに釘を置くことなんて考えつかない。もうずっと前から玉柏は犯人ではなかった、犯人ではないという証拠がすでにあがっていたのだ。

 ……もしも玉柏がそれをわかった上で私を守ろうとしたならばきっとそれは彼なりの優しさなのか、それともからかっているのか。どちらにしろ守ってくれたことにはかわりない。

 橘「現時点で犯人の可能性があんのが、俺、弁護士、茶道部、数学者、医者、酪農家の六人か」

 阪本「ごめん……なんかこんがらがってきた……」

 江上「というかエレベーターが犯行現場じゃないなら結局どこが犯行現場なのかな?」

 すっかり吹っ飛んでたその話題。エレベーターが犯行現場じゃない。ならどこか。

 落ち着いて振り返れ。ちゃんと、証拠はあるはずだ。

 

 

 

 …………

 

 

 

 いやどう考えてもあそこしかないだろう。

 直樹「鷹山さんの部屋じゃないかな」

 渡良部「根拠は?」

 直樹「ランドリーに血の着いた雑巾があったんだ。きっとそれで拭き取られたんだと思う」

 橘「床に着いた血をきれいに拭き取り犯行現場を予測させねぇためのな。ま、靴やら帽子やらもきれいなままでいじりもしなけりゃ、探偵の部屋あたりが現場って思うだろ。靴下だけで外出るやつなんざいねぇだろうし、雑巾で拭き取れるようなもんでもねぇし」

 ……だんだん真相に近づいてきている。だが

 橘「つーか、犯人誰だってんだ。今の今まで犯人にあたるような証言全部否定されてんだろうが!!」

 隣で大声で怒鳴るな。でも橘の言う通りなのもまた事実。

 矢崎「犯人にあたる証拠ね……」

 近衛「他に何かございましたか?」

 阪本「ワタシはお手上げ……」

 湊川「ごめん私も」

 次々と白旗があげられていく。

 ダグラス「誰かあるのかい。他に犯人を示すような証拠がさ……」

 ……あるにはある。だがこれが本当に犯人を指し示すのかどうかはわからない。

 直樹「……ダイイングメッセージがあるよ」

 渡良部「ダイイングメッセージ?」

 直樹「ほら鷹山さんの左手側見ると『!』が書かれているんだよ」

 金室「しかし、『!』だと本当に犯人に繋がるかわかりませんよ?」

 私と同じこと考えてる。

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぶっ!!」

 緊張感の走る裁判中、突如彼が吹き出し

 「あっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!」

 大声で笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 直樹「不謹慎!!」

 玉柏「はっはっはっ、いや、悪い悪い。ちょっとおかしくて」

 何がおかしい。

 玉柏「こんなの誰がわかるんだよってくらい鷹山はちょっと凝った意味を『!』に込めたんだ。探偵らしいかもしれないけどな」

 ちょっと言ってる意味わからない。

 玉柏「しかもな? 直樹、これはお前が一番解読できるんだよ。ここにいる誰よりもな」

 ちょっと言ってる意味わからない(二度目)

 玉柏「直樹!!」

 直樹「?」

 彼はニヤリと笑い左手で私を、指す。

 玉柏「今から言う意味をお前らしく(・・・・・)訳してみろ!!」

 わ、私らしく!? ドユコト!?

 玉柏「ダイイングメッセージから今回の犯人を想像しな。見方を変えてみな!! こいつはただの『!』じゃないんだ」

 こ、これを私らしく訳せ!? なに!? 翻訳すればいいの!? というか翻訳以外思いつかないよ!?

 玉柏「焦るな。見方を変えるだけでも犯人はわかるんだからな。それでもわからなくなるようなら……鷹山の『あれ』があるだろ?」

 見方を変えるだけで? この『!』が犯人を指し示す? 無理がある。しかし彼は理解できた。何かがあるのは確かなのだろう。

 

 

 

     一から、考えてみようか

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 『!』は犯人を示す。しかしこのままでは読み取れない。なら見方を変えよう。この『!』の見方は一体なんだ? 私は見方を変えろと言われても『!』を反転させて『i』にするしか方法がない。むしろそれ以外なにがあるというのか。『i』が犯人に繋がる? まさか。そんなことでわかるなら苦労はしない

 

 

 …………玉柏の言った『あれ』がヒント。あるとするならばおそらく『これ』しかない。けど……

 いや待てよ。この中身に確かにある。犯人を示す証拠。私はガッツリ、ここについて『つっこんだ』ではないか。しかしこれは……ああ玉柏が笑ったのはそういうことか。いくつもの糸がほどけていく。確かにこれは普通気づかない。おい待てあんたはどうやって気づいたんだ玉柏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直樹「わかったよ。犯人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 湊川「ホント!?」

 宮原「この『!』でわかったのか?」

 この『!』はただの『!』じゃない。

 玉柏「そうか。なら当ててみな。この中の誰が犯人なのかを!!」

 直樹「今回の事件の犯人は」

 ちゃんと犯人を指し示す。はぁっと深呼吸。私はその人の名を呼ぶ。

 …………でも信じたくない。だってあなたはあのとき言ったよね。みんなで出るって。

 直樹「きみだよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        そうでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        「江上さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 江上「………………えっ、えっ、えっ? ええ!?」

 巡間「え、江上くんが!?」

 矢崎「今回の……犯人?」

 江上「ちょ、ちょっと!! 変な冗談やめてよ!? あたしが? 犯人!? そんなわけない!!」

 犯人指定されたら誰でも焦る。それは百も承知だ。しかし

 直樹「冗談じゃないよ。今回の犯人はあなたしかいない」

 冗談なんて言ってる余裕? そんなものあるわけない。

 江上「……ッだったら証明してみてよ!! 数学者のこのあたしに!! 全部!! あなたの推理を!!」

 直樹「このダイイングメッセージには鷹山さんなりに犯人に繋がるたくさんの意味を込めたんだ。それを今から証明する」

 だから私は挑む。さあ『翻訳』開始だ。

 

 *****

 

 直樹「まず始めに江上さん、このダイイングメッセージを逆さにしてみてよ」

 江上「……『i』になるよ」

 直樹「数学者のあなたにとってこの『i』はとても馴染み深いと思うんだけど」

 宮原「数学的に考えると……虚数の『i』か!!」

 直樹「そう。虚数」

 江上「それが、あたしが犯人だって理由になるの?」

 私は首を横に振る。

 直樹「いや流石にそれだけじゃまだ江上さんを犯人と呼ぶには不足してる」

 ただそれだけの理由ならこじつけに近いからだ。いやすでにこの推理が出てきた時点でとんでもないけど。

 直樹「この『i』は鷹山さんのとある『勘違い』から生まれた衝撃の真実がある。けど、ここから先、とっても複雑だから、ちゃんと着いてきてね」

 苦笑いしかできないくらいにね。

 直樹「まず、虚数である『i』を私は英語訳してみた。ダグラスくん虚数は英語でなんて言うかわかるよね?」

 ダグラス「Sure. 虚数は『imaginary number』さ」

 私の推理が正しければ、彼女はここを勘違いしたに違いない。

 直樹「numberはもちろん数を表している。ならimaginaryは?」

 矢崎「普通に考えたら虚じゃないかい?」

 直樹「そう、虚。そして正確には違うけどもう一つ意味があるんだ」

 

 

 想像上の、架空の、空想の、仮想的な

 

 

 imaginaryの主な意味はこれらだ

 ここから犯人に結びつける意味は……

 

 

 

 これしかない!!

 

 

 

 直樹「『想像上の』だよ」

 阪本「そ、想像上の?」

 巡間「それが鷹山くんの勘違いに一体何の関係が?」

 直樹「鷹山さんは虚数の本当の『単語を知らなかった』んだ」

 国門「どういうことだぜ?」

 直樹「鷹山さんは『imaginary number』を『image number』と勘違いしたんだ。でも彼女は自分の勘違いを利用したんだ」

 近衛「しかしながら、それはわたくしたちが勘違いを利用した意図に気づくかどうかを理解するのは困難では?」

 直樹「それが彼女が『!』と残した狙いの一つだよ」

 湊川「え?」

 直樹「部屋からエレベーターに移された鷹山さんは犯人がエレベーターで偽装工作している間に犯人を私たちに伝えるためのメッセージを考えていたんだ。でもそれまで生きていられるかわからない。死へのリミットが刻々と近づいて来ていたんだから」

 江上「……」

 直樹「そして彼女は虚数である『i』を遺した。けどさっき言った通り彼女は勘違いしたんだ。彼女はそれに最期の最期に気づいたんだと思う」

 私はバアァン!! と席を叩いて前のめりになる。だって

 直樹「だからこそこの『()』が成り立つ意味を作り上げたんだ」

 彼女はわかってたんだ。敢えて『アレ』にした理由もこれで説明ができる。

 直樹「みんなに質問なんだけど、どうして鷹山さんは『i』を初めから私たちにわかるように『i』にしないで『!』にしたんだと思う?」

 金室「うちは普通に間違えて『!』にしたのかと」

 渡良部「私も金室(イッパツ)と同じように考えてたんだけど。なに、直樹(トン)鷹山(ハク)がわざと『!』にしたって言うの?」

 そうだと言うようにコクりと頷いた。

 灰垣「じゃが、なぜ『!』と書いたんじゃ? 敢えて逆にする意味はないんじゃないか?」

 直樹「いいや逆だよ。敢えて逆にすることで彼女は自分の勘違いをうまく利用したんだ」

 ふと玉柏の視線を感じた。彼はゆっくり頷き私もそれに応えて話を続ける。

 直樹「鷹山さんは『imaginary number』を『image number』と勘違いした。勘違いを利用したとき彼女が犯人を伝えるために『!』にしたなら何が起きると思う?」

 橘「…………っ!!??」

 ダグラス「……What!?!?」

 気づいた人がいるようだ。そうこの勘違いは今回の事件を『訳す』ための重要な情報。

 

 *****

 

 直樹「二人ともどういう風にした?」

 橘「……『image』の綴りを逆から読んだ」

 ダグラス「Me too.」

 そう逆さ読み。

 阪本「それが一体なにと…………え、うそでしょ!?」

 巡間「……まさに探偵の中の探偵だな。鷹山くんは」

 阪本は思わず席を叩き、巡間も他のみんなも冷や汗を流す。そして何より江上の顔が段々とひきつってきているのもわかる。

 直樹「江上さん。『image』を逆から読んだらね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「image」→「egami」→「えがみ」→「江上」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 国門「これは……」

 直樹「彼女は『image』を逆さから読むと『江上』になることをここにいるときに気づいたんだ」

 江上「ッッ!?!?」

 江上はそれを聞いた途端、目を見開いた。うそと言わんばかりに。

 江上「……っでも、こんなことであたしが犯人だなんて……!! それになんで鷹山さんは虚数を『image number』って勘違いしたって風に考えられるの!?」

 直樹「『image』は!! 『想像する』っていう動詞の意味を持っているんだ」

 国門「はっそういうことか!! 鷹山は『image』と『imaginary』が頭の中で混ざったんだ!!」

 湊川「『想像する』と『想像上の』の二つの意味が混ざったことで、虚数を『想像上の数』じゃなくて『想像する数』に間違えてしまったのね」

 玉柏「それともう一つの根拠として鷹山の部屋の引き出しからノートが見つかったんだってな直樹」

 急に振るなバカ。まあ取り出して説明するけど

 直樹「これには計算、漢字、英単語、歴史、ほかにもたくさんの問題演習の答えが書かれていたんだ……綴りどこもかしこも間違ってたけどね!!」(ごめん鷹山さん)

 玉柏「ンッンン!!」

 咳払いされました続けます。

 直樹「っでぇ!! この中にあるんだ。『想像上の』と『数』の綴りを答える問題が。そして『想像上の』の解答欄にはっきり書いているんだ。『image』って。『number』はあっていたけど。それで彼女は思い出して欄外に書いたんだ。『そういえば虚数はimage numberだったよね!』って感じで。間違えてるけどね!! けど欄外には虚数以外にも『bar』と『tender』を解答するやつがあったから欄外に『bartender』って書いてるし。あってるけどね!! なんで!! まあそんなことが何問か続いていて欄外にもさっきの二つのみたいなのがあったんだ」

 近衛「あの…………まさかとは存じますが、それも鷹山殿が『!』を遺した狙いでございますか?」

 直樹「そういうことだよ。きっと鷹山さんは引き出しの中のこのノートを見られることがないって踏んだんだ。…………捜査で私たちが見つけてくれることを信じて、自分の勘違いを利用して『i』を『!』にしたんだ」

 阪本「ちょ、ちょっと待って!! 今の言い方、まるで鷹山がこの『学級裁判が起きること』をわかっていたみたいじゃない!?」

 玉柏「そうじゃないな。ただでこのマンションから出してくれるとは思わなかったんだよ。人を殺して出るだけなら簡単だ。でもわざわざモノヤギが、モノリュウが、俺たちにコロシアイのための動機を渡しているんだ。そこから犯人捜しみたいなことをするんじゃないかって悟ったんだろうな。鷹山みたいな探偵ならここまで、いやそれ以上のことを考えたんだろう」

 ……そこまで考えられる玉柏も充分すごいけど。てかダイイングメッセージについてまとめよう。そうじゃないと私まで混乱してくる

 直樹「簡単にまとめるよ。鷹山さんは犯人である江上さんを指すために虚数である『i』を遺した。実際は『imaginary number』なのに彼女は『image number』って勘違いしていてそれに最期の最期に気づいた。でも部屋にある自身のノートに自分が勘違いした証拠が書いてあったからそれを証拠に利用した。こういうところかな」

 鷹山のヒント、とんでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 江上「そんなの全部!! 全部全部ウソに決まってる!!」

 今までの流れを聞いた江上は叫ぶ。

 江上「あたしは認めない!! そんなちんけな証明で、あたしが犯人だなんてバカバカしいにもほどがある!!」

 直樹「……」

 これが最後の勝負だ。江上さん。

 江上「そもそも!! あんな槍、持てるわけないでしょ!? 鷹山さんを訪ねてすぐに刺すなんて、重さで時間がかかる上に刺せたとしても彼女が倒れるほどの出血にはならない!!」

 直樹「いや。槍は誰でも持てたよ……橘くん」

 橘「数学者、槍は誰でも持てる軽さだ。女子でも持てるぐらいな」

 江上「グッ……」

 彼女は唸る。

 江上「……っでも!! たった十分でエレベーターに鷹山さんを運んで血を撒くなんて……!!」

 玉柏「この輸血パックはすべて上から全部切り取られている。血撒くぐらいで時間は掛からないな」

 江上「……っなら……」

 金室「……鷹山さんの部屋とエレベーターとの距離はそこまでありませんよ。それを三階にいるうちらがよくわかっているはずです」

 江上「……ッッ!!」

 だんだんと彼女は反論できなくなっている。それでも

 国門「まだ足掻くのか? 江上」

 江上「あたしは……あたしは犯人じゃない!! 他に何かあるっていうの!!?? あたしが犯人って証拠!! あるの!?」

 彼女は足掻き続ける。生きるために。証拠は残り一つだけ。これで最後にする。

 

 *****

 

 直樹「……江上さん。知ってる? 武器庫でなくなったのは槍だけじゃないんだよ」

 江上「……………………えっ」

 直樹「武器庫には宮原くんが管理しているボードがあるのはわかるよね? 捜査のとき彼は槍以外にもナイフホルダーもなくなっているっていったんだ」

 宮原「磁石で止めることができるタイプのやつなんだ」

 江上「そ、それが一体何の関係が……」

 

 

 ……もう言い逃れはできないよ

 

 江上さん、あなたがどんな想いで殺人に臨んだのかはわからない

 

 けどもう終わりにしよう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直樹「『包丁』、どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 江上「ッッ!?!?!?!?!?!?!?」

 直樹「食堂は夜時間には開いていない。昨日近衛くんは九時半にはすでに今日の朝の準備を終えていたから食堂からいなくなっていたんだ。それまで包丁はあったって言っていたけど朝にはなかった。一番小さくて、けど殺傷能力は十二分にある包丁。つまりあなたは近衛くんがいなくなった後の三十分間に持ち出したんだ。そして武器庫からもホルダーを持ち出してあなたはその後犯行を行った。そして今!! あなたは包丁を持っている!! そうじゃない!?」

 江上「……そんなわけ……!!」

 直樹「ならあなたのことを隅々まで調べても問題ないよね!?」

 江上「はいっ!?」

 我ながら今とんでもない発言した気がする、けど気にするな。気にしたら負けだ( ・`д・´)

 間の抜けた声をあげた江上を女子陣が全員で抑えにかかる。男子たちは全員目を背けている。当たり前か。抵抗しようにもさすがに6vs1では江上の抵抗も虚しく。

 

 

 

 

 そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 江上のスカートからホルダーが。そのホルダーから包丁が見つかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが見つかったと同時に彼女は青ざめ頭を下げた。彼女の、江上の敗北宣言だった。

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 モノリュウ文書

 事件の真相ファイルその1

 

 犯人は前から医務室が夜時間のみ開いていることを知っていた。事件当日、近衛が食堂からいなくなった九時半以降に犯人は包丁を持ち出し、さらに武器庫から槍と包丁をいれるナイフホルダーを持っていった。

 

 犯人は少し用心深かった。夜時間以降の外出を禁止にされたがそれは任意。もしかすると出てくる人がいるかもしれない。だからちょっと余裕を持たせて23:20頃を狙った。そして犯行直前に医務室から輸血パックを持っていった。

 

 23:20、犯人が鷹山を訪ねて彼女が扉を開けたと同時に持っていた槍で一刺し。鷹山は突然刺されて痛みにどうすることもできずそのまま倒れた。犯人は槍を引き抜いて倒れた彼女をエレベーターまで運び、輸血パックを全開にしてエレベーターの横壁両方に血を撒いた。エレベーター内での作業を終えた犯人は再度槍を彼女に刺してエレベーターの階設定を五階にしてその場から立ち去った。でも犯人は気づかなかった。鷹山がダイイングメッセージを遺していたことに。さらにそのダイイングメッセージの意味すら予測できなかった。

 

 犯人がその場から立ち去った後、医務室に使った輸血パックの袋をゴミ箱に捨てた。そして一枚の雑巾を濡らし鷹山を運んだときに着いた三階廊下の血を残さず拭き取って乾いた雑巾でさらに拭いた。鷹山の部屋も同様にして犯人はそのまま部屋へ。

 

 そして今日、鷹山の死体が発見された。犯人はホルダーにナイフをしまってスカートの内側に身につけ隠し、ランドリーへ行って血に濡れた雑巾がそこであたかも見つかったように装った

 

 *****

 

 

 

 

 学級裁判、閉廷

 

 

 

 

 *****

 

 次回

 表裏ダンガンロンパ 第一章 非日常編 通じず8部屋目

 

 

 

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