注意
これはダンガンロンパシリーズの二次創作となっています。
本編とは異なる設定が多々あります。
あと主の文才は期待しないでください。
それでも平気な方は次のページへどうぞお進みください。
補足
渡良部はモノヤギ以外の相手を麻雀の牌や役で呼びます。本編では度々麻雀について話すことがあるので彼女が他人を呼ぶときにはその人の名前にルビをふります。
例:直樹→
他の人が相手を呼ぶときはそのまま読んでください。
なおプロフィールに渡良部が相手を呼ぶときの呼び方を載せてありますのでそちらもぜひご覧下さい。
今回は2.5部屋目、三人称視点からお送りいたします
*****
お!! 久しぶりだな!! 空!!
ななな、今回の旅行どうだった!?
へぇいいなぁ~俺は外国語からっきしだから
いつかお前と一緒に行きたいよ
海外じゃなくても
お前と一緒に
この線路を一緒に通って行きたいんだ
***
なんて幸せな夢なのだろうか
幸せが続けばいいのに
*****
1
……………………
「……ん…………んん…………?」
「あ、起きた?」
目を覚ますとそこには渡良部がいた。
「わた……らべさん……?」
「今何時……?」
「そう。今は13時15分前後。私がここに来たのが5分だから、あんたが寝てから10分くらいしか経ってない。あとちょっと交代で
「そ、そうなんだ……」
「食欲は? ご飯食べられる?」
「うん。まあ大丈夫」
「ならよかった。ほら」
「ありがとう」
昼食を受け取り、ゆっくりと食事をする。ししやはりまだ食欲は完全とは呼べない。直樹は渡良部に背中を撫でられながらゆっくりと箸を進めた。
「まだまだじゃん……無理して全部食べる必要ないからね?」
「はは、ありがとう。でも出されたものってちゃんと食べなきゃって思っちゃうから」
「はあぁ、あんたそういうところホント頑固……とにかく、お腹いっぱいだと思ったらすぐに食事やめて、薬飲んで」
「……今回はそうする。ごめん」
またゆっくりと箸を進めてどれくらい経ったか。時計を見れば45分、30分ほどかけて直樹は食事を済ませた。薬を飲み、また横になる。渡良部はそんな様子の彼女に呆れながら少々笑みがこぼれる。すると何かを思い出したかのように彼女は立ち上がり医務室内の棚を見始める。何かがないという様子で彼女は戻り直樹に話しかける。
「ねえ、寝ながらでいいから聞いてくれる?」
「?」
「さっき
「盛ら……れた……?」
盛られたとは一体どういうことか? 少し体を起こして話をよく聞く。
「私、あんたが今寝てた時間が10分くらいって言ったよね? ……ちょっと早くない?」
「確かに……倒れて眠かったけど……今は眠気そこまでないし……」
「で、ここからが本題なんだけど。これなんだと思う?」
そういって渡良部が取り出したのは一つの瓶だ。中には粉末のようなものが入っている。なんとなくだが量が少ないようにも思える。
「これは?」
「睡眠薬」
即答。
「す、睡眠薬? これを盛られたの?」
「そう。これは
「待って、渡良部さんも昼から眠くなってそのまま今日になったの?」
「…………みんなそうみたい。思い出して、朝のみんなの様子を」
直樹は記憶を辿る。そして湊川が眠そうに食堂の椅子に腰かけダグラスもいつもよりずいぶん遅くまで寝ていたと語っていたのを思い出す。
「みんな……眠そうだった」
「なら話は早い。これを盛った正体は大方検討ついてるから」
「盛った人の正体、」
それはあのとき食堂にいなかった人物。「やつ」しかいない。
「橘くん?」
「
「料理音痴なんだ……じゃなくて。でもなんかそれだけじゃない気が……」
思い出せと言わんばかりに直樹は眉間を触り考える。渡良部も頭を働かせ彼女がどこのことを示しているのか考える。
「あ、わかった!! 昨日の裁判だ!!」
手をポンと叩き直樹は改めて渡良部の方を向く。
「裁判?」
「正確には裁判終了後。橘くんは私たちよりも先にあの裁判場から立ち去っているんだよ」
「でもあの短時間で料理に
「エレベーターから裁判までの移動時間って結構長いよ。短時間っていうほどでもない。それに橘くんは杖術家、運動系の才能。素早く動くことはできたと思う」
「そっか……けどこれで確証は得られた。
「でも不思議なことがあるよね。どうして橘くんは私たちを睡眠薬で眠らせる必要があったのか」
「それ。自分の姿を見られたくなかったからなのか、それとももっと別の何かがあったからなのか……深く詮索はしないけど、
どこからか取り出したあめ玉を頬張って彼女は立ち上がりンーと背伸びをする。深く息を吐いてまた座り時間を確認する。現在、14時10分。
「そろそろ行く。食器片付けておくから。今日はもう寝て。明日からまた探索するよ。東のツッコミ女王さんがいないとこっちも調子狂うから」
「東のツッコミ女王って前から思っていたけどなんやねん……」
「気にしない。じゃあね。お休み」
「うん、おやすみ」
***
一人となった彼女はちょっとだけベッドから出て立ち上がり背伸びする。体が鈍っているかもしれないから。しかしぐぐっと背を伸ばすと立ちくらみがした。そのままベッドに体を預ける。ぼうっとして天井を眺める。ライトが眩しくて手で顔を覆い隠し目を塞ぐ。またぼうっとしてどこか心傷に浸るように。しばらくそうした後、布団に潜り瞼を閉じた。
なぜか何かが足りない気がした
何だ? 何が足りない?
直樹はまだ熱で鈍った頭で考える。しかし答えは見当たらない。わからない。もどかしさでもぞもぞする。そんなことをしていたら眠くないはずなのに、いつの間にか寝ていた。
***
涙を流しながら
*****
2
ジャァーっという水の流れる音が小さいながら聴こえる。渡良部は食器を厨房にいる人の元へと届けた。
「
「ありがとうございます、渡良部殿。全部完食されたのでございますか?」
「そ、全く頑固なんだから……」
「直樹殿はいつもわたくしたちのために動いてくださいましたから。昨日は……ええ……朝あなたがおっしゃってくださった通りでございますね」
「
そこから先は言わなかった。わかりきっていることを何度も繰り返したくなかったからだ。
「さて、どうする? このあとゲームでもする?」
「いいですね。では仕込みが終わり次第、Ⅱ棟のカフェで麻雀やトランプでも」
「おっけ。じゃあ先行ってる」
厨房をあとにした彼女を見送ると今まで隠れていた人が顔を出す。
「何も、隠れなくてもよろしいでしょうに」
「いいのさ。それに話があるって呼んだのはユーだろ?」
「ええ……まあ……」
「ユーが誰かに悩みを打ち明けること、そんなになかったんじゃないかい? ユーはバトラー、執事。常に自分よりもお嬢様に気を使ってばかりいたんだろう?」
「そう……でございます」
少しニヤリと笑いまた真面目になって進める。
「ミーに相談ってことは、いつもミス渡良部と三人でgameをやっているから。それだけ仲がいいからってこと。でもミスター近衛は二人だけでの話を求めた。それはどれだけこの短期間で仲がよくなったミス渡良部にすら言えない悩みだって言うのかい?」
いつもの彼とは思えないほど的を射た推理。またもう一人の彼もわざとらしくビクリっと体を震わせて目を背けた。
「…………But、ユーのことだ。きっとコロシアイのことじゃないことを相談したいんだろ?」
「…………」
「ミスター近衛。少しくらい頼りにしたっていいんだよ。ミーだって完璧じゃない。けれど一人の友人としてミーはユーの力になりたい」
この短い間でも、自身を友達と言ってくれたことがどれだけ嬉しいか
「では、お言葉に甘えまして。紅茶でも一杯飲みながらよろしいでしょうか。渡良部殿を待たせぬよう、なるべく手短に済ませますので」
「Sure」
近衛はモノクルを直してダグラスに向き直り笑顔で答えた。
少年二人の秘密のお話
それはまた別の機会に
*****
3
ところ変わって美術室。そこではある独特の香りが三人の鼻をくすぐった。
「これがあの?」
「そ。こうやって……混ぜていって……色を出していく……」
「超高校級の藍染め職人と言われるだけあるね。作業がとても丁寧だ」
「それ宮原が言う?」
美術室の一角に釜があり、さらに藍もあるとなれば彼女が動かないわけがない。まるで狙ったかのように準備が整えられていたのだ。
「でも藍染めってこういうキットとかでできるのね」
「まあね。けど一から作ったほうがワタシとしてはいいかなって」
「職人だからこそのこだわりがあるのね」
宮原、湊川が阪本の作る藍染めを眺め感嘆する。丁寧に心を込めて作りあげることをモットーとする阪本はこの閉鎖空間におかれていてもその心を忘れない。
「こうしている時間ってとても好きなの。コロシアイの中でも何かに没頭できることがあると、少しの間平和に思える」
「そうか……なら今度また、三人で何か作る?」
「ん、いいね。やろ」
「売店でいろいろ見ておくか。ああ!! そうだ!! みんなにお揃いのものを作ってみるのはどうかな?」
「最高ね。少しでも団結できるものを作りましょ」
「決まり」
適当なタイミングで阪本は染め物を完成させて、あとは乾かすだけになった。
「そういえば、莉桜は藍染めするときは手袋を履く方なんだね」
「はく?」
「あ、ごめん。つけるのほうがよかったかな? 俺北の出身だから若干そういうのがあって」
「方言ね。わかるわ」
「確かにワタシは手袋つけるよ。汚れる職業だもの。藍って落としづらいの。落とすのに何日かかるかな。3日くらいは手が藍色になってたっけ。でもそんな状態で食事するっていうのはなんか……失礼というか」
「そういうことね~」
「さて、莉桜も作業終えたしこれからどうする? カフェでもいくか?」
「そうね。ちょっと喉渇いちゃったし何か飲みましょ」
仲のよい三人はそのままカフェへ。
*****
4
「悩んでも仕方がないか」
ポツリと呟く。何がかはわからぬ玉柏の包帯。自身で取ることができないそれは彼にとって非常に悩ましいものであった。これが記憶に関係しているのは察しはついているものの、それがどこまでなのかがはっきりしていない。才能も自身の勘が当たっている保障なんてどこにもないのだから。
火を消して、ここに来てから煙草とライターとともに入っていた小さな灰袋にごみを捨てる。ごろんとベンチに寝転んで、彼は電子生徒手帳を取り出した。
〈希望ヶ峰マンション規則〉
No.3 マンション内での(以下略)
追記:医務室に関しては個室と同等の扱いとします
No.11 電子生徒手帳の貸し借りは禁止です
追加された規則はこの二つ。玉柏は規則の最後に書いてある「定期的に規則を確認することをオススメ」というところを見てから毎朝確認していた。あのとき彼が直樹を医務室に運ぶという判断もここから来ていた。しかし、もし医務室での就寝が可能でなければ彼女は今頃この世にいない。だからどこかほっとしたような気持ちになった。
『『玉柏』』
ベンチに寝転んでいる彼に声をかける人ひとり。玉柏は体を起こして煙草を取り出して咥える。
「なんだ」
淡白に答えその人をにらむ。
『『別に、あなたの様子が知りたかった』』
「なんでだ?」
『『その情報はあげなくてもいいことだ。だから話さない』』
「よくわからないやつだな」
『『わからなくて結構。だっていずれわかるだろうから』』
「………………お前、何者だ」
『『おやおや、あなたの知っている通りの人間だよ』』
「それにしても、だな」
『『フクク、まぁまた世話になるけど』』
「俺はごめんだ。お前みたいなやつは気に食わない」
『『どう思うかは自由。じゃあこれで。また会おう』』
「一生会いたくはない」
『『また会うというのに強情なやつめ』』
淡々と短い会話が終わった。やつは立ち去り玉柏は咥えていた煙草に火を着けた。煙はさらに謎を掻き立てた。
***
??????
***
「『心を何に例えよう、鷹のようなこの心。心を何に例えよう、空を舞うような悲しさを』…………」
***
どこからか
寂しい歌声が聴こえる
***
5
「おや」
ジャズ音楽が流れるカフェに着いたダグラスと近衛。そこには渡良部だけでなく、宮原、阪本、湊川の三人もいたのだ。どうやら軽く麻雀のルールを説明していたらしい。
「あ、遅かったじゃん」
「すみません。少し世間話をしていたもので」
「ふーん? まあいいよ。ちょうど
牌や棒を見つめ、へえっと思いそれを手に取った。
「だいたいだけどルールわかったよ。すごいね……」
「なんとなくだけど……やってみたほうがわかるかも」
「じゃ、やろっか!!
ちらりと近衛がダグラスを見ると彼は小さくニヤリと笑った。
「ミスター近衛、先入っていいよ。ミーはあとで入るからさ」
「ではわたくしから入らせていただきます」
「じゃあ俺入ろっかな。流れ掴みたい」
「ワタシも」
「
「大丈夫よ。ダグラスくんと待ってるわ」
「よし!! ならスタート!!」
近衛、渡良部、宮原、阪本の四人はそれぞれ席について麻雀を始めた。ダグラスと湊川はそれを一歩下がったところで眺める。
***
トントントンと場に牌が流される。手際よく牌を流す近衛と渡良部、悩みつつこれかなと感覚で流す宮原と阪本。どちらも際どい戦いをしている。
「これいけるかな……」
阪本がポツリと呟き流れる牌。誰かが鳴ることもなくそれはアンパイとして流された。数週しラスト5牌のところでまた彼女は声をあげた。
「あツモ……かな?」
不安げに広げて見ると宮原はよくわかっていなかったが渡良部と近衛は目を丸くした。
「これは……」
「……ダブル役満……32000よ……四暗刻単騎待ち……リーチもドラも親でもないから……親の
流された牌を見ると、特になにか変わった様子はなかった。一応という感じでみんなの手牌をみれば所々危険な牌も流されていたことに気づく。飲み込みが悪いとは一体何なのか。と疑問を持つが、次のゲームでなんとなく別の予想が脳裏をよぎる。それなら納得がいったから。
「……
「え?」
「裁判のとき、自分は頭悪いみたいなこと言っていたから。けどもしかすると友達とかから教えてもらったほうが飲み込みはやいかも知れないよ」
「そうなのかな……? 自覚してない」
「ま、私も頭脳派とは言ってもそれはゲームとして置き換えているだけで、実際はそんな頭よくないよ?」
「そうなのか?」
「そ。置き換え方法にしたのは中学二年くらいから。その先の成績はよかったはず」
「はずって……」
「失礼致します宮原殿。ロンでございます」
ばっと広げられた彼の手。きれいに1~9まで並べられた索子。白牌。そして二つの萬子一目瞭然だった。
「一気通貫、白で5200でございますね」
「ああこれは違ったのか、んー難しいな」
「
「なるほど……」
ちょっとずつ渡良部が教えながらゲームは進む。
一方その頃、観戦している二人は
***
「やっぱり難しいのね」
「そりゃね。あれをいつも三人でやっているけどミス渡良部の強さは半端じゃないのさ。ミーも長い間ディーラーをやっているからそれなりに自信あったけど専門のプロとは全然違うのさ」
なるほどと言うようにまたプレイしている四人を見つめていれば、阪本が四暗刻で点数を一気に上げた。
「ひゅー」
「さ、32000!? いきなりとったわね……」
「まああそこで取れても、そこから先ちゃんと点数取れなかったら意味ないさ」
「経験則ってやつ?」
「Umm,それだけじゃないさ。経験がなくても、他のgameも似たような感じだと思っているよ。ある意味『運』も必要なわけだからね」
ほら今だってというが湊川は初心者なわけで言われてもあまりピンと来ない。
ゲームを見ているうちに、湊川は不意にダグラスの素顔をもう一度見たいと思った。なぜこのタイミングなのか。よくわからない。けど、イタズラ心とは違うけれど、何かみたい。そんな気持ちになった。彼女は彼の目の前に立ってスッとサングラスを外した。
「!?!? ちょちょっと!?」
突然の出来事に驚いて目を思い切り見開いた。その一瞬、今まで暗かった視界が再び明るくなった。見せたくないというように目を瞑るが、湊川は一向に退くことはなくダグラスをずっと見ている。
「やっぱりよね」
「な、何が!? あとそんなに見ないで……さ、サングラス返して……」
サングラスをなくした彼はいつもより弱い。
「視線が苦手なのも最初からわかってるわよ。でもね、少なくとも私はあなたがサングラス掛けていなくても素敵だと思うの。あなた自身があなたらしくなれるのならそれでいいの」
「み、ミス湊川?」
「私は……私たちはあなたの存在を否定しないわよ。あなたがたとえオッドアイでも、それはあなたであることの象徴だしこれを掛けているのも同じ。私ならこの服とかね。つまり」
同時にサングラスを彼に少し掛けるように顔に持っていく。それに気づいたのか或いは全部掛けられたと思ったのか、彼は目を開いた。
「あなたはあなたらしく堂々としていればいいのよ。それがダグラスくんのディーラーとしてお客さんにできる最高のおもてなしなんじゃないのかしら?」
ふいに見せられたとびきりの笑顔。ドキッとダグラスは肩を震わせ自身の感情を悟られないように顔を背けてサングラスをしっかり掛けた。そして
ああそういうことかと
そう思うとどこか微笑ましくて、自身の情けなさがバカバカしく見えた。
「ミス湊川」
「ん? 何かし……」
全てを言い終わる前に動きを止めた。こういうときの彼の言い訳はもはや決まり文句。顔を赤くした彼女に向かって彼もとびきりの笑顔で言った。
「ミーはイギリス人だからさ。スキンシップだよ」
*****
6
ここは植物庭園。矢崎がふらっと散歩している。気にいった花を見つけてはしゃがんでじっと見つめ立ち上がっての繰り返し。こういうのんびりと過ごす時間はさせて彼女にとっては至福だった。
「矢崎くんじゃないか」
「おお、本当じゃ」
ちょうど巡間と灰垣が庭園にやって来た。二人ともどうやら外でバッタリしたらしい。
「やあ、二人もなーんか植物を見にきたのかい?」
「そういうところじゃ。ついでに、わしはここにまだ入っておらんかったからな」
「私はここで何か使えない薬草とかあればと思って薬学室で確認してからここに来たところだ」
「なるほどね~ここは見るだけでも楽しいと思うよ。あ、あとそこ」
彼女の指さす先には「danger」と書かれた貼り紙と黒と黄色の紐で囲まれた空間。そこにも植物があるがどうみても普通の植物にしか見えない。
「そこ毒を持つ植物がいるところ。だから下手に近づかないほうがいいよ~」
「一応そこはしっかりしとるんか。わかった」
「すまないね矢崎くん」
「いいんだよ気にしなくて。じゃああたいは先に」
何事もない会話。普通に交わされるいつもの日常。ああそれがいつまでも続くことを、誰もが望んでいるというのにどうしてなのだろうか?
*****
7
時は進んで夜。それまで特別なにかが起きたわけではない。
さて、一人女子が夜のカフェへとやってきた。そこの本棚の前に立って資料を漁る。
「希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件」
彼女の目に止まった一つの記事。年までは書いてなかったが、少なくともその事件が起きてから一年以上は経っているとうかがえる。森の恐怖といい希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件といい、どうしてこうも超高校級の人間がこんなにも事件に巻き込まれるのか。
パサッ……
読んでいた資料の一部が落ちた。彼女はそれを拾おうとしたが、いつの間にか側にいた人に拾われた。
「何をしているんだ? 金室」
「いえ、いろいろ資料を確認したかっただけですよ。国門くん」
「そうか。ほらこれ」
「ありがとうございます……ってあら?」
資料を受け取ったと同時に目につく三人の姿。そのうちの二人は見知ったあの二人だった。さらに周りで倒れ血を流す者数名……
炎が舞い煙が踊り血が滴る赤い赤い夜
「国門くん、これ見てみてください。この二人」
「? どれ……は? こいつらって……」
「ええ。『橘くん』と『玉柏くん』です。もう一人の彼はわかりません。背を向けていますから……ですが」
「その『希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件』に似た雰囲気がする。僕たちはそれに関係しているのか?」
「おそらくですが。だって周りに倒れているのは
「これは一体……どういうことだ」
益々増していく謎。何度も繰り返される思考の連鎖。そして
「ウッ、グッ!?!?」
「いっアッウッ……!?!?」
二人を襲う激しい頭痛。何かに頭を貫かれたかのような。しばらくしてそれは和らいで、けれどまだ片隅で頭痛の余韻が残っていて。
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「おい!! しっかりしろ!!」
「ダメに決まってんだろうが!! ちくしょうがぁ……」
「あなたの目的、ボクたちをどうしようというのです」
「私の目的? ふふっそう……
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消えた記憶が甦る
その記憶はきっと
どこかでみんなが叫んでる
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→to be continue……
※お借りした歌詞
『テルーの唄』