表裏ダンガンロンパ ~共通とすれ違いの物語~   作:炎天水海

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おはこんばんにちは。炎天水海です。そろそろ涼しくなってもいいじゃなぁい……と思ってます。はいそんな皆さんにささやかな絶望をお届け(どういうこと)
まあ二章は地味なので大丈夫ですよ


第二章 非日常編 降下5部屋目

 

 注意 

 

 これはダンガンロンパシリーズの二次創作となっています。 

 本編とは異なる設定が多々あります。 

 あと主の文才は期待しないでください。 

 

 それでも平気な方は次のページへどうぞお進みください。 

 

 補足 

 渡良部はモノヤギ以外の相手を麻雀の牌や役で呼びます。本編では度々麻雀について話すことがあるので彼女が他人を呼ぶときにはその人の名前にルビをふります。 

 例:直樹→ 直樹(トン)

 他の人が相手を呼ぶときはそのまま読んでください。 

 なおプロフィールに渡良部が相手を呼ぶときの呼び方を載せてありますのでそちらもぜひご覧下さい。 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 朝までの、今までの穏やかな笑顔。彼の大人らしい包容力。それが今日のたった数時間で奪われた。元気な姿をもう見られない。まさか……そんな……

 「宮原っ!!?」

 「宮原くん!?!?」

 阪本と湊川が叫ぶ。いつも彼と一緒にいることが多かったんだっけ。二人が宮原に近づこうとする

 「待てっ!!」

 それを橘が止めた。二人の肩をがっしりと掴んで後ろにやった。

 「全員一度ここから出やがれ。つーか出るぞ。話はそれからだ」

 さっさとしろと言われ、一先ずここから出た。

 

 

 

 ***

 

 

 

 しばらくして死体発見アナウンスに気付いたみんなが現場前の、大柱の前に集まった。そしてみんなに宮原の死を告げた

 「そんなっ」

 「ミスター宮原が!?」

 「……あのときは元気でいらしたのに一体なぜこんな……」

 みんなが悲しむ。彼は争いを好まないとても優しい人だった。それなのに……それなのに、死ぬのが……早すぎやしないか

 「ヒィッヒッヒッヒッヒィ……」

 不気味な笑い声が聞こえる。

 「……モノヤギ……」

 宮原の白い作業服のコスプレ……レイヤーギには着てほしくない普通の姿でいろ

 「残念無念であーるなァ。もう少し生きていればァ、更なる絶望が望めたのにィ」

 悲しむ論点が違う。ほざいていろ。

 「うるさい」

 「生意気な小娘であーるなァ。でもォすでに手遅れェ。これより、捜査を執り行うであーる!! オマエラァ!! こいつで確認するであ、あーーーる!!!!」

 それは鷹山が死んだときにも渡されたモノヤギファイルだった。

 「ではではァ」

 「待て」

 玉柏がモノヤギの言葉を遮った

 「なんであーるかァ? さっさと捜査させてやりたいんであーるがァ」

 「黙って質問に答えな。ここのアナウンス、一人だけ見てもどうやら鳴らないみたいだな? こいつの鳴る条件を教えてくれないか」

 「なァーにィ?」

 モノヤギが嫌そうに玉柏を見る。

 「確かに気になるね」

 ここで矢崎も乗っかった

 「犯人を見つける手掛かりとしても使えるし、なーによりこれからのことを考えると反応のしやすさとかも変わってくるからね」

 「…………」

 モノヤギは黙ってみんなを見渡す。私たち全員がモノヤギに注目している。

 「はあァ……仕方ないであーるなァ……教えてやるであーる。死体発見アナウンスが鳴る条件はァ、『クロ』以外の三人以上が死体を目撃したときであーる!!」

 クロ以外の三人……なるほどそれなら前回アナウンスが鳴ったときのことも納得がいく。

 「そうか。わかった。悪いな」

 「ふん、ワレは教えたくはなかったんであーるよォ。犯人のためとかそういうのじゃなくゥ、裁判の面白味が少し減るからァ。まあどんなことでもォ、多少の誤差も見逃さないであーるがなァ。というかもういいであろう? それじゃあ今度こそォ捜査ァ、あ開始ぃ!!!!」

 今度こそ捜査が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

      **********

         捜査開始

      **********

 

 

 

 

 

 

 「皆さん、体調の方を考慮し一口サイズのおにぎりを用意致しました。無理に頂いてくださいとは言いません。召し上がりたいと仰る方がいらっしゃればという気遣いだと思っていただければ結構でございます」

 橘に用意しろと言われていたものを近衛は持っていた。本当に小さな一口サイズのおにぎりだ。みんなが近衛の元へと行き素早く口に入れた。私も胃に何か入れて起きたくてそれを食べる。

 「ありがとう」

 「どういたしまして」

 あと試食会かよというツッコミが脳裏をよぎったごめん。

 「さて、私は今回も検死をしようと思う。それと玉柏くん。君は安静という意味も含めてここで見張りをしてほしい」

 「わかった。俺も極力動きたくなかったしな。ちょうどいい」

 「あたいは今回は大丈夫だね?」

 「ああ。大丈夫だ」

 検死は巡間、見張りは玉柏がすることになりみんなそれぞれ捜査をする。

 

 まずはこれを見なきゃ始まらない。

 

 

 

 

 モノヤギファイル2

 

 被害者:超高校級の大工「宮原匠」

 死体発見現場:Ⅱ棟一階中央部屋

 死亡推定時刻:12:00~12:30

 ・頭部に殴られた痕

 ・死の直前に何かを口に含んだ模様

 

 

 

 

 秘密の部屋という認識ではなくてちゃんとそういう名前なのか。

 ん? あれ? 死因は? 鷹山の事件のときは死因がしっかり書かれていたのに今回はその記載が全くない。どういうことだよレイヤーギ。でも検死はもう少し掛かるだろうし、今は別のところに行って捜査だ。

 

 

 

 ***

 

 

 

 まずは第一発見者……橘くんの話を聞こう。風呂場前に彼は……タオルを持って立っていた。まさかさっきまで風呂に入ってた?

 「橘くん、もしかして……」

 「あ? 見ての通りだよ悪かったな?」

 ピリピリしながら言われる。タオルでガシガシと頭を拭いている。けどなんか、うん

 「下手かよ」

 「あ゛あ゛ん゛!?!? 黙っとけや!!!!」

 杖を抜こうとしたらしいがない。舌打ちをしてそのまま風呂場に入ろうとするのを私は止める。

 「あのときどうしてあの部屋に?」

 「…………知りたくて知りたかったわけじゃねぇよ」

 橘は少し目を反らしてポケットに手を入れた。

 「犯人があそこから出たんだろうとは思ってる。そいつはそこの扉を開けっ放しにしてやがったんだよ」

 開けっ放し!?

 「それじゃあ、橘くんはお風呂から上がったあと現場の扉を見つけてそこに入ったってこと?」

 「ああ。んでやつが死んでいたわけだ。くそったれがっ!!」

 壁を思いっきり殴り付けては悪態をつく。相変わらず彼は危なっかしい。

 「きみは犯人じゃないと思う。けどまだわからない」

 「フンッ、第一発見者が疑われるなんてことはよくあるだろが。そうなら別に構わねぇ。疑うなら、疑えや」

 「そういえばいつからお風呂に?」

 「11:30からだ。45分ぐれぇいた。そっから髪の毛乾かして今に至んだよ」

 「えっ髪の毛乾かすの時間掛かりすぎじゃ……やっぱ下手かよ」

 「うるっせぇぇなぁ!!?!?」

 橘が私に右の手刀を落とそうとする。……っと思ったら彼は自分自身の左手でそれを止めた。目が……丸くなっていた。腕を下ろして彼はその場から立ち去った。

 「………………てめぇの……には一生掛かっても触れねぇ爆弾がある。触れたら……壊れる」

 なんか恐ろしい爆弾を吐き捨てて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 っあれ……なんだ……?

 

 何か今……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    怖いことなんてあったっけ……?

 

 

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 いやいやまさか。と私は自分に言い聞かせ美術室1に向かった。しかしそこには誰もいなかった上ゴミ箱にすら手掛かりは全くなし。なら2の方へと足を運ぶ。

 「あっ直樹じゃん」

 阪本とあと灰垣が捜査をしていたみたいだ。阪本のほうが藍染めの入った釜の近くの床を向いて何かを確認している?

 「何しているの?」

 「うーんやっぱりか。いやここの床、ワタシの作った藍で汚れているの」

 指を差されたところを見れば真新しい感じの

 「それでここを見て」

 そういうと彼女は釜の外側を指さした。ツゥーっと藍が流れた跡のようなものが残っている。

 「ワタシがここにいたときにやったやつかもしれないんだ。けどどこか真新しい感じがして」

 これが裁判に使えるのかどうかはわからないがひとまず覚えておいて損はないと思った。どこか寂しそうな不安そうな顔をしながら彼女は捜査を続けた。

 「ところで灰垣くんは何を?」

 「わしはずっと食堂に居った。そこから一歩も動いておらん。瞑想や電子生徒手帳を見たりしていたからな。それで今こいつの履歴を見ながらメモを作っとるところじゃ。ほれ。ただのメモじゃし書き足していくもお前さん次第じゃぞ」

 灰垣から一枚のメモを渡される。Ⅱ棟の出入り、ってことはライトが付いたときのやつか。

 

 

 

 

 Ⅱ棟出入り

 8:30~12:00 カフェ

 8:45~10:00 美術室2

 9:00~9:30 生物室

 9:00~10:55 化学室

 9:30~10:00 物理室

 9:35~12:35 植物庭園

 10:15~11:30 生物室

 10:55~11:00 美術室1

 11:00~12:15 化学室

 11:30~11:45 薬学室

 

 

 

 

 これがⅡ棟でライトが付いたところ。物理室のところは私と湊川がいたときだ。そして阪本さんは美術室2にいたってこと……なるほど。今はこれぐらいかな?

 「ありがとう。結構使えそう」

 「使えるものは大事に使うんじゃぞ」

 前に灰垣くんと話してから彼がとても僧侶にしか見えなくなってきているのどうにかしたほうがいい現象。

 

 *****

 

 次は二階だ。まず植物庭園に足を運んでみた。そこは誰も捜査していなかった。けれど灰垣のメモだとここには人がいたってこと。いろいろ見てみるが、図鑑が見つかったこと以外特にこれといったものは見つからなかった。

 仕方がないから生物室に行ってみると湊川がいた。でもなんというか部屋が少しだけ汚い。

 「これはどういう」

 「来たときからそうよ。荒らされたとまでは言わないわ。けれどここに誰かがいたと言うことよ」

 そういえばさっきもらったメモではここに二回誰かが来たって書いてあった。しかも二回目は割と長い間いたみたい。

 「おかしいわ。私ここに来たけれどこんな風になっていなかったもの」

 「湊川さんここにいたんだ」

 「9:00にね。そのあとはあなたと物理室よ」

 そのときまではここは荒れていなかったと。

 「なるほどね」

 メモが少しずつ埋まるっていく。

 「そのあとはカフェに行ったんだよね?」

 「ええそうよ。あ、途中から近衛くんも来たわ」

 あ、そうなんだ。

 「12:00には三人で食堂。そのとき木の上にいる玉柏が寝ているのを目撃したわね。そのあとなんかドサッていってたけど……」

 おい玉柏落ちたのか

 

 

 ***

 

 

 さて物理室にもって思ったけれどここライト付いたの私がいたときじゃん。私がいたとき何にもなかったよな。というわけで飛ばして化学室。

 「なーるほどね~」

 このゆるーい口調は矢崎か。

 「何がなるほど?」

 「ん? ああここはね、誰かが長時間いたんだなぁってね。化学室に備えられてるものが出たりしているから。巡間くん辺りでもいたんじゃないかい?」

 ホントだ。確かにそうかも知れない。巡間ならそういうの強そう。

 「あたいは植物庭園で図鑑片手にずぅーっといたからね。アナウンス聞いてあそこに駆けつけたよ。図鑑は置いていっちゃったしね」

 あの図鑑はそうだったのか。

 「あれは矢崎さんのだったんだ」

 「ああ違う違う。売店にあったやつだよ。そうそう図鑑取りに売店行ったら国門くんと会ったよ」

 マジか。

 「まあなーんか料理関係の雑誌見てたね。彼そういうの好きなのかって聞いたら、そうでもないって言ってたよ」

 言ってたわ。

 

 

 ***

 

 

 三階へきた瞬間、渡良部が薬学室から飛び出してきた。

 「ど、どうしたの!?」

 「と直樹(トン)、じゃん。ああもう無理っ!!」

 「なにが!? 薬学室で何が起きたの!?」

 私がそこへ入ろうとするのを渡良部が思いっきり止めた

 「ダメっ!! そこはぜっったい入ったらダメ!!」

 強い制止だった。彼女の顔色が少し悪い。

 「っ。顔色悪いよ。何があったの?」

 「あそこ、嫌な匂いがした。……異臭がしたんだ……はぁはぁ……新鮮な空気最高……」

 「異臭に影響されて別次元行ってない!?!? そんなにひどかったの!?!? 何なの!?!?」

 大丈夫そうには見えないのはわかるんだけれども。

 「でも、ただでは帰ってきてない……青酸カリの入った瓶の中身……空だった。……あそこのスプーンが一本出しっぱなし……机が水っぽくて粉まみれ……」

 青酸……カリ……? 机が水っぽい粉?

 「それと巡間(ホンイツ)に確認して。薬学室って空瓶あったかどうか。なんか、棚の瓶一ヶ所空きがあって……」

 私はさらっとしか見てないからよくわかっていないけど巡間なら聞くに適しているか。

 「わかった。とりあえず休んでて」

 「了解」

 渡良部は壁によし掛かり休む。今彼女に捜査は困難だ。けれどそれだけの成果はあったはず。

 

 *****

 

 カフェも見たが特になかったのでそのまま一階で現場の状況を聞くことに。そこは近衛がやってくれていた。

 「近衛くん、何か見つかった?」

 「ええ。まずスプーンなのでございますが、計量スプーンと普通のスプーンが二つずつございました。前者は瓶の付近に、後者はカップの付近にございました。両カップには紅茶の飲みかけがあり共に沈殿物がございました。そして蓋がしっかりと閉まった、おそらく砂糖が入った瓶でございましょう。それがございました」

 説明されながらそれらを確認していく。

 「それとこちらが宮原殿が横たわっていらっしゃったソファの反対側のほうにあったものでございます」

 手に持っていた手紙のようなものだった。

 「『明日、昼に少し話をしたい。11:50にⅡ棟前に来てほしい』……これってもしかして」

 「ええ。犯人もしくは宮原殿が書いたと思われる呼び出しの手紙でございます」

 それなりに中途半端な時間。けれどこっそりするには適したものか。変に00分、15分、30分、45分ってキリがいい数字にするよりよっぽど。

 「何を意図していたかは存じません。しかしそれだけのことが起ころうとしていたというのは事実かも知れません」

 ここに呼び出して殺害……ってことなのかな。

 「そしてそこの水溜まり、あれがお湯であることも判明致しました。やかんにはお湯がまだ微量ではありますが残っております」

 「でもこのやかん……血で汚れてない?」

 それに凹んでもいる。

 「おそらく、犯人が彼を殴ったときにやかんを使ったのだろう。その跡がやかんに残ったと考えればいいと思う」

 不意に近くの巡間に答えられた。

 「検死が終わったんだ」

 「ああ。検死の結果だが頭の傷は致命傷ではない」

 致命傷じゃない、か。

 「それでは一体何が死因だと仰るのでございますか?」

 「毒だろう。モノヤギファイルには死亡する前に何かを口にしていたと書かれている。撲殺されていない以上、彼は毒で殺された可能性が高い」

 毒……もしかしてさっき渡良部さんが薬学室で見つけたあの青酸カリが原因じゃ……あっそうだ

 「巡間くん、君は薬学室にいたことあるよね?」

 「ん? ああ。今日はほとんどを化学室で過ごしていたが」

 「薬学室に空の瓶ってあった?」

 「空の瓶……」

 少し悩むように腕を組んだ

 「ああ。いくつかあったはずだ。それがどうか?」

 「渡良部さんが確認して欲しいって言ってたんだ。自分じゃわからないからって」

 ここまででいくつか材料が揃ってきた……が、前よりも証拠が少ない気がする……

 「そうか。わかった」

 ………………あれ、宮原くんのポケットにあの封筒入れっぱなしだ。昨日の風呂のときに垣間見えたあれかな? ……一応見てみよう。私は彼のポケットから封筒を取り出してみた。そこには……

 

 

 

 

 ──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズオォッ!!!!

 

 

 ──────

 

 

 

 

 

 

 っ!!!!!!!!?

 

 

 

 

 

 あっ待って……ダメだ……これ……って!!

 

 

 

 

 

 

 視界が歪む

 

 

 前が見えない

 

 

 彼が言ってたの

 

 

 本当だったんだ……っ!!

 

 

 ダメだ

 

 

 今、思い出したら

 

 

 ダメ……っ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はそこから逃げだした

 

 ***

 

 

 「直樹殿!!?」

 「直樹くん!!」

 「…………」

 声が聞こえない。扉を蹴破りⅡ棟を出た。

 

 走って、走って、走って、走って

 

 Ⅰ棟に向かって走って

 

 「えっミス直樹?」

 目の前にダグラスがいる。けれど今はそれどころじゃなかった。

 

 

 

 怖い、…………を、…………を…………のが怖い。

 

 

 

 「落ち着くんだミス直樹っ!!!!」

 っ!!!!

 「あっ……ああ……だ、ダグラス……くん?」

 いつの間にか肩を掴まれ目の前で叫ばれていた。彼を視認してやっと落ち着いた。

 「大丈夫かいミス直樹? 随分怯えてたよ?」

 「だ、大丈夫……けど自分は見てはいけないものを見たんだ……」

 「……」

 ダグラスは何も言わずに手を離してため息をついた。

 「それはきっと何か関わることなんだろうけれど、今必要な情報じゃない。それに聞くのも野暮すぎる。だから聞かないでおくさ」

 まっすぐに言われる。正直ありがたい。

 「さてと。ミーは8:30からずっとカフェだったよ。アリバイなら……言わなくてもユーはわかってるかな」

 うん、わかってる。

 「Ⅰ棟でミスター国門とミス金室がいるから、二人に何か聞いておいた方がいいよ」

 彼はそういうとⅡ棟のほうへと歩いていった。

 

 *****

 

 Ⅰ棟に行ってみる。倉庫とかどうだろうと見ていると国門がそこにいた。

 「国門くん、どう? そっちは」

 「いーや、手掛かりなし。ここには何にもいじられた形跡はない。……いや正確にはきれいに整頓されているだけで減ったとかじゃないということ」

 近衛がやってそうなことだなぁ。

 「なるほどね。売店で矢崎さんと会った?」

 「会ってる。その前に宮原とも会ってる」

 「えっ!!?」

 「まあ大したことでもない。小物の材料だって言ってた」

 ああ湊川さんが言ってたやつのことか

 「そのあとは金室と上にいた。今そっちがその捜査してる」

 「わかった。ありがとう」

 今こうして普通に話せても、すぐにあなたは豹変をするんだよね。うまくやれるのかな。

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 二階の休憩スペース。そこで国門の言っていた通り金室が捜査中だった。

 「やっぱりないですね」

 「なにがないの?」

 「砂糖ですよ。砂糖。ここにもあったものなんですが今日ここに来てからずっとなかったんです。スプーンも」

 砂糖が……ない……スプーンもない……?

 「もしかするとその二つは現場にあるかも……」

 「本当です?」

 「うん。さっき近衛くんが推定砂糖の入った瓶だって言ってたしスプーンも見つかったよ」

 ふむと彼女は目を閉じる。

 「それ、計量スプーンもですか?」

 「そうだけど」

 「……犯人は何のために計量スプーンを? 現場のほうは」

 現場について軽く説明するとさらに不可解だというように金室は頭を抱える。

 「わざわざ計量スプーンまで持っていく意味は何でしょう? なくともよいはずですが……」

 確かにそうだ。けれど今現在私たちにこの謎を解くための鍵はなさそう。

 

 

 

 

 

 

 ピンポンパンポーン!!!!

 

 

 

 

 

 

 『捜査終ゥ了ッのアナウンスであーる!! これからァ学級裁判を行うであーる!! オマエラァ!! 外の噴水前にィ、集合するであーーーる!!!!』

 

 

 

 ブツッ…………

 

 

 

 捜査終了のアナウンスが鳴る。今回の事件、証拠が少し物足りない気がする。しかしそんなことも言っていられないのが現状で。この証拠を駆使し犯人を見つけ出さなければならない。

 「行かなければいけませんね」

 「うん……そうだね」

 

 

 *****

 

 

 噴水前に全員が揃った。玉柏が腰を擦りながら何とか歩いてきていた。

 「玉柏くん大丈夫なの」

 「いやあんまり。バランス崩したのが運の尽きだったな……」

 それただのバカだから。

 「そういえば阪本。お前さんさっきから顔色が悪いようじゃが大丈夫か?」

 「……うん。大丈夫」

 「今まで宮原くんと一緒だったから悲しくなるのも無理はないわ」

 やはり彼の死はみんなのことを大きく動かすことになってしまったのか。

 「くそっ、ここにやつがいたなら…………」

 「もう何を言っても彼は戻りはしないから……」

 「…………」

 正直なところ、彼は私にとっても良い情報提供者だった。怖いもの知らずなのかはわからない。けど自分のことよりも他の人をよく見ていた。寛大な心を持つ彼の死はかなり大きい。

 「けどやらなければならないんだ。宮原のために犯人を見つける」

 拳を握りしめて決意を固める人。

 疑心暗鬼になる人。

 不安と恐怖に震える人。

 それを支える人。

 ただまっすぐにその時を待つ人。

 

 

 みんなそれぞれ何かを思っている。

 そうしているうちに噴水の水が徐々に減り、そしてなくなっていった。

 

 

 

 

 

 

 次回

 

 混ざる6部屋目

 

 

 

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