表裏ダンガンロンパ ~共通とすれ違いの物語~   作:炎天水海

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 とりあえず七部屋目はまた今度投稿します。また次は前書きは軽くだけ。後書きを少し書きます。

 狐の正6部屋目。見えないものをよく見ると?


第四章 非日常編 狐の正6部屋目

 

 

 注意

 

これはダンガンロンパシリーズの二次創作となっています。

本編とは異なる設定が多々あります。

あと主の文才は期待しないでください。

 

 それでも平気な方は次のページへどうぞお進みください。

 

 補足

渡良部はモノヤギ以外の相手を麻雀の牌や役で呼びます。本編では度々麻雀について話すことがあるので彼女が他人を呼ぶときにはその人の名前にルビをふります。

 例:直樹→直樹(トン)

 他の人が相手を呼ぶときはそのまま読んでください。

 なおプロフィールに渡良部が相手を呼ぶときの呼び方を載せてありますのでそちらもぜひご覧ください。

 

 

 *****

 

 

 

 裁判場に着いた。エレベーターから降りると中華風な雰囲気の壁紙が私たちの視界に入る。モノヤギはいつものようにコスプレ。なんとなく予想はしていたけど渡良部のだ。

 「来たであーるなァ?」

 「…………」

 「近衛くん……」

 「……ご心配なく。ただ平常でないのも事実。そこはあとで」

 ご心配なく、と言っておいてその表情は全く安心できない。あの短時間で目元に隈ができていて、こわばった表情をしている。口を歪ませ冷酷な目つきで。大げさなくらい大きな足音を立てながら自身の裁判席につく。正直言ってものすごく怖い。その態度すべてに怒りが滲み出ている。

 「? 如何なさいましたか? 席にお着きにならないと裁判は始まりませんよ?」

 「え、あ、うん……」

 いつもの丁寧な敬語。いつもの口調。そのはずなのに私は近衛を見ると鳥肌が止まらなかった。自分の裁判席についてみる。ぐるっと辺りを見渡して思い出した。……近衛の席と渡良部の席は隣同士だったということに。今まさに近衛の横には昼までいたはずの渡良部の遺影が飾られていた。

 「全員ン、席に着いたであーるなァ」

 「揃ったとかんなもんどーでもいいからよお、とっとと始めちゃおうぜ? 時間の無駄だぜ」

 「そんなことわかっているであーる!!」

 ……国門の人格がすでに裁判のときのそれだ。さっきみたあの光景が頭から離れない。目を細めてニヤニヤ笑っている。ここまでくるとモノヤギが不憫に思えてきた。

 「一応でも説明は必ずするであーるからなァ!! 殺人を犯した『クロ』を議論で見つけ出しィ、議論の結果『クロ』だと思った人に投票するゥ。過半数を得たモノが『クロ』となるゥ。この時正しい『クロ』を指摘できたなら『クロ』だけがおしおきされェ、間違った『クロ』を指摘してしまった場合はァ、『クロ』以外の全員がおしおきされるであーる!!」

 うんざりしてしまうくらい聞いたよその説明。

 

 

 

 渡良部は、私にとってとても居心地のいい友達だった。玉柏とはまた違う安心感があって、悩みを相談しあうのも多分彼女が一番多かったかも知れない。それくらい一緒にいた記憶があった。呼び方とかちょっと意味わからないところ多かったけど、根はとても優しいし最初の裁判の後にみんなを後押ししたのは彼女だ。普段強気でもその中に垣間見える弱さは優しいが故なんだろう。

……けれど、もう君はここにはいない。胸が張り裂けそうになるくらいツラい。そんなこといってられないのもわかっている。けど……それでも…………苦しいよ…………

 「直樹さん。泣きたい気持ちは、わかります。でも泣くのは今ではありませんよ」

 「えっ…………」

 ここにきて今更気づいた。情けない。みんなに背を向けて一度大きな深呼吸をする。すると誰かの足音がこっちに近づいた。

 「バレバレだっての」

 なんだか呆れているような、そんな声が聞こえる。

 「自分のことだけ守ろうとして、ドツボにはまれば危険なのはわかっているだろ。近衛もあんな怒り方していてもな、目元赤いんだよ。強がりばっかでタチの悪い子供が。…………それでも、乗り越えなきゃなんない山がある」

 玉柏はそれだけいって席に戻っていった。

ふと、周りを見てみた。…………嗚呼、みんなの目はすでに限界に近いんだ。動きも気怠く見える。頭でわかっていても、内面は…………そう簡単に隠せないんだ。

腕で涙をぬぐってバチンッと頬を叩く。やろう。ツラいのはみんな同じなんだから。

 「議論ンかァーいしィ!!!!」

コングが鳴り響く。始まりの音。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     **********

      学級裁判 開廷

     **********

 

 

 

 近衛「まず一つ皆様に言っておかなければならないことがございます」

 矢崎「なんだい?」

 近衛が苦しそうな表情でみんなを見る。

近衛「先ほどはご迷惑をおかけいたしました。前回のダグラス殿といい今回の渡良部殿といい……こんなにも身近にいたにも関わらず誰かによって殺されたとなると、わたくしも優しくはしていられません。だから今までよりも口が悪くなると思います。何卒ご理解のほど……」

 その目は真剣だった。怒りと悲しみと……彼の、彼なりの意思表示の目。狩人のような目。

 金室「そんなもの。許可を得るもんじゃないですよ、そういうのは……見つけますよ」

 全員が頷いて緊張感が漂う。

灰垣「さてと、そうと決まればまずは現場状況からじゃな」

 それじゃあと国門がファイルを取り出して読み上げる。

 国門「被害者は超高校級の雀士、渡良部美南。二階のプールで……浮いていたんだよな」

 近衛「ああ。燕尾服を脱いで飛び込んで引き上げましたが、手遅れで……」

 国門「それ以上言わなくていいぜ。死亡推定時刻は3時30分頃。死因は溺死か」

 矢崎「手探り状態で申し訳ないけど、あたいが検死した限り、溺死であってるよ……状況が状況だから今回も一筋縄ではいかなさそうだね」

 時間的にもみんなそれぞれ何かしらのことはしていただろうし……アリバイもあまり役に立つかもわからないな。

 湊川「そういえば争った形跡は何もないのよね? それって犯人が隙を見て渡良部さんを殺害したってことになるのかしら?」

 近衛「溺死だとそれは困難じゃないです?」

 ……となるとあり得るのは…………

 直樹「犯人は一度渡良部さんを気絶させてから殺したのかな」

 国門「可能性というかそうだろうぜ」

 灰垣「渡良部は確かカナヅチじゃったよな。自覚もしていたなら自分から進んでプールにいくこともせんじゃろうし。たとえそうでなくとも抵抗するじゃろ」

 気絶させてプールに入れる。それでも全然成り立ちはする。ただ気になるのは……

 金室「ですがいくらプールにいれて溺死させるにしても、落とされた時点で冷たい水に反応して目が覚めるのではないですか? いくらカナヅチであってもプールの縁に行けば逃れられることでしょう?」

 そう。近衛に指導されていたときのことを聞いたときに、渡良部は手で縁を掴むことくらいはできたといっていたし……結構な負けず嫌いだから簡単に溺れるだなんて思えない……いやまさか……

 直樹「ねえ、もしかしてだけどプールで渦を作って逃げ場をなくしたんじゃないかな」

 玉柏「そういえばそんなこともできたな。湊川ならわかるか?」

 湊川「え、ええ。渦に入ったことのある身としては、プールの縁にいく前にすぐ中心に行ってしまうわ。だからもしそれが正しいなら仮に渡良部さんが落とされて目覚めても脱出は困難よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 矢崎「その推理じゃ絞りだせないね~?」

 

 

 

 

 

 

 ここで予想だにしなかった人からの反論が。

 直樹「や、矢崎さん!?」

 矢崎「みーんなしてプールで殺されたことを前提で話されると困るんだよね~……」

 近衛「いや、どう考えてもプールしかこの犯行は有り得ないのでは」

 矢崎「そこが甘いんだよ」

 な、なんでだ? ってあっ!!?

 矢崎「確かに見つかったのはプール。けど現場まで一致しているとは限らないよね? 一回目の鷹山ちゃんの事件みたいにね」

 灰垣「じゃが状況からしてみれば……なぜ納得がいかんのじゃ」

 矢崎「……簡単だよ。今日はプールの清掃の日だからね」

 灰垣「はぁ!?」

 金室「えっ?」

 そうだ忘れてた!!

 矢崎「あたい見てるんだよね……プール前に置かれていた看板。今日がプールの清掃日だっていうことを物語っていたよ。それなのに渦を作ることなんて出来やしないんじゃないかい?」

 私は知っている。外でザアアァって音がしていたのを。この音は清掃か渦の音でしかだせない音だ。けど、けど違う……違うんだ…………!! 今回のは清掃じゃない……!! これはあの人に言わせるべきなんだろう。ちらりとその人のことを見てみると、すでに待ってましたと言わんばかりの顔をしていた。

 湊川「その推理を変えてみせるわ!!」

 だって彼女が一番わかっているんだから。

 矢崎「へえ、一体なーにが違うんだい?」

 湊川「矢崎さん、あなたがその看板を見たのはいつ頃の話なのかしら?」

 矢崎「少なくとも1時半は過ぎてたね」

 湊川「…………実はね、見てるのよ。4時前にプールに寄ったとき、清掃中の看板がなかったのをね」

 国門「なかったのかだぜ?」

 ええ、と湊川は頷いた。

 直樹「みんな覚えてる? モノヤギがプールの説明をした時のこと」

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 午後の二時から二時間くらいかけて掃除をやっているであーる

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 玉柏「そういえばそんなこと言ってたな。二時間となると四時までの計算か。確かにそうなると変だな」

 湊川「ここから考えられることは一つよ。犯人は渦の音と清掃中の音が同じなのをいいことにみんなに誤解を生ませたのよ!! 看板をおけば誰も入ろうとはしないから」

 ビシッと指をさして論破する。

 矢崎「ははっ、そこまで言われたら現場はプールな可能性が濃厚だね」

 矢崎は苦笑いして納得してくれた。とりあえず現場は確定したかな。

 近衛「…………ところで、今回の事件。どこか共犯者がいるような雰囲気があるなと」

 金室「共犯者、ですか?」

 国門「それは確かに思ったぜ。ていうかそうなんじゃないかって思っているぜ」

 玉柏「女子更衣室のライトを考えるとそうなるよな」

 んーでもなんか変だな……

 直樹「引っかかるなぁ。共犯したとしてもさ、どうして共犯するんだろう……共犯者にはメリットないはずだよね?」

 最初の裁判で言っていた。共犯する理由はないはず。

 玉柏「最悪なことを考えれば犯人が脅しでもして無理やり協力させたとかもありそうだけどな」

 湊川「でも理由あるなしに関わらず今はまだ気にしなくてもいい内容かもしれないわね」

 まあそれもそうか。少なくとも共犯の可能性は十分高いや。

 

 

 *****

 

 

 矢崎「じゃあ次気になることってなーんだろうね」

 近衛「気になる……といえば渡良部美南が殺されたあとどうやって犯人たちはあのプールから抜け出したんだ……?」

 灰垣「というと?」

 近衛「女子更衣室がプールから入った人数は三人。きっと犯人、共犯者、渡良部美南でしょう。気絶させているとはいえ、結局入れるのは一人ずつ。ならきっと電子生徒手帳を利用しながら更衣室に順に入ったと考えるのが順当だ。三人がプールに入った後渡良部を殺害……ここまではわかる。けど問題は」

 直樹「犯人と共犯者がどうやってプールから脱出したか、だね」

 その通りと頷いてモノクルをあげようとする。けど、今彼はそれを身に着けていないから空振りする。誤魔化すように咳払いをした。

 近衛「ごほん。プールから出るとき更衣室のライトがついたのは一度だけ。こうなるともう一人はどうなったのかがわからない。僕が入ったときには渡良部美南以外は誰もいなかったし」

 プールから出る手段……更衣室のほかにもどこかあるかな。あ、あそこならもしかすると!!

 直樹「窓とかならいけたりしない……?」

 国門「いけないこともなさそうだがすごーーーーく危険な橋だぜそれ」

 自分で言ってて思った。でもそれを証明できる人がいる。

 金室「いえ……あながち間違いではないかもしれませんよ」

 なに? と顔をしかめてこちらを見てくる。

 金室「うち今日午後はずっと別館の自室にいたんです。その時に上から何かが落ちるような振動が伝わってきたんですよ。ドンって」

 矢崎「あれ、防音はしてあるんだよね? 音も聞こえてきたのかい?」

 玉柏「防音だから振動までは対処してなかったのかもしれないな。けどそれが本当なら窓を使って一人は出ることもできるな」

 もう一人は更衣室から出れば更衣室の人数に矛盾も生じない。

 国門「ふーん。そんで窓の鍵閉めて更衣室から出るとねぇ…………まったく周到な犯人だぜ」

 灰垣「いや、犯人はまだ一つやったことがあるじゃろ」

 湊川「え、まだやったことがあるの?」

 湊川の純粋な問いに灰垣はああと答える。

 灰垣「サウナの中にあった電子生徒手帳じゃよ。みんな知っているじゃろうが電子生徒手帳は熱に非常に弱い」

 近衛「ああみんなの前で昨日モノヤギに怒られていましたね」

 灰垣「言わんでええわい。とりあえず八個あったぞ」

 おもむろに羽織の袖から複数個の電子生徒手帳が取り出される。

 金室「そ、そんなにたくさんの電子生徒手帳を? でもそれ一体どこから…………」

 いや、待ってそれまさか。あそこしか考えられない…………

 直樹「…………もしかしてそれ、今までの……死んじゃった人たちのなんじゃ」

 玉柏「九分九厘そうだろうな」

 灰垣が前にアリバイのために宮原の電子生徒手帳を使っていたのは覚えてたけど、今回は犯人に犯行に使うために使われたのか。なんだか腹が立つ。

玉柏「今回女子更衣室だけしか経由していないから、あたかも犯人を女子に見せかけといてその振りをしているに一票」

 国門「あんま賛同はしたかねぇけど同感だぜ。わざわざ電子生徒手帳を始末するってことは、要は男子にも可能性を残したってことにもなる。どのみちまだこの段階で犯人を絞り込むことはまだできそうにないぜ」

 なんかあそこ妙にバチバチしてるんだけど。リアル冷戦しなくていいよ。

 矢崎「ん? でも八個もあるのかい? 今までの人数は七人だから一人多いよね?」

 そういえば確かに……鷹山、江上、宮原、阪本、ダグラス、橘、巡間の七人だ。一人多い。

 直樹「ねえ、渡良部さんって何か身につけてた?」

 近衛「ぱっと見た限りではそんな感じしませんでしたよ」

 検死をした矢崎もうなずいている。もしかして八個目は渡良部のやつなんじゃ。

 金室「もうもったいぶらずに、普通に皆さん自分の電子生徒手帳確認すればよいのでは? そうすれば誰のが足りないのとかわかるじゃないですか」

 ごもっともです。隣から圧を感じる。みんな言われた通りポケットから電子生徒手帳を取り出して自分のものかを確認していく。

 電源をいれたら『直樹空』としっかり出てきた。隣の金室がちらりとこちらを見て確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  その中で、一人だけ目を見開き電子生徒手帳を見つめる人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そ、そんなわけ…………そんなわけ…………っっ!!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直樹「こ、近衛……くん……………………?」

 近衛「なぜだっ、なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだっっなぜだッッッッ!!!!?!?!?? なぜ僕のが…………っ[[rb:渡良部美南の>・・・・・・]]電子生徒手帳になっているんだッッ!?!?!?」

 えっ!?

 湊川「そ、それって……近衛くんの電子生徒手帳が始末されたってこと?」

 灰垣「…………もう、犯人は決まったようなもんじゃないか」

 え、え? こ、こんなあっさり? そんな……嘘でしょ? 近衛が渡良部を……?

 玉柏「……!! おい近衛、お前の足元何か落ちてないか?」

 近衛「は? え」

 近衛はしゃがんでそれを拾う。少し大きめの付箋みたい……? どうやら何か書いてあるみたいで、彼は何度もそれを黙読している。黙読するたび、彼の眉間にしわが寄る。何度も顔を擦り、目をこすってはそれを見返している。

 近衛「ど、どういうことだ……これ……」

 そんなに衝撃的な内容なの?

 近衛「直樹空」

 不意に名前を呼ばれる。すると矢崎を通して付箋が私に渡された。

 直樹「え」

 近衛「直樹空、これを貴方が翻訳してくれ。僕は読める。けどそれが正しい確証もなければ、今ここで疑われている僕からこの内容を言っても信じてはくれないでしょう」

 なるほど、託されたってことか。でも彼が犯人だとは思いたくないしやるしかない。翻訳家の意地もあるし。それを読んで頭の中で訳してみる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 は? え、ちょっと? これどういうこと!!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直樹「……みんな、読み上げるよ」

 

 私は一つ深呼吸をして訳を読み上げる

 

 

 

 

 

 

  我是刺客的七(私は刺客の七である )

 

 

 

  我没有共犯者(私には共犯者はいない )

 

 

 

  犯人只是我(犯人は私だけである )

 

 

 

  那么七眼睛不还出现 (さあまだ七の目は現れない )

 

 

 

 

 

 

 国門「な、なんだぜその訳は!?」

 直樹「私だって知りたいよ!! でもきちんとした漢文になっているし……」

 確認のために隣の金室にも読んでもらった。

 金室「…………外国語はあまり読めないですが漢文ならいけますね。訳に間違いはなさそうです」

うそ、と誰かが言った気がした。今回の犯人、………………みんなが忘れようとしていたのかもしれない。そんな存在。

 

 

 

         “刺客の七”

 

 

 

 湊川「共犯がいないってつまり犯人は一人だけなの……? しかも、その……刺客の七がって……」

 金室「こ、これじゃあまた振り出しじゃないですか!! 今回は前回みたいなんとは違ってそれ以外の推理なんてできるわけ…………!!」

 ……なんて周到な犯人なんだ。課題が、多すぎる。さっきの紙だけでない脅しを仕掛けてくる。こんなのどうすれば……

 玉柏「飛んだ刺客だな……死角をついてくるのがいやらしい。『しかく』だけに」

 矢崎「審議」

 灰垣「今のは何点じゃろうか」

 湊川「四点じゃないかしら」

 国門「十点満点か?」

 湊川「二百点満点よ」

 玉柏「たっかい上にかっら!! ていうか審議しなくていいだろ!!」

 近衛「真面目に裁判してくれます?」

 ここでなぜギャグをはさんだ。金室の咳払いでまた再開する。

 金室「こほん……ひとまず共犯者がいないということは、一人でいろいろ行ったことになりますよね」

 国門「たとえ共犯者がいようといなかろうと、計画的な犯行であることは目に見えているぜ。というか、現時点ではっきりしてるのそれぐらいじゃねぇか?」

 信じられない。ここまで考えてわかったことがそれくらいって……ああ頭が痛い。歯ぎしり起こして頭を抱える。

矢崎「……薄々そんな気はしていたよ」

 直樹「え?」

 そんな気はしていた……?

 矢崎「湊川ちゃん、そろそろチェキの写真出来上がっているよね?」

 湊川「え、あっそうね!! 言われるまで忘れるところだったわ……」

 ポケットから取り出された一枚の写真。

 矢崎「それよーくよくみたら異変に気付くと思うんだよね~みんなに見せてくれるかい?」

 彼女に言われた通り湊川はそれをみんなに見えるように見せる。

 えっと、近衛が渡良部を抱えて座っていて、矢崎と私がその後ろにいて……灰垣が私の後ろに行こうとしている……床はところどころ水浸しで、窓は開けっぱなし、窓の下にはビート板。ぱっと見た感じ気になることは……

 国門「お? なんかおかしくねーか?」

 金室「ええ。一か所だけ……さっきまでとは異なる箇所があるんですけど」

 直樹「……あれ!? ほんとだ!?」

 確かにさっき議論したところと少し違ったものが見えてくる。

 直樹「玉柏くん確か窓は閉まっているっていっていたよね?」

 玉柏「ああ。この目で確かに見たしお前もいただろ。というか俺がプールに入った時点ではすでに閉められてたな」

 プールに入った時点で閉められていた? けどこの写真は閉まっていない。これは一体どういうこと……? 記憶にそんな差異が生まれるの? あれ、私入ったとき窓閉まっていたっけ? 開いていたっけ? だめだ気にしていなかったから思い出せない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや……待って………………

 

 

 そもそもどうしてあの時

 

 

 あんな判断ができたんだ?

 

 

 これじゃあまるで

 

 

 ………………まさか

 

 

 君は………………………………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    「ねえ、矢崎さん………………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学級裁判、中断

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      巻き戻せ最大ヒント

 

 

 

      お気付きか最大誤算

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回

 

 鉄格子の兎と七部屋目

 

 

 

 

 

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