表裏ダンガンロンパ ~共通とすれ違いの物語~   作:炎天水海

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第一章(非)日常編 動機の3部屋目

 注意

 

 これはダンガンロンパシリーズの二次創作となっています。

 本編とは異なる設定が多々あります。

 あと主の文才は期待しないでください。

 

 それでも平気な方は次のページへどうぞお進みください。

 

 補足

 渡良部はモノヤギ以外の相手を麻雀の牌や役で呼びます。本編では度々麻雀について話すことがあるので彼女が他人を呼ぶときにはその人の名前にルビをふります。

 例:直樹→直樹(トン)

 他の人が相手を呼ぶときはそのまま読んでください。

 なおプロフィールに渡良部が相手を呼ぶときの呼び方を載せてありますのでそちらもぜひご覧下さい。

 

 

 *****

 

 『ああァ、マイクテストォ。』

 レイヤーギ、間違えたモノヤギのアナウンスだ。今度は一体なんだ。

 『オマエラァ!直ちに集会室に集まるであーる!!特別にィ、超重要情報を与えてやるであーる!!来ないヤツにはァ、とびっきりのおしおきが待っているであーるからなァ!!』

 

 ブツリ…

 

 ああなんというデジャブだろうか。不穏な悪魔の囁きが私たちに。しかし行かなければ死ぬ。脅迫された私たちに行かないという選択肢はないのであった。

 

 *****

 

 全員が集会室に集まる。そして全員が集まったと同時にレイヤーギ、間違えたモノヤギが現れた。服装は…マントか。

 「ヒッヒッヒィ、全員集まったであーるなァ。」

 「私たちに何の用よ。」

 「オマエラがなァんにも起こしてくれないからァ、ワレはオマエラにプレゼントをやろうと思ったのであーる!」

 3日で何か起こせって結構無理あると思うんだけど。

 「どうせろくでもないものなんだろ。」

 「ろくでもない…ねェ。確かにそうかもしれないであーるがァ、この中身を見ても同じことが言えるであーるかなァ??」

 マントから謎の封筒が顔を出す。そしてそれを私たちに配り始めた。

 「何なんだこの封筒は?」

 「ヒッヒッヒィ。それは開けてからのお・た・の・し・み、であーる!!」

 「おもてなしみたいに言うんじゃないわ。」

 ネタが古い。配られた封筒の中身を開けてみるとそこには一枚の写真があった。恐る恐るその写真を取り出して見る。

 

 そこには、

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 私と男子とのツーショット写真があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 不思議だ。なんでこんな写真があるのか。ここの男子でない、見覚えのない男子。私と二人のツーショット。

 青いスーツを着て帽子を被って、まるで車掌とか船長とかそんな感じの格好をした男子。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 ズキンッ……

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 直後、私を襲った頭痛。とてもズキズキしてくる。なに?なんなの?これは一体??意識が飛ぶ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ         れ

 

 

           私      

     は

               何   

 

         を

 

  な       

            に

 

                   か    

      を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 な………にか………を………??

 

 

 

 

 

 

 

 

 ??????????

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 *****

 

 

 

 なんだろう

 

 たしか

 

 写真を

 

 

 

 *

 

 

 

 あれ

 

 あそこにいるのは?

 

 私?

 

 と

 

 写真の男子?

 

 楽しそう

 

 

 

 *

 

 

 

 ………………

 

 

 

 *

 

 

 

 え?

 

 いま

 

 キミはなんて?

 

 なんて言ったの??

 

 

 

 *****

 

         遠くに

 

        離れていく

 

       手を伸ばしても

 

         届かない

 

      離してはいけないのに

 

         どんどん

 

        離れていく

 

         視界も

 

        ぼやけてきた

 

         まるで

 

 *****

 

 

 

 

 

 

        走馬灯?

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 *****

 

 

 バアアアァァァァン!!!!

 

 

 *****

 

 刹那、集会室内に叩きつけるような音が響いた。同時に目覚めるように頭痛と幻から解放された。あんな音が出せるの、そんなことできるのは彼しかいない。

 

 

 

 

 「くそったれがぁぁぁあああ!!!」

 

 

 

 

 いつも眉間にシワを寄せている橘がさらに寄せていつ抜いたかわからぬ杖で地面を叩いたのだ。左手にはモノヤギから配られた写真がグシャグシャに握られている。

 「た、橘くん!?」

 「てめぇ、ふざけるのも大概にしやがれ!!」

 「なァーッはッはッはァ!!!愉快愉快ィ、じィつゥにィ愉快ィ!!その顔が見たかったのであーーーーる!!!」

 モノヤギは私たちの顔を見てとてもご満悦の様子だ。すごくうざい。

 「一つ確認してよいですか。」

 金室が写真を見つめながら問う。

 「あなたの目的は一体、何なのですか……?」

 「ヒッヒッヒィ…今さら、であーるなァ…」

 ニヤリと不気味に笑い足で地面を蹴ると電気が消える。二度目にもなるとみんな冷静だ。

 

 

 そしてモノヤギは左目をギロリと赤く光らせて言った。

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 「絶望………であーーーる!!」

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 「ふっっっざけんじゃねえぇぇぇ!!!」

 

 電気が点いた瞬間、橘の怒声が轟く。彼の怒りはとどまることを知らず、今にもモノヤギに襲いかかろうとする。

 「やめなよ!!」

 それを湊川が止めに行く。だが女である彼女が止められるわけもない。返り討ちに遭うのは目に見えている。ところが橘は湊川が立ち塞がったのを見た途端その場で止まり彼女を睨み付けた。動かず、冷たい殺気を放ちながら。

 「…ッ…モノヤギを攻撃したところであなたは死ぬだけよ!?」

 「うるせぇ貿易商!てめえに俺の何が分かるってんだ!?ああ!?ヤツは…ヤツはなあ!!?」

 怯みながらも湊川は必死に橘を説得するも、彼も彼なりの言い分があり両者一歩も譲らない。

 「ヒッヒッヒィ…ではワレはこれでおさらばするであーる。別にィここで殺しあってくれてもォ全然問題ないのであーるからなァ!!」

 「あ、ちょっと待ちなさい!!!」

 「待たないであーるよォ??」

 モノヤギは一触即発状態の私たちをおいてこの場から去ってしまった。

 「確かにあなたの言うことはわからないけど!だからって死ぬような真似をしなくてもいいじゃない!?」

 「黙れ!!何も知らねぇてめえら全員に、俺の気持ちなんざ分かるわけもねえだろうが!!?」

 「はいはいはい!二人ともそこまで!!」

 二人の口論を見て宮原が手を叩きながら間に割って入る。

 「邪魔すんじゃねえ大工!」

 「あのさぁ…」

 呆れたように頭を掻いて二人にバシンッ!と平手打ちをかました。スッゴいいい音したんだけど。

 「ッ!?」

 「いったい…」

 「実琴だけにやるのは気が引けたから鈴音にもやらせてもらったよ。そこは平等にね。いいかい。」

 至極真面目な顔で彼は一呼吸おいて話し始めた。

 「実琴、お前が言いたいことも分かる。こいつを見せられて自分の中で焦りが芽生えている。ここにいる全員がきっと同じだ。だけどもしもコロシアイなんかしたらモノヤギの思う壺だ!」

 「関係ねぇ!俺はなあ、一刻も早くアイツを………アイツを………!!!」

 「なら尚更だよ。実琴の言うアイツが誰なのかは追及しないけどその人に会いたい、助けたい、守りたい、その他いろんな感情がその人に対してあるならコロシアイをするって考えは止めようね?きっとコロシアイでここから出てその人に会っても、その人どころか誰一人としてお前を認めてくれはしない(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)から。」

 「…………フンッ…」

 宮原の言うこと、至極正論だ。

 「それと鈴音。止めてくれたこと、感謝してるよ。ありがとう。でも今回の場合は口出ししたらダメだ。どこでその人の逆鱗に触れるか分からないよ。まあ一回目じゃ分かるわけないけどね。」

 「ごめん。」

 橘と湊川の謝罪の態度の差が激しい。

 「わかればいいよ。俺は喧嘩が大嫌いなんだ。拳と拳でわかり合うみたいな話あるけど、いまいち傷つける意味が分からなくて。だからあんまり争い事とか起こさないで欲しいんだよ。」

 気のせいではないだろう。ふと、彼の目がとても哀しく見えた。

 「ふう、それじゃあ解散しようか。みんなこれのせいで顔色が悪いよ。今日はもうゆっくりした方がいい。」

 「そうだね。お世辞にもいい雰囲気とは言えないし。」

 コロシアイが本格的に始まろうとしている。この事実は覆せない。けど防ぐことはできる。今の私たちに出来ることはただコロシアイが起きないことを祈るだけ。写真をポケットにしまう。

 

 朝からこの提示はみんなを苦しめたらしく、昼食は各々で取ることになった。食事中の会話は聞こえなかった。

 

 *****

 

 昼食を終えたあと私は部屋のベッドに飛び込んだ。さっきしまった写真を取り出しもう一度だけ写真を見つめる。

 …やっぱり何か違和感がある。なんでこんな写真があるのだろう。顔に写真を乗せて考えてみるけど浮かばない。思い出せない。もどかしい。胸の奥がチクチクする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 え?

 

 

 

 

  

 コンコンコン!

 

 

 

 

 突然私の部屋をノックする音が聞こえてハッとなる。写真をポケットにしまってそこまで行って開く。

 「やあ空。」

 「え宮原くん!?」

 宮原だった。

 「そこまでびっくりしないでよ。まあ見た感じだと平気そうだけど…」

 実際平気ではない。

 「まあ無理しないでね?」

 そういって彼は私の頭を撫でようとした。

 

 *****

 

 「!?」

 「おっと!」

 しかし私はそれを反射的に防いだ。

 「ご、ごめん!」

 「ああ大丈夫大丈夫。嫌だった?」

 「いやそういうわけじゃないんだけど体が勝手に…」

 

 

 

 「何やってるの?」

 不意に近くで阪本の声が聞こえた。

 「えっとこれは…」

 「いや別に。俺がみんなのところに行って顔色うかがってるだけだから。」

 そうだったのか。

 「それにしても今直樹さんのこと撫でようとして逃げられてたじゃない。」

 待て阪本はどこからみてたんだ。

 「莉桜そこまで見てたの?」

 「はあ宮原くん、あなたはどこのお父さん(・・・・)なの?」

 「ブフッ!」

 ちょっと私が今まで思っていたことここで阪本に言われた。思わず吹き出してしまった。ヤバい腹筋痛い…

 「え、ちょっと空!?り、莉桜!俺高校生だからね?お父さんじゃないからね!?」

 「前からみんな宮原くんがお父さんっぽい思ってたと思うけど?」

 はい思ってました。笑い止まらない。

 「やめてくれ!何で俺そんなお父さんっぽいっていつも言われるんだ!?」

 「見た目と雰囲気と性格じゃない?」

 「全部友達に言われてるやつや!」

 まさかの関西弁。でもエセかな?そろそろ笑いが落ち着いてきた。

 「友達にまで言われてたら手遅れでしょ。」

 「…………ん?あれ…」

 宮原が頭を抱える。何があった。

 「宮原くん?」

 「ねえ空、莉桜。差し支えがなければでいいけど二人の写真見せてもらってもいいかな。何か分かるかもしれない。」

 「ワタシは…あまり見せたくない。」

 「うんわかったよ。」

 「私は別にいいよ。これ。さっきから違和感あって悩んでいたから。」

 「ありがとう。これは俺の写真だ。一応見ておいて。」

 写真を受け取って阪本と見てみるとそれには宮原とお茶を飲みながら談笑しているであろう着物の男性が写っていた。隈がはっきりとわかり宮原よりも髭を生やしている。とてもおじさんの用な容姿をしている。

 「おじさんみたい。」

 「言っておくと、そいつれっきとした高校生だからね。」

 まじかい。見えない。

 「そっちは何かわかったの。」

 「ああ。見覚えがある。名前までは覚えてないけど…前向きなやつだったかな。」

 「そこまでわかるだけでもすごいよ。私なんにもわからない。」

 「ワタシもわからない。けどどうしてこんなに記憶にすれ違いがあるの?」

 そうそれが一番のネック。私たち三人だけでもわかるわからないがはっきりとしている。この写真一体どうなっているのだろう。もしかして橘がキレたのも…

 「何が関係しているかわからない。今はまだ情報が少ないし様子見だね。」

 「そうね。じゃあワタシは部屋に戻る。二階で灰垣くんがお茶出してくれてるから飲みに行ったら?」

 「俺は物品チェックしてくる。温かい飲み物で心落ち着かせておいで。」

 「だからそれがお父さんっぽいって言われるんだって。」

 

 *****

 

 阪本と宮原に言われた通りに私は二階にお茶を飲みに行った。カウンターで灰垣がお茶を出していて矢崎と江上もその場にいる。

 「三人ともここにいたんだ。」

 「あんなの見せられて落ち着いていられんかったからな。お茶の一つでも飲もうと思っていたんじゃがいつの間にかこんなんになっとったわ。」

 「落ち着くにはお茶が一番なーんてね。」

 「そうそう!」

 ……少しは盛り上がっているようだ。

 「お前さんも飲むか?」

 「あ、お願い。」

 灰垣が手際よくお茶を作っている。私は席に着…

 

 コロコロコロ…

 

 あれ、何か蹴った。探してみたら服(?)のボタンが落ちてる。自分のカーディガンのかと思ったが違った。

 「ねえこのボタン誰の?確認してみて。」

 「わしのはボタンがないから違うぞ。さっき阪本も来たがあやつのものでもないな。」

 「あたいのでもないねぇ。」

 「えっあたしのだ!いつ取れたんだろう。ええぇ直すの面倒!!」

 江上のボタンのようだ。

 「ごめんねーありがとう!」

 「大丈夫だよ。」

 ボタンを渡してやっと席につく。矢崎と江上を見ると矢崎は相変わらずだけど江上のほうが浮かない顔をしていた。

 「はあぁ。」

 「大きいため息だね。」

 「それはそうでしょ?こんな写真見せられて出たくなる人いたら同情しちゃいそうなんだもん。」

 「へえ。あたいは別に平気だよ。でも頭の片隅でなーんか引っ掛かるんだよ。」

 あ、私と同じ現象だ。強く出たいとは思えない。けど気になる。引っ掛かる。

 「ほれ。」

 「ありがとう。」

 出されたお茶は温かい。

 「悩むなら悩めばいいんじゃ。存分に。それを一人で溜めるのは愚か者がすることじゃ。自分を苦しめる前に、人に少しでも悩みを伝えるんじゃな。わしはいくらでも聞くぞ。」

 そういえば彼の実家は寺(別院)だったっけ。お坊さんが相手の悩みを聞くという話は聞いたことがあるが本当なんだ。でも灰垣ってバレー部だよね。

 「もちろん無理強いはせん。ただわしが勝手にそうするだけなんじゃから。」

 「そういう心羨ましいよぉ。」

 「あたいは何だかんだそういうの合っても動物に聞かせていたからね。人に言いづらいことを伝える。人間の思ってることって動物は不思議とわかるものなんだよ。」

 「すごいなお前さん。」

 「動物がすごいんだよ。あたいは別になーんにもしてないんだよ。」

 超高校級入りしているんだから全員十分すごいよね?

 「直樹さんは?」

 「私は…どうしてるだろう。その時々で相談相手変わるから。」

 「じゃろうな。なに焦る必要はないわい。少しずつ出られるように努めるんじゃ。」

 その後、四人でとりとめもないことを話して夕方頃、その場を離れた。出されたお茶は終始温かいままであった。

 

 *****

 

 夕飯も全員が集まることはなかった。でも昼とは違って多少まとまってはいた。…といっても最大五人だけど。近衛、ダグラス、渡良部、金室、鷹山だ。彼らが話している姿を私は別の席で眺める。

 「ダグラス殿も渡良部殿も落ち着きましたか?」

 「Umm,sosoっといったところかな。100%じゃあないさ。」

 「私も同じよ。」

 「でも近衛くんもあまりあれはよくないよね。」

 「ええまあ。どうにかしたいのは山々なのですが…」

 「わかりますよ。うちも同じです。」

 やはりみんな似たような悩みを抱えているようだ。同じような悩みを共有し合うのはいいことだ。しかし今改めて思えばこんな写真一枚だけでコロシアイに直結するのだろうか。要素としては薄いように感じる。

 「直樹くん。相席いいか?」

 考え事してたらすぐ横から巡間の声がした。断る理由もないのでそのまま通すと一礼してから席に着いた。

 「やはりみんなまずまずと言ったところか。しかしこれだけで事件が起きるものかどうか…」

 「あ、今思ってたそれ。」

 「そうか。まあ忘れたいと思うなら世間話でもするか。」

 「おい、そこいいか。」

 またまた横から声がした。今度は玉柏だ。巡間と同じく通す。他の人と比べて顔色の変化はうかがえない。

 ていうか料理少なっ!

 「こんなのにいちいち悩む必要ないだろ。」

 「絶賛悩み中の人の目の前でそれ言うの?」

 「知るか。俺はそれよりも自分の才能の手掛かりを探したいんだ。…が」

 ポケットに手を入れて何かを取り出す。写真だ。取り出してニヤリと笑いまたポケットに戻すと私たちに向き直る。

 「重要なヒントは得られた。それだけでもいい収穫だ。俺の予想が間違っていない証明になる。」

 「とか言ってまだ私たちに教えないんでしょ?」

 「当たり前だ。どうせいつかわかることを今教える意味なんてさらさらないな。」

 彼は本当に記憶を失っているのだろうか。ここまで来ると怪しく感じる。

 「そうだ、お前ら確認なんだが写真には二人写っていたか?」

 ん?どうしてそれを聞くのかな?いや確かに二人だけど。

 「二人だけど?」

 「二人だな。」

 「……お前らもか…悪い邪魔したな。抜ける。」

 「はやいな。もう少しゆっくり食べればいいだろう。あと副菜をだな…」

 「悪いが、お前らと違って俺にはやることがあるからそんな暇はないな。じゃあな。」

 巡間の説明を遮り彼は洗い物を済ませて食堂を去った。それに続いて橘も一人食堂を去って行くのも見えた。

 「…あの二人謎多いよね」

 「全くだな」

 

 *****

 

 夕食を終わり私は食堂に残って食後のコーヒーを飲む。食堂にはまたあの三人が残っていた。そして今回は金室もいた。ダグラスがトランプを5枚配ると近衛、渡良部、金室はそれを受け取り熟考する。ポーカーをやっているようだ。

 「二枚交換をお願いいたします。」

 「私は三枚。」

 「うちは二枚で。」

 カードを交換し、ディーラーも交換。………全部交換したよおい。

 「どうする?bet?fold?」

 「「「bet」」」

 「Wow同時!じゃあカードopen!!」

 カードが表になる。近衛と渡良部はスリーカード、金室はストレートだ。

 「じゃあミーのカードもopen!!」パッ

 「!!?」

 ダグラスの役は………ろ、ロイヤルストレートフラッシュ!??どんな強運!?

 「ねえダグラス(ドラ)これちゃんと混ぜた?」

 「ミーはイカサマをしないディーラーさ。そんな疑わないで欲しいね。なんなら全員にカードを切ってもらってもokさ。」

 まあ取り敢えずダグラスが強すぎるポーカーを眺めていた。この続きが気になるが、コーヒーはなくなっていたし夜風にでも当たりたい気分であったためそうそうに食堂を出た。

 

 

 

 

 その後、渡良部の驚きの声が聞こえて来たのは言うまでもない。

 

 

 *****

 

 外の噴水の前へ行く。噴水の音がどこか悲しくきこえて、まるでこのコロシアイの状況を嘆いているかのようだった。

 「機械的に流れてていいのかな…」

 「ダメだよ」

 ビクッとなった。鷹山だ。

 「運命に逆らえないみたいなことを言う人いるけど運命なんていくらでも変えられるよ。わたしはそう言う人たっくさん見てきた。受動的に過ごす生活に、わたし意味なんて感じないよ。」

 うわお。たった一言呟いただけでここまで考えられるのか。前の日にみた顔とはまるで違う。今の顔はまさに探偵の顔。キリッとしていてそして頼りがいのある。いつものこそあど言葉は全然。

 「世界はいつも謎や事件で溢れている。だから出たい。けどそれは絶対に正しくない。だって探偵であるわたしが殺人なんて起こしたら大変だから。」

 「…さすが。でもそうだよね。」

 「いつも生きていた当たり前の生活が当たり前じゃなくなるのって実はかなり恐ろしいんだ。わたしはいろんなところを転々としていたから場所の変化には強いけど、他のみんながそうとは限らないし。」

 そうだ。私も旅行していた時期が多いから環境変化にはそれなりに強い方だと思っている。だけれど江上は?灰垣は?阪本は?橘は?他のみんなは?もしかすると心の中では出たくて出たくて仕方がないのかもしれない。

 「みんながみんな強くない。弱くたっていい。けど弱いまま変わろうとしないのはダメ。弱い自分をどう強くするかを考えればいいんだ。きっと……いや何でもない。」

 最後のところすごい気になる。しかし詮索しなくてもいいだろう。探しすぎても彼女を困らせるだけだ。

 「じゃあわたし戻るね!お休み!」

 「うんお休み。」

 鷹山に小さく手を振って別れ、私は噴水をもう一度眺める。

 

 *****

 

 ザアァ……

 

 *****

 

 流れても

 

 絶対に

 

 コロシアイという運命に

 

 流されるものか

 

 *****

 

 

 

 ゾクッ…

 

 

 

 *****

 

 

 突然私は寒気に襲われた

 

 後ろを振り返ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マントを身に纏い鳥の嘴のような仮面を着けた謎の人間が噴水の先端、頂点と呼ぶべきだろうか。その人はそこに片足で立っていた。

 

 

 *****

 

 誰だこの人。仮面の目の部分は見えないように工夫されているからわからない。口元だって嘴のような部分でうまく見えない。その人は私をじっと見つめている(らしい)。私もその人の目(というか顔)から離さずに互いに見ていた。

 

 まるで決戦が行われる夜の如く

 

 しばらく、いやほんの数秒かもしれない。その人は後ろへ飛んで着地し木々がある方へと隠れていった。不思議に思ってその人が行った木々をしらみ潰しに探す。

 ところが誰かがいた形跡が全く見当たらない。誰かがいたこと自体が嘘のように。

 私には何がなんだかわからない。考えるのもメンドウニナッテキタ。

 部屋に戻ってシャワー浴びて寝よう。このことはもう忘れよう。

 

 *****

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「平気か………」

 

 

 *****

 

 

 

 

            to be continue…

 

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