表裏ダンガンロンパ ~共通とすれ違いの物語~   作:炎天水海

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第一章(非)日常編 始まりの4部屋目

 注意

 

 これはダンガンロンパシリーズの二次創作となっています。

 本編とは異なる設定が多々あります。

 あと主の文才は期待しないでください。

 

 それでも平気な方は次のページへどうぞお進みください。

 

 補足

 渡良部はモノヤギ以外の相手を麻雀の牌や役で呼びます。本編では度々麻雀について話すことがあるので彼女が他人を呼ぶときにはその人の名前にルビをふります。

 例:直樹→直樹(トン)

 他の人が相手を呼ぶときはそのまま読んでください。

 なおプロフィールに渡良部が相手を呼ぶときの呼び方を載せてありますのでそちらもぜひご覧下さい。

 

 

 *****

 

 4日目

 

 夢を見た。このマンションで閉じ込められてコロシアイをさせているとは思えないほど、あまりにも楽観的な夢。

 誰かはわからない昨日の写真の彼と私が一緒に野原を歩いている。何をしゃべっていたのか覚えていない。ただ穏やかに楽しそうに二人は話すだけ。

 こんな夢を見るなんてどうしてなのだろうか。考えてもわかるわけがない。

 おかげで目覚めはとてもよかった。でもなんか腑に落ちない。コロシアイが起きるかもしれないにも関わらず明るい夢を見てどれだけ気が抜けているんだろう。気引き締めなきゃ。

 シャワーを浴びて、着替えて、ストレッチして部屋を出る。食堂にちゃんと人はいるのだろうか…

 

 *****

 

 食堂に行くと珍しくダグラスではなく宮原がいる。腕を組んで背もたれに寄りかかって下を向いているから一瞬寝ているのではと疑いたくなる。だが校則で許されていないからその線はすでにない。ということは考え事かな?

 「宮原くん?」

 「……」

 あ、集中しているっぽい。このままにしておいたほうが…

 「ん?呼んだ?」

 「何その時差反応!?」

 前もそんなことあったような。まいっか。

 「いやそこで考え事でもしてるのかなって。」

 「まあそんなところだよ。今は…7時18分、わっ一時間経ったんだ。はやいな。」

 「6時くらいに起きたってこと?」

 「うん。俺どっちかというと朝型だから朝なら頭働くかなってね。で、一つ思いついたんだよね。これはみんなが集まってから話すよ。」

 宮原のアイデア、一体なんなのだろうか。気になるところだがまあ彼も集まってからと言っていることだし待とう。

 そういえば今気づいたけど宮原以外誰もここにいないような。料理の音は一切聞こえてこない。

 いやいやまさか。

 「ねえ宮原くん。近衛くんとダグラスくん知らない?」

 「二人は外にいるよ。陣は昨日のうちに仕込みを終えたらしいから朝の用意は彼が戻ってきてからでも平気だよ。」

 安心した。いつもいる人がいなくなると不安になる。よかった。そのあと宮原の言う通り近衛とダグラスが戻ってきてそれに続くようにみんながやって来て食事が始まる。橘は端にいるがまだ出る様子はない。

 「ねえみんな。ちょっと俺から提案があるんだけどいいかな?」

 宮原が声をかけみんなの視線が彼に移る。

 「提案?なんだ?」

 「昨日モノヤギからもらったこの写真に対してみんなそれぞれいろんなおもいがあると思う。だからきっとコロシアイが起きるって思う人もそんなことないって思う人いるんじゃないかな?」

 「そうだな。」

 「で、提案の中身になるけど、『夜時間以降の外出を禁止したい』んだよ。」

 「はい?」

 夜時間以降の外出禁止…なるほどそういうことか。

 「考えなくてもわかるでしょ。夜になる度にコロシアイという恐怖に怯える、おちおちゆっくり寝ていられない。なら俺たちの中でこういうルールを作っておいたほうが安心じゃないかな?」

 犯行が夜に起こるとも限らない。だがもし犯人が狙うならば夜だろう。この時間、何が起きるか一番わからないのだ。

 「俺たちの中でのルールだからモノヤギの作った校則と違って強制力はない。これはみんなの協力がなければ達成できないんだ。我が儘だけどコロシアイを起こさないためにも出来る限り協力してくれるかな?」

 「なるほど。僕たちの行動を制限することでコロシアイを防ぐ足掛かりをつくるわけか。いいんじゃないか?」

 最初に肯定したのは国門だ。

 「あたいも賛成だね。」

 「そうだな。」

 「賛成。」

 それに続くようにみんなが次々と宮原の提案を受け入れていく。二人を除いて。

 「俺は適当にやらせてもらう。夜ほど行動しやすい時間はないんだ。」

 「んな面倒くせぇルールなくてもいいだろうが。好きにすりゃいい。勝手に行動させてもらう。」

 謎組め。二人同時に否定すると互いをにらみ合う。こいつと一緒が気に食わないと。

 「そんな否定しなくても」

 「いやいいんだよ。さっきも言ったでしょ、俺の我が儘なんだ。」

 我が儘…とは何か違う気もする。

 「守ってくれる人がいるだけでも嬉しいよ。話はそれだけ。」

 笑顔で言う彼の裏は読めない。少なくとも私たちを陥れようなんて考えはないと思う。

 彼はみんなのことをよくみてるからお父さんみたいな立ち回りになる。本人は否定しているけど、こういう大人の包容力はあると落ち着ける。巡間も大人みたいな雰囲気だが、貫禄の違いは言うまでもないだろう。

 

 このあと特にこれといったことは起こらずに朝食は終わった。まあこのあとも何事もないのだろう。

 

 *****

 

 

 

 

 

 これが直樹の最初のフラグ建築であった

 

 

 

 

 

 *****

 

 ちょっと売店で本あるかな。そう思って寄ってみる。英語の本とかを読みたい気分だから。あ、国門がいる。まあこのマンションにあの人数、どこにいても誰かと会いそうだからいても不思議じゃない。彼は雑誌コーナーにいた。……美術雑誌?

 「意外。国門くんそういうの好きなの?」

 「ああ。まあどっちかといえばカレンダー目当てだけど。……え、いつからここにいた?」

 「気づいてなかったんかい!!」

 「悪い悪い。」

 「で、カレンダー好きなの?」

 「そりゃな。いつどの日に何があるのか見てるだけでもワクワクする。わかるだろ?日本のカレンダーと海外のカレンダーが実は全然違っているの。」

 すっごいわかる。国によっては一年が365日じゃなくて364日だったりする。

 「しかも宗教的に考えても僕たちの知らない行事がある。おもしろいだろ?」

 「確かにおもしろい。日常だと考えないよね。宗教とか特に。」

 しかしクリスマスは本来キリスト教の行事。

 「案外、灰垣くんと話合うんじゃない?」

 「合うぞ。キリストの誕生をお祝いするクリスマスあるだろ?あれ時期は違うが浄土真宗だと『花まつり』っていう行事らしい。正式には潅仏会って名前。こっちはお釈迦様の誕生をお祝いするんだと。」

 あ、聞いたことある。浄土真宗だとプレゼントはクリスマスじゃなくて花まつりに渡すのが普通らしい。まあ日本はクリスマスにプレゼント渡しているところ多いけど。

 「………カレンダー目当てって言ってたけど何をみてるの。」

 「出版社によって何が発売されるとか公開されるとか違うからそれの見分け。カレンダーのことなら誰にも負けないぞ。」

 「争う人いるの?」

 「いない」

 「おい」

 「いいだろ、僕自身が満足しているなら。」

 「まあそうだけど…」

 「でも足りないんだよ…あと100ぐらい欲しい」

 「多すぎだよ!!?」

 

 *****

 

 とりあえず一言

 

 疲れたッッ!!!

 

 あの後似たようなやり取りをずっと繰り返してたよ。どうツッコミ入れればいいのかわからなくなったよ!国門ってしれっとボケに走るんかい!ってなったよ!!ツッコミ追い付かないよ!!!立ちが悪いよ!!!!どうしてこうなった!!!??

 

 「奇行に走ってんじゃねぇよ翻訳家。」

 「知るか!!こちとらツッコミ切れないボケに一生懸命ツッコミ入れてる最中なんだよ!!」

 「うるせぇ!!こっちこそ知るかてめぇのんな事情!!!」

 バシンッ!!!

 はっ!自分のキャラが血迷った!あと痛い。左肩に杖クリーンヒット。

 「翻訳家、てめぇもう少し周り見やがれ。さっきから何だよ、無言で腕ブンブン振り回すわ頭で着地するブリッジするわ!!挙げ句の果てにはディーラーに向かって本投げつけて気絶させるわで!!あぶねぇだろうが!!」

 「えっ………」

 ちょっと待て。思い出そう。確か私は国門とのやり取りを終えて英語本を取って2階に上がったはずだ。そこで……どうした、どうしたんだ私!?朝食後は何も飲食してない。唐突にツッコミたい衝動に駆られて………あっ…そこから覚えてない…けど橘のおかげでわかったことは、『周りに人がいたにも関わらず動きだけでツッコミ表現をするという奇行に走っていた』ことと『ダグラスを持ってた本で気絶させた』こと。

 よく周りみたらゲームトリオ(近衛、ダグラス、渡良部)と阪本と鷹山いるし。私は何を思ってたんだ。顔が一気に沸騰して赤くなるのを感じた。

 

 ………

 

 「ごめん…」

 「謝る相手ちげぇだろうが馬鹿野郎。」

 「そうだね……」

 「ハンッ、あとのことは知らねぇ……クソねみぃんだよこっちは…」

 あくびしながら上に行く橘。いや、もう、うん、いろいろ申し訳ない…

 「直樹?大丈夫?」

 「阪本さん更に砕けたね…じゃなくて、いや、うん…」

 「割りと怖かったよ。橘も言ってたけど危なっかしくて。」

 「ダグラスくんにあれをあそこに当ててたよ。」

 「額だから。それ変な意味に聞こえるから。」

 「ツッコミホウキシテイイデスカ…」

 「しなさい(汗)」

 「恥ずか死ぬ…」

 いや本当に恥ずか死ぬ。

 「……近衛くん。」

 「直樹殿。如何なされましたか?」

 「ダグラスくんは平気?」

 「ダグラス(ドラ)は平気。額若干赤いけど…」

 「……………昼ご飯部屋に持ってきてもらってもイイデスカ…」

 「かしこまりました。」

 「(汗)」

 「みんなに合わせる顔がない…」

 片手で顔を覆って私は部屋に戻った。

 

 *****

 

 部屋に入ってとりあえずベッドにダイブ。悶えます、悶えます、悶えるんです。ゴロゴロしながら悶えます。枕抱きしめながら悶えます。手足バタバタさせて悶えます。

 何事もない朝!?あったっけねそんなこと!!スッゴい恥ずかしかった!私こんなに周り見えなくなるタイプだったっけ!?忘れた!そんなことどうでもいい!いやぁあ恥ずかしい、スッゴい恥ずかしい!

 

 ……寝るか

 

 そんなわけで私はシエスタに入ることに。でもシエスタって…いいや自分に突っ込むのもやめよ…

 

 *****

 

 んんんーー!!!

 よく寝た。時間を確認するとちょうど15分経った頃。シエスタにはちょうどいい時間だ。多少スッキリした。

 

 コンコンコン

 

 扉をノックする音が聞こえる。ベッドから出て扉を開けると渡良部がいた。その手には昼食が。

 「直樹(トン)、大丈夫?」

 「うん、まあ平気。」

 「そう。じゃ入るよ。」

 「え、あ、うん。………ファッ!?」

 流されるままに会話してたら普通に渡良部が部屋に入ってきた。よそ見してたらもう部屋の真ん中にいるし。

 「料理届けにきてくれただけじゃないの?」

 「バカ。私もお昼まだなの。てか今12時になったばかりだし。もう少ししたら近衛(リーチ)が私の分ここに運んでくるから。」

 あっはい。ツッコミどころ多いけど放っておこう。

 「ふふっ。」

 突然笑われたなんでやねん。

 「なんで笑ったの?」

 「いやぁ?だってあのときのあんたの姿を思い出すと笑えてきて。」

 「嫌味か。」

 「あんた誰かかれかのボケ混じると性格変わるでしょ。『知るか!』なんて普段言わないじゃん。」

 「う、確かに…」

 「言葉の遣い方に関してはあんたのが上だからどうこう言わないけど。今思うと傑作。」

 ケラケラ笑う彼女。反論できない…

 話しているとまたコンコンコンと扉のノックが聞こえる。誰かはわかっていたが近衛だ。渡良部の料理を受けとると彼は、食器は部屋の前に、と言ってそのまま戻っていった。渡良部の料理を彼女の前に置いて食事開始。

 「さぁてと、じゃあ話そうか!」

 「何を?」

 「共通項まとめ。あんた、見せなくていいから昨日の写真について教えて。」

 渡良部は何を考えているのだろうか。

 「写真には二人写っていて、そのうちの一人は私だった。その写真を見た直後に激しい頭痛に襲われて幻覚を見た。ってところかな。」

 「それくらいで大丈夫。やっぱりそうか…」

 「?」

 「ダグラス(ドラ)近衛(リーチ)からも聞いたけど、そうしたら二人ともあんたと同じ回答してた。」

 「つまりこの写真はその人に何らかの作用があるってこと?」

 「さあね。私は頭脳派だけど鷹山(ハク)と違って探偵みたいな推理なんて出来ないし。でも」

 食事中の手を止めて私に指差す。…自分で頭脳派言うんかい。

 「間違いなく『記憶』は関係している。」

 私の写真に写っていた見覚えのない男子のことを宮原が知っているように。玉柏が心当たりのある写真であったと言ったように。彼女の言う通り記憶は少なからず関係している。

 「問題はそれが私たちをコロシアイに引き込む要因になるかどうか。」

 「昨日の写真が動機として出されているから、コロシアイが起きる可能性はゼロじゃないんだよね。」

 「現時点で誰か変わってる様子もないし、『今は』まだ大丈夫かもね。」

 今は(・・)か…今わざと強調した。まあわかる、言いたいこと。

 「ごちそうさま。じゃ先に戻る。食器部屋の前にっていうのは聞いてるしょ?」

 「渡良部さんのやつ受け取ったときにね。」

 「ならオッケー。んじゃ、頑張ってよ。『東のツッコミ女王』」

 自分の食器を持って彼女は部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 ……………

 

 

 

 

 

 東のツッコミ女王ってなんやねん……

 

 

 *****

 

 朝からもうドッと疲れが溜まってる。昼食を部屋の前に置いてそのまま自分は部屋でゴーロゴーロダーラダーラしてる。体に悪いとわかりつつも。ヨガやってようかな…いや今そんな気分じゃない。動くことすらダルいんだ…けど適度に動かないと…あ、外いけばいいか。散歩がてら昼寝できる。モノヤギは自室以外の施設内の就寝を校則で禁止しているから外は多分大丈夫のはず。

 

 よし

 

 *****

 

 昼寝前提かよというツッコミは置いといて外へ。出ると玉柏が芝生の上で寝ている。外は安全圏だったことに安堵するとともに初日と同じ場所で寝ている彼に思わず口角が上がる。起こさぬようにと隣に座って空を眺める。壁に囲まれているにも関わらず空だけはハッキリと私たちの目に見える。不思議だ。

 

 ああこんなにも綺麗な空なのに、私たちの置かれている現実は何でこんなにも曇っているのだろうか。

 

 私はそのまま芝生の上に転がり眠りにつく。どうしても変えられない現実にどうすればいいかを頭の片隅で考えながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 ***

 

 

 目覚めると夕焼けが目に飛び込んでくる。もう夕方なのか。今さらながら今日私寝てばかりじゃん。ん?あれなんだろうこのタオル。いつの間にか私にかかっていた。

 「いつまで寝てんだ。」

 「あ…」

 上から声がしてきた。隣で寝ていた玉柏が起き上がって声をかけてきたのだ。

 「気づいたらお前横にいるってどういうことだよ。びっくりするだろ。女ならもう少し警戒しな。」

 「…ありがとう。もしかしてこのタオルも?」

 「俺のただのお節介。お前風邪でも引いてみろ。巡間がいて治療はできるだろうとは思う。けど医務室は夜時間にしか開いてない。」

 「待って。今なんて言った?」

 「ああそうか知らないか。昨日の夜に探索したんだ。で、医務室にも手をかけてみたら開いていたってわけだ。」

 医務室は夜時間に開いている…

 「その事実知っているのは…」

 「俺だけだ。人に言うのはお前が初めてだな。誰かに言うなよ。情報漏洩だけでもコロシアイに干渉しかねない。」

 つまり現時点での医務室の件は二人だけの秘密ということか。玉柏はきっとみんなのことを信用していないわけではないのだろう。だが知られれば知られるほど医務室の中の状況によっては…ということ。

 「わかった。誰にも言わないよ。」

 「助かる。さて、そろそろ飯だな。お前昼間いなかっただろ?顔出しとけよ。」

 「……ハイ」

 うん、いい加減みんなに顔出そ……

 

 *****

 

 「直樹さーん!」

 食堂に入ったと同時に江上に声をかけられる。もちろん拒むわけにはいかないので料理をもらってから彼女のもとへ行く。

 「もう心配したよ。私情でって何があったの!」

 「…ワタシガアバレタダケデス…」

 「暴れてそうなるの!?」

 はいそうなります。

 「いいんだけどね…周りみえなくなるのはよくあることだし。一つのことに集中しちゃうのも分かるよ。でも考え方はたくさん必要だよ?」

 「どういうこと?」

 「ええっと、数学の世界だと応用の利く考え方は必要なの。式変形で難しい問題も簡単に見えちゃうやつもあるし、公式使えばきれいに済んじゃうやつもある。けど敢えて別のことをしてみるのも面白いんだ。それこそ図形なんてベクトルとか図形知識とか、高校レベルならだいたい4つの答えの導き方がある。一応言うけど中学校の図形知識で高校の問題解けるからね?」

 「うっそ…」

 数学苦手だし文系には縁のない世界だ…

 「まあ何が言いたいかっていうと目先のことだけに囚われて他のところ疎かにしたらダメだよってこと。あと有名な数学者『デカルト』は昔こんなことを言ったよ。『困難は分割せよ』ってね。」

 「一人でなんでもかんでも抱えるなってこと?」

 「今のあたしたちの状況から考えれば、難しい課題が多いから少しずつでも解ける糸口を見つけようってこと。もちろんコロシアイ以外のやり方でね。」

 数学者である彼女なりの考え方。

 「数学的には図形を分割するとかそんな感じの意味合いになるけど。」

 数学的であってもどんな考え方でも江上の言う通りだ。

 「だからと言って昨日の写真についてはどうも言えない。あたしなりの考え方でこの状況を越えるよ!!」

 明るく元気に言う江上。食堂のライトがうまい具合に当たってスポットライト浴びているように見える。それだけ今の彼女は輝いて見えた。

 

 *****

 

 あれから何人かの人に心配されたりとかして部屋に戻った。そのやり取りも疲れた。今日は自分から地雷に踏み込んでしまい猛反省したよ。

 昼寝とかしてたから今日ほぼ何も出来てない。明日こそしっかりやろう。

 

 *****

 

 

 

 

 

 しかし、悲劇は突然だった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 5日目

 

 ピンポンパンポーン!!

 

 ああいつものアナウンスか。でもなんか早いような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『なァーっはっはっはァ!!死体が発見されたであーる!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『一定の捜査時間の後ォ、学級裁判を開くであーる!!』

 

 

 

 あれ?いつものアナウンスは?うそ?死体?どういうこと!?

 私は部屋を飛び出した。

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 エレベーターなんて使わなくていい。階段で降りよう。どこで起きたかわからないけど食堂ならみんな集まる場所だしそこに行けば!一階に着く手前で渡良部の姿が見えた。…でもいつもの強気な彼女はいなかった。膝を地面について誰かにすがっているようだった。

 一階に着けば渡良部の他にも近衛とダグラスの姿があった。渡良部は近衛に支えられていた。ダグラスはエレベーターを見つめたまま放心状態だ。

 「どうしたの!?」

 「な、直樹殿…クッ……」

 「え?」

 「…覚悟してエレベーターの中をご覧ください。」

 苦い顔する彼は私にそう促す。なにが起きたなんてもうわかってる。怖い。見るのが怖い。心臓がバクバクみんなに聞こえるかもしれないくらいなっている。手が震える。でも、勇気を出してエレベーターのボタンを押してみた。

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 扉が開く

 

 その瞬間漂う血の匂い

 

 真っ白に染まっていたのに

 

 真っ赤に染まって

 

 自分の血も奪われたように

 

 そこにはおびただしい量の血液が

 

 あの笑顔は何処へ?

 

 あの勇気は何処へ?

 

 何も考えられない

 

 前向きなあなたは

 

 何処へ?

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 いやあぁぁぁあああああ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 思わず私は叫んでいた

 

 絶望が始まった

 

 近衛も

 

 ダグラスも

 

 渡良部も

 

 信じられない顔で

 

 それを見つめるしかない

 

 それしかできない

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “超高校級の探偵”鷹山麻美子は槍で貫かれて絶命していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 

 「クックックックックッ………」

 

 

 

 

 

 

 「ヒィッヒッヒッヒッヒィ……」

 

 

 

 

 

 

 「始まったな…」

 

 

 

 

 

 

 「始まったであーるなァ…」

 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

    絶望による「本当の茶番」が

 

 

 *****

 

 

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 第一章 非日常編 盾の悲劇と矛の罪

 

 

 

           to be continue…

 

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