壊れた少女達と一人の狂転生者   作:ムリエル・オルタ

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本編
プロローグ


転生。神様によって誤って殺された人間がある程度自由のきいた世界で生前出来なかったことを成す。そんな物語が多いだろう。かく言う私もその一人だ。精神科医として様々な精神疾患を患った患者と向き合ってきた。

 

何不自由ない生活。生憎独身だったが別に気にすることも無かった………………………………と、言いたいがコレばかりは気にしていた。まぁ、それは今はどうでも良いだろう。私は突然死んだ。

良くあるトラックに跳ねられるだの、友人や幼馴染を庇って死んだとか、そんなものは無かった。ただいきなり、例えるならテレビを大本のコンセントから思いっ切り引き抜いた感じだ。なんの予告も無くブラックアウトした。

 

じゃあ、次は真っ白な空間か?と聞かれれば否と答えよう。私は全方位真っ白な空間には居なかった。ただ、真っ暗な世界でただ声が聞こえた。「此所でお前は死ぬはずでは無かった」とね。

小説だったら「だったら生き返らせろ!」等と言ってのける猛者も居るが実際言えるかい?私は無理だった。精々「はぁ」と間の抜けた返事が精一杯だったよ。

 

話は私が茫然自失……………いや、ただ呆然としている間に進んでいった。「残る世界は此所だけだが、仕方があるまい。お前の記憶の中で一番思い入れのある存在を二つ特典として送る。それで、精々狂った世界を生き抜けよ」なんて言われて次に目が覚めれば私は何処かの路地裏で雨に濡れていた。

 

水たまりに映る私の顔には見覚えがあった。私が患者から薦められて唯一やっていたゲームFGOに出て来た新宿のアーチャー。ジェームズ・モリアーティ。つまり、アラフィフだ。生前の私は29歳だった。アラサーになりそうだったが流石にアラフィフは無い。精神科医として鍛え上げられた精神が一瞬にして粉々に砕け散る音を聞いたよ。

 

さて、私のそんな身の上話はコレにて終演。なに?もう少し聞きたいって?嫌だね。私は自分語りが一番嫌いさ。

ただ、コレだけは言わせて貰おう。狂った世界で私は気が付いたんだ、私自身既に狂っているってね。

 

「彼女たちは『先生が来るなら』と言っていまして、来て頂かないと学園が下手すると血の海に」

「別に良いんじゃ無いかな?血の海になる理由はそちらにある。そもそも、壊した(・・・)のはそっちだろう?何故一方的に私達が君たちに配慮しなくてはいけないのかね?」

「そ、それは…………………」

 

私の前にはとある学園(・・・・・)の裏の学園長をしている男が座っている。男の顔は真っ青になり、額には脂汗が流れている。

 

「しかし、彼女たちは私の大切な子達だ。お前達が死ぬのは勝手だが彼女たちは殺させはしない」

「それは、存じています。ですが……………………!」

「そちらの都合を私達に押しつけるな。だが、彼女たちの頼みだ。良いだろう」

「では!」

「あぁ、IS学園に行こう」

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