動画を最近初めて見ました。
動画をみた素直な感想、
①クリア、ムリじゃない?
②うp主は達人!?
③目がー!
優希「ゼェーッ……、ゼェーッ……、ゼェーッ……」
長い階段をようやく上りきったのはいいけど、息は切れ切れ、汗はダラダラ、喉はカラカラ、足はパンパン。
自分の体の重さと体力の無さを今日程恨んだことはない。「ちょっと一休み」にと、傍にあった鳥居に手をかけて休んでいると、黒髪に赤い大きなリボンをのせた赤い服の女の人がニコニコしながらやって来た。服と大きな白い袖が分離しているせいで肩と脇が見事に露出。寒くないのかな?
その奇妙な服装に疑問を抱いていると、
??「お水です。どうぞ」
清々しい笑顔でコップが乗ったトレイを僕に差し出してきた。コレ、「僕に」って事でいいんだよね? 他に誰もいないし。優しい人だな。でも同じトレイにある貯金箱みたいな、小さな賽銭箱(?)が気になるところではあるけど……。
優希「ィ、ィタダキマス……」
お言葉に甘えて、ありがたくコップに手を伸ばし
ごくっ、ごくっ、ごくっ……
一気飲み。枯れた喉にスーッと染み渡る冷たい水。旨しッ! はぁ……助かった。
優希「アリガトウゴザイマシタ……」
感謝の言葉と共にコップをトレイに戻すと、
??「では、感謝の気持ちをこちらに」
小さな賽銭箱をズイッと押し付けてきた。
優希「へ!?」
僕、目が点。そして薄々察しました。コレってつまり……
??「お気持ちで構いませんので」
やっぱりーっ! あの笑顔の実態は「金ヅルみっけ」という事だったのだろう。僕のこの人への株価は急転直下。「騙された」とか「カツアゲ怖い」とかそんな気分に。急に「金出せ」と言われても、持って来ていないし、何より……
??「霊夢! あなた何してるの!」
そこへ助け舟。アリスさんが奥の境内の方から怖い顔をしてやって来た。
??「チッ……」
優希「え? レイム? こ、この人……? 今舌打ち……」
ギロッ!
思いっきり睨まれました。ごめんなさい。僕の勘違いです。空耳です。
霊夢「何もしてないわよ。ただこの人が、息は切れ切れ、汗はダラダラで、かなり気持ち悪かったけれど、喉がカラカラみたいだったから、お水を差し上げただけよ」
今思いっきりディスられました。そんなにはっきり言わなくても……
アリ「本当に? 優希さん、お金請求されませんでしたか?」
心配してくれるアリスさん。ここははっきり言った方がいいよね?
優希「え、えっと……」
ギローーー……ッ
霊夢さんがこれまた思いっきりこちらを睨んでいる。言いません。言えません。その先は。
優希「へ、平気でしたよ」
結果、霊夢さんの威圧に圧倒されて事実とは180°異なる事実を。
霊夢「そうよ、私は
最後の『ネー』を強調しながら、尚も鋭い目つきで同意を求めて来る。これって脅迫だよね?
するとアリスさんは大きくため息を吐き、
アリ「もう……霊夢は見境ないんだから……」
全てを察している様な言葉を残した。そのお言葉、僕は凄く救われた気がします。
アリ「霊夢、この人がさっき説明した優希さんよ。優希さん、コレがさっき話をした霊夢です」
霊夢「初めまして
優希「ゅ、優希デス……」ドキドキ
アリスさんの仲介でお互いに自己紹介。と、そこへ
??「優希―! お疲れちゃ~ん!」
アリスさんが来た方角から魔理沙さんが、山○十平衛が持っていそうな、大きな煎餅を咥えながら、手を振って
バリッ
魔理「はいはんはらはっはろ?」ボリボリ
優希「はい、階段長かったです。大変でした」
バリッ
魔理「ほおはいはんおへいえ、はへほおおひあほはいんはお」ボリボリ
優希「この階段のせいで? 誰も、来ない? そうなんですか」
アリ「魔理沙、口に物を入れてしゃべらないで。いつも言ってるじゃない。女の子でしょ?」
霊夢「あんたも良く分かるわね。もはや暗号よ」
行儀の悪さに耐えられなくなったアリスからの注意に、魔理沙さんは
バリバリッ、ボリボリッ、ゴクッ。
煎餅を早食い。そして何食わぬ顔で、
魔理「で、いつ帰せるんだ?」
唐突に本題へと移った。
霊夢「ホントにあんた突然ね」
優希「帰れる……んですか?」
霊夢「安定した結界をほんの少し調整して、その間に外の世界に行けば帰れるわよ」
アリ「よかったですね」
優希「はい……」
アリスさんにも笑顔で言われたけど……正直複雑だ。「帰りたいか?」と聞かれれば、そうでもない。「帰らなければならない」と思えば、渋々。「帰れ」と命令されれば、きっと素直に従うだろう。そんなフラフラ、ゆらゆら揺れる優柔不断な考えの中、
霊夢「で・も!」
霊夢さんが逆説の接続詞をはっきりと、強めに言い放った。
『???』
僕、アリスさん、魔理沙さん、「何か?」状態。
霊夢「今すっごい不安定だから当分ムリ」
優希「え? 当分ってどれくらいですか?」
「今はまだ帰れない」そう言われて、少し嬉しかった。安心していた。現実逃避だった。けど
霊夢「少なく見積もっても2~3年ってとこね」
『えーーーーーッ!?』
さすがに年単位だとは思わなかった。
霊夢「残念だけど、これが今の状況なの」
魔理「何が原因なんだze☆?」
霊夢「それが分からないから、昨日も昼からあちこち飛んでいたのよ」
優希「僕……これからどうすれば……」
アリ「優希さん……」
霊夢「今アリスの家にいるんでしょ? ならそのまま世話になれば?」
魔理「そうだ! それがいいze☆」
優希「いやいやいやいや、あなた方は別にいいかも知れませんけど、僕なんかがずっといたら、アリスさんにご迷惑を……」
これは本心ではない。
誰だってアリスさんみたいに優しくて、綺麗な人と一緒に一つ屋根の下で生活できるとなれば喜ぶだろう。でもそれはこちらの意見。アリスさんはそっと静かに過ごしていたいはず。だから邪魔をしてはいけないんだ。
優希「アリスさん、気にしないでください。僕が何か方法を見つけますので……」
アリ「ゎたしは、……けど」
優希「?」
アリ「……」
優希「??」
アリ「………」
優希「???」
アリ「………ゃ」
優希「????」
アリ「わta………ゃ」
優希「??????」
アリ「わ、私と一緒じゃ……イヤ、かな?」
イイエ! ぜひ! 喜んで!
当面の間、アリスさんのご好意に甘えて、引き続きお世話になることに。もう天にも昇る気持ちです。ただ、服やら下着やらが今着ている物しかないので、これから『人里』と呼ばれる場所へ買い物に行くことになった。
けど――
魔理「おまえ昨日からその服装だったのか!? おえっ……」
霊夢「人としてどうなのそれ……」
後退りで距離を置かれるは、白い目を向けられるはで完全に汚物扱い。汚れているには間違いないのだけれど……
優希「新しい服を買いますので、その目をやめて下さい……」
もう泣きたい。
魔理「じゃあとっとと行こうze☆ あ、言っておくけど、魔理沙ちゃんは乗せないからな! さっき息は切れ切れ、汗はダラダラで、その上、昨日から服を着替えてない! そんな気持ち悪いのはご勘弁だze☆」
もう泣いてもいいかな?
霊夢「人里はここを下って、道なりに行けば着くんだから、みんなで歩いて行けばいいじゃない」
霊夢さんからの提案。魔理沙さんとアリスさんには迷惑を掛けてしまうけれど、僕が汚物状態である以上、仕方のない事。でも、魔理沙さんは……
魔理「歩くのは面倒だze☆」
それすらもバッサリ。
魔理「魔理沙ちゃんは、ゆっくり低空飛行だze☆」
アリ「もー……好きにしなさいよ。優希さん。安心してくださいね。私は歩きますから」
アリスさんがにっこりとほほ笑んでくれた。ホントいい人。この2人とは大違いです。と、ここで思い出す問題点。
優希「あ、でも僕ここのお金持ってないです」
そう、この世界の通貨事情。霊夢さんに「金出せ」って言われた時に、頭を過ぎった事。「お金って、僕の世界と同じ?」という事。そんな僕の疑問に、3人は「そう言えば」といった表情を浮かべ、
霊夢「アリス今いくらある?」
アリ「少しだけ、家に戻ってもあまり……」
魔理「魔理沙ちゃんはセロだze☆」
緊急会議。でも、3人とも手持ちがあまりないと知ると、
霊夢「はぁー……しょうがないわね。ちょっと待ってなさい」
霊夢さんはそう言い残して、境内へと歩を進めていった。
--オタク待機中--
数分後、戻って来た霊夢さんの手には、短冊の様な物が。
霊夢「私の霊力を込めたお札よ。必要な物をコレと交換してもらいなさい」
優希「物々交換もアリなんですね」
霊夢「本来はあまりやらないわ。でもこの際は仕方ないじゃない。このお札は魔除けの効果が抜群だから、必要な人からすると結構な価値になるはずよ。そういう人を探して売れれば話は早いけど、いなければ店で直接交換しなさい」
優希「ありがとうございます」
霊夢「人を見る目と交渉は、そこの2人に任せるといいわ。あんたそういうの苦手そうだし」
よくわかりましたね。そうなんです。コミュニケーションは大の苦手なんです。
霊夢「それとコレ。あんたに」
優希「ああありがとうございます。え、えっと……お、お守り?」
お札と共に渡されたのは、掌サイズの『博霊神社』と書かれた赤い小袋。誰が見ても思うだろう。「コレはお守りだ」と。
霊夢「それにもお札が入っているわ。しかも超強力なね。幻想郷は平和そうに見えるけど、厄介なヤツ等もいるから、肌身離さず持ってなさい」
優希「は、はぁ……」
霊夢「じゃあいってらっしゃい。魔理沙、アリス、コイツの事任せたわ」
『はーい、いってきまーす』
霊夢さんに見送られ、目指すは人の集落『人里』。どんな所なのか今から楽しみです。
--優希達が去った博霊神社では--
友人2人と外来人を見送る彼女。1人残った彼女は、3人の姿が完全に見えなくなったタイミングで、
霊夢「
まるで独り言の様に、まるでその者がそこにいるかの様に、その名を
紫 「呼んだかしら?」
霊夢「アレ、渡したわよ。アイツがそうなの?」
紫 「ええ、彼がそうよ」
霊夢「アリス……大丈夫かしら……」
公式設定でも幻想郷の妖怪は
人間を襲うことがデフォルトみたいですね。
次回:「人里で」
いよいよ人里デビューです。