これはヤツから聞いた話だ。
【パルスィ談①】
あの後?
ヤツ「ルううううああああぁぁぁぁ。。。……☆」
何回も勇儀に投げられていたおかげ……なのかな? その辺は上手いことやれたよ。キスメは止まらなかったらしいけど。で、どうやったと思う?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
渡る者の途絶えた橋。
地下666階、逆さ
そんな橋へと近づく小さな影が一つ。宙に浮いてるところから察するに、地底に寝床を構えるコウモリだろうか? もしくは行き場を失って迷い込んだ鳥だろうか?
否、どちらでもない。その正体は立ちはだかる敵を
やがて彼女は舞台となる橋へと差し掛かった。相変わらずアクセル全開のまま通り過ぎるのかと思われたその時、
キキィィィーーッ!
突然の緊急停止。どうやらブレーキは持ち合わせていたようだ。そして
彼女「!」
光の壁が。いや、青い光を放つ弾丸が高密度となって押し寄せていたのだ。打って変わってゆっくりとした速度で一つ、また一つと慎重且つ的確に
彼女「あぶなッ」
だが少しでも気を抜けばこのあり様。被弾寸前、余裕などない。
彼女「ふー……、一時はどうなるかと——」
どうにか無事逃れたようである。額に
??「『
何処からか聞こえた声は明らかに開戦を宣言したもの。
やがて次々と現れてはその場に
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【パルスィ談②】
ヤツ「止マレーーーエッ!!」
妖力乱射してその反動でブレーキをかけたの。
ヤツ「『嫉妬:緑色の目をした見えない怪物』!」
じゃなかったらそのまま壁ドンだったから。
ヤツ「へぶっ」
でも妬ましいことに、止まりきれないで雪山に突き刺さったんだけど。さあね、誰かが
ヤツ「冷たい……寒い……妬ましい……」
それが橋の手前辺りでの事。その時にはもう彼女の姿がしっかりと見えてたよ。
ヤツ「あれが……彼女が博麗の……」
彼女が地上で起きた事件を解決して来たんでしょ? とてもそうは見えなかったから、最初「本当に彼女が?」って疑ったよ。けどキスメとヤマメの二人でも手に負えなかった相手、だから一応警戒はしてた。
ヤツ「もしかして人間? 人間が旧都に何の用?」
偶然を
ヤツ「『
キャパオーバーしてぶっ放してた。
そうだよ、私のスペルカードの由来は童話の『花咲か爺さん』と
ヤツ「『
『舌切り
どうしてか気になる? 大した話じゃないよ。もうずっと前、アイツがまだ小さかった頃の話なんだけど、当時勇儀が罰の祭り当番をしていて、代わりに私達が交代でアイツとお祭りを回ってたじゃない? その時に————
??「パルパルあっちいこ。いいにおいする!」
ヤツ「もう食べ物はなしだから」
??「えー! ケチー」
ヤツ「さっきヤマメと回った時にいっぱい食べたんでしょ? 焼きそば、焼き鳥、おでん、串焼き、串揚げ、あと玉コンニャク。子供のクセにお酒のツマミばかり食べて……妬ましいわ!」
??「りんごアメとわたアメもたべたよ」
ヤツ「余計に妬ましいわッ!」
??「あと一つだけ」
ヤツ「ダーメ。勇儀にも言われてるの」
??「お・ね・が・い♡」
ヤツ「うぐっ……」
??「ね、ね、ね?」
ヤツ「妬ましい………………これで最後だから」
??「ヤッター! パルパル
ヤツ「今、何か言った?」
??「べつにー。ん? コレ……」
ヤツ「どうしたの? 絵本?」
??「『はなさかじいさん』と『したきりすずめ』だよ」
ヤツ「何それ?」
??「えー、しらないの?」
ヤツ「逆に聞くけど何であんたが知ってるのよ?」
??「ここくるまえ……ねるときにママが……」
ヤツ「ふーん、ちょっと貸して」
————立ち寄った古本市でアイツがその絵本を見つけてね、「知らないなんて変」みたいな事を言い出すから読んでみたの。そしたら無性に妬ましくなって来てさ。
勇儀あの話知ってる? どっちの話にも動物が出てくるんだけど、その動物が近所の人にイタズラして仕返しされるの。そんなの当たり前でしょ?! それなのに同情した飼い主には宝とか上げるくせに、仕返しした方には散々な目に合わせるの。そこは
痛たー……。別にいいじゃない、昔話の解釈なんて人それぞれなんだから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
緑眼のジェラシー。
彼女「?」
だがそこまで。蛇は獲物を食べる事もなく、狩る事もなく、まるで何事も無かったかの様に姿を消していた。静けさに身を預けて呆然と
??「もしかして人間?」
声。
??「人間が旧都に何の用?」
橋の反対側、薄暗い影から姿を現したのは、黄色のショートヘアで緑色の瞳の少女だった。彼女は瞬時に悟った。さっきの度重なる攻撃はこの者の仕業であると。だが今彼女の前にいる者からは敵意は感じられない。それでも警戒を解く事なく、相手のペースに合わせて会話を進めていく。つまり様子見、本当にこの者が自分にとって障害となりえる者なのかどうかを。そして彼女が下したジャッジは……
彼女「(普通だ)」
そう、普通だった。それはRPGでフラグも立たないくらいの、村人Aくらいの存在感。だが地上からの指示は「その者を倒せ」やら「先に進め」といった無慈悲かつ無情なもの。さらに聞けば目の前の少女は嫉妬心を操る妖怪であると。この時彼女は思った。
彼女「(嫉妬ってなんだろう?)」
と。嫉妬とはやきもちである。他人が自分より恵まれていたり、優れていることに対してうらやましいと思う感情の事である。その言葉の意味は彼女も知っている。
彼女「(やきもち……うらやましい……)」
目を閉じて自分に尋ねる。そう思う事、思える事が日常生活で転がっているのかと。
彼女「ない」
彼女は今の自分とおかれた環境に満足していた。騒がしくても、クセが強くても、少々面倒でも、笑顔で向き合える友人達の存在と、自由気ままに過ごせる日々に。そしてたまに起きる『異変』という名の刺激に。
つまり、彼女に厄介な能力は効かないという事。
ニヤリと微笑む彼女。「恐るるに足らない、楽に勝てる」と勝利を確信したのだろう。だが彼女はすぐに己の浅はかな考えを改めた。
??「パルパルパルパルパルパル……」
ブツブツブツブツ呟く毎に増してゆく負のエネルギー。これまで相手をしてきた怨念が放つものと似てこそいるものの、全くの異質。それでいてなんと
??「ぎゅー……。ほっぺチュー……」
彼女「は?」
??「忠告したのに……。話を聞かないとか……」
彼女「ちょ、ちょっと?」
??「なんかもう色々と妬ましい!」
嫉妬を操る能力、それは他人の嫉妬心を操る能力。そして自身の嫉妬心を
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ヤツから聞かされた話では、戦闘で使ったスペルカードはあの二枚だけ……、いや「二枚
私 「バカな早すぎる!」
早すぎたんだ。ありえなかったんだ。当時私はその事に「入れ違いになったのか?」と疑問に思った。でも、もしそうならヤツが後から追いかけて来るはず。だがその様子は一向に無かった。それよりも私が彼女の相手をしてから間もなく……。
私 「(な、何で今!?)」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【パルスィ談③】
彼女の服装? なんか不思議な感じだったよ。初めて見たから分からないけど、博麗の巫女ってあんな格好なの? 冬なのにフリフリした服装で。寒くなかったのかな?
そうそう、あったあった。大きなやつがぷっくりと。あの時は特に気にもしなかったけど、アレがそうなんでしょ?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
目を疑った。私の視線の先、橋の上で繰り広げられていたのは
私 「(大きな葛籠と小さな葛籠?!)」
混乱した。困惑した。思わず動きが止まった。
でも予測できた。底知れぬ不安に駆られた。彼女は、待ってなどくれなかった。
彼女「スキありっ!」
私 「あぶなっ! いきなり何するんだい!?」
彼女「は? 余所見する方がいけないんでしょ?」
私 「このヤロー……、つくづく」
そしてその答えは間もなく明かされた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【ヤマメ談②】
えーっ、そうだったの!? 全然気が付かなかった。きっとドームの中にいたからその時に……。
【パルスィ談④】
髪の色? 私と同じ
うぇーェエッ!? じゃ、じゃあ彼女……誰?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
旧都の存続が危ぶまれたあの日、地上からやって来たのは、
??「手こずってるみたいだな霊夢」
私が相手をしたのは、
??「手ぇ貸すze☆」
一人ではなかった。
彼女「魔理沙……」
STAGE CLEAR
CLEAR BONUS
2人目の自機
【次回:裏_七語り目】