東方迷子伝   作:GA王

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外に出れない
お店に行けない
書けない……。

どうにかして欲しいこの悪循環。


表_十六語り目

 スペルの連続発動。それも強力な二つを。そのコストたるや二つ合わせて通常スペル四つ分、そう易々と放てるものではない。だからこそ彼女は友人に全てを(たく)し、背後で着々と準備を進めていたのだ。意識を集中させ、力を(たくわ)え続けていたのだ。

 

紅白「捕まえた!」

 

 巫女を中心に展開される陣は麗人をしかりと範囲に収め、術の込められた札を無数に吹き上げる。巫女達の反撃の狼煙(のろし)が上がったのだ。

 ペタリ、ペタリと張り付いていく札の数々。隣り合い、ひしめき合い、時には重なり合いながら、術の強度を上げながら、確実にターゲットの動きを封じていく。

 やがて麗人の表情までもが(うかが)えなくなった頃、待望のその瞬間が訪れた。

 

麗人「ア゛アアアー!」

 

 一帯に響く声は気の込められた雄叫(おたけ)びなどではない、激しい苦痛に(もだ)える断末魔。術の込められた札に体の隅々を拘束(こうそく)された上に、巨大な陰陽玉が直撃しては鬼と言えども、四天王と言えども、怪力乱神の能力を持とうとも、ただでは済まない。

 

紅白「(終わった……)」

 

 苦戦を強いられた(たたか)いにもようやく決着が、彼女はそう予感していた。いや、確信めいたものを(いだ)いていた。

 

紅白「!」

 

 しかし直後、彼女の背筋に悪寒(おかん)が走った。決して体調や気温によるものなどではない。ではなぜか?

 

白黒「冗談キツイze★」

 

 彼女は見てしまったのだ。全身を札でビッシリと(おお)われながらも、聖なる光に身を焼かれながらも、口に張り付いた札を()()め、(わず)かな隙間(すきま)から鋭い眼光を放つ——

 

紅白「やっば——」

 

 鬼の姿を!

 

白黒「霊夢逃げろ!」

紅白「(何を間違えたっていうの?!)」

 

 自身に何度問いかけてみても、彼女はその答えを見つけられないだろう。なぜなら彼女の作戦は完璧であり抜け目などないのだから。先の事など考えず、出し惜しみなどせず、その時に全力を注ぎ込んでいたのだから。

 ただ彼女は知らなかった。今目の前に立ちはだかる者は、怪力乱神の能力を持つ者である前に、山の四天王である前に、鬼である前に、女である前に、少年の保護者であるまえに、

 

麗人「オ゛」

 

 星熊勇儀だということを。

 

勇儀「オ」

 

 きつく(にぎ)り締めた拳に

 

勇儀「エ゛」

 

 ありったけの負けん気を宿(やど)らせ、

 

勇儀「ヤマ……」

 

 星熊家伝家の宝刀を今、

 

勇儀「オロシィイイイイイッ!!」

 

 撃ち放つ。

 

 

◆    ◇    ◇

 

 

 予想外だった。

 

私 「(コノヤロー……ッ)」

 

 例え体の自由を(うば)われようと、例え顔中を札で(おお)われて窒息(ちっそく)しかけようと、例えどんなに強大で強力な術を()びせられようと、

 

私 「(なに勝った気でいやがる!)」

 

 (くっ)しなかった。

 

私 「大江山颪(オ゛オエ゛ヤマオロシ)ィイイイイイッ!!」

 

 折られることなどなかった。それなのに……。

 

私 「ゔッ!?」

 

 直後腹部から嫌な悲鳴があがり、内臓を(えぐ)られる程の重い衝撃(しょうげき)が走った。何が起きたのか分からなかった。理解するよりも先に、苦痛を感じるよりも先に、私は地面に二度三度(たた)きつけられながら後方へ飛ばされていた。

 

私 「ガハッ」

 

 ダメージは肋骨(ろっこつ)の数本を損傷と腹に内出血。(なげ)く体がそう教えて来た。

 

私 「(強靭(きょうじん)な鬼を傷つけられるのは同じ鬼か神くらい、ましてや能力を開放した私が——)」

 

 そこでようやく悟った。私に大怪我を負わせたのは他でもない、

 

私 「弾き返した……のか」

 

 私自身だと。彼女に放ったはずの大江山颪があろうことか私を(おそ)ったのだと。自慢の技だけあってあの時ばかりは流石(さすが)(こた)えた。それを博麗の巫女とはいえ、たかだか人間の小娘一人にどうにか出来る代物ではない。ましてや跳ね返すなど……。

 

私 「(こんな芸当が出来るのは——)」

 

 疑問の答えを出すのに時間は必要なかった。脳裏に浮かぶシルエット、それを決定的なものにし、着色していったのは、

 

珠 「{と萃霊花(すいれいか)}」

 

 彼女の腕に巻かれた赤い布切れだった。そう、あれは(まぎれ)もなく、

 

私 「萃香(スイガ)ァアアア゛ッ!!」

 

 親友の物。

 地底世界が未曾有(みぞう)の危機に(さら)されているというのに、事情を知らないとはいえ博麗の巫女に加担(かたん)し、勝負の邪魔をするようなマネまで。怒りは頂点に達し、叫ばにはいられなかった。

 

私 「どうして……どうして博麗の巫女なんだ?!」

 

 それを

 

珠 「{約束、なんだ}」

 

 と。

 私だってバカじゃない。それだけでも幻想郷の賢者と親友の間に、何らかの取り引きがあったことくらいは容易に想像できた。後に聞かされた話では、親友が起こした騒動の(つぐな)いとして、博麗の巫女を影から支えることになったのだと。いつだか語ってくれた野望の代償(だいしょう)が、まさかあんな形で私の障害になろうとは……。

 

珠 「{霊夢、守るって……}」

 

 悲しげな声で辛そうに語る親友をそれ以上問い詰めることは出来なかった。けど一言二言発する度に「ヒック、ヒック」って、

 

私 「(なんだかなー……)」

 

 真面目な話をしている最中だというのに……。気に入っているのは分かるが、今もあんな調子らしいし、いっぺん取り上げた方がいいんじゃなかろうか? 常時酔っ払っているのはどうかと思う。

 

珠 「{けど霊夢、いくらその場にいないとはいえ、他人の決闘に水を差すのは好きじゃないからね。特に相手が鬼、親友ならなおさら。これで最後にしてちょうだい}」

霊夢「分かってるわよ」

珠 「{それと例の件もよろしく〜♪}」

霊夢「あーッもう! 文といい萃香といい、(そろ)いも揃って人の足元を見て」

珠 「{あら、一名様をお忘れよ?}」

霊夢「せっかく忘れてたのに……」

珠 「{それよりこのお茶いまいち美味しくないわ。他にないの?}」

霊夢「留守中に勝手に飲むな!」

 

 珠と言い合いを始める彼女を横目に、私はギシギシと泣き叫ぶ身体に(むち)を打って起き上がろうとしていた。

 

私 「(キスメとヤマメとヤツはアイツと合流できただろうか? 魔界の輩達を制圧できただろうか? もう少しだけ足止めするから、そっちを頼むぞ。それとお空、もう少しの辛抱(しんぼう)だ。コイツ達を地上に帰したらすぐに()けつけてやる。必ず助けに行く。だからそれまで八咫烏(やたがらす)(だま)らせておいてくれよ)」

 

 その気配を察知したのだろう、彼女は口論を中断し、(にら)みをきかせて尋ねて来た。上からの目線で、私を見下ろして。

 

霊夢「で、やる気?」

 

 「まだ()りないのか?」と。答えは当然——

 

私 「ッたりまえさ!」

魔理「それぞれ一枚ずつ、いよいよ大詰めだze☆」

 

 二人と向かい合うこと実に三度目。私は最後の一枚を手に取り、その一枚に己の実力を出し切ることを決意していた。けれど……。

 

霊夢「そうね」

 

 思い知らされた。私は……

 

霊夢「とっとと勝ってアンタに後ろで起きてる事と違和感の正体、全部吐かせてやるわ!」

私 「!」

 

 私は博麗の巫女を甘く見ていたと、

 

私 「(バレてる!!)」

 

 決意など無意味だと、必要なのは

 

私 「(守る、必ず守る、絶対に守ってみせる。大好きな旧都を、思い出の詰まった旧地獄を、みんなの地底世界(楽園)を!)」

 

 結果だけだと。

 

 

◇    ◆    ◆

 

 

勇儀「ぅぉぉぉォォォオオオオ゛!!」

 

 叩きつけられた()け札は手の内全て。気力、体力、能力を余すことなく勝負に出た麗人(れいじん)雄叫(おたけ)びは、体温を急激に上昇させ、秘められた力を目覚めさせ、やがて突風を呼び、嵐を呼び、

 

魔理「ななななんだze★」

霊夢「じ、地震?」

 

 旧都に戦慄(せんりつ)を走らせる。

 その昔、鬼の逆鱗(げきりん)に触れ制裁を受けた者は、後世に身の毛もよだつ恐ろしい体験を次のように残したという。

 

勇儀「『四天王奥義(してんのうおうぎ):——』」

 

 鬼の一歩は大地を揺らし、

 

霊夢「えっ?!」

魔理「いつの間に!?」

 

 鬼の一歩は大気を震わせ、

 

魔理「すっかり囲まれちまってるze★」

霊夢「魔理沙こっち!」

 

 そして鬼の一歩は——

 

魔理「ZEEEEEッ★!!」

霊夢「ヤバ……」

 

 全てをなぎ倒す、と。

 

勇儀「『三歩必殺(さんぽひっさつ)』!!!」

 

 次の瞬間、爆煙が上がり少女達の甲高(かんだか)い悲鳴が辺りに(ひび)き渡った。

 

 

◆    ◇    ◇

 

 

 私の切り札は三段階で構成される。

 まず一段階目、変換させる。全身を(おお)う力をそのまま光弾へと。そして私を取り巻く様に配置させる。

 続く二段階目、引っぱり出す。内側に(たくわ)えていたものを。そして花が咲く様に外側へばらまく。

 最後の三段階目、思い出す。胸の奥が温かくなる記憶の数々を。空になった器を満たす様に。そしてより遠くへ解き放つ。

 高密度で配置された光弾はターゲットの行く手を瞬く間に(さえぎ)る。例え相手が逃げ場を失ったと悟り、回避行動に出たとしても無意味。全ては手遅れなのだから。そいつらはそのまま待ってなどくれはしないのだから。

 

私 「三歩必殺!!!」

 

 私の号令と共に動き始める。じわりじわりと追い込んでいき確実に捕らえる。放ったが最後、何人たりともそこから逃れられない。奥義と呼ぶに相応する決まり手だ。

 元は私がまだ()れていた頃、取っ組み合いの喧嘩の最中に編み出したもの。相手の足下を揺らしてバランスを崩させ、プレッシャーで押し倒し、そこへ駄目押しの一撃を打ち込む。度重(たびかさ)なる争い事で多用して来たが、一度も破られたことはない十八番だ。それを私はアイツにも教えた。

 あれはアイツがまだ私と暮らして間もない頃、忘れもしない「カズキにやられた」と泣きながら帰って来た日のことだ。聞けば急に素っ気なくなった和鬼に腹を立て、(つか)みかかったら呆気(あっけ)なく返り討ちにあったと。いや、相手にすらならなかったと。

 その話を聞かされて私が腹を立てないはずがない。アイツを泣かせた和鬼にじゃない、アイツ自身に。

喧嘩(けんか)に負けておめおめと逃げ帰って、(くや)しくないのか!?」

 と(かつ)を入れるのに秒もかからなかった。というか考えるより先に口走っていた。

 それに対するアイツの答えは嗚咽(おえつ)混じりに大号泣しながら「くやしい!」って。そうと決まれば早かった。力のないアイツでも勝てる方法を考えるまでは。

 その方法はただ一つ、意表を突くこと。向かって来る攻撃を避け、相手の体勢を(くず)させ、拳を顔面に叩き込む戦法を教えてやった。完璧にも思える戦法だが欠点が一つ、見慣れてしまったら効果が薄いということ。それを今や完全に仕上げ、自分の物にしやがって。

 

私 「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

 手応えはあった。それが証明されたのは、爆煙が風に流され薄くなってきた時だった。

 

私 「へ、へへへ」

 

 横たわる二人の姿に思わず笑みがこぼれていた。そして迎える能力切れ、その直後に襲って来る疲労感と激しい筋肉痛に(かなわ)ず、その場で(ひざ)から崩れ落ちていた。

 

私 「(少しだけ、少しだけ——)」

 

 さらに意識は遠のいていき「なんならそのまま眠りについてしまおうか?」と思いを(めぐ)らせていた矢先だった。

 

??「いっつぅ……」

 

 博麗の巫女が起き上がって来たのは。おまけに

 

??「ぎ、ギリギリだったze☆」

 

 白黒まで。

 信じられなかった。全身にダメージを負ってこそいたが、私の切り札を受けてもなお立ち上がろうとする彼女達が。

 

私 「(確かに彼女達は中にいた。逃げ場はなかった、避けることは出来ない、無事でいられるはずがない!)」

 

 鮮明に残る直前の記憶からはありえない現実に、私は自分にミスが無かったか尋ねていた。でも答えは完璧。悩み悩んだ挙句、辿り着いたのは常軌(じょうき)(いっ)した可能性だった。

 

私 「(まさか彼女達(アイツら)——)」

 

 いや、そんなものでは生易しい。別次元の……そう、文字通り『別次元』の可能性。

 

私 「(ここじゃない別の場所に逃げたのか?!)」

 

 それを裏付けるかのように、

 

珠 「{あ〜あ、もう使っちゃった}」

 

 珠からは聞き慣れない声でそんな言葉が聞こえて来た。

 

珠 「{一回切りなのに、もったいない}」

 

 そしてそれが八雲紫(やくもゆかり)の能力によるものだと知らされたのは後日のこと。

 

霊夢「使わないで吹き飛ぶよかましよ」

珠 「{ふーん。まあ、向こうも限界みたいだしね}」

勇儀「そんなことは……ゔっ」

霊夢「スキルブレイク、私達の勝ちよ!」

 

 警戒はしていた。戦いの最中で何か仕掛けて来るだろうと意識はしていた。決して見くびってなどいなかった。全ては八雲紫の力が私の想像の範疇(はんちゅう)を超えていただけのこと。でもそれが致命的な誤算だった。

 さらに苦戦を強いられたことで、状況は好ましくない方向へ転がり出していた。その始まりはある違和感からだった。

 

私 「あん?」

 

 彼女と出会った当初こそ注意していたが、別段何かして来るわけでもなく、ただ話し声が聞こえて来るだけで、アクセサリーだか置物のように大人しくしていたから気にかけるのをやめていた。それが——

 

私 「(増えて……る?)」

 

 六つに。常に白黒魔法使いの近くでフヨフヨ浮いていた人形が増えていたんだ。一体を中心に五角形を描く様に陣を組んで。

 

 

◇    ◆    ◆

 

 

 そのプロジェクトは白黒魔法使いがネタミン1000パル配合のジェラシEで、(かわ)いた(のど)(うるお)していた時から始動していた。危なっかしい、画面越しでは対応が遅れる、誰かが近くでフォローを。

 

人形「{魔理沙、霊夢!}」

 

 そんな声が上がり、最も情報伝達速度が速い二体の人形に白羽の矢が立ったのだ。その人形とは人形使いのお気に入りである——

 

??「ホラーイ!」

 

 と上海。なんとこの二体、AIにも似た術が(ほどこ)されているだけでなく、二体の間でテレパシーのような通信が可能なのだ。故に「片方が危険を察知すれば、もう片方が素早く反応」なんて朝飯前だったりするのである。その機能に目をつけ、片方は追加の人形と共に白黒魔法使いの下へ向かわせ、もう片方は地上で待機させて最新の情報を地上へお届けする算段なのだ。

 だがあくまでそれは手段。本来の目的は別、戦地にいる白黒魔法使いの手助けである。つまり合流を果たすや、

 

人形「{蓬莱マニュアルモード!}」

 

 即、戦闘体勢へ。魔力で繋がれた蓬莱(ほうらい)人形の手から細い糸が飛び出し、各人形へ糸を結びつけられ、得意のフォーメーションを作り出す。

 だがそんな事をすれば魔力の消費は激化する。しかしご安心あれ、そこは既に計算ずく。新たに参上した人形達には紫モヤシが作り出した高密度の魔力の結晶、『賢者の石』が内蔵されているのである。

 つまりこういう事である。新たに参上した人形を操る蓬莱人形は言わばハブ(Hub)、そしてハブとなった蓬莱人形を操る人形使い自身はルーターであり、接続されている魔力はランポート。これを通称『スター型ネットワーク』と呼ばれている。

 なんという事でしょう、この日幻想郷にネットワーク回線が出来上がったのです。

 

人形「{リモートサクリファイス}」

 

ともあれ、人形使いの少女が遠隔操作で参戦である。なおこの間、コントローラーを握っていた技術者は……

 

人形「{画像処理能力上げなきゃ、クロックは上げられないからソフトで対応しなきゃ、デバッグの暇がないー(喜)}」

 

 改善作業。計画を立て、実行し、確認を行った上で実行。通称これをPDCAサイクルと呼び、技術者には欠かせない作業なのである。

 それはそれとして、人形使いの少女には気がかりになる事もあるようで……。

 

人形「{あと二体送ったはずなんだけど……}」

 

 どうやら全員集合とはいっていないようである。

 

魔理「いや、充分だze☆」

霊夢「やるじゃないアリス」

人形「{あああありがと……//}」

 

 博麗の巫女と普通の魔法使い、そして人形六体。計八名で麗人を迎え撃つ。

 

 

◆    ◇    ◇

 

 

 二度はなかった。

 

私 「(くっそぉー……ッ)」

 

 それまで一度も。使えば必ず終わっていたから。例外はない、だからこその『必殺』。キスメもヤマメもヤツも、お燐でさえもそうだった。なのに二人は立ち上がって来た。ましてや人間の小娘二人がだ。

 

私 「(立て、立つんだ)」

 

 三歩必殺は最後の一歩で力を無理矢理引き出すだけに反動が大きい。使用後は必ず能力は途切れ、しばらく間使えなくなる。

 

私 「(ここで終わるわけには……)」

霊夢「聞きなさいよッ」

私 「……したんだ」

 

 これもまた例外はない。

 

私 「(引くわけには……倒れるわけには……)」

珠 「{霊夢、無駄よ}」

 

 それがいつもの私だった。

 

魔理「どうやらそういう事みたいだze☆」

 

 体力も気力も能力も空っぽになった私を立ち上がらせたもの。

 

私 「(お空、少し遅れちまうけど……勘弁な)」

 

 罪悪感、責任感、使命感。そんな大袈裟なものじゃない。もっと簡単でいて難しいもの。

 

私 「約束したんだ」

 

 

————負けないで————

 

 

私 「うぉおおおおッ!」

魔理「霊夢構えろ!」

 

 アイツを想うだけで血が震えた。

 

私 「四天王奥義ッ」

 

 どんな事をしても守りたいと思えた。叶えたいと思えた。例え——

 

霊夢「どうして……どうして——」

 

 例えこの身が()ち果てようとも!

 

私 「三歩必殺!!!」

 

 

 




【次回:裏_語り締め】

裏回の締めの予定です。
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