今年の一位がまさかまさかでした…。
そして続々と食い込んでくる新キャラ達。
順位変動が大きかったと思います。
そんな中でも勇儀姐さんは77位をキープ。
しかもこれ、3年連続。
「7」が六つも並んでいます。
大フィーバー2回分です。
この確率を計算したら……ある意味すごいのでは?
いざ決意するもようやく半ば。
私「(はやく、はやく行かないと。けど、けど……)」
じー……
違和感、肌をチクチクと刺激する違和感。すぐそこで物凄く見られているという強烈な違和感。けど見通しが良くなった周囲を見回してみても、人影などはなく––
私 「あ〜ん?」
??「オ〜ニさん♪」
私 「こいし嬢?!」
こい「すごいね♪ 強いんだね♪ 今度私ともやろうよ♪」
私 「いつだ?! いつからそこに––」
こい「ん〜、『四天王奥義:三歩必殺!』ってやつの少し前くらいから。ホントはもっと近くで
そう言って視線を向けた家屋は、私の背後となっていた場所であり、二人が進んで行った方向。地霊殿がある方だ。そこで思い出されたのが、霊夢が放ったあの一言。
私 「じゃ、じゃあ博麗の巫女が感じた違和感の正体って……」
さとり嬢から聞かされた話だとこいし嬢は姿を消しているのではなく、他人の無意識を操作して存在を
何故そんな事をしたのか、後日たまたま見かけたんで
私 「なるほどな」
こい「なになに?」
私 「独り言さ、気にするな」
こい「変な鬼さん♪」
しかしそれにすら違和感として認識できた霊夢の、博麗の巫女の『勘』とはつくづく恐れ入る。そこに魔界の長が来ていたのだから。忘れもしない、あの強烈で異様な雰囲気は。近寄り
ジタバタッ、ジタバタッ!
こいし嬢があの場にいてくれていなかったら……
私 「ところで」
そういやあの時、こいし嬢が
私 「それ、どうしたんだい?」
こい「私の新しいペット♪ 飛んでたのを捕まえたの♪ カワイイでしょ♪」
ずいぶんと活きのいい人形を抱えていたっけな。
こい「片方お姉ちゃんにあげるんだ〜♪」
姉が喜ぶ様を思い描いていたのだろう、嬉しそうに話しやがって。けどそれはつい先刻に見た物と同一形状、同じ衣装、間違いようがなかった。
私 「こいし嬢、残念だけどそれは人様の物だ」
こい「えー、やっぱりそーなのー?」
私 「放してやりな」
こいし嬢のペースに流されていた時間、
私 「そうだ! のほほんとしてる場合じゃなかった!!」
そう、私達はゆっくり休んでいる場合でも、人形を見送っている場合でもなかった。騒動はどちらも片付いてなどいない、その
私 「こいし嬢、お前さんの
取り戻せた能力はスズメの涙程度、全身は
ガッ!(こいしの服を掴む音)
去り行くこいし嬢への頼みは二つ。
こい「うわ~♪」キラキラキラキラ
私 「コントロールするまで余力がない。ズレたら自分でどうにかしたてくれ!」
霊夢達に能力をかけ続けること。もう一つは––
こい「は~い♪」
私 「うおおおおぉぉりゃぁぁーーーー!」
姉を、さとり嬢を手伝うこと。
こい「やああああっっっっはぁぁぁ。。。…☆」
コースは狙い通り、力加減は復帰した分でちょうどいいくらい。ほぼ問題なし。
私 「さとり嬢、あとを頼む」
そこで私は役目を終えた。こいし嬢はすぐに先を行く霊夢達に追いつけたらしい。能力の範囲を抜ける瀬戸際だったそうだ。そこはお燐が時間をかけながら先導してくれたおかげだ。
私 「あ……」
ま、まあその時に角度が少しばかりズレていたらしく、
私 「マズイ」
バリーンと……な。窓を突き破ってご帰宅されたと。その音に驚いたさとり嬢が慌てて屋敷の中へ戻ってみると、帽子にガラスが突き刺さった妹が興奮気味に出迎えてくれたと。
その後間もなくさとり嬢は霊夢と魔理沙を迎え入れ、たった一人であの二人を相手にしたそうだ。けど心の読めるさとり嬢とはいえ、トラウマと思考が異なる者を同時に相手にするのは初めてで、苦戦に苦戦を強いられて
一方で私は……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
で、街へと戻って来たわけだが……
ポケ〜……。
こいつは見過ごせない。
私 「おい、休憩時間じゃないだろ?」
地底は変わった。大きく。あれは去年の秋頃だったか? 萃香と鬼助とアイツを引き連れて久々に地上の里を訪れたが、そのド田舎っぷりに
そういやあの時の依頼主のフワフワした彼女、名前なんていったっけ? たしか……
私 「お前さんがサボると機械が止まるんだぞ? しっかりやれよ発電機」
そうだ、『あゆみ』だ。彼女が差し入れでくれた真ん中に穴が空いた不思議な食べ物、あれについて萃香が妙なことを言っていた。「外の世界では超有名なスイーツなんだよ」って。そん時は「ふーん」くらいしか反応していなかったが、
発電「……前々から思っていたが」
私 「なんだ?」
外の世界で忘れられ幻想となった生き物や道具が流れ着く地に、どうしてそんな物が存在していた? そしてあゆみはこうも言っていた。
発電「
「私が作った」と。
私 「あん?」
発電「九時間拘束、一時間休憩。よくある労働時間だ。給与もまあまあだと思う。けど、全身に配線をグルグルに巻き付けて電気を流し続けるってなんだ? 余は電気ウナギか? 余はこれでも魔界ではボスと呼ばれ――」
その日から私の中では
私 「またその話かい、イヤならやめてもいいんだぞ? 別にお前さんが借金を抱えていようが、返済が終わっていなかろうが、断られ続けてようやく見つかった働き口を失おうが、私には関係ないんだからな」
発電「ぐぬぬぬ……」
ずっと不思議に思っていた。
??「おーい、ゆーちゃ~ん★」
ずっと分からないままだった。
『あ~ん?』
それが原因で大ゲンカにもなった。
??「っと、勇儀さん……★」
発電「ゲッ、Elis……」
その手掛かりがようやく見えた。だから――
私 「その呼び方紛らわしいからヤメロって言ってるだろうが。それに––」
だから私は今日、そいつを確かめに行かなきゃいけない。
私 「他のペットはどうした? お前さんはさとり嬢から留守を任されたんじゃなかったのかい?」
Elis「だって龍がギャーギャーうっっっさくて頭がおかしくなりそうなんですもーん★ それに夕飯の食材を買いに行くだけですしー★ さとり様だってこれくらいは許してくれるはずだもーん★」
もう一度、
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私 「ゔっ……」
右へ、左へ。支えてくれる物がなければ歩くこともままならず、体を家屋や
私 「待ってろよ。今行くからな」
近づくにつれ伝わって来るものはより強力に、より鮮明に、より鋭利になり、向こうで起きていることが手に取るようだった。それはあの事も例外ではない。
私 「クッソオオオオオッ!」
泣いた。泣き叫んだ。父さんの豪快な笑い声を、白熱した試合の勇姿を、幼い頃から揺るがない愛情の一つ一つが蘇り、私はその場で泣き崩れた。
私 「父様ぁ……」
それでも、アイツの悲痛な叫び声は待った無しに流れ続けて来る。
–– のせいで
一歩、また一歩と重たい足取りで全身を引きずりながらも、ようやく見えて来た光景は、
–– のせいで
毛皮のボロ雑巾に行方を失った感情を打ち付けるアイツの姿だった。
–– 全部、全部、全部、全部、全部、ボクのせいで、ボクのせいで、ボクのせいで、ボクのせいで、ボクのせいで、全部ボクのせいで……
私 「もういい、もういいんだ」
強く抱き寄せた。力いっぱい抱きしめた。私はココにいると伝えたくて。腕の中のアイツは……
大鬼「ユー……ネェ……ボク……」
私 「分かってる。私にはちゃんと届いてる」
大鬼「うぅ……」
震えていた。
私 「すまない、遅くなって」
大鬼「ユーネェええええッ」
声を上げて泣きじゃくっていた。
大鬼「師匠が……じいちゃんが……。ボクのせいで師匠とじいちゃんが……。全部ボクのせいで……。ボクがじいちゃんヲォォォォッ」
暗闇が広がる見知らぬ地で一人さまよう幼子のように。
私 「お前さんのせいじゃない、お前さんは悪くない!」
大鬼「ア゛アアアッ、ユーネェエエエエ゛」
私もまた、静かに涙を流していた。
私 「大鬼ぃ……」
気の済むまで。枯れ切るまで。人目もはばからず。
パル「勇儀……」
鬼助「姐さん……」
扉で起きた騒動はアイツの心に決して
そして本格的な治療を行うため運び出されるのと時を同じくして、さとり嬢とお燐がズタボロの姿やって来た。そこで知ったんだ。
お燐「あの二人
さと「
ペットであり家族であるお空を止めて欲しい、助けて欲しいと頼んだと。
そういや、博麗の巫女の話題が上がった途端、魔界から来た二人の表情がえらく強張ったものになっていたっけな。後々さとり嬢なら聞いた話だと、修行中の靈夢(霊夢)が魔界で大暴れしていたんで注意しようとしたところ、痛烈なしっぺ返しをくらってしまい、以来関わることを避けていたのだとか。
夢子「まさか来ていただなんて」
神綺「気がつかれなくて助かったー」
こいし嬢の無意識は無意識にあの二人をトラウマから救っていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
軽傷者 :多数
重傷者 :一名
重体者 :一名
家屋の損傷:倒壊多数
これが後日さとり嬢から報告された一連の騒動の被害状況。中でも町の一区画が完全に崩壊してしまい
??「フッ……クチンッ」
そこは他でもない私が霊夢と魔理沙を相手にした場所。あの二人が放った攻撃は全て私に届いていたし、無意味に
??「フッフッフッ……、誰か
キスメとヤツの
私 「あはは、だろうね。さとり嬢があの日の話をしているんだから」
キス「フッフッフッ……、勇儀よ。あの日の
こんな風に。今でさえも思い出す度に鎌をキラリと光らせて
私 「悪かったって。でもまた集め始めたんだろ? 『初心に返ったみたいだ』って嬉しそうに話してたじゃないか。だからそいつを––」
そういやキスメは大穴の中で
キス「フッフッフッ……、勇儀よ。コレクター魂をバカにしないで! もうあの子達には会えないんだからね!! やっぱり鎌なんかよりも頭突きの方で––」
私 「待て待て待て待て、すまなかったって!」
おかげでその破壊力に気付いてしまったのだから困りものだ。体とかならまだしも、万が一それがツノに当たろうものなら……そう考えただけで……
私 「イダダダダッ、頭が割れるーッ!」
キス「フッフッフッ……。鬼の四天王を苦しめる私、イイネb。フッフッフッ……クチンッ!」
私 「あん? やっぱり風邪かい?」
風邪といえば、あの騒動の翌日から旧都全域で病にかかる者が続出した。それは鬼とて例外ではなく、
その話を聞かされた時、真っ先に彼女の顔が思い浮かんだ。そして本人に直接尋ねてみれば「あーうん、実はそうなの」と案の定。ヤマメは自分の仕業だと。霊夢を全力で相手していたからだと。
幸い、病にかかった者達は皆大事には
ヤマメはひどく責任を感じていたが、あの状況下では致し方ないだろう。それに、私がやっちまった事と比べれば格段に可愛い方だ。
キス「フッフッフッ……、花粉症かもな。花見ついでに長老様の
おそらく、いや……
私 「ああ、来てるはずだ」
間違いなく。毎年出席していると聞くあの連中が今年に限って欠席するだなんて考えられない。
キス「フッフッフッ……。そうか、なら調度いい。時に勇儀よ、忘れ物はないか?」
私 「ああ、大丈夫だ」
キス「フッフッフッ……、ならよい。ようこそ本日最後のお客様」
私 「ちなみに今日は他に誰が来たんだい?」
キス「さとり氏率いる地霊殿御一行様にヤマメとパルスィ、そういえばさっき筋トレマンの彼女がここを通ったぞ。ああいう空を飛べる連中が増えると商売あがったりで困る」
私 「ああいうのはごく一部だよ。そんな心配することでもないだろ」
キス「ならよいがの。あとは魔界からの旅行者が一名。さとり氏と何やら
私 「まだ
キス「ではでは……コホン。長らくお待たせしました~。こちらは地上までノンストップの~––」
私 「それ、言わないとダメなのかい?」
キス「フッフッフッ……、まだ勤務時間中ゆえ。しかしお前さんだけだし、この際は省略させてもらおう」
そうなれば必ずあゆみも––
キス「終わったら私も行くから、みんなによろしく」
私 「おう、気を付けて来いよ」
キス「フッフッフッ……、勇儀も寄り道は程々に。里でも花見をやっているようだから」
私 「ああ、気を付けるよ。それじゃあ行こうか」
キス「フッフッフッ……、上へまいりま〜す」
私 「花見へ!」
STAGE CLEAR
CLEAR BONUS
未来
主の初めての『異変』への挑戦、いかがでしたか?
東方地霊殿の原作設定には所々不思議に思うところがありまして、そこを利用させて頂きました。例えば、
1.お空に力を与えた神奈子は何処へ?
⇒原作ストーリーではExで早苗が出ることあっても、
神奈子は出てきません。
「では異変の間、神奈子は何処で何を?」
となり主が考えた結果、
「八咫烏の返り討ちにあって負傷」
となったのです。
2.聖輦船、村紗、一輪、ぬえの封印。
⇒設定では間欠泉騒動で出てきたそうです。
でもそんなにもろい封印だったら、
即破られてしまいそうです。
長い間封印されていたそうなので、
とても強力だったのではないかと。
鬼でも妖怪でも破壊できない程の。
で、登場して頂いたのが「神綺」です。
神様クラスですし、異変解決に加わっている
彼女の……ですしね。
3.怨霊が暴れている事に地底民が気が付かないはずがない
⇒原作会話で
紫「私は地上の妖怪を進入させない約束をした」
とあります。とても重要な約束していながら、
管理がずさんということはないでしょう。
目を光らせて見張っているはずでしょう。
だったら気が付くはずなんです!!
と思ってしまったのです。
4.↑となれば霊夢達が動くのは予測できる
⇒にも関わらず、地底メンバーの登場の仕方が
「何しに来たの?」といった具合です。
そこで主は思いました。
「重要な何かを隠してる?」と、
「追い返そうとしている?」と、
はたまた「時間稼ぎしている?」と。
でもそうなると考えねばならないがやはり
勇儀姐さんです。
そんな状況で手を抜いて相手をするのは変です。
シラをきるなんてできません。
全力で相手をするはずなんです!!
そんなこんなでこのEpを書こうと思いました。
「表」では原作の設定、会話を維持しながらも所々アレンジを加え、主が考える東方地霊殿を表現させて頂きました。バトルシーンは最初からStage3、勇儀姐さんで終わる予定でした。これは勇儀姐さんで全力を注いでしまい、その先は書けなくなることを見越してのことです。そしたら案の定ですよ。この様ですよ…。
「裏」ではオリジナル展開です。旧作魔界メンバーvs聖輦船一派がやりたくて書きました。わりと自由に。七不思議やお祭りの話は村紗達とオリジナルキャラ達との関係をもたせるための前置きとでも考えてください。
「表」と「裏」ともにバトル話でした。バトル&バトルでした。その難しさも痛感しました。主のレベルでは表現がかたよる…。マンネリ化する…。悩まされました。やり切ったと思うくらいやりました。主が思ってしまうんです。読者の皆様、ホッッッッッッッッッッッッッッッッッッットとに『『『お疲れさまでした!!』』』
次回は番外編(?)の話を1,2話挟むかもしれません。