??「きぃいいもーてぃぃいいいいッ!!!」
空から真っ逆さまに落ちて来たのに生きてるぅッ!? しかも幽香さんの超極太ビーム当たってますよね? ドーンって音がした後すぐに降って来られましたよね?! なのに無傷って…、普通助かりませんよ、グシャってモザイクかかりますよ! どんだけ
海斗「お手を。天界きっての美少女、
天子「あら、ご親切にどうも。
さすが海斗君、よかったね海斗君、
海斗「俺の嫁にならない?」
天子「当然
それって、いわゆる神様とか仏様が住われるという神聖な世界、天国のこと? ということは海斗君の
海斗「なっ、差し支えなければご理由を」
そんな…、夢にまで見た天使さんが…、世の男性なら一度は恋こがれる天使さんが……
天子「まず
あァァァんまりだァァアァ…。
??「お断りよ。なんで私が」
??「私も立場上そういうのはちょっと……」
??「じゃあフランが——」
??「よしアリス行ってこい」
アリ「え、えええ!? ちょ、ままま魔理沙?!」
これでハッキリしました。本物の天使さんはこの世にたった一人だけだって。優しくて綺麗で笑顔が素敵で猫耳が……ってアリスさんいつからそちらに!? ぼぼぼぼきゅ大丈夫でした? 今度はダダ
アリ「あ、あの……ですね。その、えっと……」
マズイです、漏れてたっぽいです。だって僕のこと見てくれてませんし、うつむいてますし、
アリ「し…、し」
きっと「もういい加減にして下さい!」とか「鳥肌が立つ程キモチワルイです!」とか「キショイ!」とか
アリ「しししししし」
謝らないと、今すぐ謝らないと、またやらかした事を今すぐちゃんと謝ら——
アリ「失礼します!」
ないとぉおおおおおわあああああああああ!
ヤマ「久々に
パル「むっ、
ここ「二人とも顔真っ赤。ニヤニヤ」
萃香「アリスも見せつけてくれんじゃないの」
「ぎゅー」って、アリスさんが「ぎゅー」って。アリスさんが飛び込んで来て「ぎゅー」って!
あ…、あかん。アリスさんの香りがダイレクトにぃ…。ガンバレ僕の理性、ガンバレぼきゅのりせぃい、ギャンブァルェ…ぼーきゅーのりせぇええ……手ぐぁあああ、手ぇぐぁあああひとりでにぃ…——
??「さわったら
おかえり理性、早かったね理性、帰って来てくれたんだね理性。僕、冷静です。頭も心も
パチュ「撃つ!」
はい、承知しております。大事な事ですもんね。それとマスパ、パチュリーさんもやろうと思えば出来たんですね。つくづくアイデンティティとはいったい…。あと向こうのパルスィさんがヤマメさん達に取り押さえられてるんですけど……なんで?
アリ「すみません、すぐ済みますから。本当にすみません」
それはそれとしてですよ? あ、その前にやっぱり息は吸わせて下さい。チャレンジしましたけど限界です、無理です、もたないです、死んじゃいます。
フローラルなシャンプーの香りを取り込まないように角度を調整してぇ…。首がぁ、首つっちゃいそうぅ……ふぅ。うっ、少し肺に入った。
僕 「あああのここここれはどどどういう——」
でもやっぱり置かれたこの状況を正しく解析出来そうにありません。
そろそろ
聖 「魔法は元来より魔法使いや魔界人といった魔に属する者でないと
パチュ「考えられる可能性は三つ。まず一つ目、八卦炉の暴発。長いこと使ってるから大いにあり得る。次に二つ目、魔法ではないマスパ。魔理沙の一番弟子の時と同じように、あなたが霊力や妖力といった別の力を放った可能性。ありえなくもない。最後に三つ目、あなたが魔法使いってことよ。ハッキリ言ってありえない。考えるだけでもバカらしい。なのに……」
魔理「それで『一応確かめてみようze☆』って事になったんだze☆。魔法使いなら『ジェム』っつー魔力の源が身体の中にあるはずだからな。その調べ方というのがご覧の通りだze☆」
ですよねー、ですよねー、で・す・よ・ねー。大丈夫です、そんな気もしていましたから。ただちょっと、深く反省しているだけですから。身の程知らずだったな、って。ホント、何考えてたんだろ…。
フラ「ねー、まだかかるの?」
アリ「いた」
フラ「ホント?!」
アリ「……かも?」
魔理「ze★?」
アリ「さっきそれっぽいのがいたと思ったんだけど…。う〜…気配を消されて上手く探せない」
聖 「照れ屋さんなのかしら?」
パチュ「
魔理「ジェムまでチキン野郎かよ……」
僕のジェムめぇ…。アリスさんが困ってるでしょ、しっかりしなさい! と言いたいところですけど、僕ですから…。照れ屋で引込事案でチキン野郎な僕ですから…。もうそのまんまですよ、生き写しですよ、
アリ「もしかして……いなくなった?」
魔理「……もうさすがだよな」
僕 「なんかすみません……」
魔理「これ以上続けたころで成果は期待出来ないだろうな」
僕 「じ、じゃあ僕って」
魔理「『隠れ魔法使い』ってところじゃないか?」
聖 「そうねー…、ジェムもあったみたいだし」
僕 「僕が魔法使い……」
パチュ「調子に乗らないで。私は認めないから」
僕 「はい…、肝に銘じます」
魔理「ったく、そうカッカすんなze★。おいアリスもういいze☆」
アリ「う、うん」
あ…、終わっちゃった。
アリ「ごめんなさいビックリさせて。ご迷惑でしたよね?」
僕 「いいいいえ、おどろきましたけど
言えません。口が
アリ「魔理沙が後ろから押して来てそれで……」
魔理「パチュリーと聖がイヤだって言うからよ」
フラ「だからフランが——」
魔理「というわけze☆」
承知いたしました。魔理沙さん、助けて頂きありがとうございます。でもそこに「
魔理「それでもアリスは
アリ「はあああッ?! アンタいい加減に——」
僕 「そうですよ、そんなはずがないじゃないですか。誰もいなかったから
きっと渋々ですらなかったはずです。
魔理「だってよぉ、きっひひひひひ」
僕 「な・に・か?」
思い出してお腹抱えて笑い始めるとか…。僕だって…、僕だってですねぇ、僕だって怒るんですよ? 返答次第ではアリスさんのために怒っちゃうんですよ!?
はい? デコを胸に当てるだけでよかった?
魔理「抱きつく必要はなかったんだze☆」
はうわあああああッ、地雷だったー!
ラッキーだったな? なんで今同意を求めるんですか?! サムズアップでドヤりながら追加爆弾を投下しないで下さいよ!
ええそうすよ、心臓バクバクで破裂寸前で理性崩壊で
??「ご感想は?」
嬉しいに決まってますよ!
……は? えっ、なに今の
??「へー、ソーナンダー。ヨカッタネー」
聞かれてるうううッ。フランさんの瞳が暗く沈んでいくうううッ。マズイマズイマズイどうにかして誤魔化さないと、話題を変えて話を
僕 「フランさんがなんで?!」
フラ「えっ、えっ、えっ?! えええっと——が」
僕 「あの方が?!」
フラ「で、でも全然似て…?!」
僕 「海斗君これ…、これ、これこれこれ!」
見ていたんです、間違いありません。
確かにこれです、鮮明に覚えてます。
だってその日——
って、なんで海斗君メラメラしてるの? なんでみんなの視線が冷たいの? なんでフランさんが
聖 「およしなさい、
魔理「ったく、お前はってヤツは……」
アリ「優希さん一旦落ち着きましょ。ね?」
海斗「嫁にセクハラしてんじゃネーッが、GJ♡」
パチュ「スケベ、変態、痴漢。男ってホント最低」
フラ「ゆーきなんてぇ…、ゆーきなんてぇ……」
僕 「ごごごごめ――」
フラ「ゆーきのバカあああああーーッ!!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
優希「海斗君これ…、これ、これこれこれ!」
オタクの意識は親友に全集中。見せたい、見せるべき、見せねばならない。
フラ「待って待って待ってえええッ!」
例え進行を
優希「申し訳ございませえええんッ!!」
地に額を打ちつけて超土下座、パターンの
優希「ごべ…んだ…ざぁぃいい。ばざど…ぢが…ゔんべずぅうう」
魔理「もういいッ次!」
そして、オタクは説明した。自分が何故取り乱したのか、何故親友を呼び寄せたのか、何故幼女のスカートを引っ張り始めたのか、その訳を。
フラ「けどアイツ——」
彼女がそれを
——これ、キミだよね?
——キミのでしょ?
——名前書いてあるし。
『フランドール・スカーレット』と
——子供っぽい。私(本物)の方が色気あるもん
声ではなく鼻からため息として。ともあれ「持ち主が見つかるまで預かる」と側にいる魔女ちゃんが放ちそうな
預けた者も「勝手にすれば」と彼女のジャイアニズムを
——これをどうした?!
「待った!」をかけて割って入り、入手経路を問い詰める白黒魔法使いとその仲間達。その中にはカリスマお姉様の姿も。
フラ「『
それが数刻前の出来事、こうも早く持ち主が現れようとは誰が予測出来ただろう。しかもまさか、よもや、よりにもよってお調子者だとは。ましてやその事を未だ涙が止まらぬヘタレキモ男が知っていようとは。
彼は忘れられなかった。
彼は覚えていた。
彼は見ていた。あられもない格好で並べられた商品に
海斗「何処でですぜ?」
魔理「さあな、そこまでは言わなかったze☆」
お調子者は探していた。買い物へ行く度に、出かける度に、ふらっと人里へ
だがこの瞬間、その結論は
海斗「……いや、おかしい」
真っ先に過ぎる可能性は何者かに盗まれていたということ。だがこれでは不自然な点が残る。なぜなら彼のカバンは無事だったのだから。物取り目的ならばカバンごと消えているはずである。お調子者はこの不自然な点を説明できず、口にする前に候補から除外した。
ともなれば、キーホルダーだけ別地で幻想入りを果たしていたと考えるのが
海斗「そういや優希って——」
『幻想入りは何処で』
この問いにタワシ頭は当時の事をかい
優希「その前はアリスさんから聞いたんだけど」
『魔法の森の中で倒れていた』
友人が答えるなり今度は瞳に人形使いを閉じこめるお調子者。突然の力強い眼差しに、彼女は
海斗「俺は冥界、白玉楼の辺りだ。なあ俺達って」
『電車で隣同士に座っていたはず』
確かめ合う当時の記憶、だが明白になるのは不可解な事実だけ。同じ時間を共にし、同じ空間を共有し、ましてや触れ合う距離にいたはずの二人が、行き着いた先がかけ離れた地にいたのだから。
海斗「なんで俺達だけ? 他の乗客はどうしたんだ?」
静かな
??「電車……?」
広がる波紋は音もなく不気味に押し寄せる。
??「乗客……」
清らかな水を送り続ける水路へと。
??「私……」
??「私は、私は!」
人々を押し
肩を震わせ
??「私はあなた様のおかげで!」
直後、時が凍りついた。全員がその光景に我が目を疑っていた。逆行する激流を
??「4人目、みーっけた」
だが時は待ったなしに動き出す。
??「なぜ彼女達を幻想郷へ導いたのですか?!」
宣戦布告によって。