東方迷子伝   作:GA王

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電気とアニメの町で
東方のイベントをやっていたので、
行ってきました。

グッズ?買いましたよ。
一番好きなキャラのがなかったのが
少し残念でした。

でも、アリスは買いました。


給料日

 

優希「こんにちわ、酒丸です。仕入れに来ました」

酒屋「はいはい、そこに置いてあるから」

優希「他に何かいい物入っていませんか?」

酒屋「純米大吟醸(だいぎんじょう)があるけど、持ってくかい?」

優希「お願いします」

 

 酒丸さんで働き始めてからもう20日が経過。今では仕入れは一人でもこなせる様になった。ドヤッ。

 でもこれは僕の力ではない。店長さんが毎回僕と一緒に仕入れ先を回ってくれて、1人になってもやり易い環境を作ってくれたおかげです。店長さんには本当に感謝です。

 

肉屋「はぁ!?」

魚屋「あぁ!?」

  『やんのか!?』

 

 肉屋の店長と魚屋の店長、今日も通常運転です。

 初めは2人とも怖くて、ずっとビクビクしていたけれど、もう毎度の事過ぎて慣れました。というか見飽きた。2人とも「やんのか!?」って言っているのに、殴り合いには絶対にならないし、お互い世間話をする姿を良く目にするし……。本当はすごく仲がいいんだと思います。

 

優希「こんにちわー、酒丸です」

  『おう、らっしゃい!!』

 

 ほらね、息ぴったり。

 

??「こんにちは。毎日仕入れご苦労様ですね」

 

 よく買い物に来る紅魔館のメイドさん。仕入れの時間とメイドさんの買い物の時間が同じなのか、人里で会う事が増え、お互いに気付けば簡単に挨拶する仲になりました。とは言っても、「こんにちわ」オンリーですけど……。

 だからこうして話しかけてもらえるのは、すごく久しぶりというか、初かもしれない……。そう気付いてしまったら……

 

優希「ぁ……はぃ。アリガトウゴザ……マス」

 

 やっぱりこうなります。どうも慣れていない人との会話は苦手です。注文を受けるのには慣れたけれど、それとは全然違う。(むし)ろ注文を受ける方が型にはまっているから全然楽。しかも女の人とか……、特に綺麗な人だと緊張がMAXになります。

 

??「夜遅くまでお仕事されているんですか?」

優希「はぃ、最近は……」

 

 仕事に慣れてきたのもあって、店長さんの負担を少しでも減らそうと、近頃は営業が終わってからの片付けも手伝う事にしている。ただそうなると、一つ問題があるわけで……。

 

??「帰り道危ないので気を付けてくださいね」

 

 そう、帰りだ。仕事が終わった後は今も博麗神社に寄って温泉入った後、魔理沙さんにアリスさんの家まで送ってもらっている。

 けど最近では神社に着く時間が遅くなっているので、霊夢さんと魔理沙さんに「もっと早く帰って来い」っていつも怒られています……。一応、仕事終わってから神社まではダッシュなんですけど……、そのうち魔理沙さんから「もう送り迎えを止めさせてもらうze☆」とか言われそうです……。

 それに、いつもご飯を作って待っていてくれるアリスさん。深夜になっても僕の事を寝ないで待っていてくれて……

 このままだとみんなに迷惑をかけ続ける一方。ここからだとアリスさんの家は近い方だし、せめて神社に寄らないでアリスさんの家まで行ける様になれれば……いや、ならないと……

 

優希「なんとかしなきゃ……」ボソッ

??「どうかされました?」

優希「あ、え? ぼぼぼ僕何か言ってました!?」

??「ええ、『なんとかしなきゃ』って。何かお困りなんですか?」

 

 なんという事でしょう。自分でも気付かなかった独り言を、しっかりと聞かれていたのです。は、恥ずかすぃ……。しかもそれに対して「何か困っているのか」と。もうこうなったら……。

 

優希「個人的な……こと……ですけど……」

 

 僕は名前も知らないメイドさんに事情を話していた。魔法の森の中にあるアリスさんの家でお世話になっている事、そこから知人の魔理沙さんに送り迎えしてもらっている事、そして最近仕事を終えるのが遅くなり、都度文句を言われている事を。

 僕個人のそんな話を、肉屋の店長さんと魚屋の店長さんも一緒になって聞いていた。山無し、落ちなしのつまらない話ですみません……。

 

??「あの森を一人で……」

優希「はい……。無謀……は分かってはいます」

肉屋「く〜、泣けるねぇ」

魚屋「惚れた女に迷惑をかけたくねぇと」

優希「ちちち違いますッ!ただお世話になってる方々に、これ以上迷惑をかけたくなくて……」

??「でも困りましたね。あそこには危険な妖怪や猛獣達が……」

優希「はい……、わんさかと……」

肉屋「やっつける事が出来ればいいがなー」

優希「いやいやいやいや、無理ですよ! 僕、口喧嘩だってした事無いんですから! ましてや殴り合いだなんて……」

  『それは男としてどうなんだ?』

 

 

グサッ!

 

 

 お2人の言いたい事は分かりますが、それをダイレクトに言われると立ち直れなくなります……。

 僕が人知れず心でしくしくと泣いている中、メイドさんは顎に手を当てて真剣な表情を浮かべていた。そして

 

??「殴り合い……」

 

 ポツリとそう呟く様と

 

??「そう言えば屋敷に武術の達人がいます。ちょっと相談してみましょうか?」

 

 解決の糸口を提案してくれた。思わぬ形での収穫に僕、

 

優希「あ、はい。お願いします」

 

 歓喜。リアクションが小さいですが……。

 

??「では明日この時間にここでお会いましょう。いい返事がもらえるといいですね。それではこれで失礼します」

優希「はい、ありがとうございます。それでは……」

 

 一礼をしていつも通りに『立つ鳥あとを濁さず』で去って行くメイドさん。僕、「今の返しは合ってるのかな?」と自分の挨拶に不安を抱きつつも、「相談してみて良かった」と一安心。もしかしたらいい解決方法があるかも!?

 

肉屋「酒丸の兄ちゃん頑張れよ」

優希「?」

魚屋「応援してるぞ」

優希「何の事ですか?」

肉屋「いや、だって……」

魚屋「稽古を付けてもらうんだろ?」

 

 いやいやいやいや、まさかまさか……。え? アレ、フラグだったの?

 

 

--オタク仕事中--

 

 

 こっちの世界に着てから、どうも曜日の感覚というのが薄れてきている。お店はいつも大盛況で「花の金曜日って何曜日だっけ?」と疑問に思う。里のお店はほぼ連日やっているし、休み事があっても不定休だし……。ホント今日何曜日?

 珍しく空席の目立つ店内を眺めながら、そんなどうでもいい事を自問自答。脳内会議は得意なんです。と、そこに来店者。

 

優希「いらっしゃいませ!!」

??「こんばんは、カウンターいいですか?」

優希「はい、どうぞ」

 

 あれ? この人……前に見た事が……

 

店長「あ、先生。いらっしゃい。今日は一人ですか?」

??「ええ、たまには一人でゆっくりと飲みたくて」

 

 僕の小さな疑問は店長さんの一言で確信へと変わった。

 

??「人を雇ったんですね」

店長「ええ、足をやっちまいましてね。最初は『治るまで』と思っていたんですけど、覚えが早くて仕事もできるんで、『もうこのままいてもらってもいいかな?』って思っているんですよ」

 

 初めて聞いた。店長さんが僕の事をそんな風に思ってくれているなんて……。僕、落ちちゃいますよ?

 

??「よかったですね。私はこの町で寺子屋の……」

優希「あ、はい! 先生ですよね? 前に駄菓子屋の所でお見掛けしました」

??「あー、遠足の前の日ですね。そうでしたか。私はここへはたまに来るので、これからもよろしくお願いしますね。お名前は?」

優希「はい、優希って言います。よろしくお願いします」

??「こちらこそ。ところで優希さん。もしかして外来人ですか?」

優希「え!?なんでそれを……」

??「職業柄、人の顔と名前を覚えるのは得意でしてね。この町で見ず知らずの人を見ると、外来人だと疑ってしまうんです」

優希「すごい……」

??「あ、でも安心して下さい。誰にも言いませんから。そうだ、ビールとおでんをお願いします」

優希「はい! 喜んで!」

 

 それから僕は寺子屋の先生や常連さんとカウンター越しに会話をしたり、料理を作って運んだりと、ほぼいつも通りの仕事をこなしていった。あ、料理は少し覚えました。ドヤッ。

 そして閉店後-―-

 いつもより早い閉店時間。「もう客は来ないだろう」と店長さんが思い切った決断を……。何か予定でもあるんですか?

 

店長「兄ちゃん今日までご苦労さん」

優希「あ、はい。お疲れ様です」

 

 え? 何この出だし……クビなの?

 

店長「ほれ、今日までの給料だ。これからもよろしくな」

 

 ビクビクしているところへ手渡された茶色い封筒。しかも今確かに「キュウリョウ」と。そしてその後に「これからもよろしくな」とも。クビではない事に安心し、人生初めて受け取った給料袋にドキドキしながら中を覗くと……

 

優希「!?」

店長「悪いな、あまり出せなくて」

優希「いえいえ、こんなに沢山頂けるなんて……。それに僕まだ1ヶ月も働いていませんよ?」

店長「今日が丁度月末でキリが良くてな。それは働いてくれた分で勘定してある。来月からは1カ月分で出すぞ」

優希「はい、これからも頑張ります!」

店長「それと今日はもう帰りな。遅いと魔理沙と霊夢がうるさいだろ? それに、そいつを早く渡したい人がいるんだろ?」

優希「はい! ありがとうございます」

 

 店長さんのお言葉に甘えて、僕の本日のバイトは終了。急いで着替えて店を出発。一路神社を目指して猛ダッシュ。いつもは焦りや不安な気持ちを抱えながら走っているけど、今日は心が軽い。と、そこに明かりがこぼれる1軒の店が目に留まった。

 

優希「ケーキ屋さん?」

 

 いつも通っている道なのに全然気付かなかった。最近出来たのかな?アリスさんはもちろんだけど、魔理沙さんと霊夢さんにも日頃のお礼をしたいな。ケーキとか好きかな?あ、でも霊夢さんは現金よこせとか言いそう……。いや、流石にそこまで……とは言い切れない。でも買うなら3つだよね。後々うるさそうだし……。

 店長さんから貰った封筒を手に、いざケーキ屋さんへ!

 

 

カランカラン。

 

 

 入店と同時に鳴る鐘の音。「こういうのよくあるよね」と感想を抱きながら店内を見回していると、

 

??「は〜い、いらっしゃいませ〜」

 

 なんとも緩い感じの女性の声が。聞こえたはいいけど、何処にいるんだろ?

 

??「あ〜、ちょっと〜、待っててもらえますか〜?」

優希「あ、はい……」

 

 言われるがままその場で待機。そして再び店内をキョロキョロ。ショーケースの中には数個のカットされたショートケーキと、ホールのショートケーキが申し訳程度に陳列されていた。他は売れちゃったのかな?

 

店員「お待たせしました〜。片付けの〜途中だったんで〜」

 

店の奥から出てきたのは、僕と同じ年くらいか少し下の女の子。目がトロンとしていて今にも眠ってしまいそう。疲れてるのかな?それなのに着ちゃってごめんなさい……。とっとと用件済ませて帰ります。

 

優希「あ、えと……、ケーキを……つ」

店員「どのケーキにしますか〜?3つとも同じですか〜?」

優希「あ、はい……」

店員「じゃあ〜、今は〜このホールのショートケーキしかないから〜」

優希「じ、じゃあ、それで……」

店員「なにか〜、メッセージ添えますか〜?」

優希「あ、ぇと、みんな……ぃっ……とぅって」

店員「は〜い、『みんないつもありがとう』ですね〜」

 

 なんか、全部通じちゃってるし……。ふわふわしてる人だけど、結構鋭いのかな?

 再び待たされる事になったけど、すぐにその女の子は戻って来た。ケーキにメッセージプレートを乗せて。

 

店員「お待たせしました〜。こちらになりま〜す。お持ち歩きのお時間は〜、どれくらいですか〜」

優希「えと、すぐそこです」

店員「ん〜?」

 

 クビを傾げて通じていませんアピールをする店員さん。え? 今ちゃんと言えたのに逆にダメでした?

 

優希「ぇと、すぐ……です」

店員「じゃあ〜保冷剤一つ入れておきますね〜。お会計はこちらで〜す」

優希「あ、はい。え? 安っ!」

店員「売れ残りのですし〜、半額でどーぞ〜」

優希「ありがとうございます」

店員「ん〜? あー、どういたしまして〜」

 

 やっぱりこっちの方が伝わりにくい? 何で?

 

店員「またよろしくお願いしま〜す」

 

 

カランカラン。

 

 

 再び鳴る鐘の音。それを合図に僕、キリッ! ケーキを手に再び目指すのは目的地、博霊神社。いざ猛ダッシュ! なんて事をしたらケーキがグシャグシャになるので、ゆっくりと慎重に。帰ったら魔理沙さん達どんな反応するかな?今からわくわくです。

 

 

--優希が去ったケーキ屋では--

 

 

 店内の椅子に腰を掛け、ぼんやりと呟く少女。

 

店員「あの人も外来人さんかな〜?私以外にもまだいるんだ〜」

 

 と、そこに

 

 

カランカラン。

 

 

 一人の兎がご来店。

 

??「迎えに来たダニ」

店員「あー、チビウサギちゃんありがと〜。だけど〜、その語尾はダメだよ〜」

??「でもコレはしっくりきてるダニ」

店員「でもそれだと〜、出番減るよ〜」

??「メタいダニ……」

 

 

--オタク移動中--

 

 

優希「ただいま戻りました」

霊夢「あら、今日は早いのね」

魔理「よー、お疲れー」

アリ「優希さんお疲れ様でした」

 

 今日はアリスさんも来ていました。ケーキの事もあるのでナイスタイミングです。けど……

 

??「くかー……。うふふ……」

 

 両腕に鎖。頭から2本の角が生えた髪の長い女の子が、恥じらいも無く大の字なって幸せそうに寝ていた。誰?というか何者?

 

優希「えと……、霊夢さん?あの、この子は……」

霊夢「伊吹(いぶき)萃香(すいか)、鬼よ。よく家に来るのよ。さっきまでやたらと飲んでいたから、酔い潰れているだけよ」

 

 『鬼』、『酔い潰れる』このワードに思わず、

 

優希「鬼ッ!?こんなに可愛らしい子が!?しかもお酒を!?」

 

 声を大にして聞き返していた。一つ失言を加えて。

 

霊夢「なに?あなたこういう娘がいいの?幼女趣味なの?」

魔理「うわー、人形だけじゃなく幼女もかよ……。見境なさすぎるだろ……」

優希「ち、違いますからッ!」

 

 その所為で散々の言われ様。前科があるだけに、その視線は冷たく突き刺さる。その前科もわざとじゃないのに……。魔理沙さんへの誤解は、まだ完全に解けてはいないみたいです……。しかもよりによって……

 

アリ「そんな……、優希さんにそんな趣味が……」

優希「アリスさんまで!?」

 

 でもその後に、

 

アリ「ふふ、冗談です」

 

 と茶目っ気を含んだ笑顔。あ、あざとい……。

 

霊夢「あなたの鬼の印象がどうだかは知らないけど、萃香はれっきとした鬼よ。しかも上位クラスのね。こう見えて私達よりも全然年上よ」

 

幻想郷、恐るべし……。

 

魔理「ところで、その箱なんだ?」

優希「あ、そうでした。今日帰りに、気になったお店があったんで寄って来たんです。よろしければ皆さんでどうぞ」

 

 そう3人に伝えながら箱を卓袱台の上へ。

 

霊夢「へー。あなたにしては気が効いた事するじゃない」

アリ「わざわざすみません」

魔理「開けていいか?」

 

 すると何かを嗅ぎ付けたかの様に、3人がわらわらと卓袱台を囲み、箱を覗き込んで来た。魔理沙さん……聞く前から手がスタンバってますよ?

 

優希「ええ、どうぞ」

 

 僕のGoサインを合図に魔理沙さんが箱を開けていき、僕にも中身が確認できたその時、

 

  『わぁ〜!』

 

 3人の乙女の歓声がハーモニーを奏でた。

 

アリ「すごい美味しそう!ありがとうございます」

 

 目を輝かせて微笑みながらお礼を言ってくれるアリスさん。いえいえ、いつもお世話になっていますので。

 

霊夢「な、なによ。みんないつもありがとうって。感謝の気持ちがあるなら賽銭入れなさいよね」

 

 腕を組んで他所を向く霊夢さん。やっぱりそういう事言うんですか……でも、とか何とか言いながら、さっき目がキラキラしていましたよ?

 

魔理「あ、やばい魔理沙ちゃん泣くかも……」

  『え!?』

 

 目頭を押さえて上を向く魔理沙さん。おっとこれは予想外……。

 

魔理「だってあの優希がわざわざ魔理沙ちゃんの為に、大好物のケーキを買ってきてくれだんだze☆? 泣けるだろ?」

 

 魔理沙さんの為と言うか、どちらかと言うと……

 

霊夢「あんた何言ってるの?アリスの為でしょ?私と魔理沙はただのオマケよ」

 

 えと、そこまでは言いませんけど……

 

魔理「え? そうなのか? 違うのか?」

 

 (うる)んだ瞳で上目遣い。ここで「ちょっと可愛い」と思ってしまった僕は負けかな?

 

優希「いつもお世話になっている魔理沙さん、アリスさん、霊夢さんの為に、僕の初給料で買いました! ど、どうしてもお礼がしたくて……」

霊夢「ななななによ。べ、別にそんなのいらないんだから!」

魔理「いつも酷い事言ってごめんなー」

アリ「優希さん……」

 

 霊夢さん、顔が服と同じくらいに真っ赤。魔理沙さん、号泣。アリスさん、目がうるうる。決壊間近。今まで人からこんな反応をされた事が無く……

 

優希「あああああの僕お風呂入ってきます。食べてて……さい」

 

 僕、逃亡。まさかあんなに喜ばれるなんて……。買って来てよかったです。

 

 

--オタク入浴中--

 

 

 温泉から出ると、みんな笑顔で「美味しかった」と言ってくれた。喜んで頂いてなによりです。そしていつもより少し早いけど、

 

優希「それじゃあ、また明日からもお願いします」

 

 帰宅時間です。

 

霊夢「はいはい、ケーキご馳走様。余りは萃香にあげていいのね?」

優希「はい、なんだか可愛そうですし」

霊夢「伝えておくわ」

優希「いえ、それはいいです……」

魔理「じゃあ早いとこ帰るze☆」

優希「安全運んーーーー……☆」

アリ「ちょっと待ちなさいよーッ!」

 

 

--優希が去った博霊神社では--

 

 

萃香「ふぁ〜……、誰か来てたの?」

 

 大きな欠伸をしながら大きく伸び。たった今まで眠っていた小さな鬼が目を覚ました。

 

霊夢「いいタイミングで起きて来たわね。温泉の客よ。あと魔理沙とアリス」

萃香「ふーん、相変わらず仲がいいね」

 

 彼女はそうポツリと呟くと、頭の後ろで手を組んで、空に残る小さな影を見つめていた。と、そこへ……

 

霊夢「あのさ、萃香……。もし仲良くしてはいけない人と友達になってしまったら……、あなたならどうする?」

 

 予期せぬ質問。この質問に彼女、一歩後退。そして大量の嫌な汗を流し始ながら、

 

萃香「へ!? わわわ私!?」

 

 動揺。回答に困った彼女は、当たり障りのない言葉を慎重に選び、厳選すると――

 

萃香「ほ、本人達がいいならいいんじゃない? かな……」

 

 The・模範解答。緻密(ちみつ)に計算された答えである。

 

霊夢「本人達が良ければ……ね」

萃香「あ、あのさ霊夢。今度の花見の事なんだけど……」

霊夢「なに? どうしたのよ、顔を赤くして」

萃香「えっと、その……てもいいかな?」

霊夢「は?あ、そう言えばケーキあるけど食べる?」

萃香「ケーキ!? 食べる~」

 




もちろん、電子部品のお店にも行きました。
小学生くらいの子が部品を選んでいて、
びっくりしました。

こんな時代になるなんて、
昔の偉い技術者も驚きでしょうね。

次回:「プレゼント」
いつもお世話になっているあの人へ。

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