東方迷子伝   作:GA王

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4時間目 遠足(出発)  ※挿絵回

 明日はいよいよ寺子屋の一大イベントの日。

 

??「明日は楽しみにしていた遠足ですね」

 

 生徒達の表情も明るく、早くも興奮している方もちらほら。

 

チル「アタイずっと楽しみにしてたんだ」

大妖「ワクワクするね」

ミス「明日晴れるといいね〜♪」

 

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 遠足では皆一緒に行動しますが、昼食はグループ毎に食べてもらう予定で、1グループにつき6名。気心の知れた仲で集まる生徒達。そして毎度寺子屋を(にぎ)わせてくれている5名のところに加わる

 

ルー「ヒマリも楽しみかー?」

ヒマ「うん、楽しみだよ」

 

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 1名。

 

リグ「ヒマリよろしくな。そう言えば虫の知らせだと、明日は晴れるらしいよ」

大妖「リグルちゃん、虫の知らせって……」

ミス「それ悪い意味だよ〜」

チル「アタイ晴れないと嫌だよッ」

ルー「なのだー」

ヒマ「あはは……」

リグ「だって虫達がそう言ってるんだよ。それに結構当たるんだ」

??「リグルさんの言うように、明日の天気は快晴のようです。そこは心配しなくても大丈夫でしょう。そして楽しみにしているみなさんに、私からささやかなプレゼントです」

ルー「なんなのかー?」

??「遠足の醍醐味と言えば、思いで作り、お弁当、そしてオヤツです。そ・こ・で、オヤツの資金1000をみなさんに差し上げましょう」

  『ヤッター!!』

チル「大ちゃんオヤツ買えるよ!」

大妖「えっと、アレとアレとアレと……」ブツブツ

チル「大ちゃん?」

 

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リグ「聞こえてないな」

ミス「オヤツ好きなんだ〜♪」

ヒマ「ちょっと以外だなぁ」

ルー「なのだー」

??「ただし! コレは1グループずつにお渡しします。使い方は自由ですが、良く考えて全員が納得出来る様にしてください。ではどの様に使うか話し合って下さい」

 

 6人で1000、1人あたり170未満。この金額ではみんながそれぞれ好きな物を選んでいたら、到底満足のいく物は買えません。さて、生徒達はどんな結論を導き出すのか……。楽しみです。

 

男1「オレ達ジャンケンで勝った者順に、好きなのを選ぶ事にしました」

 

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 ふむ、ジャンケン。平等で実に効率的。皆が納得しているのであれば、それもアリでしょう。

 

??「いいでしょう。でも、買える金額の上限を決めてください。でないと、負け続けた人の分が無くなってしまいます。流石にそれは可哀想です。それと上限が決まったら、その理由を後でちゃんと教えて下さい」

  『はーい』

女1「私達は好きな物が似ているので、それを買ってみんなで分けます」

 

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 いつも仲良く遊んでいる者同士であれば、お互いの好みを良く知っている上、似ているとなれば選ぶのも限られるでしょう。

 

??「いいと思います。仲良く分けてくださいね」

  『はい』

 

 さてさて、最後のこのグループはどうなるか……。

 

チル「アタイ絶対かき氷がいい!」

リグ「そんなの自分で作れ!それよりも水飴の方がいい!」

ミス「私は梅のお菓子が欲し〜♪」

ルー「チョコがいいのだー」

大妖「私はアレとアレと……」ブツブツ

 

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 うーん……、普段このメンバーのまとめ役をしている大妖精さんが機能していないと、こうなってしまいますか……。

 

ヒマ「あ、あのね……」

リグ「このままじゃいつまでたっても決まらない! ここは私達のルールで決めよう! 意見を通したければ……」

  「『弾幕勝負!』なのだー!」

ヒマ「待って!」

チル「ヒマリ?」

ヒマ「私、弾幕出せないし、それにそれじゃあ……。喧嘩できめるのは良くないよ」

 

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リグ「そうだね……」

チル「ごめん……」

ミス「ヒマリちゃんごめんね~」

ルー「なのだー」

大妖「アレもいいかも……」ブツブツ

リグ「でもどうすればいいのさ?」

ヒマ「それは……」

 

 ヒマリさんのおかげで最悪のケースは間逃れましたが、具体案が見つからないといったところでしょう。そろそろ手助けが必要そうですね。

 

??「それでは一度視察にでも行ってみましょうか。実際に見ると欲しい物が変わってくるかも知れませんしね」

  『やったー!』

 

 歓喜の声と共に席を立ち玄関へ急ぐ生徒達。

 

??「ノートと筆記用具は持ってくださいね。それでは課外授業に行きましょう」

 

 

--生徒移動中--

 

 

??「それではみなさん、お菓子の値段をノートに書いてきてください」

  「『はーい!』なのかー」

 

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 駄菓子屋で自分の欲しいお菓子の値段を調べて6人の合計が1000で足りるのか、はたまた余るのか、余った場合の使い道、全ての判断を生徒達に任せましょう。

 

チル「かき氷ない……」

リグ「時期考えろよ、もう秋なんだから。それにシロップがあればチルノはいくらでも作れるだろ?」

チル「リグルは分かってないなー、ここで買うから美味しいんだよ」

ミス「梅のお菓子は安いから買って欲しいな〜」

 

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大妖「アレもいい、コレもおいしそう。あー、コッチもいいなぁ」

ヒマ「大妖精さん、そんなに買えないよ……」

ルー「チョコ、チョコ、チョコいっぱいなのだー」

 

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リグ「ヒマリは何が欲しいの?」

ヒマ「私はみんなと仲良く分けて食べたい……かな」

リグ「それは難しいと思うよ。みんな好みがバラバラだし」

ヒマ「うーん……じゃあみんなが一番欲しい物って何? 私はラムネがいいな、みんなで食べれるし」

ルー「チョコなのだー」

ミス「すもも〜♪」

リグ「ミスチー梅やめたんだ。私は水飴」

チル「かき氷……」

リグ「だから無いし無理だって」

チル「じゃあ、みぞれ玉。大ちゃんは?」

大妖「うーん、ご……」

  『ご?』

大妖「ゴマ煎餅」

  「『シブっ!』なのだー」

ヒマ「大妖精さんはゴマ煎餅、あれ?」

リグ「お金足りない?」

ルー「買えないのかー?」

ヒマ「ううん、余る。まだまだ買える」

  「『えっ!?』なのだー」

 

 そう、高価な物で無ければ一人一品は必ず買えるんです。そこからはみんなで話し合って下さいね。

 

??「それじゃあそろそろいいですか? 戻って何を買うのか決めましょう」

 

 

--生徒HR中--

 

 

??「明日は先日配ったしおりに書いてある物を、忘れずに持って来て下さい。スケジュールもその通りに行動できる様にみなさん心掛けて下さい」

  「『はーい』なのだー」

??「先程提出してもらったリストに書いてあるおかしは、私が責任を持って買っておきます」

ミス「忘れないでよ〜♪」

チル「食べないでね?」

ルー「なのだー」

??「うーん、いまいち信用されてませんね。大丈夫ですから安心して下さい。それでは、みなさんまた明日」

  「『また明日』なのだー」

 

 

--翌日--

 

 

??「全員(そろ)いましたね、それでは出発すよ」

リグ「あのさー、しおりに移動時間が10分って書いてあるんだけど、そんなに近場なの?」

??「それは着いてからのお楽しみ」

大妖「それと何で妹紅(もこう)さんまで?」

 

 白い長い髪に赤いリボン。目つきがやや鋭い彼女の名前は藤原(ふじわらの)妹紅(もこう)。私が心から信頼できる存在であり、何よりも……

 

??「常勤の体育教師なのだから一緒に行くのは当・然です」

妹紅「勝手に常勤扱いするな! 暇だからな、お前達のボディーガードだよ」

 

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ヒマ「え? ボディーガードが必要な所なんですか?」

??「ふふ、念のためです」

 

 

--数分後--

 

 

??「さあ着きましたよ。まずは挨拶をしましょう」

ルー「ここなのかー?」

  『えー……』

 

 生徒達から上がるため息交じりの愕然(がくぜん)とした声。「またか」とでも言いた気です。

 

リグ「ちょ、ちょっと待った。ここ命蓮寺だよ?」

??「そうですが?」

チル「遠足って……、はぁ……」

??「お気持ちは分かりますが、まずは挨拶です。おはようございます」

  「『おはようございまーす』なのかー」

??「\おはようございまーすなのかー/」

 

 被せ気味で大きな声で返事をしてくれたのは、ミスティアさんと親しい仲の山彦の妖怪、幽谷(かそだに)響子(きょうこ)さん。

 

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 そして……

 

??「はい、おはようございます。今日は命蓮寺一同、みなさんが遠足を楽しめる様全力でサポートします」

 

 紫のグラデーションが入った長い髪。白黒のゴスロリ風のドレス姿のこの方。命蓮寺の住職にして魔法使いの(ひじり)白蓮(びゃくれん)さん。

 

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聖 「では準備は出来ておりますので、こちらへどうぞ」

 

 聖さんの案内でお寺の敷地内へ。門を潜り左手には打ち合わせ通りの物。

 

聖 「みなさんこの円の中に入ってください。それと護衛用にうちの者を2名同行させて下さい」

??「みんなよろしくね。私もすっごく楽しみだったんだ」

 

 明るく元気にやって来たのはセーラー服を着た船幽霊。村紗(むらさ)水蜜(みなみつ)さん。

 

??「何で私が……」ブツブツ

 

 その村紗さんとは対象的に不貞腐(ふてくさ)れた表情。背中から独特な翼が左右非対称に生えた大妖怪、封獣(ほうじゅう)ぬえさん。彼女が日本古来から伝わるあの(ぬえ)だったと知った時は大変驚かされました。

 

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聖 「ぬえは代理でして、本当は(しょう)を同行させるつもりだったんですが……」

??「ご主人様が宝塔を無くされまして」

 

 聖さんに続いて事情を話してくれたのは探し物の達人、ネズミの妖怪のナズーリンさん。そして、

 

??「面目無い……」

 

 がっくりと肩を落として項垂れている方が落し物・無くし物の達人。毘沙門天の化身の寅丸(とらまる)(しょう)さん。

 

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??「またですか?」

星 「お恥ずかしながら……」

ナズ「いいか生徒共、自分の物にはちゃんと名前を書く事。それと大事に使って、使い終わったら元の場所に戻す事。間違ってもこんな大人になっちゃダメだからな」

??「言われてますよ?」

星 「何も言い返せません……」

リグ「ねー、いつまでここにいればいいのさ」

ルー「まだなのかー?」

聖 「そろそろ時間ですね」

??「そうですね。ではお願いします」

 

 生徒と引率の方々全員が円の中にいる事を確認して小さく頷くと、

 

聖 「楽しんで来て下さいね」

 

 聖さんはそれに応えてくれました。そして両手を地面に向けると何やら呟き始め……

 

リグ「何これ、どういう事!?」

ヒマ「何が起きるの?」

 

 輝き出す足元の円、光の強さは徐々に強いものに。

 

チル「大ちゃん、アタイちょっと怖い」

大妖「チルノちゃん、私も……」

ミス「ふぇ〜」

ルー「なのだー」

??「みなさん大丈夫ですから動かないで下さいね」

 

 一気に眩しく光る魔法陣、その外側で聖さん達は微笑んで見送ってくれました。では、いってきます。

 

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ピカッ!

 

 

◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

聖 「ふー、一仕事終わり」

??「おや、姐さん。もうみんな出発したの?」

聖 「あら一輪、ええ今送ったところよ」

 

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一輪「いいなぁ、私も行きたかったなぁ」

聖 「そうね、じゃあ今度みんなで行きましょうね。さて星、さっさと見つけて来ないと昼ご飯抜きにしますからね」

星 「はい……、ナズお願い」

ナズ「たまにはご自身のお力だけで探してみては?」

聖 「そうね、その方が有り難みがわかるでしょう」

星 「えー、そんなぁ。助けてナズエモ〜ン」

ナズ「私はネズミの妖怪です」

 




この回は
Ep.2[人里で]との接点の話です。
そちらでチラッと生徒達が出ています。

次回:「5時間目 遠足(現地)」 
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