明日はいよいよ寺子屋の一大イベントの日。
??「明日は楽しみにしていた遠足ですね」
生徒達の表情も明るく、早くも興奮している方もちらほら。
チル「アタイずっと楽しみにしてたんだ」
大妖「ワクワクするね」
ミス「明日晴れるといいね〜♪」
遠足では皆一緒に行動しますが、昼食はグループ毎に食べてもらう予定で、1グループにつき6名。気心の知れた仲で集まる生徒達。そして毎度寺子屋を
ルー「ヒマリも楽しみかー?」
ヒマ「うん、楽しみだよ」
1名。
リグ「ヒマリよろしくな。そう言えば虫の知らせだと、明日は晴れるらしいよ」
大妖「リグルちゃん、虫の知らせって……」
ミス「それ悪い意味だよ〜」
チル「アタイ晴れないと嫌だよッ」
ルー「なのだー」
ヒマ「あはは……」
リグ「だって虫達がそう言ってるんだよ。それに結構当たるんだ」
??「リグルさんの言うように、明日の天気は快晴のようです。そこは心配しなくても大丈夫でしょう。そして楽しみにしているみなさんに、私からささやかなプレゼントです」
ルー「なんなのかー?」
??「遠足の醍醐味と言えば、思いで作り、お弁当、そしてオヤツです。そ・こ・で、オヤツの資金1000をみなさんに差し上げましょう」
『ヤッター!!』
チル「大ちゃんオヤツ買えるよ!」
大妖「えっと、アレとアレとアレと……」ブツブツ
チル「大ちゃん?」
リグ「聞こえてないな」
ミス「オヤツ好きなんだ〜♪」
ヒマ「ちょっと以外だなぁ」
ルー「なのだー」
??「ただし! コレは1グループずつにお渡しします。使い方は自由ですが、良く考えて全員が納得出来る様にしてください。ではどの様に使うか話し合って下さい」
6人で1000、1人あたり170未満。この金額ではみんながそれぞれ好きな物を選んでいたら、到底満足のいく物は買えません。さて、生徒達はどんな結論を導き出すのか……。楽しみです。
男1「オレ達ジャンケンで勝った者順に、好きなのを選ぶ事にしました」
ふむ、ジャンケン。平等で実に効率的。皆が納得しているのであれば、それもアリでしょう。
??「いいでしょう。でも、買える金額の上限を決めてください。でないと、負け続けた人の分が無くなってしまいます。流石にそれは可哀想です。それと上限が決まったら、その理由を後でちゃんと教えて下さい」
『はーい』
女1「私達は好きな物が似ているので、それを買ってみんなで分けます」
いつも仲良く遊んでいる者同士であれば、お互いの好みを良く知っている上、似ているとなれば選ぶのも限られるでしょう。
??「いいと思います。仲良く分けてくださいね」
『はい』
さてさて、最後のこのグループはどうなるか……。
チル「アタイ絶対かき氷がいい!」
リグ「そんなの自分で作れ!それよりも水飴の方がいい!」
ミス「私は梅のお菓子が欲し〜♪」
ルー「チョコがいいのだー」
大妖「私はアレとアレと……」ブツブツ
うーん……、普段このメンバーのまとめ役をしている大妖精さんが機能していないと、こうなってしまいますか……。
ヒマ「あ、あのね……」
リグ「このままじゃいつまでたっても決まらない! ここは私達のルールで決めよう! 意見を通したければ……」
「『弾幕勝負!』なのだー!」
ヒマ「待って!」
チル「ヒマリ?」
ヒマ「私、弾幕出せないし、それにそれじゃあ……。喧嘩できめるのは良くないよ」
リグ「そうだね……」
チル「ごめん……」
ミス「ヒマリちゃんごめんね~」
ルー「なのだー」
大妖「アレもいいかも……」ブツブツ
リグ「でもどうすればいいのさ?」
ヒマ「それは……」
ヒマリさんのおかげで最悪のケースは間逃れましたが、具体案が見つからないといったところでしょう。そろそろ手助けが必要そうですね。
??「それでは一度視察にでも行ってみましょうか。実際に見ると欲しい物が変わってくるかも知れませんしね」
『やったー!』
歓喜の声と共に席を立ち玄関へ急ぐ生徒達。
??「ノートと筆記用具は持ってくださいね。それでは課外授業に行きましょう」
--生徒移動中--
??「それではみなさん、お菓子の値段をノートに書いてきてください」
「『はーい!』なのかー」
駄菓子屋で自分の欲しいお菓子の値段を調べて6人の合計が1000で足りるのか、はたまた余るのか、余った場合の使い道、全ての判断を生徒達に任せましょう。
チル「かき氷ない……」
リグ「時期考えろよ、もう秋なんだから。それにシロップがあればチルノはいくらでも作れるだろ?」
チル「リグルは分かってないなー、ここで買うから美味しいんだよ」
ミス「梅のお菓子は安いから買って欲しいな〜」
大妖「アレもいい、コレもおいしそう。あー、コッチもいいなぁ」
ヒマ「大妖精さん、そんなに買えないよ……」
ルー「チョコ、チョコ、チョコいっぱいなのだー」
リグ「ヒマリは何が欲しいの?」
ヒマ「私はみんなと仲良く分けて食べたい……かな」
リグ「それは難しいと思うよ。みんな好みがバラバラだし」
ヒマ「うーん……じゃあみんなが一番欲しい物って何? 私はラムネがいいな、みんなで食べれるし」
ルー「チョコなのだー」
ミス「すもも〜♪」
リグ「ミスチー梅やめたんだ。私は水飴」
チル「かき氷……」
リグ「だから無いし無理だって」
チル「じゃあ、みぞれ玉。大ちゃんは?」
大妖「うーん、ご……」
『ご?』
大妖「ゴマ煎餅」
「『シブっ!』なのだー」
ヒマ「大妖精さんはゴマ煎餅、あれ?」
リグ「お金足りない?」
ルー「買えないのかー?」
ヒマ「ううん、余る。まだまだ買える」
「『えっ!?』なのだー」
そう、高価な物で無ければ一人一品は必ず買えるんです。そこからはみんなで話し合って下さいね。
??「それじゃあそろそろいいですか? 戻って何を買うのか決めましょう」
--生徒HR中--
??「明日は先日配ったしおりに書いてある物を、忘れずに持って来て下さい。スケジュールもその通りに行動できる様にみなさん心掛けて下さい」
「『はーい』なのだー」
??「先程提出してもらったリストに書いてあるおかしは、私が責任を持って買っておきます」
ミス「忘れないでよ〜♪」
チル「食べないでね?」
ルー「なのだー」
??「うーん、いまいち信用されてませんね。大丈夫ですから安心して下さい。それでは、みなさんまた明日」
「『また明日』なのだー」
--翌日--
??「全員
リグ「あのさー、しおりに移動時間が10分って書いてあるんだけど、そんなに近場なの?」
??「それは着いてからのお楽しみ」
大妖「それと何で
白い長い髪に赤いリボン。目つきがやや鋭い彼女の名前は
??「常勤の体育教師なのだから一緒に行くのは当・然です」
妹紅「勝手に常勤扱いするな! 暇だからな、お前達のボディーガードだよ」
ヒマ「え? ボディーガードが必要な所なんですか?」
??「ふふ、念のためです」
--数分後--
??「さあ着きましたよ。まずは挨拶をしましょう」
ルー「ここなのかー?」
『えー……』
生徒達から上がるため息交じりの
リグ「ちょ、ちょっと待った。ここ命蓮寺だよ?」
??「そうですが?」
チル「遠足って……、はぁ……」
??「お気持ちは分かりますが、まずは挨拶です。おはようございます」
「『おはようございまーす』なのかー」
??「\おはようございまーすなのかー/」
被せ気味で大きな声で返事をしてくれたのは、ミスティアさんと親しい仲の山彦の妖怪、
そして……
??「はい、おはようございます。今日は命蓮寺一同、みなさんが遠足を楽しめる様全力でサポートします」
紫のグラデーションが入った長い髪。白黒のゴスロリ風のドレス姿のこの方。命蓮寺の住職にして魔法使いの
聖 「では準備は出来ておりますので、こちらへどうぞ」
聖さんの案内でお寺の敷地内へ。門を潜り左手には打ち合わせ通りの物。
聖 「みなさんこの円の中に入ってください。それと護衛用にうちの者を2名同行させて下さい」
??「みんなよろしくね。私もすっごく楽しみだったんだ」
明るく元気にやって来たのはセーラー服を着た船幽霊。
??「何で私が……」ブツブツ
その村紗さんとは対象的に
聖 「ぬえは代理でして、本当は
??「ご主人様が宝塔を無くされまして」
聖さんに続いて事情を話してくれたのは探し物の達人、ネズミの妖怪のナズーリンさん。そして、
??「面目無い……」
がっくりと肩を落として項垂れている方が落し物・無くし物の達人。毘沙門天の化身の
??「またですか?」
星 「お恥ずかしながら……」
ナズ「いいか生徒共、自分の物にはちゃんと名前を書く事。それと大事に使って、使い終わったら元の場所に戻す事。間違ってもこんな大人になっちゃダメだからな」
??「言われてますよ?」
星 「何も言い返せません……」
リグ「ねー、いつまでここにいればいいのさ」
ルー「まだなのかー?」
聖 「そろそろ時間ですね」
??「そうですね。ではお願いします」
生徒と引率の方々全員が円の中にいる事を確認して小さく頷くと、
聖 「楽しんで来て下さいね」
聖さんはそれに応えてくれました。そして両手を地面に向けると何やら呟き始め……
リグ「何これ、どういう事!?」
ヒマ「何が起きるの?」
輝き出す足元の円、光の強さは徐々に強いものに。
チル「大ちゃん、アタイちょっと怖い」
大妖「チルノちゃん、私も……」
ミス「ふぇ〜」
ルー「なのだー」
??「みなさん大丈夫ですから動かないで下さいね」
一気に眩しく光る魔法陣、その外側で聖さん達は微笑んで見送ってくれました。では、いってきます。
ピカッ!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
聖 「ふー、一仕事終わり」
??「おや、姐さん。もうみんな出発したの?」
聖 「あら一輪、ええ今送ったところよ」
一輪「いいなぁ、私も行きたかったなぁ」
聖 「そうね、じゃあ今度みんなで行きましょうね。さて星、さっさと見つけて来ないと昼ご飯抜きにしますからね」
星 「はい……、ナズお願い」
ナズ「たまにはご自身のお力だけで探してみては?」
聖 「そうね、その方が有り難みがわかるでしょう」
星 「えー、そんなぁ。助けてナズエモ〜ン」
ナズ「私はネズミの妖怪です」
この回は
Ep.2[人里で]との接点の話です。
そちらでチラッと生徒達が出ています。
次回:「5時間目 遠足(現地)」