東方迷子伝   作:GA王

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※※※【注意】※※※※※※※※※※※※※
この回はEp3のネタバレ要素を含みます。
まだEp3をここまで読んでいない方は、
【1時間目 国語】から読んで頂くことを
お勧めします。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

↑とか言いながら
Ep.3 教師 の最終話です。

これからも【東方迷子伝】を
どうぞよろしくお願いします。








最後で登場人物が多数なので、
「」の前に2文字のキャラ名入れます。
(例:チルノ⇒チル、ルーミア⇒ルー)

本当は最初からこの形を取りたかったのですが…。
それをしないで各キャラに個性を持たせる。
本当に大変でした。



11時間目 花見へ

先生「それでは給食を食べ終わった方から

   食器を洗って昼休みにして下さい」

 

肌に触れる風が、

冷たさから涼しさへと変わってきた

今日この頃。

ここ寺子屋の桜もすっかり花開き、

見頃を迎える。

生徒達も休み時間に外で遊ぶ事が増え、

とても嬉しそう。

 

ただ一人を除いて…。

 

チル「あー…、終わっちゃったぁ。

   アタイの大好きな

   冬が終わっちゃったぁ…」

 

ガッカリして机にひれ伏している

チルノさん。

 

大妖「チルノちゃん、元気出して。

   それに明日お花見だよ。

   きっと楽しいよ。ね?」

 

そしてそのチルノさんを励ます親友の

大妖精さん。

初めて2人に会ったときもとても仲が良く

いつも一緒にいました。

 

ミス「私もお花見楽しみ〜♪

   鰻とお酒持って行こ〜♪」

 

歌が本当に大好きなミスティアさん。

夜に屋台を経営していると聞いたときは

とても驚きました。

料理は美味しいですし、

素敵なBGMも披露してくれて、

私の憩いの場になっています。

 

リグ「荷物持って行くなら手伝うよ。

   神社行く前にミスチーの屋台に

   みんなで行くよ」

 

いつも『仲良し5人組』を

引っ張っていってくれるリグルさん。

出会ったときはトラブルメーカーだと

思っていましたが、

何だかんだで他人の事を気遣い、

獣に襲われた時は先頭を切って

立ち向かってくれたと聞いています。

 

ルー「なのだー」

 

いつも楽しそうなルーミアさん。

あっけらかんとした明るい性格ですが、

遠足の時に見たあの姿。そして優しさ。

本当に驚かされました。

 

ここで先生をする事になってから、

早5年ですか…。

生徒達の意外な一面も見れましたし、

よくここまで成長してくれたと、

感謝もしています。

みんな私の自慢です。

 

そして、どうやら明日は博麗神社で

毎年恒例のお花見の様ですね。

これまで一度も行った事はありませんが、

慧音先生と妹紅さんの話だと、

大勢が集まって大宴会となるそうですね。

 

リグ「あ、そうだ。

   先生も今年こそは一緒に行こうよ」

先生「え?ですがリグルさん。

   私の様な者が突然参加したら、

   皆さんに気を使わせてしまいます」

大妖「先生、大丈夫ですよ。

   来る者拒まずですし」

ミス「一緒に行こ〜よ〜♪」

ルー「ダメなのかー?」

先生「ダメって事はありませんが…」

 

 

--職員室にて--

 

 

先生「生徒達に明日の花見に誘われて

   しまったのですが、私が行っても

   大丈夫なのでしょうか?

   折角仲間内でワイワイと気兼ね無く

   楽しめる場なのに、他所者の私が

   突然お邪魔しては…」

慧音「それなら大丈夫ですよ。

   細かい事は気にしない人達ですし、

   一緒に参加しましょうよ」

妹紅「永遠亭のヤツも行くって

   張り切ってたから来ればいいだろ。

   それに人数が多過ぎるから、

   新参者が多少入ったところで、

   いつも通り過ごすだけだろうよ」

先生「なら、お言葉に甘えて今年は

   参加させて頂きますね」

慧音「はい!では当日私命蓮寺まで

   迎えに行きますので、

   一緒に行きませんか?」

先生「はい、一緒に行きましょう」

妹紅「あー、はいはい。

   見せつけやがって。

   私は永遠亭の奴等と一緒に行けば

   いいんだろ」

 

 

--生徒HR中--

 

 

先生「突然ですが皆さんに連絡事項です。

   明日の寺子屋は先生達の都合により

   お休みとさせて頂きます。

   今日の『文々。新聞』の夕刊にも

   記載して頂く事にもなっていますが

   皆さんからもご家族の方々に

   教えてあげて下さい」

 

  『はーい』

 

先生「それではまた次回。

   今日もありがとうございました」

 

「「ありがとうございました」なのかー」

 

リグ「先生!花見参加するの!?」

大妖「だから休みなんですよね?」

チル「アタイ達と一緒に行こうよ!」

ミス「先生も一緒だ〜♪」

ルー「なのだー」

先生「ええ、参加させて頂きます。ですが

   これは内緒でお願いしますね。

   そのために寺子屋に休みにしたと

   知られると後々面倒ですので。

   それと残念ですが、

   一緒には行けません。

   行く前に寄りたい所もあるので」

 

  「「はーい」なのだー」

 

 

--先生帰宅中--

 

 

響子「\お帰りなさーい!/」

 

命蓮寺に着くと必ず一番最初に

声を掛けてくれるのは、

掃き掃除をしている幽谷響子さん。

5年前に私がさ迷っていた時にも

今みたいに元気一杯に声を掛けて

くれました。

 

先生「響子さん、ただいま。

   こんな時間まで掃除していて偉い

   ですね」

響子「\お仕事ですからー!/」

 

小傘「ばあーーっ!」

 

大きな一つ目の唐傘。

毎度お馴染みの脅かし方。

 

先生「おや、小傘さん。

   今日もいらしてたんですね」

小傘「むー、いつも驚いてくれないよね」

先生「すみません。

   元々あまり驚かない体質なので」

 

5年前に初めてお会いした時も

今みたいに反応が薄くて、

文句を言われました。

 

村紗「響子ー。まだ掃除してるのー?

   もうそろそろ帰っておいでって

   聖が…。

   あ、先生おかえりなさい」

先生「あ、どうも村紗さん。ただいま」

小傘「ばあーーっ!」

村紗「あー、はいはい。

   小傘も来てたのね。

   ご飯食べて行くんでしょ?」

 

命蓮寺のムードメーカー村紗さん。

いつも明るくて誰とでも直ぐに

打ち解け合う事が出来る。

命蓮寺で初めて親しくなったのも

村紗さんでした。

 

ガラッ…。

 

星 「響子お疲れー。

   お、先生もお帰りなさい。

   それに今日は小傘も一緒か」

ナズ「先生。お勤めご苦労様です」

 

扉を開けると出迎えてくれたのは、

星さんとナズーリンさん。

二人共夕食の支度をしているみたいです。

それよりも気になっている事が、

 

先生「宝塔は首から下げる事にしたんです

   ね」

ナズ「苦肉の策です」

星 「コレが意外と重くて…。

   邪魔になるので嫌だったのですが、

   ナズと聖が…」

ナズ「ご主人様、この件に関しては

   あなたに選択の余地はありません」

 

このお二人は初めてお会いした時も

宝塔を探していましたっけ?

 

 

 

 

  『頂きまーす』

 

先生「うん、一輪さん。

   今日のご飯も美味しいです」

一輪「ふふ、恐れ入ります」

 

いつも美味しい料理を作ってくれる

雲居一輪さん。

こちらで御厄介になる事になった時は、

服を用意してくれたりと色々と

お世話になりました。

 

雲山「先生殿。

   食後に一局お願いできますかな?」

 

食後に温かいお茶と共に雲山さんと一局。

今ではもう日課です。

そして…。

 

先生「聖さん。

   実は明日の博麗神社の花見に

   参加しようと思っていまして…」

聖 「え?」

先生「今日、寺子屋で誘われて

   しまいまして…」

 

  『ホントに!?』

 

聖 「毎年お誘いしていましたが、

   毎回断られていたので、

   皆で諦めていたんです。

   でも決心して頂いて嬉しいです」

 

命蓮寺の住職の聖白蓮さん。

私はあなたに救われました。

この里に来て右も左も分からない私を

温かく受け入れて頂いた上に、

衣食住を提供して下さった。

更に私が身勝手にお願いした、

寺子屋に通っている生徒で日中保護者が

家庭にいない子の受け入れまで…。

深く感謝しています。

 

先生「いつも断っていて、

   申し訳ありませんでした」

聖 「では、明日は皆で行きましょう。

   あ、人数が多くなるから

   何か料理を持って行きましょう。

   一輪、お願いできる?」

一輪「もう仕込みは済んでいます。

   それに相当量を用意してあるので、

   一人増えたくらいでは

   大差ありません」

雲山「となると留守番はワシ一人か」

村紗「先生と出掛けるのは

   遠足の時以来だなー」

星 「明日は私とナズも一緒に行きます」

ナズ「宜しくお願いします」

響子「\わーい!皆一緒だぁ!/」

小傘「えーとえーと、ばあーーっ!」

 

  『何故!?』

 

小傘「はー…、快・感」

先生「あはは…。

   皆さん宜しくお願いします。

   でも当日は既にある方と一緒に行く

   約束をしておりまして…」

 

ジトー………。

 

一輪「ある方って…」

雲山「男は不器用だからのー」

村紗「先生、それってさぁ…」

星 「一人しかいないでしょ…」

ナズ「ご主人でさえも察せる程ですよ…」

響子「\へ?/」

小傘「えーとえーと、ばあーーっ!」

 

ギロッ!

 

小傘「ごめんなさい…」

聖 「ワタシハ、ゼ・ン・ゼ・ン、

   カマイマセンヨ、

   デハゴチソウサマデシタ」

先生「え?あ、あれ?」

 

一輪「姐さんアレ相当きてるよ」ヒソヒソ

雲山「じゃが相手が悪かろう」ヒソヒソ

村紗「だってあの人、

   性格も容姿も完璧だもん」ヒソヒソ

星 「これ明日、

   修羅場にならないかな?」ヒソヒソ

ナズ「その時はご主人様。

   あなただけが頼りです」ヒソヒソ

響子「\???/」

小傘「えーとえーと、ばあーーっ!」

 

  『あ゛?』

 

小傘「ひぃ〜〜〜っ!」

 

 

--翌日--

 

 

聖 「では、私達は一足お先に博麗神社へ

   行っておりますので、

   待ち合わせしている方と

   ドウゾ、ゴユックリト、

   イラシテクダサイ」

先生「はい。ではまた後で」

 

  『はぁー…』

 

聖さんの様子が

昨日の夜から少しおかしいですね。

どうかされたんでしょうか?

 

聖さん達と別れた後、

しばらく待っていると、

慧音先生の姿が。

 

慧音「おはようございます。ですかね?

   もうすぐでお昼ですけれど」

先生「はい、おはようございます。

   他の皆さんは先に行かれています。

   行く前に手土産を用意したいので、

   少し付き合って頂けますか?」

慧音「はい、お付き合い致します」

 

私の我儘を慧音先生は眩い笑顔で答えてくれ、

2人並んでゆっくりと歩き出しました。

 

先日、ミスティアさんの屋台で見た

あなたの姿は私の心に焼き付いています。

そして近寄って見せてもらった

あなたの澄んだ瞳。

吸い寄せられる様でした。

 

先生「慧音先生。ミスティアさんの屋台で

   ご一緒した時、私はあなたに

   言いそびれていた事があります」

慧音「な、何ですか?」

先生「私を寺子屋の先生として誘って頂き

   ありがとうございました。

   素敵な生徒達、

   素晴らしい特別講師の方々に会えた

   事を私は大変感謝しています」

慧音「いえ、こちらの方こそ…」

先生「慧音先生に出会えた私は、

   この上ない幸せ者だと思います」

慧音「あ、ありがとうございます…」

 

私は本当に恵まれている。

命蓮寺の方々、寺子屋の皆。

この里に来る前の私は………。

 

 

 

この里の前………?

私はいったい何をしていた?

里の外にいた?

でも一体何処で?

 

 

 

慧音「どうかされました?」

先生「いえ、ちょっと昔の事を

   ど忘れしたみたいで。いやはや、

   歳は取りたくないですね…」

慧音「あはは…。

   まだお若いじゃないですか。

 

 

 

 

 

 

 

   ごめんなさい…」

先生「え?」

慧音「いえ、何でも…」

 

手土産用のお酒を酒屋で4升購入し、

また2人並んで今度は博麗神社へ。

 

先生「随分ゆっくりしてしまいましたね。

   すっかり遅れてしまいました」

慧音「大丈夫ですよ。もう構わずに先に

   始めていると思いますし、

   途中参加は毎年誰かいます」

先生「あ、もうそろそろですね」

 

神社の階段が見えて来ました。

長くて少し疲れますが、

あとはここを上れば目的地…。

 

慧音「待って下さい!!」

 

突然叫んだ慧音先生に驚き、

足を止めて振り返ると険しい顔で

 

慧音「この先、神社で何か起きています。

   みんなが臨戦態勢に入っています。

   相手は…………、誰?

   この感じ…初めてです」

先生「え?どういう事ですか?」

慧音「今まで感じた事ない雰囲気の…。

   妖怪?いや、でも…ちょっと違う。

   危険ですので、あなたはここで

   待っていて下さい」

先生「チルノさん、大妖精さん、

   リグルさん、ミスティアさん、

   ルーミアさんが来ているんです。

   私も行きます!」

 

ここは引けません。

生徒達も心配ですが、

もしあなたに何かあったら私は…。

 

慧音「………分かりました。

   でも私の後ろにいて下さい」

 

長い階段を駆け足で上り、

頂上に着いて目に映ったのは…

両手に複数のナイフを持った咲夜さん、

抜刀寸前の白髪の少女、

花見の参加者の皆が身構え、

その視線先には1人の若者。

皆と私とで若者を挟み込む形に。

 

慧音「萃香?萃香!大丈夫!?」

 

慧音先生の方を見ると鳥居に

凭れる様に座っている少女が。

 

 

一触即発の緊張感に包まれた中、

幻想郷の花見が今始まる。

 

Ep.3 教師【完】

 

 




Ep.3 も最後まで読んで頂き、
ありがとうござました。


Ep.3 は Ep.1 と Ep.2 とは違い、
時系列がバラバラになっています。
このあたりがかなり複雑になってしまい、
混乱を招いたかもしれません。


ですので、Ep.2とEp.3の年表みたいな図を
挿絵の方に置こうと思います。
参考にしてください。


この章は主にとっては『挑戦』でした。
【9時間目 放課後】で
「騙された」と感じて頂けたら、
主としてこれ以上ない喜びです。
※注:m9(^Д^) 的な意味でなく


そうでなく「何の事?」と
感じさせてしまっていたら、
主の力不足でした。
申し訳ありません。
そんな中、ここまでお付き合い頂いて感謝です。


次回からまた新章が始まります。
新章の更新予定日等については、
活動報告に記載致しますので、
そちらをご確認頂ければと思います。



【挿絵表示】

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