マントを羽織った怪しい五人組はマルクト帝国首都グランコグマの前にあるテオルの森を歩いていた。
『貴様らは何者だ』
「やっぱり怪しまれるか」
『俺達はとある方から依頼されてやって来ました。俺達自身あまり顔出しできないということで羽織らざる終えないのですが………』
ルークが困っているとマントの右から刺激が入る。そして右側の耳にスバルの声が聞こえてきた
「ル~、合い言葉を言わないと」
「そうだった!『trickstarと言えば通れるようにしておくと言われているのですが?』
『な!?し、失礼しました。陛下、からお通しするように言われています。他の者に案内させますのでしばらくお待ちください』
「ねえねえル~、『陛下』ってなに?」
「ピオニーのことだ。国バージョンの英知ポジションだぞ」
「えぇ!?皇帝なの?あの人」
「そんな風には見えなかったが」
そんな話をしていると案内役が近づいていて、それは俺の親友のガイだったのだ。
『お迎えが遅くなり申し訳ない。』
『こちらこそ突然の訪問でしたから』
俺達が案内されたのは宿屋ではなく宮殿だった。
『皇帝陛下がお待ちです。どうぞ中にお入りください』
「水に光が当たってキラキラだ☆」
『コホン、案内ありがとうございます』
スバルの発言を訳すかのように取り繕いながらもスバルに釘を指す
他の人たちは緊張しているのか一言も話していない
『お、やっと来たな。ほら案内人も入れ入れ』
『しかしですね陛下』
「案内人も入れって言っているのに入らないみたいだぞ」
「じゃあいれればいいんだよね?」
「明星くん、この人を道連れにするんでしょ?僕も手伝うよ」
「俺の親友なんだよ………」
未だ渋っていた北斗と真緒はそのルークの言葉に顔を見合わせ大きく頷くと彼の背に回り背中を押し始めた。
『おートリスタのやつらありがとな』
『そういうときは「ありがとう」か「サンキュー」と言ってください。これなら彼らもわかりますから』
『おう、お前ら「サンキュー!」
「どういしまして☆」
『お、今のは何となくわかったぞ。どういしましてだろ』
『はい』
『ちょっと陛下!俺本当にお邪魔……』
みんなで顔を見合わせて円陣を組む。ライブを行うときにいつもやる俺達のルーティーンだ。
「とりあえず自己紹介をさせてもらう。俺は氷鷹北斗という。このユニットのリーダーだ」
「ホッケ~の次は俺だね?俺は明星スバル!明けの明星の“明星”で“あけほし”、スバルは片仮名。覚えやすいだろ~☆」
「僕は遊木真。ちょっとドジだけど一生懸命頑張るよ!よろしくね~」
「俺は衣更真緒。みんなには魔法使いって言われてるけど、俺はちょっと器用なだけだからな」
「この4人でtrickstarだよ☆そして今回は俺の弟も一緒だぞ!」
「俺は明星ルーク!ユニットはabyssって言います。『トリスタ』と『abyss』のT&A<ティーエー>として活動してるぞ」
『陛下これは……?』
意識がピオニー陛下に向いているガイに対して、ルークが飛び付く。
『ガイ!ガイ!久しぶりだな。約束は守ってやれないけど会えて嬉しい!』
『ルーク?ルークなのか?本当に?』
「感動の再開。ほほえましい限りだ」
するとピオニーが俺たちになにかを手渡してきた。
「あーあー聞こえるか?」
「き、きこえる!なんで?」
「これは言語変換器でな。面白そうだからつくらせていたんだが、役に立ったな!」
「ではもう一度名前だけでも紹介させてほしい。氷鷹北斗だ。隣から明星スバル、遊木真、衣更真緒だ。そして明星ルーク……ルークについては知っているでいいんだな?」
「あぁ、この世界の英雄だ」
その言葉はひどく重く、みんな驚いた。スバルだけは苦々しい顔をしていたが………
「俺達は世界のために死ねとそういった。あいつは大事な人を守れるならと了承したんだ。だから俺は帰ってくるなんて思っていなかった。もし帰ってきたならどんな願いでも叶えてやろうと……そうおもっている」
「馬鹿だなぁ……ル~は優しいもん。そんな辛い顔してたら気を使っちゃうよ。ほらほら笑顔~☆」
スバル自身ルークがこの世界のやつらに殺されたときいて悲しかったが、それよりも楽しそうに昔を話すルークに後悔はないのだと思っていた。ルークが望んでいるのは人々の笑顔だ。
それから音機関好きのガイと共に調整をして無事に楽曲を作り上げた。ジェイドに会うかと思われたが、うまく時間をずらしたお陰で(皇帝と使用人らしき人が時間の管理をした。さながらプロデューサーである)会うこともなく、この世界の初陣は平和記念式典の時間になった。
「平和記念式典とはルークがローレライを解放した日に行われるんだ」
「え?あの日なのか?」
「いろいろなところで催しをするんだぞ。今年はマルクト側で一番大きいものを行うけど、去年はダアト、来年はキムラスカ……って知らなくてもいいか」
スバルたちはレッスンをこなしながら話をしている
「いつもは学園が行うイベントしかやってこなかったから楽しみだね」
「明星くんは元気だね」
「そういうのを能天気というんだ」
「もうこういう面倒事はいらないよ………」
「絶対成功させるぞ!」
「「「「おー!」」」」
そしてジェイド(皇帝の幼馴染)はというと…
『陛下!このお楽しみコーナーというのはなんですか。半刻程とってありますが……』
『見てのお楽しみだぞ。盛り上がること間違い無しだ、その方面はプロだからなあいつらは』
『?漆黒の翼がパフォーマンスですか?』
『それならジェイドが情報をつかんで……』
『陛下、探しましたよ。星(トリスタ)を見に行くんでしょう?』
『おぉ、そうだった!ジェイドまたあとでな』
『書類はやってありますし引き留める理由がないのが残念です』
本番まであと………