ストライクウィッチーズ 鷹の目を持つ少年   作:何処でも行方不明

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プロレタリアート革命準備評議会さん
評価ありがとうございます!
凍結は多分しませんよ。
どこまでするかは決まってませんけど





…………オイ


第7話 バルクホルンと宮藤

「………」

 

時に人は夢を見る。

夢と言うのは脳が睡眠状態ではない時に見るイメージの断片だとかどこかで見た気がしなくも無い。

それはそれとして。

予知夢というものもある。

昔なら「あるわけない」と一蹴していたものだが……

俺の場合は予知夢しか見れない。

というのも、睡眠中はどうやら集中状態と同じような状態となるらしく脊髄反射のような感じで未来視が発動。

それにより脳には未来の映像が刷り込まれる。

ちなみに今回の予知夢は……

 

カールスラント上空。

俺は顔見知りのトゥルーデ、フラウ(ハルトマンの愛称)、そしてミーナと一体のネウロイと戦闘をしていた。

背景は炎上するカールスラント。

俺はコアを露出させた未来を見ることでコアの位置を割り出しラインメタルの引鉄を弾く。

何発かネウロイの装甲にあたりコアが露出される。

そこで運悪くマガジンが尽きてしまい引鉄が軽くなった。

 

『弾がきれました!』

 

『うぁぁぁぁ!!』

 

その時、後退した俺と入れ替わるようにトゥルーデが咆哮しネウロイのコアを撃ち抜いた。

そして、俺はまた未来を見る。それは……

 

1人の少女が瓦解したネウロイの破片によって昏倒する瞬間だった。

 

「……嫌な目覚めだ」

 

久々に見た夢は何とも嫌なものだった。

 

※※※

 

「今日は…扶桑料理か」

 

前の世界での故郷にあたる国の名前が変わっていたりしたのでなまじ前の世界で培ったものを持っているので苦労したが国名はとりあえず間違えないようにはなった。

 

「あ、おはようございますディートリヒさん!」

 

「おはよう、宮藤。これは味噌汁か?」

 

「物知りですね。はい、味噌汁です」

 

「そうか、確か。味噌汁を食事の初めに飲むと血糖値が上がりにくくなったり、そもそもの栄養価が高かったりするので寿命が伸びるそうだな」

 

「へぇ〜…初耳です」

 

「健康は気をつけておくに越したことはないからな」

 

俺はそういいながら朝食を取り自分の席についた。

 

「ふむ、先程自分で言ったくせに実践しないのもあれだな。いただきます」

 

そう言って味噌汁に口をつける。

久々に口にする故郷の味は心に何かを満たすような感じで温かみを感じれた。

 

「おはようディートリヒ」

 

俺の隣の席を挟んで向こう側の席に座るのはトゥルーデ。階級では俺が1つ下になるが仲は良好だ。

 

「ああ、おはようトゥルーデ」

 

ちなみに俺は食事にかかる時間が長かったりする。

これは前の時もそうだったのだが、軍属になり早く食べ終えるように強制された。

だが、未来視で安全だと判断した場合はゆっくり食べるようにしている。

まあ、それを知っているメンバーは朝一番に俺の食事のスピードを見て朝の様子を伺うらしいが。

 

「…ん、ミーナおはよう」

 

「あら、今日はゆっくり食べるのね。おはようディー」

 

少ししてからゾロゾロと501のメンバーが食堂に集まってきた。

ミーナは俺の隣の席、フラウは空いている方のトゥルーデの隣に座った。

 

「どうしたのトゥルーデ?浮かない顔して」

 

「食欲もなさそう」

 

「食事はキチンととるトゥルーデにしては珍しいな」

 

俺たちのその言葉に対しトゥルーデは「そんなことはない」と言ってスプーンを動かした。

しかし、1口するとキッチンの方…詳しくは宮藤の方を向いた。

 

「…ん?」

 

「どうしたの?」

 

視線を感じたのか振り返る宮藤。

 

「今誰かに見られていたような…」

 

「誰か?」

 

「いや、気のせいだよね」

 

宮藤、多分それ気のせいじゃない。トゥルーデがさっきまで見ていたぞ。まあ、宮藤は振り返る頃には目線は戻していたが。

 

「おかわりー!」

 

「あ、はーい!」

 

ルッキーニがお代わりを要求した。

宮藤はその要望に応えるため食卓の方へ来るが…

 

「あの…お口に合いませんでした?」

 

宮藤がトゥルーデの手付かずの食事に気がついたのだ。

トゥルーデは無言のまま食事を片付けて席を立った。

 

「(いつものトゥルーデじゃないな…宮藤に何か思うところでもあるのか?)」

 

俺は納豆を頭の中で(こんな味だったな)と思いながら食べつつそんなことを考えていた。

宮藤もトゥルーデの方に意識を向けていたがルッキーニが再びお代わりを要求したのでそっちに意識が向いていた。

 

「バルクホルン大尉じゃなくてもこんな腐った豆なんてーーとても食べられたものじゃありませんわ」

 

「残念ながら納豆は腐ったではなく発酵だ。

納豆が腐った豆というのならヨーグルトは腐った牛乳ということになるし、パンは腐った小麦粉を焼いたものになるぞ」

 

納豆に文句をいうペリーヌ。俺は本で読んで得た無駄知識を元にそんなことを言っていた。

 

「ほんとによく知ってますね……あと、納豆は体にいいし、坂本さんも好きだって……」

 

その言葉はペリーヌの何に触れたのかペリーヌは過剰に反応していた。

まあ、壮大な自爆劇をしていたと記しておこう。

 

「ご馳走様。美味しかった」

 

「あ、はい。お粗末様です」

 

俺はそんな光景を尻目にトレーと食器を片付けに行く。

このあとは飛行訓練になっているがトゥルーデの様子がやけに変……というか、宮藤が着任してから変だ。

1度見た方がいいかもしれないな。

 

※※※

 

「というわけでトゥルーデの飛行を見ておきたいんだが」

 

「許可します。まあ、ディーなら飛行しながらでも私たちのメンタルチェックとかするから問題ないとは思うけど」

 

「何かあって飛行に集中できなきゃ訓練に意味ないから申請したんだが…。それに俺がそういうのをする時は戦闘前と戦闘後しかしない」

 

「わかってるわよ」

 

「ならいいが……」

 

ここでおかしいと気がつく奴もいると思う。

千里眼には読心はあっても体調の変化などは読み取れないからな。

俺は何故か千里眼には関係ない夜目や敵の動きをある程度予測するなどの芸当もできてしまう……

おかしくないか?転生特典とやらは千里眼だけだと思っていたのだがどうやら違うらしい。

 

「それじゃ早速見るとするか」

 

「私も行くわ。私の目から見ても今のトゥルーデは変だもの」

 

というわけで二人仲良くフラウと飛行訓練中のトゥルーデを観察している。

 

「……乗れてないな」

 

「やはりディートリヒもわかるか」

 

後から現れたのは坂本(面倒だから呼び捨てにさしてもらっている)。やはり気づいていたみたいだ。

 

「そりゃあな、俺の唯一誇れる点は良すぎる目だからな」

 

「……本気で言ってるのか?」

 

「本気だとも」

 

「…今はそういうことにしておいておくか」

 

「で、どうする?」

 

「一度シフトから外した方がいいと思うのだが……ディートリヒはどう思う?」

 

俺は少し考えてみる。

面倒ごとは勘弁だからトゥルーデには早く元に戻って貰いたいものだが……

 

「そう言えばトゥルーデがおかしくなったのは宮藤が着任してからだな…」

 

「確かにそうね…」

 

「宮藤が……なら、組ませてみるか」

 

※※※

 

ということがあり……その後は訓練をしたりした。

まあ、俺はひたすらに狙撃の訓練だけどな。

飛行訓練は間に合って……はいないが、まあ同期の男性ウィッチよりは飛ぶのは上手いと思う……思いたい。

そーいや、転生者らしきウィッチもいたな……

たしか固有魔法はタキオンとか言って…

 

べシャ!

 

「………」

 

突然モップが頭に当たってきた。

モップの柄をたどると宮藤が肩に乗っけているのが見えた。

おかしいな普通は……これにはペリーヌが当たるはずじゃ……

 

「宮藤さん!注意なさい!」

 

すると後からペリーヌの声が聞こえた。

あぁ……なるほど、俺が歩いていたからペリーヌの歩く速度が落ちていたのか……で、俺がモップの餌食に……

 

「はわわ!」

 

さて、この後のも見えている。

 

「ごめんなさい!」

 

と謝った宮藤はまたモップをぶつけるんだったな。

まあ、右に避けるけど

 

「……少し周りを見ておけ、せめて自分が持っているのがどんなのか把握しておけよ」

 

「すみません!」

 

「全く貴方は、注意力が散漫すぎですわ!」

 

ペリーヌは指摘するが宮藤は何かに気が付き別の方向……

ふむ、トゥルーデを見ていたのか。

どうやら宮藤も気になるようだな……

恐らくは好意的に接している人が多い501でやけに冷たい態度をトゥルーデがとっているからだと思われるが

さて、そろそろペリーヌがうるさいだろうから耳を塞ぐとするか

 

※※※

 

アフタヌーンティーを終え、訓練に戻る。

……だがな、宮藤。日本の作法と外国の作法は違うんだよ。

まあ、それはリーネが後で教えてくれるだろう。

今日の俺はリーネ、宮藤の教導係から外されている。

何故かと言うと、先日から夜間哨戒任務につかされているからだ。

つまり訓練と言っても自分の部屋で惰眠を貪るだけだ。

そんな行動を強制されられ、目が覚めたのは夕方の事。

食堂に来てみたところ、どうやら今日は給料日らしくミーナがお金の入った封筒を持っていた。

……そう言えば、俺は給料を鳥関連とミーナ関連以外に使ったことあったか?

確かトランクには使っていない分の給料が入っていて、そろそろトランクの下半分が埋まりそうな感じだったような……

気のせいだな。うん。

そうしておこう。

 

ミーナから給料を受け取り、懐にしまう。

……今月から消費の予定でも立てとくかな(これを考えるたのは10は超えていると思うが、これもきっと気のせいに違いない)

俺はそこでとある声が見えた。

 

要約すれば、ミーナがトゥルーデに対して給料のことで話していた。

トゥルーデは501に所属している間は衣食住が出ているので給料は手元におかずに入院している妹の治療費にあてている。

少しは手元に残した方がいいと思うが……

ここにいるのは全員、年頃の少女ばかりだからな……

……18は年頃と言っていいのか?

鋭い眼光が飛んできたような気がするからここら辺でやめておこう。

 

それはさておき、このことを考えたらひとつの事を考えついた。

もしや、トゥルーデは宮藤と自分の妹を重ねてみてるのではないだろうか?

ということだ。

人の心を見ることはできないから確定事項ではないんだがな。

 

そう言えばトゥルーデは妹のお見舞いに1度も行ってないんだったか

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