不死隊の少女   作:NiguraSu

2 / 12
何気に前回で人の膿になった主人公の父親。
ガスコイン神父と同じ臭いを感じる。

そう共感してしまった読者は1/1D6のSANチェックです。
あと、『小さなオルゴール』と『真っ赤なブローチ』を贈呈します。


出会う監視者たち

大きな衝撃から少し経ち、人の悲鳴も少しずつ減ってきた。

目の前の彼も、衝撃のときを境に口数が少なくなった。

 

そして…

 

ギイィ

 

この建物の扉が開けられた。

普段は看守か、物好きしか来ないのだが…

 

コツ…コツ…コツ…

 

靴の音が近づくにつれて、その姿が見えてきた。

 

その人物は、恐らくは騎士と表現できる。

しかし、その鎧には甲冑が無く、あえて言うならば、騎士と狩人を無理矢理合わせたようなものだ。

革のブーツとグローブだが、特別左の腕だけは鉄の小手だ。

胴体部分の大半を占める真っ赤なマント。

そして、特徴的すぎるその兜。

まるで、とんがり帽子のような形状をしており、顔は目以外をスカーフで覆われている。

 

そして、あまりにも大きな剣。

人間が振るうには大きすぎる特大の剣。

あんな剣を受ければ、ひとたまりもないだろう。

 

私はこの人物、いや、この特徴をした集団を知っている。

 

「ファランの不死隊……」

 

深淵の兆候さえあれば、一国すら滅ぼす集団。

私には、人の膿が深淵に関係している程度しか分からないが、その不死隊がここに現れたということは、そういう事なのだろう。

 

開けられた扉の方を見ると炎がちらついてるのが分かる。

どうやら街が燃えているようだ。

特に思い入れはないが、やったのは恐らくファランの不死隊だろう。

 

コツ…コツ…コツ…

 

こっちの牢屋に近づいてきた。 

 

「ずいぶん遅かったじゃないか。それとも、トイレでも詰まってたか?」

 

…目の前の人物が、挑発している場面を目撃してしまった。

そっと目を背けたい。

しかも、不死者は排泄しないのに、何を言ってるのだろうか。

反応したのか、ファランの不死隊の隊員が彼に向かい

 

「なんですか、もう亡者化してしまいましたか。惜しい……かは微妙ですが、残念です。」

 

「あ?おい”フィーア”、亡者は無いだろ。」

 

どうやら目の前の二人は知り合いらしい。

仲は悪そうだが。

そして、目の前のファランの不死隊の隊員は、フィーアという名前らしい。

声の高さからして、女性だろう。

 

すると、また別の、それも男性の声が何処からともなく聞こえた。

 

「亡者か。ならば始末せねばならないな。」

 

「ん?隊長も来てるのか?というか、何処だ?」

 

「ここだ。」

 

その瞬間、私の目の前の壁が壊れた。

正確には、軽口不死者の背にしていた壁だ。

そして、そこから剣が生えた。

見事に軽口不死者を背中から貫いている。

また、フィーアという女性の剣と同じらしく、巨大な剣なためか、鎖骨から胸部の下の方まで深々と刺さっている。

 

「グフッ、おい、洒落になってねーぞ。」

 

「五月蝿い。お前が連絡を送らないのが悪い。」

 

「……剣草、送ってなかったけ?」

 

「お前の心に聞いてみろ。そうすれば、よく分かるはずだ」

 

「………分かった分かった。俺が悪かった。だからその剣を抜いてくれ、そして傷を塞いでく………ださい。」

 

あ、フィーアに睨まれて、言い方を正した。

 

グシャァ

 

軽口不死者から特大剣が引き抜かれ、盛大に血が溢れる。

目の前のフィーアがため息をつきながらも、腰の麻袋から布…、いや恐らくタリスマンを出した。

そして、片膝をつき祈るような形をとる。

すると、彼女を中心に淡い光が溢れる。

軽口不死者の大きな傷口が塞がる。

 

「…ん、ありがと。」

 

「そう思うなら、行動で示してください。で、使えそうなのは何人ですか?貴方が剣草を送らなかったせいで、まだ城塞で試験の準備も終わってませんのに。」

 

「げ、そこまで響いてたのか……。ああ、分かってるから呪術の火を出すのは止めてくれ。代わりに試験の方は俺でやるからよ。」

 

隊長と呼ばれていた人物が、特大剣を地面に刺し、代わりに空いた右手から朱色の炎が見える。

魔法の類いのようだ。

軽口不死者は、呪術と言っていたが。

 

「言質はとった。試験役は頼むぞ、一応お前も上位陣の一角なのだからな。で、肝心の新人予定者は?」

 

「2人……いや、3人だ。ただ、1人は望み薄だ。」

 

なんの事か分からないが、思わず自分を指差してみる。

 

「2人のうち1人はお前だ。で、望み薄のやつだが、ここの地下にいる。隊長は付いてきてくれ、フィーアは、そこの奴を頼む。」

 

「了解した。」「分かった。」

 

隊長と、軽口不死者が奥の暗闇に消えて見えなくなっていく。

代わりに、フィーア…さんが近づいてきた。

 

「お見苦しいものをお見せしました。申し訳ありません。私はフィーア、”薄暮の国のフィーア”です。貴方は?」

 

薄暮の国…普段なら絶対に聞かない地名だが、一応知っている。確か、遠い東の国で正統騎士の鎧が、不死街で高値で売れた記憶がある。

 

「…私は”不死街のコロナ”。少し前に不死者になった。」

 

「それは…気の毒に。亡者にならないよう、気をつけて下さい。それから…」

 

ドゴォ……パチパチパチ

 

外から大きな爆発音が聞こえた。

それに加えて、炎の音が聞こえる程に大きく燃えている。

…火薬の樽にでも引火したのかな?

 

「あら?仕掛けた火薬樽がもう引火したのかしら?早くあの2人と、他2人を集めて脱出しないといけませんね。」

 

どうやら犯人は目の前の人のようだ。

……先行きが不安しかない。

 

 




不死街の火炎壺モブ&火薬樽と、下男亡者のコンボは凶悪だった。少なくとも、初見は死んだ。そして、攻略見るまで下の篝火には気づかなかった。

火炎壺モブ「一方的ですぞw」
灰「やめろぉ!(クロスボウに切り替えつつ)」
下男亡者「追撃の壺アタック!」
灰「反撃ぃ!…あ(右手のクロスボウを見て)」

グシャァ

灰「YOU DIED」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。