不死隊の少女   作:NiguraSu

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元がダークソウルですから、戦闘はあるに決まってますよ。
比重が、対人か、対エネミーかは別れますが。
その辺は誓約次第ですかな?




脱出③

地下2階の最奥、クトアの入っていた牢屋に到着した。

ここまで火の手は来てはいないが、崩れるのも含めて時間の問題だろう。

 

「さて、隠し扉を探さねぇとな。」

 

軽口不死者が入り口付近から順に、壁を叩き始めた。

恐らく、空洞がある壁を探しているのだろう。

さて、私も眺めてそれっぽい所を目星をつけよう。

…あ、本人にも聞いてみるか。

 

「クトアちゃん。この部屋で、あそこ以外の出入り口は無い?」

 

「…クトア。」

 

ちゃん付けはダメらしい。

 

「じゃあ、私はコロナ。で、他に道はある?」

 

クトアは、スッと檻の方を指さす。

 

「これ?」

 

1番右端の檻の鉄の棒を握る。

 

フリフリ「違う。コロナお姉ちゃん。」

 

お姉ちゃんは抜いてくれないらしい。

続いて隣の、右から2番目の鉄の棒を握る。

 

コクン「そう。」

 

握っている棒を少し、回したり押したりして、弄ってみる。

 

ガシャン…ゴゴゴ

 

お?どうやら上の方に押し込めそうだ。

思いっきり上に押し込む。

すると、壁を叩いている軽口不死者の足元が動いていく。

 

「うおっ、下だったか。…落ちるとヤバそうだな。」

 

新しく空いた道は、梯子が架かっており、下の方には闇が広がっている。

独特の空洞音が聞こえる程には深い。

 

「少し失礼。」

 

フィーアさんが麻袋から七色石を取り出し、穴に投げる。

しばらくすると”ギャリン”と甲高い音が返ってくる。

 

「不死者でも、落ちるのはまずそうです。」

 

「では、大人しく梯子でいこうか。」

 

隊長は、麻袋からロープを取り出す。

少々細いような気はするが、強度は十分なようだ。

そのロープで、今まで担いでいた不死者を背負い、ロープで巻く。

 

「そういえば、その不死者は起きないの?」

 

さっきからずっと担がれ、フィーアさんの蹴りでも何も反応しない。不死者だから、死んでいるとは思わないが、亡者ではないのか?とは思ってしまう。

隊長が答えてくれた。

 

「私も迂闊だったのだが、こいつが檻を壊した時に、壊した檻がこの檻の中の不死者の頭部に当たったらしく、気絶してしまったのだ。」

 

「それはまた……不運な。」

 

「とりあえず起きるまでは担いでいるが……本当に大丈夫か少し心配ではある。」

 

確かに、フィーアさんの蹴りで吹き飛ばされても、起きていないのは、逆にすごい。

 

「おーい、遅いぞ、何やってるんだー?」

 

穴の下の方から軽口不死者の声が聞こえる。

 

「さて、行くぞ。私は最後尾だ。先に行ってくれ。」

 

私は頷き、梯子を降り始める。

その上からはクトアが降りる。

その上の、最後尾は隊長のグレイスさんが。

 

降りていくごとに徐々に暗くなってきた。

が、途中から明るくなる。

火の光だ。

下まで降りきると、先に降りていた2人が立っている。

彼ら周辺のだけの、壁の松明が燃えているという事は、彼らが松明に火を灯したのだろう。

その後クトア、グレイス隊長の順に降りてくる。

 

「薄暗いな…。松明はつけながら行こう。前はアドムとフィーアで頼む。」

 

「了解」「分かった」

 

軽口不死者とフィーアさんが先行して、暗闇の一本道を進む。途中までは石造りの壁だったが、今は人の手で掘り進めた、坑道のような簡易な造りに変わった。

 

チャプチャプ

 

地面が僅かに水で満たされている。

 

「地下に水溜まりですか…。」

 

「地底湖でも在るのかねぇ。」

 

前の2人がぼやいてる。

しばらくすると、大きな空洞に出る。

ただ、中央に何かがある。

それは、石だ。

自然な石ではない。

不均等に面がある多面体で、綺麗な石だ。

軽口不死者とフィーアさんが、松明を持ち近づく。

 

「アドム…これは……」

 

「ああ、僅かだか闇の気配、深淵の気配を感じるぞ。」

 

直後異変が起こる。

松明の火が移ったわけでもないのに、石が燃え上がった。

火が石を全て覆うと、その石に亀裂が入る。

しかし火の勢いは止まらない。

むしろ、新たな変化が加わる。

火が浮く。比喩ではない。

火が石から分離し、水面の上を漂う。

昔、東国の盗人から聞いた”火の玉”と似たような状態だ。

こんな火の塊は、ただの火ではない。

 

ボォゥ

 

私の右横を何かが掠めた。

目の前の火の塊から、小さな火の玉が放たれた。

そう、この火の塊は明確な”敵意”を持っている。

意思を持つ炎だ。

 

「火を操る奴は、さして珍しい程でもねぇが、炎自身が動くとか……フィーア、聞いたことあるか?」

 

「ないです。多様なデーモンも見てきましたが、深淵の気配がすること含めて、初めてです。」

 

「新種か……。隊長!新人たちを連れて先に脱出してくれ!あんたじゃ、分が悪い!」

 

軽口不死者の指の指す方向、動く炎の右の方向に上へ上がる階段が見える。

そして、隊長が分が悪い理由は、恐らく”呪術の火”だからだろう。

 

「分かった。近くの臨時拠点に剣草を送る。最短で4刻(1時間)で援軍が来るはずだ。耐えろ!」

 

「了解!」「了解!」

 

隊長は私とクトアの手を掴み、出口へ走る。

動く炎はそれを妨害するかのごとく、大きめの火球を放つ。

 

「やらせはしねぇよ。」

 

バァン

 

軽口不死者が、異常なスピードでこちらに移動したかと思うと、火球を特大剣で受けた。

しかし……

 

「ちっ!」

 

隊長が悪態づく。

どうやら、火の粉が不死者を縛っていたロープを焼いたようだ。結果、気絶している不死者は落ち、この場に取り残された。それに合わせ、軽口不死者が返す。

 

「こいつの面倒もこっちで持つ!だから、早めに援軍を頼むぞ!」

 

気絶している不死者は、あっちが守るそうだ。

逃げながら横目に、2人を見ると、流石はファランの不死隊か、動く炎を牽制し遅滞戦闘につとめてる。

素人目だからはっきりは言えないが、恐らく簡単に守りが破られる事はないだろう。

 

階段を駆け上がり、着いた先は不死街の入り口だった。

 




ダークソウルで非実体の敵っていましたっけ?
非実体でとっさに思い出したのは、人間性や霊体でした。

ダクソプレイヤーなら、今回の敵の倒しやすいギミックに直ぐに気付きそうで怖いです。

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